SEOも広告も、利益が出なければ価値はゼロ! 「CRO=コンバージョン率最適化」の発想で進むべし

Web担当者は「Webサイトの運営で会社をどう儲けさせるか」という発想でさまざまなものを見直し改善に取り組もう
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企業がWebサイトを運営する目的は何か?
企業のWebサイトが目指すべき目標は何か?

こんな質問をされたら、あなたはどのように答えるだろうか。おそらく、ほとんどのWeb担当者は、その目的を、

  • 企業、商品、サービスの情報を発信するため
  • ブランディングをするため
  • 見込顧客を醸成するため

だと答え、さらに目標としては、

  • 流入数やPV数を向上させること
  • 滞在時間を長くすること
  • 閲覧ページ数を増やすこと

といったことを挙げるのではないだろうか。しかし、果たして本当の目的はそうだろうか。

企業とは、さまざまな事業で売上を生み出し利益を獲得することが最大の目標であり、Webサイトの運営を含むデジタルマーケティングも、この目標の実現に貢献することが本来あるべき姿なのではないだろうか。

極端かもしれないが、毎日の訪問者数やPV数、滞在時間をチェックしてKPIの進捗を追いかけたり、これらの数値が向上するように広告手法を見直したり、熱心にSEOに取り組んだりしても、最終的にこれらの施策が企業の経営や事業の業績に貢献するものでなければ、社内でも施策の価値が十分に評価される可能性は低いと言わざるを得ない。

「コンバージョン」からWebサイトの運営を見直せ

では、Web担当者は、自身の施策を企業の業績にインパクトを与えるだけの価値があるものにするために、どのような発想でWebサイトの運営を考える必要があるのか。それは、「コンバージョンにこだわる」ということ。

CROとは「Webサイトの運営で会社をどう儲けさせるか」という発想でさまざまなものを見直し、改善していくこと

つまり、企業の経営や業績にインパクトを与えることをWebサイトの運営の最大の目的に据え、そこからWebサイトの運営やデジタルマーケティング全体を見直すという発想だ。これを「コンバージョン率最適化」(CRO:Conversion Rate Optimization)と呼ぶ。

CROは、2014年頃から米国で提唱され始めた考え方で、端的に言えば、「Webサイトの運営で会社をどう儲けさせるか」という発想でさまざまなものを見直し、改善していくことだ。したがって、ここで言う「コンバージョン」も、「企業の経営や事業の業績に貢献すること」という大きな視点から捉えなければならない。

では、企業がこのCROを推進する意義や、実際にCROを進めるうえでどのような作業が必要なのか。早くからCROの重要性を提唱し、企業のマーケティングコンサルティングを行っている株式会社ミスターフュージョンで代表取締役を務める石嶋洋平氏に話を聞いてみよう。

CROとは、顧客の声に耳を傾けて「なぜ売れるのか/売れないのか」を知る作業――ミスターフュージョン石嶋洋平氏

石嶋 洋平 氏
株式会社ミスターフュージョン
代表取締役

石嶋氏は、CROの本質について「現状分析を徹底的にやったうえで、改善すること」だと語る。ここで言う「改善」とは、単にWebサイトの内容を変えたり広告を見直したりするだけでなく、経営者や幹部社員まで参画して事業環境そのものの課題を発見し改善することも含まれる。石嶋氏は次のように語っている。

Webサイトのコンバージョン率が低いということは、Webサイトの情報が訪問者の関心に応えていないということです。たとえばコンバージョン率が1%だったということは、100人中1人だけが購入して残りの99人は表示された情報に『なんか違う』と思っているわけです。

CVRは、この関心と情報のミスマッチを修正して訪問者に『関心に応えている』と思ってもらい、1人を2人、3人……と増やしていく作業です。『なぜユーザーは離脱したのか』を徹底的に検証し、改善すべきポイントを探っていきます」(石嶋氏)

Webサイトの商品情報に対して「なんか違う」と思ったであろう99人の離脱ユーザーの声にこそ、CROのためのヒントが隠されている

実際に、ミスターフュージョンが行っているCROのコンサルティングでは、ユーザーモニターに協力してもらい、マウスのトラッキングから得られた実際の操作内容や閲覧状況のデータやヒアリングによって集めた意見をもとに仮説検証を行う。

また、Webサイトの役割、過去の運用実績、商品やサービスがどのようなチャネルで売れているのかというビジネス構造の分析や市場における競合分析を行い、「なぜ売れるのか」「なぜ売れないのか」を徹底的に洗い出すのだという。

そして、この「なぜ売れるのか」を探ることが、コンバージョン率向上の重要な手がかりになるのだ。

「なぜ売れるのか」の答えを顧客から聞いてWebサイト運営に反映

たとえば、あるリフォーム事業者のCROでは、問い合わせから3営業日以内に趣向の違う2つのリフォーム企画を提案するという担当者の高い営業力と、辞書のような厚さの詳細な品質検査報告書が、注文の大きな決め手になっているということが顧客へのヒアリング調査からわかった。この決め手をWebサイトの内容に反映させたことで、コンバージョン率が向上したという。

“なぜ売れるのか”の答えをWebサイトの運営に反映させれば、コンバージョン率はおのずと改善される

“なぜ売れるのか”の答えをWebサイトの運営に反映させれば、コンバージョン率はおのずと改善されます。実際、弊社の顧客企業のうち99.3%の企業がCROによってコンバージョン率アップを実現しています」(石嶋氏)。

石嶋氏は、この「顧客の声や現状分析を取り入れる」という当たり前の作業が、実はできていない企業が多いと語る。たしかに、Web担当者がアイデアを考案し、上司や社長のダメ出しを受けながら修正を行うというWebサイト制作の作業に、顧客は登場しない。しかし、実際にユーザーモニターへのヒアリングを行うと、担当者が想定していなかった意見、企業の考えとはかけ離れた意見が寄せられるのだという。

「顧客の声や現状分析を取り入れる」という当たり前の作業が、実はできていない企業が多い

石嶋氏は、「その声に真摯に耳を傾けて改善できるかどうかがCROの重要なポイントです。アイデアだけでは売上は上がりません。本当の売上アップのヒントは、顧客のリアルな声を聴くことです」と顧客の声をWebサイトの運営に反映させることの重要性を語った。

加えて石嶋氏は、こうした作業を定期的に繰り返しながら試行錯誤することが、CROにとって非常に重要だと語る。「コンバージョン率アップは、トライ&エラーの繰り返し。しかも、世のなかの変化は速くて新しいアイデアもどんどん生まれてきます。顧客の声を定性的に分析してWebサイトの改善に役立てるという作業を定期的にやらなければなりません。場合によっては、企業がWebサイトの運営方法そのものを見直す必要があるでしょう」と石嶋氏。

顧客の声をもとにWebサイトを改善し、効果を検証して再び顧客に意見を聞くという「仮説と検証」の繰り返しがCROを効果的に進める重要な鍵なのだ。

ちなみにミスターフュージョンのCROコンサルティングでは、1000セッションを検証の対象にしているそうで、検証自体は1日で終わることもあるという。企業がここから生まれる課題に機敏に対応できれば、すぐに成果につながる可能性が高い。

トップダウンで変化を生み出せる中小企業や、真摯な姿勢で顧客の声を受け入れて意識を変えていくことができる担当者であれば、CROは高い効果を実現する可能性があります」(石嶋氏)。

CROが目指すものは何か
  • 現状分析を徹底的に行い、「なぜ売れるのか」をWebサイトの運営に反映させる
  • ユーザーのリアルな意見を聴き、Webサイトの改善に反映させる
  • 場合によってはWebサイト運営の方法や組織の在り方をも改善していく
  • 「現状分析 → 改善 → 再検証」を繰り返しながら試行錯誤していく

CROの最初の一歩は、現状の取り組みを否定することから

では、CROを実践してみたいという企業は、まず何をすべきなのだろうか。

石嶋氏は、「Googleアナリティクスなどの計測ツールがすべてきちんと設定されているか、特にコンバージョンポイントがどう設定されているかを確認することです」と語る。

CROでは、コンバージョンのために必要な情報を洗い出し、シンプルに載せていくという作業が必要だ。そのため、コンバージョンまでの道筋で要らないページがあれば、削除する必要もあるだろう。

CROの最初の一歩は、今までの仕組みを“壊す”ことで、そこから再構築する作業。売上の8割を占めている導線を分析し、そこを強化することが重要です」(石嶋氏)

ミスターフュージョンのCROコンサルティングではこのコンバージョンポイントの設定や導線が適切かどうかを一緒に検証し、改善のヒントを探っていくという。また石嶋氏は、あらためて顧客の声を聴くことの重要性を説く。

顧客にアンケートを取り、購入理由や不満を集めることで、“なぜ購入してくれたのか”、“どのような不満があるのか”という気づきをまとめてください。そして、最初から完璧な改善を目指すのではなく、まずは顧客の声を受け入れて改善を実行し、その後の変化を検証するべきです。また企業は、顧客の声をもとにこれまでの取り組みを否定できる心の広さを持つことが重要です」(石嶋氏)。

どうすればコンバージョン率アップを実現できるかは、実際の顧客に触れ合わなければわからない。そこから得たヒントをもとに、Webサイトをどう改善するかだけではなく社内の連携や組織の改善をも視野に、実際の行動を起こすことが重要なのだ。

CROを始める企業がすべきこと
  • Webサイトに必要な計測ツールをすべてきちんと設定する
  • Google Analyticsのコンバージョンポイントを決めておく
  • コンバージョンのためのユーザー導線を洗い出し、無駄なものを削除する
  • ユーザーにアンケートを取り、購入理由や課題をまとめて改善と検証を実行してみる

Webマーケティングをやるからには全力で投資せよ

Web担当者にとっての悩みの1つとして、予算やリソース不足が挙げられる。

担当者は他の業務との兼務が多く、また施策を考える際も限られた予算でやりくりしながらKPIの達成を実現するための効率を第一に考えなければならない。しかしよく考えると、こうした不自由さは「Webサイトの運営は経営にインパクトを与えていない」という評価の裏返しとも言える。

しかし、そもそも企業とは、投資に対してより大きなリターンが見込める事業なら、積極的に取り組むべきもの。Webマーケティングも、それによってより多くの商品が売れたり、利用者が増えたり、最終的に収益に貢献するからこそ、コストをかけて取り組むのだ。

ただし、従来のような狭い視点のWebサイト運営では、経営にインパクトを与えるような成果は出せない(出せるならとっくに出しているはず)。現状の予算と担当者だけでどうにかするのではなく、会社全体を巻き込んでWebマーケティングに取り組む。そこまでして初めて、Webサイトがポテンシャルとして持っているコンバージョン率を達成できるのだ。

CROとは、会社全体がWebマーケティングに全力投資することが前提であり、その実現に向けた取り組みが重要なのだ。石嶋氏が「トップダウンで変化を生み出せる中小企業だとやりやすい」と言うように、その影響は組織運営にまでおよぶ。ここが、“Webサイト内だけ”で改善や最適化を考える従来のWebサイト運営との大きな違いだ。

◇◇◇

冒頭で課題提起したように、Webサイトを何のためにやっているのか、何を目指しているのかをあらためて考えることは、Web担当者にとって非常に重要であり、その答えは企業経営全体のなかで意義のあるものでなければならない。

「正論だけど理想でしかない」「そこまでの責任は負いたくない」という思いもあるかもしれないが、これはあなたにとってもメリットになる。

CROによってWebサイトによる売上が上がれば、会社もWeb担当者の業績を認めてくれるだけでなく、企業経営におけるWebサイトの存在意義が高まり、さまざまなチャレンジの可能性が広がっていくだろう。上司や経営層が味方になって、やりたいことができるようになるのは、プロのWeb担当者として大きなプラスになる。

そのためにも、「顧客の声をもとに現状を知り課題を発見し、改善と検証を行う」という当たり前に聞こえるようなシンプルな作業を真摯な姿勢で徹底することが不可欠なのだ。

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