Web担当者必見! リサーチ データ&市場調査レポート

OpenIDの認知率は12%、利用意向は55%/ウェブサイトの会員登録に関する調査

Webマーケティングガイドでは、インターネット調査会社のメディアインタラクティブと共同調査のもと、ウェブサイト上での会員登録に関する調査を実施した。

Yahoo! JAPANは2008年1月30日、OpenID(オープンアイディ)の発行サービス(ベータ版)の開始を発表した(参照:「外部サイトでYahoo! JAPAN IDを利用可能にするOpenIDの発行サービスを開始」)。OpenID自体は数年前から日本でもサービスが開始されていたが、Yahoo! JAPANの参入、そしてシックス・アパート、日本ベリサイン、そして野村総合研究所(NRI)の3社による「OpenIDファウンデーション・ジャパン(仮称)」の設立(4月予定)など、日本でも普及に向けた動きが活発化している。

そこでWebマーケティングガイドでは、インターネット調査会社のメディアインタラクティブと共同調査のもと、ウェブサイト上での会員登録と、OpenIDに関する調査を実施した。

※Open IDとは、一つのIDでインターネットのさまざまなWebサイトの認証をしてくれる仕組み。ユーザー名としてのIDにURLを使うという特徴がある。

※調査概要に関しては、記事の末尾に記載している。

約40%が20サイト以上のPCサイトに会員登録経験がある

まず、PCのウェブサイトからの会員登録数を尋ねた(Q1-1)。その結果、「20サイト以上」と回答したユーザーが最も多く37.8%となった。次いで、「10サイト以上~20サイト未満」の26.0%、そして「5サイト以上~10未満」の18.8%が続いた。

[Q1-1]

モバイルサイトでの会員登録数はPCに比べて少なく、1~3サイト

さらに、モバイルのウェブサイトにおける会員登録数を尋ねたところ(Q1-2)、「1サイト以上3サイト未満」と回答したユーザーが最も多く35.8%。次いで、「会員登録をしたことはない」の31.6%が続く結果となった。

[Q1-2]

PCで最も回答が多かった「20サイト以上」の割合はわずか4.0%となり、PCの約10分の1程度の水準となっている。

Q1-1とQ1-2を比較すると、PCとモバイルにおける会員登録数には大きなギャップが存在していることがわかる。今回の調査がPCのインタネットリサーチを使っていることを考慮する必要はあるが、この調査結果から、「PCユーザーはモバイルでの会員登録を行わない傾向」にあり、「モバイルでの会員登録がまだあまり進んでいない」のかもしれない。

約80%のユーザーは会員登録時に不安を感じたことがある

会員登録をする上で不安に感じることがあるか尋ねた(Q2)。その結果、77.6%のユーザーが不安を感じたことがあると回答した。

[Q2]

また、属性別の回答を見ると、男性では不安を感じたことがあると回答した割合は74.4%であるのに対し、女性では80.8%となっており、男性に比べ女性は会員登録における不安を感じやすい傾向にあることが伺える。

「無名な企業」、「プライバシーマークがない」ことに不安を感じる

会員登録に不安を感じたことがあると回答した388人に対して、どのようなときに不安を感じたかを尋ねた(Q3)。

その結果、「無名な企業である」と回答したユーザーが最も多く59.3%。次いで、「プライバシーマークがない/個人情報が守られるかどうか」の52.3%、そして「サービスに関係のない情報の入力を求められたとき」の49.2%が続く結果となった。

[Q3]

企業の知名度だけでなく、プライバシーマークやSSLへの対応について回答したユーザーが多く存在していることから、ユーザーのウェブサイトやセキュリティに関するリテラシーが高まっているのではないかと考えられる。

また、運営側で行ってしまいがちなのは「サービスに関係のない情報の入力を求める」という行為である。より多くの消費者データを蓄積しておくことには運営側としてはメリットがある。ただし、留意しなくてはならないのは利用者側がそれを見てどう感じるかという点である。現に今回のリサーチ結果からは、そういった行為に約半数のユーザーが不安を感じている。

インターネットの業界は技術進歩が速く、すばらしい技術やサービスが次々と誕生するが、食品偽装問題など企業の信頼が損なわれる事件が起こっている昨今の社会情勢のもとでは、テクノロジー以外の部分からのアプローチも重要になってくるのではないだろうか。

IDやパスワードは「自分の記憶」で管理

会員登録時には絶対に必要となるIDやパスワードの保管方法について訪ねた(Q4)。その結果、「自分で記憶している」と回答したユーザーが最も多く51.6%となった。次いで、「手帳などの紙に書き留めている」の37.2%。「デジタルデータに保存している」の27.6%が続く結果となった。

[Q4]

2007年8月にWebマーケティングガイドが行った「インターネットセキュリティに関する調査(下)」では、IDやパスワードの管理を「自分自身の記憶」にたよって行っていると回答したユーザーが最も多く44.8%であり、次いで「手紙などにメモしておく」の35.9%、「メモやワードなどのドキュメントに保存している」の28.0%となった。

今回の調査結果とは、パーセンテージこそ違うがその順位関係は変わっておらず、ユーザーのIDやパスワードの保管方法に関しては一定の傾向があると考えられる。

※本調査では、「インターネットセキュリティに関する調査(下)」と選択肢が異なっているため、参考値とする。

IDやパスワードを忘れてしまい困ったことがあるユーザーは約90%

会員登録したサイトにログインしようとしたとき、IDやパスワードを忘れてしまい困ったことがあるかどうかを尋ねた(Q5)。

その結果、「よくある」と回答したユーザーは25.8%。「たまにある」と回答したユーザーは62.8%となり、両者を合計した88.6%のユーザーは会員登録時にIDやパスワードの忘れによって困った経験があることがわかった。

[Q5]

サイトや企業が異なれば、文字数の上限下限や数字の不必要、また特殊文字が使えるかどうかも変わってくる。

また、半数以上のユーザーがIDやパスワードを「自分の記憶」で覚えているということがわかっており、この88.6%という数字も妥当性のある数字に思われる。

IDやパスワードがわからずログインをあきらめるユーザーはわずか1.1%

IDやパスワードがわからなくなり困ったことがあると回答した443人に対して、その際にどのように対処したかを尋ねた(Q6)。その結果、「IDやパスワードを問い合わせ、登録してあったものを知らせてもらった」が最も多く74.9%。若干差は開くものの2番手には「IDやパスワードを再発行した」の48.8%。そして「管理者からの発行時のメールを見返した」の45.1%が続く結果となった。

[Q6]

企業にとってもユーザーにとってもIDやパスワードの再発行やメールの確認、そして試行錯誤をしてIDやパスワードを思い出すという行為は面倒なもので、できれば避けたい事態である。

その原因として、上記したように各サイトや企業におけるIDやパスワードの規格が異なることが多少なりとも影響していると考えられる。

OpenIDの認知率は12.0%。利用者に関してはわずか1.2%。

次に、OpenIDの認知と利用状況を尋ねた(Q7)。その結果、「知っており、利用もしている」と回答したユーザーはわずか1.2%(6人)。認知に関しても12.0%(「知らない」と回答したユーザー以外)と、非常に少ない結果となった。

[Q7]

70.8%のユーザーはOpenIDの利用方法をイメージできる

OpenIDを利用したことがないと回答した494人に対して、OpenIDの説明文を読んでもらい、その利用方法をイメージできるかどうかを尋ねた(Q8)。その結果、70.7%のユーザーがイメージできた(「非常にイメージできた」と「何となくイメージできた」の合計)と回答した。

[Q8]

65.2%のユーザーはOpenIDのセキュリティ面に不安を抱いている

さらに、OpenIDのセキュリティ面への信頼を尋ねた(Q9)。

その結果、信頼を持てると回答したユーザーは34.8%(「非常に持てる:2.8%」と「やや持てる:32.0%」の合計)となった。

[Q9]

信頼を「まったく持てない」と回答したユーザーは5.2%とそれほど多くないが、「あまり持てない」という回答は半数を上回る60.0%となっており、ユーザーはセキュリティに対する漠然とした不安を抱いているのではないかと考えられる。

Yahoo! JAPANの参入によりOpenIDの信頼性が増すと55.6%のユーザーが回答

1月30日に発表があったYahoo! JAPANのOpenIDへの参入を伝えた上で、OpenIDへの信頼が増すかどうかを尋ねた(Q10)。

その結果、55.6%のユーザーが信頼が増す(「非常にそう思う 4.4%」と「ややそう思う 51.2%」の合計)と思っていることがわかった。しかし40%以上のユーザーは依然としてOpenIDへに対して何らかの不安を感じている。

[Q10]

ただし、50%以上のユーザーがYahoo! JAPANの存在により、OpenIDへの信頼が増すと回答している事個からは、日本最大級のポータルサイトであるYahoo! JAPANがOpenIDの普及に対して与える影響が非常に大きいことが伺える。

55.4%のユーザーが今後OpenIDを利用してみたいと回答

OpenIDの利用意向を尋ねた(Q11)。その結果、利用したい(「非常にそう思う:6.0%」と「ややそう思う:49.4%」の合計)と回答したユーザーは55.4%と半数以上に及んだ。

[Q11]

OpenIDの現状認知率がわずか12.0%であることを考慮すると、このサービス自体の魅力とわかりやすさ、そしてYahoo! JAPANの存在が今後の利用意向に大きく寄与しているのではないかと考えられる。

「個人情報などのセキュリティ面」での不安がOpenID利用の阻害要因となっている

最後に、今後OpenIDを利用したいとは思わないと回答した223人に対してその理由を尋ねた(Q12)。

その結果、「個人情報などのセキュリティが不安だから」が60.1%で最も多く、次いで「仕組みがわからないから」の42.5%、そして「IDやパスワードを共通(1つ)にする必要がないと思うから」の36.8%が続く結果となった。

[Q12]

その他の自由回答としては、

「共通のIDだと、一度どこからから情報が漏れたときの被害がすべてに及ぶから」
「自分でメモ帳にでも保存すればよい」

などの意見が寄せられた。

自由回答の結果を見てもわかるように、セキュリティ面での不安とOpenID自体の必要性がOpenIDの普及を妨げる阻害要因であると考えられる。今後も、OpenIDへの参加企業やサイトは増えていくと考えられるが、上記ポイントをどのようにして解決するかがOpenID普及には不可欠なのではないだろうか。

調査概要

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  • 本調査は、業界の全般的な調査であり、あくまでも指標となるものですので、参考データとしてご活用下さい。業種や取り扱っている商品、またユーザーの属性によっても調査結果は大きく異なると考えられます。
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