Facebookのカンファレンス「f8」で発表された新機能などFB最新情報+初夏シーズンの投稿ネタ紹介
本連載の特徴 「Facebookの仕様がまた変わっている!」「いつの間にこんな機能が?」……そんなWeb担当者をフォローすべく、最新のFacebookネタを厳選して紹介していく(月1回連載)。
記事内容のポイントをまとめたPowerPointファイルは、自由に転載・コピー・共有・配布できます。会議の資料として、社内の勉強会で、部内の情報共有に、ぜひご自由にお使いください。
※PowerPointファイルの最終ページに記載されている「利用上の注意」に従ってください。
今回の内容
- Facebookアプリ、情報やパーミッション取得に審査が必要に
- Facebookログインの新機能、個人情報を渡さずアプリの試用が可能に
- サードパーティ・モバイルアプリへ広告配信ネットワークを導入
- 動画向けの新インサイト「ビデオメトリックス」が発表
- Facebookのプレミアムビデオ広告、ついに日本上陸
- 梅雨・七夕・海の日に備えて、投稿ネタを紹介
ネタ1Facebookアプリ、情報やパーミッション取得に審査が必要に
米国時間4月30日に開催されたFacebookのカンファレンス「f8」で、「Facebookログイン」の新仕様が発表されました。Facebookログインを使用するアプリでは、ユーザーの情報、読み込みや投稿の権限を取得するのに、事前審査が必要となります。
Facebookアプリ審査の概要
Facebookと連携したアプリを開発し、ユーザーの情報を取得する、もしくは特定の情報に投稿・読み込み権限を付与する場合に、事前にFacebookの審査が必要になります。アプリを介して不必要に個人情報を企業へ提供するケースを減らすことで、ユーザーへの信頼性の強化することを目的としています。
なお、日本でもすでに新仕様は適用されています。
審査が必要となる情報の例
- ユーザーが公開していない場合の各プロフィール情報(誕生日、学歴、出身地など)
- 読み込み権限(友だちのリスト、ユーザーが管理しているページのリストなど)
- 投稿権限(イベントの作成や修正、アプリ上で行ったアクションを投稿するなど)
詳細は下記ページを参照してください。
- Permissions with Facebook Login(Facebook Develpers)
なお、以下の3項目の取得については、従来どおり審査は不要です。
- ユーザーが公開をしているプロフィール情報(public_profile)
- Eメールアドレス(email)
- アプリを利用している友だちのリスト(user_friends)
審査申請にあたっての留意点
審査の主な基準は、以下の2点です。
- 有用性(Utility) ―― ユーザー体験をよりよくするための取得かどうか?
- 可視性(Visibility) ―― 取得する情報が、アプリの利用に直接必要かどうか?
申請から承認までにかかる期間は「7~14営業日程度」とされています。申請は、「Facebook-Developers」の各アプリ画面より行います。申請手順の詳細については下記ページ(英語)の「How to Submit for Login Review」項目を参考にしてみてください。
申請時には、該当情報について、以下2点を英語で説明する必要があります。
- 情報取得によりユーザー体験がどう向上するか?
- アプリ上で取得する手順
なお、2014年4月30日以前に作成されたアプリは、1年以内に審査を申請し、承認を得る必要があります。
アプリの活用を検討している、あるいは活用中の企業への影響
企業としては、以下の3点を意識する必要があるでしょう。
- 情報取得の基準が高まることで、従来よりもアプリへの信頼性が増し、利用者数の増加が期待できます。
- ユーザー体験を意識したアプリの設計が重要となります(パーミッション取得時の説明を含む)。
- 開発スケジュールに、申請から承認までの期間を考慮する必要があります。
ネタ2Facebookログインの新機能、個人情報を渡さずアプリの試用が可能に
さらに「f8」では、外部アプリへのログインに関する新機能も発表されました。「Anonymous Login(匿名ログイン)」機能、新バージョンのFacebookログイン、ダッシュボードの新デザインの3つで、これらもf8での発表事項となります。
Anonymous Login(匿名ログイン)
ユーザーがモバイルアプリなどにログインするときに、Facebook登録の個人情報を渡すことなく試用できます。ユーザーは試用後、気に入った場合は利用に必要な個人情報を渡してアプリを利用できます。「匿名ログイン」での利用は黒色の「Log on Anonymously」ボタンを押すことで利用できます。
現在、一部の開発者向けにテスト導入中。今後、より多くの開発者向けに公開予定(時期など詳細については未定)と言及しています。
Facebookログイン(新バージョン)
外部アプリなどへのログイン時にユーザーが、どの個人情報を渡すかを選ぶことができます。Facebookにシェアされる情報の公開範囲の指定も可能です(友だち限定での公開にするなど)。今後数か月かけて、すべての開発者に提供される予定です。
ダッシュボードの新デザイン
ユーザー自身がログインしたアプリを管理する「ダッシュボード」のデザインが新しくなります。ユーザーからの以下の要望に応えるためとのことです。
- 自身が使用しているアプリをリストで見やすくしたい
- 各アプリの権限を管理しやすくしたい
- 不要なアプリを完全に削除したい
今後、数週間かけて、すべてのユーザーに提供される予定となっています。
Facebookログインを提供する企業への影響
企業への影響としては以下の3点が想定されます。
- ユーザーの個人情報を提供への不安が減り、魅力的なアプリへの利用拡大が期待されます。
- ユーザーが利用前に試用利用ができるため、ユーザーにとって魅力的なアプリやキャンペーンを提供する必要があります(試用時点で、魅力が伝わらないと利用につながらないこともあり得ます)。
- アプリ利用に必須となる取得情報については事前に明示しておく必要があります(当選結果をEメールで送る場合は、登録アドレスの共有を必須にするなど)。
ネタ3サードパーティ・モバイルアプリへ広告配信ネットワークを導入
さらにカンファレンス「f8」では、サードパーティ・モバイルアプリへの新しい広告配信ネットワーク「FAN」(Facebook Audience Network)が発表されました。
FAN概要
モバイルアプリのデベロッパーは、FANに参加することで、Facebookが管理する広告を、自社開発のアプリ上に表示できるようになります。FANに参加すれば、広告の実績管理、支払い管理などの管理面をFacebookが代行してくれます。
現在はβテスト導入段階で、一般公開などの詳細は不明です。β版への参加は下記ページより受け付けています。
- Facebook Audience Network(Facebook Developers)
現在、サンプルとして3種類(「Banner」「Interstitial」「Native」)のイメージが発表されています。
アプリ上でのエンゲージメントやコミュニケーションなどの効果測定も可能。また、「カスタムオーディエンス」や「類似オーディエンス」を含め、Facebook広告同様のターゲティング配信も可能です。現時点では、広告出稿企業がどのアプリに出稿できるかなどの詳細は、説明されていません。
企業のマーケティング活動への影響
企業への影響としては、以下の2点を想定しています。
- モバイルアプリを開発している企業であれば広告収入を得ることができます。
- 広告出稿企業としては、出稿先が増え、より広告効果の拡大が期待できます。
ネタ4動画向けの新インサイト「ビデオメトリックス」が発表
Facebookは5月20日、動画向けの新インサイト「ビデオメトリックス」の提供開始を発表しました。動画投稿に対して、従来よりも詳細な分析ができるようになります。
「ビデオメトリックス」の概要
Facebook上に投稿された動画に対する詳細な反応を分析できるレポーティング機能です。従来のFacebookページインサイト上では、「何人の人がビデオを見始めたのか(動画視聴開始数)」しか見ることができませんでしたが、今後はより詳細な分析ができるようになります。
数週間かけてグローバルで利用可能になるとのことです。
ビデオメトリックスで分析できる指標には、次のようなものがあります。
- 延べ動画視聴回数
- ユニークな動画視聴回数
- 平均視聴時間
- 視聴者のリテンション
- など
Facebookページを運用する企業への影響
自社ページに投稿した動画に対するユーザーのアクションをより詳細に分析することで、ファンの求める動画コンテンツの把握、効果的な動画コンテンツ作成に役立てることができるでしょう。
ネタ5Facebookのプレミアムビデオ広告、ついに日本上陸
かねてより紹介してきた、Facebookのプレミアムビデオ動画広告(ニュースフィード上で動画を自動再生)ですが、5月20日、日本を含む7か国での提供が発表されました。実際の提供開始は、数か月後になる予定です。
- 過去の記事:動画再生テストの開始
→企業のFacebook活用率は81.6%など300社調査結果、シェアの画像が巨大化など - 過去の記事:導入テストの経過
→新機能が続々! 「今すぐ寄付」ボタン、自動再生される動画広告などが登場
プレミアムビデオ広告の機能の概要
ニュースフィード上で動画が自動再生される広告メニューとなります。ユーザーのニュースフィード上に動画が表示された時点では、無音(ミュート)状態で再生されます。タップするとフル画面表示に切り替わり、音声が流れます。
提供開始の対象国
日本を含む以下の地域で、一部の広告主向けに提供開始する旨が発表されました。実際の配信開始時期は数か月後になるとのことです。なお米国では、2014年3月に一部の広告主向けに提供開始されています。
- 日本
- オーストラリア
- ブラジル
- カナダ
- フランス
- ドイツ
- 英国
Facebookによる見解
Facebookは「プレミアムビデオ広告は、ブランディングを目的とした広告主向けのソリューションである
」と言及しています。また、新商品のため、利用者の反応を見ながらの展開を検討しているため、一部の広告主に限定での提供開始とし、リリースも数か月後としています。
- 参照元:プレミアムビデオ広告(Facebookビジネス)
ネタ6梅雨・七夕・海の日に備えて、投稿ネタを紹介
6月に入り、例年であれば関東地方は梅雨入り、7月には七夕といった風物詩があります。そして、いよいよ夏の到来。この2つの風物詩、そして7月の祝日「海の日」にまつわる投稿事例をご紹介します。
テーマ1:梅雨
Case. 1 キリン のどごし<生> / NODOGOSHI NAMA
梅雨という季節に咲く「紫陽花」を画像で紹介しています。また、自社商品と並べ双方の色合いのキレイさを伝えています。あわせて、梅雨明け予報も明記し自身の予定を紹介している点からは「人」が感じられます。
- 投稿日: 6月10日(月)
- いいね!: 1,317
- コメント: 9
- シェア: 4
- 当時のファン数: 112,181人
- エンゲージメント率: 1.19%
- エンゲージメント率平均: 0.32%(直近25件)
Case. 2 八芳園 (Happo-en)
梅雨の合間の晴れた日。雨上がりの園内の、素敵な風景や雨の日の魅力を伝えています。
- 投稿日: 6月11日(火)
- いいね! : 77
- コメント: 1
- シェア: 0
- 当時のファン数: 2,811人
- エンゲージメント率: 2.74%
- エンゲージメント率平均: 2.62%(直近25件)
テーマ2:七夕
Case. 3 au
オフィス(今回の場合は自社のエントランス)に実際に飾っている笹と短冊の写真を紹介しています。同時に、「ファンに願いことはしましたか? 」と語りかけています。
- 投稿日: 7月5日 (金)
- いいね!: 7,497
- コメント: 84
- シェア: 80
- 当時のファン数: 906,249人
- エンゲージメント率: 0.85%
- エンゲージメント率平均: 0.31%(直近25件)
Case. 4 チキンラーメン ひよこちゃん
キャラクターを前面に出したページで、七夕に合わせたストーリー設定を盛り込んでいます。
- 投稿日: 7月7日(日)
- いいね! : 21,517
- コメント: 153
- シェア: 338
- 当時のファン数: 342,552人
- エンゲージメント率: 6.42%
- エンゲージメント率平均: 0.42%(直近25件)
テーマ3:海の日
Case. 5 コカ・コーラ
浜辺で、サングラスやビーチボールといった定番アイテムとあわせて自社商品を並べて紹介しています。あわせて、海で飲むコーラの美味しさを伝えてアピールに。
- 投稿日: 7月12日 (金)
- いいね!: 4,768
- コメント: 84
- シェア: 80
- 当時のファン数: 411,532人
- エンゲージメント率: 1.20%
- エンゲージメント率平均: 1.37%(直近25件)
Case. 6 スターバックス コーヒー ジャパンStarbucks
海の日に向けて、沖縄の海辺にある店舗を紹介しています。
- 投稿日: 7月12日 (金)
- いいね! : 16,907
- コメント: 75
- シェア: 338
- 当時のファン数: 897,053人
- エンゲージメント率: 1.94%
- エンゲージメント率平均: 1.56%(直近25件)
「そのまま会議に出せる!Facebookネタ」連載21回目でしたが、いかがでしたでしょうか? 本コラムでは、今後もFacebookを中心とした最新かつ重要な情報を発信していきますので、今後ともどうぞよろしくお願いします。
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