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第2期Google Authorshipは、このような形で進められるはずだ。今から備えよ(後編)

Google Authorshipの将来はどうなるだろうか? トピックごとの主要著者の選定や、検索結果での表示を推測する

この記事は、前中後編の3回に分けてお届けしている。最終回となる今回は、Google Authorshipの将来と、その対策について見ていこう。
→まず前編中編を読んでおく

Google Authorshipの将来はどうなるだろうか

少し推測してみたい。

以前目にしたような著者のリッチスニペット、つまり、Google+にプロフィールを登録してコンテンツにタグを利用しさえすれば、ほぼだれもが目立てるようになる仕組みが、再び大規模に実装されるようになるとは思えない。すでに述べたように、このやり方では検索結果に無用の偏りを与えるだけだということに、グーグルは気づいたのだろう。リッチスニペットをクリックした人が必ずしも質の高いコンテンツに導かれたわけでもない場合が多かっただろうと思われるからだ。

グーグルはこれに代わって、トピックごとに少数のトップクラスの著者を認定し、この人々を目立つように扱うことに大きな価値を置くようになると僕は予想している。

これは、検索結果における有名ブランドの表示のされ方によく似ている。商品を検索すると、大手のよく知られたブランドが検索結果の上位を独占することが多いのは、ユーザーの行動データから、それがユーザーの求めているものだとグーグルが判断しているからだ。これと同じように、人々は、自分がすでに知っていて信頼している著者のリンクがすぐに表示されるほうが満足できるのかもしれない。実際、それ以外の人物のプロフィール画像がどれほど魅力的であっても、人々は気にもかけない。

さらに、これもすでに述べた理由から、第1期のGoogle Authorshipの輝かしい日々を飾ったリッチスニペットがそのまま復活するとは思えない。そうではなく、主要な著者を上位に上げるほうがアルゴリズム的にシンプルだろう。すなわち、他の要素が同じであれば、これらの著者のコンテンツは、当該トピックや検索者と関連性のあるクエリでは検索順位が少し押し上げられることになる。

また、主要な著者のコンテンツが目立つボックスに囲まれて表示されるようになる可能性もある。現在ローカル検索やGoogleニュースの検索結果で見られるのと同じように。

ただしここで、「(著者が)トピックや検索者と関連性がある場合」と述べたことに注意してほしい。これが重要なのは、ここでもパーソナライズが行われる可能性があると考えられるからだ。その人のこれまでの検索行動から価値があるとわかっている著者だとするなら、その著者を優先して目立たせることは理にかなっている。

Google+の投稿を(ログインした状態で)検索した結果がパーソナライズされているのは、すでに知られているところだ。

たとえば僕がGoogleアカウントにログインした状態で、AJ・コーン氏がGoogle+に投稿していた事項について検索すると、Googleは、僕の検索結果の1ページ目にその投稿が表示されるように引き上げるだけでなく、Google Authorshipの古き良きリッチスニペットさえ表示してくれる。それが僕の求める検索結果だとグーグルが確信する理由は、コーン氏が僕のサークルに入っており、僕がコーン氏自身ともそのコンテンツともやりとりしていることから、僕にとって関連性が高く役立つだろうと予想できるからだ。鋭いね。そのとおりさ。

エンティティの特定と評価を行うには、Google+以外に領域を広げる必要があることを、グーグルがすでに認識しているのは明らかだ。Google+が人気を博し、Facebookと真に対抗できるまでに育っていたら、グーグルの取り組みははるかに簡単だったかもしれない。だが、結局のところ、「この人はだれ」で「だれとの関係性が強いのか」を探る機械学習アルゴリズムを構築するほうが、きわめて困難な作業であるとはいっても、よりよいソリューションということなのだろう。

要するに、将来のいずれかの時点で、著者の信頼度がグーグルによる検索結果の評価と順位付けの要因になるのだと僕は想定する。

ただし、これは、それぞれのトピックで特に評価が高く信頼されているトップクラスの著者のみが恩恵を受ける、「富める者はさらに富む」状態になると考えられる。

検索結果は最終的に、Google Authorshipの第1期で見られたものよりもさらに巧妙になり、パーソナライズされるだろう。

Google Authorshipの第2期にどう備えるか

Google Authorshipの第2期、つまり将来の検索結果に著者の情報と信頼度を反映させる方法は、第1期とは違ったものになるだろう。では、第2期のAuthorshipから自分やコンテンツが多少ともメリットを得るために、できることはあるだろうか。僕は、いくつかあると考えている。

  • 得意分野で、コンテンツの質を10倍にすることを目標にしよう。

    ランド・フィシュキン氏によれば、今日の絶対的真理の1つは、「良質でユニークな」コンテンツというだけではもはや十分ではないという事実だ。コンテンツを際立たせ、本当のメリットを得られるようにするには、そのトピックでグーグルのトップページに現在表示されているものより、10倍優れたコンテンツを作成して公開しなければならない。

    つまり、今こそ、量を確保することから離れ、質を高めるべきなのだ。ブログ作成ツールなどで記事を大量生産するといったことは終わりにし、他の記事を圧倒し、読者の目を覚まさせて、注目を集め、共有され推薦され、リンクを得られるような記事のみを公開する時だ。

  • パブリッシャーは、10倍質の良いパブリッシャーにならなければならない。

    ユーザーの作ったコンテンツを掲載するパブリッシングサイトを公開しているなら、基準を引き上げる必要がある。ページの隙間を埋めるためだけにユーザーの記事を載せても、効果はない。

  • 仲間を作り、みんなに働きかけよう。

    本当に優れていて役立つものを作り出していれば、遅かれ早かれ、ファンになる人々を惹きつけられる。努力してこれらの人々を見出し、扱っている分野のコミュニティに呼び込み、できる限りの方法でこの人々に報い、働きかけよう。極端に近づきやすい存在になろう。

    こういう人々が、「この人は重要人物」というシグナルをグーグルに発信してくれるようになるのだ。

  • オフラインにもオンラインと同様に力を入れよう。いや、より注力すべきかもしれない。

    僕は、自らのブランドを確立し、仲間作りに熱心に取り組んでいる著者たちと話をすることも多いが、そこで耳にするのは、オフラインでの活動がどれだけ大きなメリットをもたらし、オンラインの世界に生きてくるかということだ。つまり、カンファレンスやイベントで発言する、インタビューに応じる、得意分野に関係した組織やコミュニティに参加して重要な役割を担うといった、さまざまな機会を活用すべきだと僕は言いたい。

  • おまけ: この4つの方法にすべて取り組めば、グーグルが「Author Rank」のような機能を実装するか否かにかかわらず、今この時点で成果が得られるだろう。

個人の顔が見えないブランドを信頼させるよりも、生身の人間を信用してもらうほうがずっと手っ取り早い。この事実の持つ力が、オンラインマーケティングではこれまでまったく理解されておらず、うまく活用されてこなかったと僕は思う。自分の得意分野で著者としての真の信頼度を高めるために懸命に取り組んでいる人々は、グーグルがいずれこの人々を探し始めたとき、大きな成果を得られるだろう。

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