デジタルマーケで顧客ロイヤリティとLTVを向上させるCRM「メンバーシップマーケティング」入門
会員制度やポイントプログラム/マイレージプログラムといった顧客のロイヤリティを高めるCRM戦略の1つ「メンバーシップマーケティング」について解説します。
- [用語の定義]「メンバーシップマーケティング」とは
- [事例の紹介]広がるポイントプログラム
- [制度設計の準備]どのような事業でもプロセスは共通
- [制度設計のポイント1]中長期の視点で考える
- [制度設計のポイント2]顧客層の構造を把握する
- [制度設計のポイント3]会員のモチベーションを生み出す
- [効果測定]何をもってユーザーに喜んでもらうのか定義する
- [まとめ]長期間の取り組みが必要
価格が同じなら、ポイントが貯まるいつものお店で買おう。
ちょっと高いけど、ポイント還元分を考慮したらむしろ安いよ。
あと2000円分買えば会員グレードがアップするから、何か買うものを探そう。
会員制度やポイント制度を導入しているECサイトの利用経験者は、似たような思考や行動をしたことがあるのではないだろうか。
このような会員やポイントの仕組みは、多くの企業が集客やロイヤリティ向上のための施策として導入している。電通デジタルでは、このようなロイヤリティ醸成といった目的を含む施策を「メンバーシップマーケティング」と捉えている。
メンバーシップマーケティングの取り組みは幅広く時間も要するため、根気勝負の面が多々ある。次のような悩みを持つ担当者も多いのではないだろうか。
会員制度やポイント/マイレージのサービスをイチから立ち上げるには、何から取りかかればいいのやら……。
社内が縦割りで分業化されていて、うまくプロジェクト化できない。
ブランドごとの制度設計で、全社統一が困難。
TポイントやPonta、楽天などとの共通ポイント事業者と連携していったほうがいいのだろうか?
本稿では、会員制度やポイントプログラムの導入を検討していたり、顧客のロイヤリティ向上に腐心していたりするWeb担当者やマーケティング担当者に向け、基本的なCRMの中でもより顧客とのつながりに焦点を当てたメンバーシップマーケティングの導入活用について、電通デジタルの伊勢亜祐子氏が解説する。
本連載「電通デジタルマーケティング 鳥の目・虫の目」では、株式会社電通デジタルで活躍しているプランナーたちが、現場で実践しているデジタルマーケティングの取り組みを具体的に紹介していく。
以下は、これまで本連載で取りあげてきたテーマと今回のテーマのポジショニングマップだ。
[用語の定義]
「メンバーシップマーケティング」とは
そもそも「メンバーシップマーケティング」とはなんでしょう。あまり聞き慣れない言葉かもしれませんね。なぜならこの言葉を使い出したのは我々であり、電通デジタルの造語だからです。
電通デジタルでは、CRMのより具体的な手法として、「固有IDを付与して何らかのサービスを展開する会員制度」をメンバーシップマーケティングと定義しています。
CRMとは、「カスタマーリレーションシップマネジメント」の略で、「顧客関係管理」または「顧客関係性マネジメント」と訳されます。
ざっくりかつ理想的に言うと、事業主が個別のユーザーに対してOne to One(1対1)でコミュニケーションを図る基盤を構築したうえで、お客さまとの関係性を強化していくことを意味します。
CRMの基本はOne to Oneのコミュニケーション(を目指すこと)。
有効なOne to Oneを行うには、顧客が「どんな人か」を知ることから始まります。
顧客データを取得し、分析する、「誰が何をいつ買って、どんなモノ・コトを求めているか、どんな生活をしているか、いつ頃なにが必要か」といったお客さま自身について探るために、ID=識別子により、個客を判別するためのIDを付与する仕組みづくり、それこそが会員制度です。
メンバーシップマーケティングは、いわゆるロイヤリティプログラムの上位概念として位置付けています。
Webサイトの運営でも、再来訪を促したり、プロモーションをかけたりするために、ユーザーのメールアドレス取得やログインシステムを使った会員化の施策がありますが、それらもメンバーシップマーケティングです。
一方、会員となったお客さまに、何らかの物理的・心理的なインセンティブを提供し、ロイヤリティ(ブランドや商品に対する好意・理解・共感・「他よりコレが良い!」という気持ちの醸成)を高めることで、結果的に購買・サービス利用機会の拡大につなげる施策は、一般的にロイヤリティプログラムと呼ばれています。
- メンバーシップマーケティング
固有IDを付与して何らかのサービスを展開する会員制度。商品購入やサービスを利用する顧客に対し、会員登録を促して、会員化=固有IDを付与することで、One to Oneで顧客に応じた施策を提供するマーケティング戦略
- ロイヤリティプログラム
会員ユーザーに対して、なんらかの物理的・心理的なインセンティブを提供することで顧客ロイヤリティを向上させ、購買・サービス利用機会の拡大へつなげる施策
CRMとは(至極当然ではありますが)「お客さまに喜んでいただく仕組みづくり」です。
ちなみに、CRMという言葉を発する場合、業界や人によって、その意味する内容が異なる場合(テレマーケティングシステムを指していたり、ただ単にフォローメールを指していたり)があります。なので、行き違いが生じないためにも、筆者の場合、最初に全関係者とその事業における「CRM」が指す意味の定義を行います。
そのうえで、戦略や必要とするサービス設計を考えていきましょう。
ロイヤリティプログラムの具体的な施策としては、たとえば次のようなものがあります。
- ポイントプログラム・マイレージプログラム
- 優待サービス・優先案内・特典付与
- 抽選キャンペーン
顧客のロイヤリティを上げるための施策、それがロイヤリティプログラムです。
その範囲は、商品購入やサービス利用見込みのある人々に向けて行われる、将来の顧客化につなげるための施策や、ブランドや商品に対するロイヤリティを上げる施策のすべてだと言えます。
たとえば、メーカーのサイトで会員登録すると配信される新商品のご案内や「ポイント○倍キャンペーン」といった多様なプロモーションだけではなく、口コミ募集や新着コンテンツのご案内なども該当します。自社サービスにおいて、「何をすると会員に喜んでいただけるか」という視点で考えることがキモとなることは言うまでもありません。
また、これらのメンバーシップマーケティングやロイヤリティプログラムの取り組みは幅広く、時間も要するため、根気勝負となってきます。
一定の投資、また、営業や販促を担う部署のみならず、情報システムや法務・財務までを含めた関係部署との調整が必要となるため、実現までのハードルが高いことも事実です。
図2では、メンバーシップマーケティングやロイヤリティプログラムの取り組みにおいて、会員サービス設計から運用までに想定される多様な課題の代表例を挙げました。
初期段階で、プロジェクトやサービス展開をスムーズに進めるために、あらかじめ多岐に渡る課題を把握し、準備や対策を検討しましょう。
[事例の紹介]
さまざまな業界や企業で広がるポイントプログラムの利用
メンバーシップマーケティングの中でも代表的な施策として、ポイントプログラムがあります。
Webでの代表的な例としては、
- NTTドコモ、au、ソフトバンクといった通信キャリア大手3社
- TポイントやPonta(ポンタ)、楽天スーパーポイントなどの共通ポイント事業主
- ヨドバシカメラ、ビックカメラ、ヤマダ電機といった家電量販
- ZOZOTOWN、ソニーストア、ワタシプラス(資生堂)といったモールやメーカーサイト
- イオンやローソン、ファミマなどのチェーン
などがすぐ思い浮かぶことでしょう。もちろん街中の小さな店舗でも、ポイントカードが発行されていたりします。
また、各種クレジットカードや銀行といった金融機関でも、利用に応じたポイントの付与などがなされています。EC事業者で導入されている場合が多いことは、みなさんがご存知のとおりです。
もはや物販を行う店舗・ECでは、競合優位のために欠かせないサービスとして認識されるようになりました。
ちなみに、マイレージプログラムは、飛行機の搭乗距離を積み上げる、という航空会社から始まった施策としてJALやANAをはじめ、今では、資生堂のエリクシールクラブなどでも実施されています(ポイントとマイレージは法制度上などで異なりますが、複雑な話となりますので、ここでは割愛します)。
昨今、さまざまな企業から特に注目されているのが、TポイントやPonta、楽天、といった共通ポイント事業主との連携です。代表3社を以下にまとめています。
さらに、この3社に加えて、NTTドコモの「dポイント」の展開も影響力が増してくるでしょう。
2015年12月にサービス開始とやや後発の「dポイントクラブ」ですが、2018年5月1日にリニューアルされ、会員数は約6,500万人(2018年3月現在)を誇ります。これまでは回線契約を前提としたNTTドコモユーザー向けの限られたプラットフォームでしたが、これからは「会員」を基盤としたお客さまへの価値提供を強化していくようです。
ポイント名 | Tポイント | Pontaポイント | 楽天スーパーポイント |
---|---|---|---|
カード名 | Tカード | Pontaカード | 楽天ポイントカード |
発行主 | CCCマーケティング株式会社 | 株式会社ロイヤリティ マーケティング | 楽天株式会社 |
サービス開始 | 2003年10月 | 2010年3月 | 2002年11月 ※リアルでのサービス開始は2014年10月 |
会員数 | 6,540万人 (2017年12月末時点の名寄せ後の数字) | 8,539万人 (2018年1月末時点) | 1億1,489万人 (2016年12月末時点の楽天会員数) |
加盟店数 | 775,133店舗 (2017年12月末時点) | 約2万3,400店舗 (2014年11月1日時点 ※筆者の独自調査) | 約1万2,000店 (2014年 ※筆者の独自調査) |
提携先 |
|
|
|
なお、自社でポイント制度を立ち上げるのが良いか、共通ポイント事業主と提携するのが良いか、それぞれ良い点と懸念点があります。事業計画段階でメリットデメリットも踏まえ、自社で行う場合のあるべき姿を描きましょう。
[制度設計の準備]
どのような事業でもサービス制度設計のプロセスは共通
では、自社で会員サービスの制度を展開していくにあたり、何から手を付ければ良いのでしょうか。ここでは、制度設計のステップについて解説します。
メンバーシップマーケティングでは、集めたお客さまの情報を活用し、個別最適なアプローチでロイヤリティを上げていくことで、本来の目的である事業の発展につなげることができます。
わざわざ会員登録をしてくれたユーザーに、どのようなサービスを提供するべきか、この検討がもっとも重要です。
事業性、商品性、ユーザー像・層、何をユーザーへ提供していきたいのかによって答えは多様で、一概には言えませんが、より喜ばれ、かつ独自性もあるサービスを提供することが理想となります。
一方で、制度設計のプロセスは、いずれの事業においても同じように進めることができます。
図3~4は、サービス制度設計における、一般的なタスクとロードマップの例です。
通常、新しい制度を設計する場合でも、既存のサービスを改訂する場合でも、まずは大前提として、「何のためのサービスか」という目的を設定します。
最終的には事業成長を狙うのは当然ですが、そのために、「既存顧客を離反させずにLTVを上げる」「新規顧客を増やす」「店舗に足を運んでもらう」「ブランドを好きになってもらう」といった中で、どれが重要なのかを探る、ということです。
そのためには、顧客データや購買データ、現状のサービス利用状況など、各種データからのひも解きをして課題を洗い出し、それらの課題について目指すべき方向性に応じて優先順位を付け、現状のボトルネックや事業目標に対して実現できていないことなどを見つけ出します。
この段階を経て、事業計画やコストシミュレーションを行い、KGIやKPIも策定し、実際のサービス制度設計を具体的に着手、進行する流れとなります。
その「具体的に」が大変なのですが、筆者はこれまで、せっかく登録してくれたお客さまに個別にアプローチできるチャンスであるにもかかわらず、単なるプロモーションの一斉メールを送るだけにとどまっている例を数多く目にしてきました。
一方で、このような取り組みに十分な人と時間を費やせる企業は、ユーザーや顧客の重要性を理解し、大事にしているということであり、実際に多くのファンを獲得して事業成長につなげている事業主は、顧客と真摯に向き合っているからこそ成果を上げられる、と言えるでしょう。
[制度設計のポイント1]
プログラム設計は中長期の視点で考える
では、お客さまのロイヤリティ向上につながる魅力的な制度の作り方とはどのように行うのでしょうか。ここでは、制度設計のポイントについて説明します。
メンバーシップマーケティングの成功は、人々が「入会したい」と感じ、「ずっと会員でいると自分にとってメリットがある」と思えるような魅力を作り出せるかにかかっています。
たとえば、ANAなど航空会社のマイレージサービスであれば、上位顧客は明らかに(あるいは下位顧客には見えない部分でも)魅力的な優遇サービスを享受しており、これが上昇・継続のモチベーションとなっています。
上位を目指すための「修行」や、本質的なサービスを受けなくてもメリットを受ける「陸マイラー」がマイル獲得に奔走するのも、ユーザーから見て上位クラスの魅力が格段に高いからであり、広く世の中にステータスとして認識されていることが大きいのです。
ひるがえって、1つのブランドサイトや小売りECで、そこまでの魅力的なサービスを提供できるものなのでしょうか。答えは「イエス」です。
制度設計には、事業規模が重要で、緻密に細かくOne to Oneアプローチをしていくことが最善とは、必ずしも言い切れません。一般的には、保有ID数や現状の売上利益などに基づいて、試算シミュレーションを数パターン作ることから始めます。その中で、具体的な制度仕様の青写真を描いていきます。加えて、関連法規による規制などにも配慮することが必要です。
また、自社の顧客戦略において、そもそも会員制サービスをする必要があるのか、それで何を得たいのか考え、自社内で認識を合わせることも重要です。
通常、顧客を優待するためのサービス制度設計では、図5のように、①顧客構造を把握し、②顧客のLTV最大化のために、何を行えばよいかを検討し、③具体的に設計していきます。
実は、この点をあまり考えず、大手の共通ポイント事業者と提携してすべてを任せてしまい、本来なら自社に集まるべき顧客情報を共通ポイント事業者が取得しているため、顧客の把握に苦難する企業も少なくありません。
たとえば、2017年8月に三越伊勢丹グループにおけるTポイントサービスの利用終了が発表されました。
これまで、三越伊勢丹ホールディングスとカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)では、合弁でマーケティング事業を推進する新会社を設立。三越や伊勢丹での買い物にTポイントを付与・利用できる仕組みを2016年5月から導入するなど、当初は若年層を取り込む狙いなどがあったと聞いています。
その後、導入から1年が経過して撤退を決めた背景には、三越伊勢丹ホールディングスにはエムアイカード(エムアイポイント)という自社カードもあって利用者にメリットが伝わりづらい側面があり、思うような成果が得られないと判断されたのかもしれません。
もちろん、共通ポイント事業者と良好な関係を築ける方策もあります。時代の流れを踏まえ、いかに設計するかが成否のポイントになると言えるでしょう。
[制度設計のポイント2]
顧客層の構造を把握する
では、お客さまに、そのサービス制度を継続的に利用していただくために、何をすればよいのでしょうか。
顧客ロイヤリティを上げるために設ける顧客への優待基準として、次のような要素があります。
- 入会からの年数
- 購入金額
- 購入回数
- 蓄積マイル・ポイント数
- 来訪・ログイン回数
- 年会費や入会金の一定金額以上を支払
- 他者への影響度
顧客全体を俯瞰的に見たうえで優待基準を決めるために、現状の顧客構造を分析し、顧客をある程度の層に分類します。
図6は、とても基本的な顧客セグメントの例となります。
次に、各顧客層に応じて、上の段階へ進んでいただくために何をすれば良いのか、理想を描き、それに対する課題や解決策を考えていきます(図7)。
具体的な施策案を考えられるだけ洗い出し、実現可能性や費用対効果などから、施策の優先順位を付けていくのですが、魅力的なサービスや制度かどうか、One to Oneコミュニケーションでのアプローチに走る前に、十分に検討しきれていない例も散見されます。
課題の優先順位を付けていくと、どうしても「結果がすぐに出る改善」=「一番短期的に売上貢献できること」に着手しがちです。
しかし、ここでは全体を俯瞰して中長期の視点で考えることが肝要となります。
また昨今では、マーケティングオートメーション(MA)の導入が花盛りで、「ツールさえあればいろいろ試せる!」と施策内容そっちのけで導入したものの、結局使いこなせずにいる例も多いです(電通デジタルでは、そのような企業のMA活用サポートも数多く手がけています)。
あくまでもツールは手段であり、もっとも重要なのは「何を実現するか」「ユーザーにどのような気持ち・行動をもたらしたいのか」を考えることです。
[制度設計のポイント3]
会員の継続モチベーションを生み出す仕組みを忘れずに
制度設計における重要なポイントとして、通常、新しく会員登録するユーザーは、物理的なインセンティブを目当てに入会してくることがほとんどだという事実があります。
割引クーポンがもらえる人々は、先行セール案内などを目的に加入したり、あるいはキャンペーン応募の条件だからとりあえず登録したりします。
しかし、毎日のように通うスーパーやコンビニであれば加入し続けるメリットはあるものの、そうではないブランドサイトや小売りECなどの場合は、メンバーシップマーケティングをどのように機能させ、会員のロイヤリティを上げていくのかをよく考える必要があります。
メンバーシップマーケティングを機能させる要素、つまり会員であることを継続したいと思ってもらうための基本的な要素は6つあり、展開するサービスに応じて付加要素を取り入れます(図8)。
さらに、継続モチベーションの向上と保持には、「物理的なインセンティブから心理的なインセンティブへの転換」が重要となります。
長期的にロイヤリティの醸成を図り、企業と顧客との絆を形成するモデルを、電通デジタルでは「絆形成モデル」と定義しています(図9)。
「絆形成モデル」では、おトクさを感じられるクーポンや、何かがもらえるかも!といったキャンペーン展開(これらが「物理的インセンティブ」)などで会員化を促し、会員数を増やしつつ、会員サービスを提供するプラットフォームの中で、会員顧客が次第に「この会員でいることは自分にとって良いことがある」と感じさせる(これが「心理的インセンティブ)へ転嫁させていく構造を作ります。
継続モチベーションを、ポイントや割引などの物理的インセンティブから自己実現欲求や承認欲求などを満たすような心理的インセンティブへとスライドさせるような制度を設計し、また、制度自体を進化させていくことに、筆者も日々取り組んでいます。
[効果測定]
「何をもってユーザーに喜んでもらうのか」を自社基準で定義
もちろん、制度を立ち上げて終わりではありません。ここからが本当の始まりです。次に、施策展開後の効果測定について解説します。
ECなど、購買がともなう場合の顧客分析手法として、RFM分析を行う事業主は多いです。また、マインドを図る指標としてNPS(ネットプロモータースコア)を見ている企業も多いです。ただし、それだけを指標とすると結論が偏るおそれがあります。
重要なのは、自社なりの基準をまず決めることと、決めたら継続的に定点観測を続けていくことです。「この事業は、何をもってユーザーに喜んでいただくのか」という定義付けが必要です。
たとえば、サービスの存在意義や目的を「ユーザーが欲しい情報を高い鮮度で届けること」と規定するならば、発信している情報が有用か、既視感のある情報になっていないかを測る必要があります。
また、「楽しく買い物をしてもらうためのサービス」と規定するならば、購買につながったかは当然としても、どのくらい楽しんでもらえたか、類似競合サービスと比べて楽しめるところが多いかなどが継続指標になります。
顧客アンケートなどで四半期・半期ごとに定点観測して施策をチューニングし、顧客に寄り添ったサービス提供を行うことで、持続的な事業成長につなげていく、それこそがメンバーシップマーケティングなのです。
[まとめ]
成果が出るまで長期間の取り組みが必要だと心得る
CRM領域の中でも、メンバーシップマーケティングは長期に渡り続いていく、気合と熱意が必要なチャレンジです。
成果が出るのに時間がかかるため、社内への説得や予算確保にも奔走しなければなりません。
しかしながら、自社ならではのサービス開発は、仕組みづくりにおける一定のセオリーに則ることで失敗のリスクを激減させます。また、他業種・他社の新たなやり方を知ることで、ヒントが得られることでしょう。
顧客課題を抱えていらっしゃる皆さまの地道な努力と熱意を応援します。
ソーシャルもやってます!