今回のまとめ
今回のまとめ
さて最後に、アクセス解析的にはどういうところに着目して数字を見たらよいかについて述べる。前半の前回の分も含め全体を通して見ていきたい。
- 検索連動型広告のランディングページ関連
まずは検索連動型広告から流入する人たちは、新規ユーザーが多いのか、リピーターが多いのかという点だ。併せてこのランディングページにおいて「はじめての方はこちら」のタブを選択している割合がどれくらいいるのかという点。おそらくタブの選択については、データを取得していないと思われるが、この2つを併せてデータを見てみたい。もし新規ユーザーが多いのであれば、最初に見せるべきタブは「はじめての方はこちら」という判断になるだろう。
続いて、ランディングページ内の上部5つのボタン(クリックできるのは4つだが)のクリック状況。あまりクリックされていなければ、下にもあるので削除してしまってもよいのではないだろうか。
そして「はじめての方はこちら」タブのコンテンツ内で、3つある無料サンプルセット、各セットの申し込みボタンのクリック状況。3つのセットのうち、どの申し込みボタンがこのページ上ではクリックされているのかを知りたいので各クリック数も。そして全体を評価するために、このページ全体のページビュー数、各セットの申し込みボタンのクリック数(クリック率)、各セットの実際の申込完了数を全部横並びで把握しておきたい。
- トップページまわり
トップページが入口となるセッションのうち、新規ユーザーとリピーターのシェアをまず把握しておきたい。新規ユーザーのセッションもそれほど低くないのではないかという仮説からデータを見てみたい。仮説どおりなら、新規ユーザーのためのコンテンツの優先順位をもう少し上げてみたい。具体的には、無料サンプルセットへ誘導コンテンツを左上の方に持ってくるなど、ファーストビューに占める存在感を増すようにしたい。
そして新規ユーザーのトップページにおけるリンク別クリック率。新規ユーザーはいったいどこに関心を持って次のページへ移動しているのかという事実を確認したい。「トライアル商品はこちら」や「無料サンプルはこちら」「豪華4点サンプルセット」のテキストや画像をどの程度クリックしてくれているのかは、大変気になるところだ。
- 「無料サンプルはこちら」のクリック先のページ
「無料サンプルお申し込み」ページの中段にある「金のリフト実感セット」のリンクはどの程度クリックされているのか、こちらに移動していったセッションのコンバージョン率はどのくらいだったのかといったことも知りたい。この2つサンプルセットを比較して、納得のいった方を選択でき、結果的にトータルでコンバージョンが高くなったのであれば、このわき道は有効だったということになる。
最終的には、1つ1つの改修が大きな影響を及ぼす恐れがあるので、ページの改修はポイントを1つに絞って、A/Bテストを繰り返して進めていくのがよいと思われる。ここでは新規ユーザーの無料サンプル申し込みというシナリオだけで考えてきたので、既存ユーザーのいろいろな買い方に対するシナリオでサイトを見てみるということで、もっと様々な発見をすることができそうだ。
◇◇◇
このコーナーとしては初めて通販サイトを取り上げたが、いかがだっただろうか? ネットをそれほど頻繁に使わない高年齢層のユーザーも、テレビCMや雑誌広告などを見て訪れることも多いと考えられるだけに、商材の違いや対象ユーザーの属性ごとに、どのようなデザインや構成がベストなのかは、通販サイトの数だけ存在するのかもしれない。ある会社にとってベストな戦略やデザインをそのまま自社に持ってきても通用しないだろう。だからこそ、チェックのしかた、検討の考え方などといった、抽象的な次元でいろいろなサイトを参考にすることに意義があるように思う。
さてこの連載では、
- Webサイトのオーナーか管理者の方からの「かってに解析」してほしいリクエスト
- 「かってに解析」されたサイト運営者・管理者の方からの異論や反論
などを随時募集していきたいと考えている。希望者は、(web-tan@impressrd.jp)までお寄せいただきたい。
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