リンクに追悼文を送るのはまだ早すぎる
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リンクに追悼文を送るのはまだ早すぎる
被リンクは今でも重要 (Search Marketing Expo on YouTube)
SEOにはソーシャル的な要因も関わってくるようになった。この流れを受けて、こんな発言が聞かれる。
最も重要なランキング要因である「被リンク」の時代はもう終わった。
しかし、マット・カッツ氏の意見は違うようだ。米シアトルで6月に開催された検索エンジンマーケティングのカンファレンスでの発言が主催者によって動画で公開されている。
ウェブのデータはかつてないほどにものすごい勢いで増え続けている。
「リンクは終わった」とか、
「リンクは民主主義的でない」とか、
「nofollowでないリンクを得ることは不可能だ」とか、
いろいろという人たちがいるが、私の考えでは、それはとりとめのない空想だ。nofollowのリンクがリンク全体に占める比率は一桁台パーセントにすぎない。「すべてがソーシャルに向かっていてリンクは完全に時代遅れだ」という考えは、結論づけるにはまだ時期尚早だと思う。
10年後にはものごとがもっとソーシャルになっていて、ソーシャルシグナルはもっと影響力のある指標になっているだろう。それに疑いの余地はないが、リンクに追悼文を書こうとは、私はまだ思わない。
SEOに及ぼすソーシャルの力が増していることは事実だが、リンクの価値がなくなったということでは決してないとマット・カッツ氏は言っている。
ただし以前とは違い、なんでもかんでもいいからリンクの数だけそろえればそれで良かった時代は完全に終わっていることを筆者からは付け加えておきたい。
インフォグラフィックを利用した被リンクは無価値にされる!?
利用条件を必ず明示しておくこと (Stone Temple Consulting)
「インフォグラフィック(Infographics)」とは、さまざまな情報を視覚的に表したもので、このコーナーや他のWeb担のSEOmozの連載コーナーでも取り上げたことがある。インフォグラフィックを利用した被リンク構築は、英語圏では盛んに行われている。
しかし、グーグルのマット・カッツ氏がインタビューのなかでインフォグラフィックによる被リンク構築についてコメントした。
インフォグラフィックを利用したプロモーション自体には、何も問題はない。ただ、インフォグラフィックが良いと私が発言すると、行きすぎてしまう人が出てくる。それは好ましいことではない。
インフォグラフィックの情報が間違っていたり見た人に誤解を与えたりすることを、私は心配している。また、インフォグラフィックを再利用して自分のサイトに貼り付けたときにまったく関係のないサイトにリンクが張られていて、しかもそのことを承認しているわけではないケースが多いのが実情だ。
インフォグラフィックにリンクが含まれていても、
- インフォグラフィックが自分のビジネスに関係している
- 貼りつけた際にリンクが張られることを明示している
のならば、問題ないと言えるだろう。
しかし、インフォグラフィックにリンクが埋め込まれていることを知らされていないのであれば、今後どこかのタイミングで、そのインフォグラフィックによるリンクの評価がある程度落とされたとしても不思議なことではない。
ユーザーに気付かないところでリンクを忍ばせることを善しとしないのはインフォグラフィックに限った話ではない。アクセスカウンターのようなブログパーツやブログツールの無料テンプレートにリンクを仕込む場合も同様だ。貼り付けると、どこのサイトにどんなリンクが張られるかを前もって明確に伝えておかなければならないのだ。
日本では被リンク構築にインフォグラフィックを利用しているサイトはあまり見かけないが、インフォグラフィックに限らずツールをリンク付きで配布するときは、利用者の承認があって初めて価値のあるリンクとして認められることを知っておこう。悪質な場合はペナルティの対象になることもあるだろう。
なんと不自然リンクまでもが301リダイレクトで転送されてしまった
301が負の遺産をも引き継ぐ証拠か? (WebmasterWorld)
前回のピックアップ記事の1つで次のような発言を引用した。
301リダイレクトは通常、被リンクや運用歴のような正の遺産はもちろんのことペナルティの要因になるような負の遺産も両方とも転送先のURLに引き継いでしまう。
この件に関して、「負の遺産を引き継ぐのであればライバルサイトのランキングを不正に下げることが可能になってしまうため、正しくないのではないか」という意見をいただいた。
だが、「負の遺産を引き継ぐこと」とそれを「悪意を伴う攻撃に悪用すること」は分けて考えてほしい。
WebmasterWorldで次のようなスレッドがあった。
公開してわずか1か月足らずのサイトで被リンクは16サイトからしか張られていないのにグーグルから不自然リンクの警告が届いた。そのうちの大部分は現在は301リダイレクトしている古いドメイン名に対して張られているリンクだ。
301リダイレクトが不自然リンクの原因までも転送したと考えても不思議はないケースではないだろうか。
筆者としては、グーグルは301リダイレクトがどのように使われているのかを判断できているのではないかと推測している。つまり、301リダイレクトがペナルティ逃れのように不正な目的で利用されているのか、それとも、第三者による攻撃に利用されているのかを、完全ではないとしてもグーグルはある程度は判断できているのではないかということだ。
そう考えると、このケースでは新旧どちらのサイトも同じ管理者であるので負の遺産を引き継いだのも納得がいく。
もっともあくまでも筆者の個人的な見解であるので読者の意見を聞きたいところだ。
301リダイレクトもmetaタグ編集もできないときのサイト移転に残された最後の手段
できないサービスを選んだのがそもそもの失敗 (Google Webmaster Help Forum)
ドメイン名を変更するときは、旧ドメイン名から新ドメイン名に301リダイレクトを設定するのが最善の方法だ。301リダイレクトが使えないときは、クロスドメインのrel="canonical"が次の手段として利用できる。しかしrel="canonical"ではユーザーは新しいサイトには自動的に転送されない。待機時間0秒のmeta refreshタグも使えないことはないが正式にサポートされた方法ではなく動作に不安が残る。
しかしどの方法も取れないときはどうしたらいいのだろうか? グーグル社員のジョン・ミューラー氏は次のようにアドバイスしている。
リダイレクトの設定が完全に不可能なら、以前のサイトにリンクを張っているサイトの管理者にコンタクトして今のサイトにリンクを張り替えてもらうように依頼するといい。そうすることで、我々のアルゴリズムがある程度なら現在のサイトをより適切に理解する手助けになる。
一言でいえば、既存の被リンクのリンク先を新しいドメイン名でのURLに修正してもらうということだ。少なくともPageRankを受け取ることができる。リンク先が多数変わることによってサイトが移転したことにグーグルが気付いてPageRank以外の情報も多少なりとも引き継いでくれればありがたいのだが、実際の挙動はどうだろう。
無料ブログや無料のホームページスペースはリダイレクトが使えなかったりmetaタグの編集ができなかったりすることも多い。以前にも指摘したように自由度が制限される点においても無料サービスはビジネス用途には不向きなので気を付けてほしい。
URL短縮サービスはリンク評価を渡すのか
301していれば渡す (Rand Fishkin (randfish) on Twitter)
SEOmozのランド・フィッシュキン氏が次のような質問をツイッターで尋ねられた。
TinyURLはリンクの評価を渡しますか? 率直な考えを聞かせてください。
フィッシュキン氏の回答はこうだ。
301リダイレクトを使っているから率直にいえばYesだ。
TinyURLはgoo.glやbitlyのようなURL短縮サービスでもっとも古くから存在する。短縮されたURLであっても301リダイレクトによって元のURLに復元されるのであればPageRankやアンカーテキストは渡る。もっともツイッターのなかでのようにnofollowが付いていればリンクとしての評価は消滅する(ソーシャル的、フレッシュネス的な評価は残るかもしれない)。
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