コンバージョン数を増やすにはどうすればいいか?
ライバルには教えたくないキーワード広告の勝ち組戦略
~成果を出すための達人の思考とノウハウ
日本に上陸してからオンライン広告のあり方を大きく変え、検索エンジンからの集客手段として当たり前となった検索連動型広告。多くのマーケティング担当者がその重要性を理解している反面、そのメリットを十分に活かせていないのが現状だ。いま、広告主には変化が求められている。検索連動型広告を運用する上でマーケティング担当者が成すべきこととは何か、改めて探っていこう。
泉 浩人(株式会社ルグラン)
コンバージョン数が思うように増えない原因は大きく分けて2つある。1つはクリック率やコンバージョン率が低いこと、もう1つは入札しているキーワードの検索回数がそもそも少ないことである。原因を探るにはIMCV係数を計算してみよう。
スモールキーワードの弱点
前回説明したように、これからキーワード広告を始めようと考えている方は、自分のサイトの商品に適合したスモールキーワードを丹念に拾い上げることから始めるのが良い。
しかしスモールキーワードには弱点がある。検索ユーザーの意図が絞り込まれている反面、検索するユーザー数が限られているため、「大化け」して検索回数が増える可能性、すなわち大量の集客につながる可能性が低いのだ。
検索回数の目安を計算するIMCV係数
目標とするコンバージョン数を達成するために、どれぐらいの検索回数が必要なのかを計算するにはIMCV係数を使う。IMとは合計検索回数を意味するインプレッション(IMpression)の頭文字で、CVはコンバージョン(ConVersion)の略字である。計算方法は以下の通りだ。
例えば、検索連動型広告に出稿しているキーワードの平均クリック率が4%、コンバージョン率が1%の場合を考えてみよう。
この場合のIMCV係数は2500となる。つまりコンバージョンを1件得るためには、2500回の検索回数が必要ということだ。もし月間で100件のコンバージョンを得たいなら、100×2500=250,000回の検索回数が必要という計算になる。
月間のコンバージョン数の目標値が100件である場合、検索回数が250,000回以下なら、検索回数を増やさなくてはならないので、ビッグキーワードを入札リストに加えるか、あるいはスモールキーワードの数を増やさなくてはならない。
あるいは、検索回数は現状を維持したままコンバージョン数を達成したいのであれば、クリック率やコンバージョン率を上げるという方法もある。
いずれにしても、コンバージョン数が思うように増えない場合はIMCV係数を使用してどこに原因があるのかを特定した上で、具体的な対策を練るというやり方をお勧めしたい。
今回説明した内容については、拙著『SEM 成功の法則』(ソーテック社、2008年12月刊)の「PART2 キーワードの『ポートフォリオ』でリスクとリターンを最適化する」で詳しく説明してあるので、興味のある方はご一読いただきたい。
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