■ケータイの進化
■ケータイの進化
Y氏「けどなあ、ケータイがここまで進化するとはねえ」
K氏「まあ形はあんま変わんないよね。折りたたみだって最初のときからあったし」
Y氏「正直、最近は進化しすぎて私にもなんだかわからないんだよね。新機能が」
K氏「そりゃあんたが出世して現場離れちゃっただけだろ」
Y氏「あのときバイトだったやつが今は事業部長だもんな」
K氏「清水君なんかまだ大学でたばかりの一年目だったっけ?」
Y氏「おまえもう、すっかりオッサンだよ」
K氏「通信速度も速くなったしなあ。最初は9.6Kbpsか。それが今は7Mbps? 1000倍?」
Y氏「パケット定額制も完全に浸透したしね」
K氏「僕技術者じゃないからよくわかんないけど、テクノロジーってこういうもんなの? 10年間で1000倍? 1年で10倍になってるってこと? 凄くない?」
Y氏「動画もアプリもあるし、音楽も聞けるようになってね」
K氏「そもそも最初なんか、待受画面すらオプション機能っていうか、松下の端末にしか搭載されてなかったんだぜ」
Y氏「それ言ったら着メロもそうですよ」
K氏「ある意味、コンテンツが主導してここまで来たんだよ」
Y氏「むしろそこまでやる必要あるのかってくらい進化してきたね」
■独自の進化を続けて来たケータイサイトのデザインとUI
K氏「PCと同じ技術の流用に近いのに、PCとはまったく違うデザインが必要とされてるよね。ケータイは」
Y氏「1つはやっぱりPCはマウス使うじゃない? けど、ケータイはカーソルキーだから」
K氏「これが似てるように感じるけど、意外と違うんですよねー」
Y氏「いや、いつも思ってんだけど、画面が狭いってのはいいことだよな」
K氏「お、おもしろいこと言うね」
Y氏「画面が広いとさ、迷うじゃない。それぞれのWebサイトで微妙に縦横比が違う。そうするとウィンドウを広げたり狭めたりして。なんか無駄でしょ。それ。で、最近はへんな余白とかでごまかしたりして」
K氏「あー、そういやそうだよな。タブブラウザでみてるのに余白が出るとか」
Y氏「画面が狭くてある程度固定されてるから、デザインはしやすいし、ユーザーの目線の動きとか心理状況とかをコントロールしやすいんですよ。ケータイは」
K氏「しかもマウスカーソルみたいなふらふら動くUIがないもんね。カーソルキーでカチッカチッというクリック感で動く」
Y氏「そう。iPhoneのズームインとかズームアウトとか、すげーよくできてんだけど実際に触ってみると面倒なんだよ」
K氏「おまけに今度の新しいiPhoneOS 3.0ではコピペができるようになったでしょ? スクロールしようと思ってタップすると、間違って選択されちゃうんだよね。これはすげーイライラする」
K氏「確かに。あれが最初からあのUIだったらiPhoneがあれほど評価されたかどうか…」
■ケータイAjaxでUIはどう向上するか?
Y氏「ま、話戻すと、ケータイサイトの場合、最初の1画面目に何が出てくるかっていうのがすげー重要なわけだ。スクロールして続きを見る気になるかっていうあたりがね」
K氏「そうそう。んで、読み込みの時間を稼ぎたくてついついページが縦に長くなるんだよね」
Y氏「おれ、そのあたり凄く期待してるのが、今回の“iモードブラウザ2.0”なんだよな」
K氏「おお、あれね。JavaScriptが使えるっつう。おれはイマイチピンと来ないんだけど、あれは何が良いの?」
Y氏「お前が言うと宣伝臭いよ」
K氏「そうそう。CMSで儲けてんでしょ」
Y氏「ま、それはさておき、要するにiモードでAjaxが使えるってことはさ、今までみたいに一気に全部読んで縦に長いページ作らなくてもいいわけ。まず軽いページを読んで、その後、続きをAjaxで読んでつなげてけばいいわけだ」
K氏「え、そんなことできるの? それすっごいいいな」
Y氏「それがお前んとこのCMSの新機能だっていうんだろ。その手は食わんぞ」
K氏「まあでも、それはいいじゃん。それとして」
K氏「うるさい黙れ」
Y氏「とにかく、いままでユーザーごとに最適化したページを出したいっていうのはCPにとって悲願だったんだ。もちろんデータベースにユーザーの行動を逐一記録しておけば今までもできなくはなかったけど、実際にやろうとするととてつもない負荷がかかるので大規模なサイトでは導入できなかった」
K氏「まあゲームサイトではそうなってるところもあるけど、そもそもゲームは絶対的なユーザー数が少ないからね」
Y氏「それがCookieとAjaxを組み合わせることで、簡単にユーザーごとのページ出し分けができるようになったというのは褒めてやってもいいと思うんだよな」
K氏「でも、ケータイの場合は、ファイルの大きさよりもファイルの数が減った方が全体の速度は速くなるんだよね。新しい接続を開く方が時間かかるから」
Y氏「あとは今まで取りたくても取れなかった、ケータイサイトでユーザーがどの部分まで読み進んだのか、という情報も取れるといいね。どこまでスクロールしていったかという情報」
K氏「え、そんなの取れるの? どうなの清水君?」
Y氏「だめだろ、それは。システム屋として」
Y氏「そういう情報がとれると、新入会員の獲得がどの時点で失敗したのかわかるようになってより効果的な訴求ができるようになると思うんだよなあ」
K氏「相変わらずYさんは容赦なくサイトを最適化するなあ」
Y氏「そう。なんかLPOとかいまさら言ってるPCサイトは遅れてると思うよね。俺たちの頃はそんな言葉なかったけど、みんな自然にやってた」
K氏「各社独自のシステム作ってね。どんな文言がユーザーの心に刺さるのか、絵がいいのか、文字がいいのか、ボタンの位置は上がいいか、下がいいか。どれがいいのかぜんぜんわからんしね」
Y氏「PCのネットが全体的に遅れてる。だからPC用のWebマーケティングテクニックとかまったく役に経たないよね」
K氏「SEOのやり方すら違うからね」
Y氏「ケータイは善くも悪くも特殊な世界。けれどもユーザーにもっとも近い世界。だから最適化のしがいがあるんだよね」
K氏「1バイト違うだけで集客率がぜんぜん違うからね」
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