Webのスマホ対応、いったいいくらかかる? 予算相場と対策まとめ
企業ホームページのスマホ対応、いったいどうすればいいのか、費用はいくらぐらいかかるのか、悩んでいないだろうか。
スマホによるインターネット利用は、爆発的な勢いで伸びている。オフィスでの利用はまだまだPCが主流だが、一般ユーザーはすでにスマホに大幅にシフトしており、スマホに対応していない企業サイト担当者はまったなしの対応を迫られている。
この11月5日にGoogleがPCよりもモバイル用サイトを検索結果のランキングで重視する「モバイルファーストインデックス」の導入を公式に発表したこともあり、企業サイトにとってモバイル対応はもはや死活問題である。
参考:モバイル ファースト インデックスに向けて(Google ウェブマスター向け公式ブログ)
だが、その「スマホ対応」、どうすればできるのか、やるとしたら予算はどれくらい必要なのか、なにから手を付ければいいかわからず焦っている担当者も多いだろう。
この記事では企業サイトの「スマホ対応」の規模別予算感と、なぜそういう費用になるのかを、具体的な数字をあげて解説していく。
また、後半では予算を3万円もかけずに、自分でプロ並みのきれいなデザインのスマホ対応サイトを作る方法についても解説する。
スマホ対応、ずばりいくらかかるの?
【スマホ対応リニューアル想定価格表】
ミニマム | 小規模 | 中規模 | 大規模 | |
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規模 |
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想定作業 |
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直接原価発生項目 | レンタルサーバー | レンタルサーバー | レンタルサーバー EC-Cubeなど商用CMS | レンタルサーバー、またはデータセンター 高機能商用CMS |
人月(100万円想定) | 0.5人月 | 1人月 | 2人月 | 4人月 |
イニシャルコスト | 50万円~ | 100万円~ | 220万円~ | 500万円 |
ランニングコスト(月額) | 5000円~ | 1万円~ | 2万円~ | 10万円~ |
まずはこの価格表を見てほしい。都内某Web制作会社の匿名K氏への取材を元にした、既存のWebサイトをスマホ対応サイトにリニューアルした際のざっくりとした想定価格だ。サイトの規模で条件を変えて4つの価格を提示してもらった。
もちろん作成するサイトの内容、制作会社の価格設定、使用するソフトウェアなどで価格は大きく上下するので、この価格はあくまで目安として受け取ってほしい。
「ミニマム」サイト 50万円~
この場合想定される作業は、全体のディレクションおよびデザイン・コーディングのみとなり、人件費以外にほとんど原価は発生しない。成果物をレンタルサーバーにアップしたところで作業終了となる。
費用はこの世界で一般的な人月計算で出してもらった。
K氏の出した見積もりは最低0.5人月(2週間)。この制作会社では1人月100万円という単価を出しているため、最低50万円~ということになる。
「小規模」サイト 100万円~
この場合想定される作業は「ミニマム」に加え、CMSの導入とCMS用デザインテンプレートの作成作業がプラスされる。見積もりは最低1人月、つまり費用的には100万円からとなっている。
「中規模」サイト 220万円~
この場合、ECに対応した商用CMSを導入することになるので、その導入作業に加え、商品DBの作成、商品写真撮影、データ入力などの作業が発生する。また、この規模になってくると事前のサイト設計、UI/UX設計などコンサルティング業務も必要になってくるだろう。
見積もりは最低2人月の人件費に、原価として商用CMSの初期費用を加え220万円からとなっている。
「大規模」サイト 500万円
この規模になると事前のコンサルティングはもちろん詳細なドキュメント作成なども必要となってくる。
また、SEOや高負荷時の対策、チームで運営する際に必要となるワークフロー作成など作業量も大幅に増えてくる。
見積もりは最低4人月の人件費に、原価としてCMSの初期費用、ハードウェアなどがプラスされミニマムでも500万円はかかってしまうだろう。
イニシャルコストに加え、当然サイト維持にはランニングコストもかかってくることも忘れてはいけない。
「ミニマム」の場合は、PCサイトとスマホサイトを別々に1セット作成して、基本作りっぱなしにする形だが、レンタルサーバー代は必要になる。
それ以上の規模になると、スマホに対応したCMSの使用料やPR費用、通常より高価になるレスポンシブデザインの追加ページやテンプレート作成費用、写真やテキストを外注した場合はその撮影費用と、PCとスマホ両方にあわせた加工コストもバカにならない。また、自前でハードウェアを持つ場合はセキュリティ対策のためのアップデート費用なども必要になってくる。
制作会社でコストの違いはあるのか
さて、今回話しを伺ったK氏の所属するWeb制作会社の製作単価は人月100万円だが、他の制作会社はどうだろうか。
数社に電話取材したところ、1人月のコストは60万~160万までバラツキはあったが、概ね1人月あたり80万~100万あたりがボリュームゾーンのようだ。
ただし、高度なレスポンシブデザインや独自プログラムなどを導入したい場合は、人月単価が高くなることもあるという。
また、ごく小規模の制作会社や個人のデザイナー、プログラマーに発注した場合はさらに安い場合もあるようだが、特に個人の場合は制作物の指示を発注者が直接行わなければならないので、担当者にも相応の知識が必要となることが多い。
首都圏以外(札幌、名古屋、福岡)の制作会社にも電話取材してみたが、どこも100万円前後であり、地方によるコスト的な格差はあまり感じられなかった。
ただし、遠距離の場合は打ち合わせ交通費など必要経費がかかることは考えられる。
ある程度の規模の会社であれば広告代理店を通してWebサイトの製作を依頼することも多いだろう。
その場合、広告代理店がWeb制作会社に発注する形になり、代理店のコストとして先に紹介した価格に20~50%上乗せされるが、Webを使ったプロモーションやキャンペーンなど「サイトをどのようにビジネスに貢献させるか」といった戦略の策定、コピーライティング、進捗管理やアフターケアといったきめ細かなサービスが期待できる。
いずれにせよ外部に発注するメリットとは、単にWebを作成するだけではなく、専門家によるディレクションを受けられるというところが大きい。
ある程度の予算があるなら、スケールに見合った制作会社や広告代理店に相談するのがやはりスムーズだろう。
だが、スマホ対応が迫られる中、そこまで予算を取れない場合、極端な話、予算が一桁万円しかない場合はどうすればいいのだろうか。
きれいなテンプレート付きでスマホ対応できて、たったの29,800円。そう、BiNDならね
ここで紹介したいのがWeb制作ソフト「BiND for WebLiFE* 9(バインド・フォー・ウェブライフ9)」(以下BiND9)だ。
BiND9を導入すれば、豊富に用意されたテンプレートを選び、WordやPowerPoint感覚で必要な情報を入力していくだけで、初心者でも数ページ程度のWebサイトならすぐに完成させることができるのだ。
BiND使用時 | |
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規模 |
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想定作業 |
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直接原価発生項目 | BiND9またはBiND Cloud |
人月(100万円想定) | ―― |
イニシャルコスト | 2万9800円 |
ランニングコスト(月額) | 1年間は無料 |
基本的な作業ならHTMLやJavaScriptといったWeb制作に関わる知識は必要ないので「Web制作ソフトなんて触ったことない」という人でも安心して使用できる。
これだけ聞くとWordPressなどオープンソースのブログツールと同じではないかとおもうかもしれない。
しかしWordPressを使用したい場合、まず「サーバーにソフトをインストールし環境を構築する」という作業が必要だ。この作業は、初心者にはかなりハードルが高い。テンプレートのカスタマイズにもHTMLやCSSの知識が必須だ。また、もともとブログツールのため、構成をかっちり決め込んだいわゆる企業サイトを作成するには、少し工夫が必要となる。
その点BiND9は、「コーポレート」「サービス」「オンラインショップ」などジャンル別に豊富に用意されたテンプレート(スタンダード版168種、プロフェッショナル版174種)が用意されているので、自社のテイストにあったデザインテンプレートを選ぶだけで、きれいなサイトを自分で作れる。
テンプレートはどれもプロのデザイナーが作り込んだデザイン性の高いものなので、「いかにもホームページ作成ソフトで作ってみました」といったサイトができ上がる心配は皆無だ。また、気に入ったデザインが標準のテンプレートになかったとしても、別売りのテンプレートが多数ラインナップされている。
また、テンプレートを元にレイアウトや配色などを独自にカスタマイズする場合も、HTMLやCSSを使わず直感的に行える。
もちろんスマホ対応もばっちりだ。PC・スマホどちらで閲覧しても表示サイズを調整し最適化してくれるレスポンシブデザインのテンプレートを選んでおけば、特に意識することなくスマホ対応サイトを作成できる。
PCとスマホで表示内容やレイアウトを変えるといった細かい仕掛けも可能だ。もちろん「PC用」「スマホ用」と個別に用意されたテンプレートを使ってそれぞれのデバイス向けにページを作成してもよい。
BiNDを使ったWeb制作の流れ
実際にBiNDを使うとどんなサイトをどんな風に作れるのか、見てみよう。
まずはテンプレートを選択。スマホ対応にしたい場合は「レスポンシブサイト」と書かれたものを選ぶ。
テンプレートを選ぶと、そのデザインで標準的なWebサイトが作られる。内容を自社のものに変更するためには「ページを編集する」をクリック。
ページはエリアごとに「ブロック」と呼ばれるパーツに分かれている。編集したいブロックを選んで「編集」をクリック。
選択したブロックの画像やテキストを自社のものに変更し「適用」をクリック。基本的にこの作業を繰り返すだけだ。
レスポンシブサイトでは自動的にスマホ用のデザインも生成されていく。スマホ表示にした場合のプレビューも見ながら編集できる。
「Dress」機能を使うと、テキストの書体や色、余白などの要素を一括編集できる。通常はCSSで行う作業だがもちろんそんな知識は必要ない。
作ったサイトのレンタルサーバーへのアップロードもかんたんだ。FTPクライアント機能が付属しているので、サーバーの設定をすれば「サイトを公開」をクリックするだけで、作った内容がアップロードされる。
進化を続けるBiND9の主な機能
BiNDは、2007年のリリースから着実にバージョンアップし、進化してきている。
ここでは、2016年秋にリリースされたBiNDの最新バージョン「BiND for WebLiFE* 9」で追加された新機能を、簡単に紹介しておこう。
1. ブログ機能もバッチリの「BiND Press」
BiNDは基本的に静的コンテンツを作成するためのツールだったのだが、BiND9で追加された「BiND Press」機能により、ブログ的な使い方も簡単になった。いわゆるブログツールのように、ブラウザ上の編集画面から記事を投稿するだけで、ページを生成・更新できるようになったのだ。
商品紹介やニュースといった記事はもちろん、記事タイトルをトップページに表示させる新着情報や、記事リストをタイル状に並べるレイアウトなど、通常のブログサービスではできない凝った仕組みも簡単に作成できる。
2. スマホにも完全対応したカート機能「BiNDカート」
「BiNDカート」を使えば、画像を貼るような簡単な操作でウェブサイトに受注・在庫管理や決済機能の付いた本格的なショッピングカートを追加することができる。もちろんモバイルにも完全に対応しているので、初期費用ほとんどなしにECサイトを開始することが可能だ。
BiND購入者は無料で利用できるフリーコース(商品登録数は5点まで)と、プレミアムコース(商品登録数1000点まで)の2つのプランが用意されている。
(注:プレミアムコースを利用するには「BiNDクラウド・プロコース以上」の契約が必要)
3. テンプレートから選ぶだけ。SSL対応フォーム機能
「Smooth Contact」は、テンプレートを選ぶだけでSSLに対応したセキュアなフォーム機能を無料で作成できる機能。テンプレートは9タイプ36種類のデザインが用意されており、作成数も無制限だ。
また、月額980円のプロコースでは、デザインのカスタマイズやアニメーション表示されるフォーム、集計結果のリアルタイムグラフ表示などが追加される。
4. ブラウザだけでコンテンツを編集できる「ブラウザ編集」
今まではBiNDのソフトウェアをインストールしたPCでしかサイトを更新できなかったが、今バージョンからは、BiNDのオンラインサービス「BiNDクラウド」と連携し、BiND9をインストールしていないPCからも、ブラウザだけでサイトを編集できるようになった。
BiNDで作ったサイトの管理画面にアクセスすると、ブラウザ上で「BiNDクラウド」を起ち上げて編集できるようになったのだ。
また、「パソコン上のサイトデータ」と「オンラインで編集したサイトデータ」を常に同期できる「BiND Box」という機能もあるので、会社でも家でも、ワークスタイルにあわせてサイト運営が可能となった。
5. フラットデザインでスマホ閲覧&SEO強化
導線として重要となるリンクボタンを、画像ではなく、最近主流となっているフラットデザインのテキストボタンで作成可能になった。この機能はSEOに役立つほか、スマホでの表示も見やすくなる。
レンタルサーバーの契約すら不要にするBiNDクラウド
もちろんBiNDの魅力は、それだけではない。従来から高評価を得ている豊富な機能も満載している。たとえば、次のようなものだ。
- 本格的な画像編集機能「SiGN Pro」
- カッコイイ動きのサイトを作れるアニメーション機能
- Instagram、Twitter、FacebookなどSNSとの連携機能
- WordPressやfacebookページの作成機能
- などなど
さらに、BiND9を購入すれば、レンタルサーバーを契約する必要もないのも魅力だ。というのも、クラウドストレージサービス「BiNDクラウド」のプロコース相当1年間利用ライセンスが付属するので、レンタルサーバーと契約しなくても、作ったサイトをインターネットに公開できるようになるのだ(ただし1年後からは月額利用料が必要)。
ちなみに、「BiNDクラウド」は、BiND9ソフトウェアを購入しなくても、「BiNDクラウド」単体での契約も可能だ。
初年度無料(2年目以降は月480円/税抜)のエントリーコースでも、機能に多少制限はあるがBiNDのほとんどの機能は利用できるので、まずは無料サインアップを行って実際に触れてみてはいかがだろうか。
【BiND9とBiNDクラウドの仕様比較表】
基本情報
BiND9〈パッケージ版〉 | BiNDクラウド プロコース | |||
---|---|---|---|---|
BiND9 | BiND クラウド (1年利用権) | BiND クライアント | BiND クラウド | |
価格 | スタンダード版:19,800円(税抜) プロフェッショナル版:29,800円(税抜) | 29,760円/年(税抜) | ||
ライセンス数 | 1ユーザー | 1ユーザー | 1ユーザー | 1ユーザー |
プラットフォーム | BiNDがインストールされた2台までのPC環境のみ利用可能 | インターネット環境があればWindows/Mac問わずどこからでも利用可能 | BiNDがインストールされた2台までのPC環境のみ利用可能 | インターネット環境があればWindows/Mac問わずどこからでも利用可能 |
作成可能なサイト数 | 無制限 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
ブラウザ編集 | - | ○ | - | ○ |
BiND Press | ○ | ○ | ○ | ○ |
BiND Pressのスマホ更新※1 | - | ○ | - | ○ |
BiND Box※2 | ○ | ○ | ○ | ○ |
サイトデータのインポート/エクスポート | ○ | ○ | ○ | ○ |
Dropbox連携 | ○ | - | ○ | - |
サーバー機能の違い
BiND9〈パッケージ版〉 | BiNDクラウド プロコース | |||
---|---|---|---|---|
BiND9 | BiND クラウド (1年利用権) | BiND クライアント | BiND クラウド | |
公開サーバー | 外部サーバー | BiND専用サーバーまたは外部サーバー | BiND専用サーバーまたは外部サーバー | BiND専用サーバーまたは外部サーバー |
BiNDカート | フリーコース (5点まで登録可能) | プロコース (1000点まで登録可能) | プロコース (1000点まで登録可能) | プロコース (1000点まで登録可能) |
公開サーバー | 無制限 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
公開容量 | - | 300GB | - | 300GB |
サイト管理:かんたんパスワード | - | ○ | - | ○ |
サイト管理:独自ドメイン設定 | - | 5ドメイン | - | 5ドメイン |
メール管理:Webメール | - | ○ | - | ○ |
Webフォント※3 | Googleフリーフォントのみ | Googleフリーフォント+FONTPLUS提供Webフォント434書体 | Googleフリーフォント+FONTPLUS提供Webフォント434書体 | Googleフリーフォント+FONTPLUS提供Webフォント434書体 |
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