SEOサイト状況レビュー(監査)ドキュメント作成における4つのポイント
SEOサイト状況レビュー(SEO監査)は、すべてのSEO担当者が経験している作業の1つだ(社内の担当者であれ、外部の委託業者や独立コンサルタントであれ)。状況レビューは、1~2時間の簡単な査定を実施した結果を短いメールで送付するものから、1か月以上かけて50ページもあろうかという膨大な文書を完成するものまで幅広い。駆け出しのSEO担当者でも簡単な評価作業に数百ドルを請求するし、有名コンサルタント会社にもっと完璧に近いレポートを依頼するとなると、1回のレポートに最低でも4万ドル近くかかることもある。
ところが、これほどまでに時間と費用がかかる作業だというのに、この話題を取り上げている業界内のブログがほとんどない。思うに、状況レビューで評価する要素や、レビューの進め方は、SEO担当者が公開せず秘密にしておきたい類の情報なのだろう。
そこで私は今回、真のSEOmoz精神に則り、このブラックボックスをこじ開け、経験を通じて学んできたことを紹介しようと思う。私はこれから数か月をかけて、SEO状況レビューの最適化というテーマでたくさんの記事を書くつもりだが、本稿が第1回。まずは、何年かの経験で私自身が遭遇した、大がかりなSEO状況レビューのすべてに関わるとりわけ重要な諸要素に触れてみよう。
① SEOスコアカード
私が作るSEO状況レビュー文書の中で一番重要な要素の説明から始めよう。
このアイデアは、昔の職場で社内SEOに関わった際、上司だったウッディー・パストリアス氏の指導から生まれたものだ。パストリアス氏は自社が所有する複数のウェブ資産について、SEOの健全性を明瞭簡潔に要約したものをベンチャーキャピタルに見せたいと考えた。私は、SEOはとても複雑なので無理だと伝えたが、パストリアス氏は私の尻を叩いて、結局2人でSEOスコアカードを考え出した。
このスコアカードでは、縦軸にはSEO要素をカテゴリ分けして並べ、横軸に並べたサイト内の主要ページそれぞれについて5段階で評価している。主要ページを選び出す際に、あまり欲張ってはいけない。私はこれまで、最大規模のサイトでも5つ以上選んだことがない。1つのサイトを詳しく掘り下げてみると、たいていの場合、コンテンツの90%はほんの一握りのテンプレートで表されていることがわかるだろう。SEOスコアカードは、エクセルで作って保存しておけば、スクリーンショットで状況レビュー文書に挿入できる。
私はいつも、SEOレビュー文書の最初の方にSEOスコアカードを置くことにしている。これは、レポートを最後まで読んでもらい、改良点を説明する際の参考を提示するのに、すばらしい方法だ。ここまでの説明を読者が目で見て理解できるよう、私が最近作ったSEOスコアカードの冒頭部分の例を以下に示す。
② レビュー文書内のリンク
ここでは、SEOの要素としてではなく、SEO状況レビュー用のWord文書内におけるリンクの仕方について説明する。
私がこれまでに作成したレポートと同じようなものを作るなら、文章量もファイルサイズも膨大になる。スクリーンショットなどのビジュアル要素を使うのが得意な人ならなおさらだ。そこで、クリック1つで目的のページまで飛べる目次を作ったり、関連するセクションやトピック間にふんだんにリンクを埋め込んだりして、読み手をうまく誘導しよう。そうすることで、読み手は文書からより多くの情報が得られるし、自らの理解の仕方に沿った方法で読み進むことが可能になる。
文書内リンクを追加することで、ドキュメント編集の最後の作業に1時間ほど余計に費やすことになるが、クライアントから感謝されることは間違いない。
下の画像は、SEO状況レビュー文書の「最も緊急性が高く、かつ価値も高い変更点」セクションからとったものだ(文書内のリンクとは直接関係ないが、レビュー文書の参考として)。
③ 作業項目リスト
近いうちに、私がSEOレビューの作成に使用している大まかな形を公開するつもりだ。今のところ、見出しと小見出しがずらっと並び、それに大量の文章がくっついて、そのあちこちにスクリーンショットが貼られているところを想像してもらえればいい。
普通の人にとって、SEOレビューは読みにくい文書だ。そのコンセプトには馴染みがないし、読み進むにつれ、提案された構想を実行に移す方法について、あれこれ考えを巡らせることになる。「新しいTo-Doリストを作る」という余計な仕事を読み手に強いてはいけない。問題の中味とその解決策を詳しく解説した後で、実行にうつすべき項目のリストも文書内に盛り込んでおこう。これは短い要約でいいので、手短にまとめることを心がける。
私が最近作成したレポートから、「ローカル検索」セクションに用意した作業項目リストをサンプルとして紹介する。
④ 繰り返し
自分が作成したレビュー文書を、クライアントが隅から隅まで、何度も繰り返し真剣に読んでくれると思うのは大きな間違いだ。クライアントは、最も重要な問題点とこれからすべきことのリストを探して、文書にサッと目を通すくらいしかしない。
SEOmozでは、重要なポイントを、SEOスコアカードやそのポイントについて詳細に説明したセクションで取り上げるだけではない。重要性の高い要素に関しては、文書内の以下のような部分でそれぞれ、全体では7回にわたって、何らかの形で取り上げる。
- 概要
- 目次
- スコアカード
- 「最も緊急性が高く、かつ価値も高い変更点」セクション
- トピックのセクション(最も詳細な形で)
- 作業項目
- 最後のサマリー
評価の全文を何回もコピー&ペーストしろと言っているのではない。言いたいのは、強調したい重要な点には頻繁に触れ、文書内でそのポイントを詳細に評価してあるセクションへの内部リンクを張るのが望ましいということだ。
- これから何を説明しようとしているかを伝える(概要)
- 伝えたいことのうちで、最も重要なポイントを詳しく説明する(「最も緊急性が高く、かつ価値も高い変更点」セクション)
- 必要な情報がどこにあるかを伝える(目次、文書内リンク)
- 5段階評価でどれだけの点数になっているかを伝える(SEOスコアカード)
- とにかく説明する(トピックのセクション)
- 今まで言ってきたことをもう1度伝える(最後のサマリー)
私は、状況レビュー文書を長年書き続けてきて、SEO担当者として特にお気に入りの作業の1つになった。もちろん、ずっとそうだったわけではない。初めのうちは、気に入ったやり方を身につけ、効率を高めるのに多くの時間を費やす。私が今回紹介したアイデアのいくつかが役に立ち、SEO状況レビュー文書を書く体験が改善されることを願っている。
作業項目
- 自分なりのSEOスコアカードを作成し、それをSEOサイト状況レビュー文書の拠り所として活用する。
- 状況レビュー文書内にふんだんにリンクを設け、クライアントをうまく誘導する
- 各セクションを明瞭簡潔な作業項目のリストを使って要約する。
- 「何度も」繰り返す。
それでは、状況レビューを楽しんで!
- リンジーについて
- リンジー・ワッセルはSEOmozのQ&Aコーナーの責任者で、Keyphraseology, LLCとしてSEOコンサルティングサービスを提供している。
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