急いては事を仕損じる! リード育成は「シナリオ」を考えてじっくり取り組む
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育成施策を
「シナリオ」にまとめる
「5W1H1G」をひとつのセットに
Chapter 3 育成と判定 「買う気」を引き出す仕掛けの数々
リード育成プロセスで「どのリードを、どのような状況に変えるか」という狙いを持って取り組む施策を「シナリオ」としてまとめましょう。シナリオの書き方、扱い方を解説します。
施策の狙いを明文化する
リード育成プロセスの施策は、「シナリオ」として考えます。ここでいうシナリオとは、誰を対象とするか、どのような状況を目的とするかなどを定めた施策の単位のことです。
シナリオは、以下の表にある「5W1H1G」で考えます〔図表52-1〕。「5W1H」は施策や事象を整理するために必要な項目としてよく知られていますが、そこに「G」(ゴール)の設定を加えた形です。企業によっては、シナリオを「プログラム」と呼ぶこともあります。
「誰に、どのような目的で接するか?」が重要
シナリオの「5W1H1G」の中でも重要なのは、「Who」(対象)と「Why」(目的)を明確に持つことです。「Who」は、ターゲットの業種や職種のことで、役職者や決裁権者だけに限定する場合もあります。セミナーなどのイベントでは人数も設定します。
「Why」は、「このようにしたい」という狙いを文章化します。ゆるやかな「関係の維持」もあれば、「案件化」を目的とする場合もあるでしょう。そして、「Why」を具体的な数値として設定するのが「Goal」(数値目標)です。
以下の表のように、シナリオにおける「Why」と「Goal」は対応しています〔図表52-2〕。例えば「関係の維持」狙いのメールマガジンなら、読んでもらえればOKであるため、開封率などを数値目標とします。しかし「状況の聞き取り」狙いなら、メールマガジンから誘導するアンケートの回答数や回答率を設定します。近い案件化を目指す場合には、成約見込みが高い回答の獲得数を数値目標として設定する場合もあります。
オフラインの施策ではデータの取得が難しいため、計測可能な数値目標を設定しにくいことがあります。例えば、アンケートを実施して回答数を測る、セミナー後に相談会を設けて申し込み数を見るなど、数値化できる仕掛けを考えましょう。
結果を急ぐ施策ばかりでは回らない
売り上げのためには、とにかく「案件化する」を目標としたシナリオを行えばいいと考えるかもしれませんが、強引な施策にならざるを得ず、リードからは嫌がられます。獲得したばかりのリードには、もっとゆるやかな目的のシナリオから始めてください。 まず商材への理解や関心を深めてもらい、課題や不安をクリアしながら、案件化に向けて関係をつなぎます。例えば、次の図の「初期リード向けセミナー」のようなものです〔図表52-3〕。
シナリオの「What」「When」「Where」および「How」は工夫のしどころです。効果的な手段やタイミングを計ってください。次の図にある「導入現場の見学会」のように、リードの状況を詳しく聞き出す目的で、ただ尋ねるのでなく、事例を見せて具体的なイメージを持たせたり、気持ちを盛り上げたりするのも有効な手段です。
既存の施策もシナリオとして考え直そう
リードビジネスを意識する前に始めている育成施策があれば、シナリオに当てはめて、あらためて目的や数値目標を考え直してみてください。例えば、定期的に配信するメールマガジンが直接案件化につながることはまれですが、関係を維持する役に立っていれば、十分に意味がある施策だと考えられます〔図表52-4〕。
もしも、漠然と続けていてシナリオとしての目的や数値目標が見いだせない施策があった場合は、中断を検討しましょう。
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Web来訪者の購買マインドを育成する、リードナーチャリングの施策と可視化
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