コンテンツマーケティングのアイデア
「コンテンツマーケティングマシン」の「アイデア」セクションは、マーケターが最も苦労するところだ。
Content Marketing Instituteによる「コンテンツマーケティング調査レポート2012年度版」(英語版PDF)によれば、「継続的にコンテンツを生み出すこと」を最大の課題として挙げているマーケターが回答者の半数以上にのぼる。特に、何を制作するかを決めるのに苦労するという。
真のパブリッシャになるには、継続的に毎週3回、4回、5回とコンテンツを制作する必要がある。「毎日一体何を書けばいいんだ?」というマーケターの嘆きが聞こえてくる。
思い出そう。君が制作しようとしているたくさんのコンテンツは、顧客の関心にまつわるものであって、君の製品に関するものではない。したがって、コンテンツのアイデアを生む最善の方法は、顧客が何に関心を持っているかを理解することだ。
アイデア生むのに有効なベストプラクティスが2つある。1つ目は、オンラインでソーシャルの意見を聞くことだ。Twitter、Facebook、LinkedInなどで君が担当しているカテゴリに飛び込んで、コミュニティがどのようなトピックに興味を持っているかを調べよう。QuoraやYahoo AnswersといったQ&Aサイトを見れば、君の見込み客がどういった質問に対して答えを求めているかを知ることができる。
もう1つのベストプラクティスは、社内の「耳」を活用することだ。営業、サービス、サポートなどの部門で働く同僚たちは、毎日顧客と話をしている。彼らに依頼して、顧客から気に掛かっていることを聞き出し、その貴重な情報を「コンテンツマーケティング」チームに送ってもらおう。
参加する意欲を仲間たちに持たせるためにも、貰った情報をブラックボックスに入れたままうやむやに終わらせないようにするのも大切だ。つまり、アイデアを採用しなかった場合は、そのことを情報提供者に知らせる。アイデアを採用してコンテンツに昇華させた場合は、そのコンテンツについて、またそのコンテンツがどのような効果をもたらしているかについて、情報提供者に継続的に情報を与えよう。
こうした方法を非常にうまく取り入れている企業では、コンテンツマーケティングのアイデア出しの取り組みに最も貢献した社員を紹介する順位表を作っている例もある。
コンテンツマーケティングの制作
アイデア創出が軌道に乗ったところで、次に「コンテンツマーケティングマシン」の心臓部、つまりコンテンツ制作を動かす必要がある。
制作の中核となるのは「編集カレンダー」だ。このカレンダーでは、誰がどのコンテンツを制作するのか、納期はいつか、公開日時はいつか、どこで公開するか(自社サイト、YouTube、SlideShare、これらすべて、など)を指定する。
「編集カレンダー」は、次のようなものになるはずだ。
「編集カレンダー」には、コンテンツがターゲットとする顧客のペルソナや購入ステージも記入しておく。「編集カレンダー」を見れば、「コンテンツグリッド」内のさまざまなセルをカバーする正しいコンテンツミックスを制作しているかどうか、視覚的に理解できるはずだ。
多くの組織が制作段階における事務作業に手間を取られてしまいがちだ。アイデア創出者、コンテンツクリエーター、グラフィックデザイナー、編集責任者、SEO専門家、ソーシャルメディアチーム、(承認を得るための)法務や広報担当など、多くの利害関係者が関与してくるため、質の高いコンテンツの作成よりも、こうした関係者間の調整業務に手を取られることが多い。
それなりの複雑さを持った中規模企業なら、コンテンツ公開に関連するプロセスについて綿密な計画を立てる必要がある。誰がコンテンツを提出するのか? 誰が、プロセスのどの段階で、コンテンツを承認しなければならないのか? コンテンツ公開後、誰がTwitter、Facebook、LinkedInにメッセージを投稿するのか?
君の努力が管理業務に費やされないように、必要なワークフローを決定し、それらを統括的に管理する計画を作成しておこう。
この記事は、前後編の2回に分けてお届けする。目標と計画、チーム、アイデア、制作について説明した今回に続き、次回は、コンテンツマーケティングの実践フローの後半にあたる、「オーディエンス開拓」「コンバージョンと測定」について見ていく。
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