目標CPAに合わせて入札価格を自動調整! 手間いらずでコンバージョン効率を高める機能がYDNに登場
コンバージョン単価(CPA)の目標値を設定しておくと
目標CPAを目指してコンバージョン数が最大になるように
自動的に入札価格が調整される。広告担当者は運用にかける手間を減らせる代わりに
プランニングに注力できるようになる。
日々の広告運用に追われるWeb担当者にうれしい機能が、Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)に登場した。「コンバージョン最適化」と呼ばれる機能で、2014年9月に追加されたものだ。この機能を使えば、運用担当者の作業負担が大幅に軽減されるはずだ。
利用するには、広告管理ツールの「YDN」タブの「キャンペーン管理」にある、キャンペーン一覧の「コンバージョン単価の目標値」項目で設定する(項目自体が未表示なら表示項目を調整しよう)。または、キャンペーン編集画面でも設定できる。
この機能では、「コンバージョン単価の目標値」(=目標CPA)を設定しておくと、過去のコンバージョン実績をシステムが分析して、目標CPAを目指してコンバージョン数が最大になるように入札価格が自動調整される※。これによりWeb担当者の手間、つまり運用コストが軽減されて効率的な広告掲載が行えるようになる。
YDNのような運用型広告は、運用に力を入れることで成果につなげられる反面、日々の運用が大きな負担になることも少なくない。特に入札価格は費用対効果を左右する重要な要素であり、その調整は担当者のミッションと言ってもよい。それが自動化されるとなれば、願ってもないことだろう。
利用に当たって注意しておきたいのが、コンバージョン単価の目標値の決め方だ。あまりにも現実とかけ離れた数字だと、さすがにうまくは機能しない。
直近の30日間における平均コンバージョン単価の実績を参考にして※、コンバージョン単価の目標値を決めるとよいだろう。設定したあとは、コンバージョンの獲得状況を確認しながら、コンバージョン単価の目標値を調整して、コンバージョン単価を改善していくことになる。
着々と機能の追加&改善を続けるYDN
めざすは「誰もが使える広告」
YDNでは、「コンバージョン最適化機能」のほかにも数多くの機能追加や改善が行われている。
2013年1月に、それまでのインタレストマッチ(コンテンツ向け広告)から、より幅広い機能を持つ広告サービスとして登場したYDNは、着々と拡張されてきた。
YDNは今では多様な広告機能を備えるに至った。
効率的に運用するために数多くの機能があるが、「どんな広告主の方にも自由に活用していただける広告プラットフォームにしていきたい
」と語るのが、YDNのサービスマネージャーを務める矢吹泰教氏だ。新機能やYDNが目指すものについて、矢吹氏に伺った。
サービスマネージャーが語るYDNの「これまで」と「これから」
●YDNの機能強化は爆速ですね。
YDNが登場してから1年半の間に、さまざまな機能強化を行ってきました。できることは、開始当初と比べてかなり増えました。
Webマーケティングやディスプレイ広告の領域はますます複雑になっていますが、YDNで試せることやできることも多岐にわたります。広告主がやりたいことを自由にできるように、何か足かせになっている要素があれば、それを取り除きたい。そのような考え方で、YDNの機能強化に取り組んでいます。
2014年8月にリリースした「PNG画像対応」「画像登録上限数変更」「サーチキーワードリスト上限数変更」、9月にリリースした「コンバージョン測定タグの複数発行対応」もその一環です。広告主の皆さまからのご要望に応えて上限数などの制限を改善し、より柔軟な施策を実現いただけるようになりました。これからも機能の改善を続けていきたいと思います。
広告主がやりたいことを自由にできるように、足かせになっている要素を取り除きたい
●YDNの機能強化で意識している点は?
「コンバージョン最適化機能」の目的は、さまざまな広告テクノロジーや顧客との接点が出てきたことで増した広告主の運用負担を軽減することです。
コンバージョンを獲得するには、ターゲティングやマッチングなどの設定も重要ですが、基本となるのは「いくらの入札価格ならCPAが見合うか?」という、細かくて煩雑なチューニングです。
入札価格の調節ももちろん大切ですが、やはりWeb担当者の皆さまにはマーケティング全体を俯瞰して、戦略や施策を考えることに注力していただきたいわけです。「コンバージョン最適化機能」は、そのための足がかりになるはずです。
マーケティング全体を俯瞰して施策や戦略を考えることに注力していただきたい
「コンバージョン最適化機能」の仕組みは、過去のコンバージョン実績をYDNの配信システムが分析し、コンバージョンしやすいターゲット層としにくいターゲット層を見分けて、適切な入札価格に調整するというものです。
自動入札の機能自体はYDNに限ったものではなく、さまざまな外部ベンダーからも提供されています。しかし外部ベンダーと比較した際のYDNの「コンバージョン最適化機能」の特徴は、Yahoo! JAPANならではの膨大なデータを活用した高い精度や高いカバレッジです。
「コンバージョン最適化機能」で一番重要となるのは、どのようなターゲット層が存在し、そのターゲット層がコンバージョンにどれくらいの確度で至るかです。YDNは、Yahoo! JAPANをはじめとした主要大手サイトに掲載されていますので、その豊富なデータを使ってターゲット層に効果的にアプローチできます。
そういった土台の上にある機能ですので、自動だからといっても心配せずにご活用いただきたいです。とにかく、広告の運用担当者の負担を軽減するための機能ですから、積極的に活用してほしいです。
広告の運用担当者に楽になってもらうための機能を積極的に活用してほしい
ご利用いただく際の注意点としては、過去のコンバージョン実績が前提ですので、コンバージョンタグの設置が必須です。
もう1つの注意点として、いったん利用を開始したら、大幅な設定変更はしないようにしていただきたいです。もちろんチューニングはすべきですが、「それまで設定していた女性向けのターゲティングから男性向けのターゲティングに変える」といった劇的な変更を頻繁にしてしまうと、効果が発揮されにくくなります。ターゲットセグメントがまるっきり変わってしまうような変更は、なるべく加えないようにしてください。
ターゲットセグメントを大幅に変更したい場合は、新しいキャンペーンでの運用をお勧めいたします。どうしても同じキャンペーンにおいて大幅な変更を加えたい場合は、広告効果を確認しながら、段階的に変更していくほうがよいでしょう。
今後のYDNも、これまでと同様に使いやすくて効率的な運用環境を目指していきます。特定の広告主や代理店に限定せず、すべての広告主に向けて提供しているのがYDNです。
マーケティングの効率化や課題解決のためのオープンな広告プラットフォームとして、誰にでも簡単にお使いいただける。今後もこの観点でYDNを発展させていきたいです。
コンバージョン最適化機能に限らず、一般的に自動化ツールの類いは、中身がブラックボックスだと様子見をするユーザーが多い。特に入札価格に関わるものだと、無駄に予算が使われてしまうことを懸念する方も多いと思われるが、よく考えて「コンバージョン単価の目標値」を設定しておけば、そういった心配は無用だ。
運用の手間が少しでも軽減され、プランニングに専念できるなら、運用担当者としては大きなメリットになる。機能評価も兼ねて、まずは試してみるとよいだろう。
【2014年8月~9月におけるYDNの機能追加、機能改善】(Yahoo!プロモーション広告の機能リリース)
- PNG画像対応・画像登録上限数変更・サーチキーワードリスト上限数変更
- 操作履歴の取得方法およびデータ取得期間の変更
- 入札価格提案機能の改善
- 「画像自動付与」の設定項目追加
- コンバージョン最適化機能の追加
- ビューインプレッションに関する指標追加
- コンバージョン測定タグの複数発行対応
※この記事の内容は、2014年9月現在の情報に基づいています。Yahoo!プロモーション広告では、さまざまな機能改善を行っており、実際の画面やボタンの名称などは変更される場合があります。
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