単なる調整役ではない統括役の知見とプランを持とう
ウェブマスターの業務マニュアル完全版
ウェブマスター2.0 — Webmaster 2.0
- Part 1 すべての業務を把握してバランスをとる
- Part 2 どのアクションをどのタイミングで実施するのか
- Part 3 具体例:コーポレートサイトの場合
長谷川 敦士(株式会社コンセント)
具体例:コーポレートサイトの場合
サイト目的の設定3要素
ここでは典型的なコーポレートサイトの場合のウェブサイトで具体例を考えてみる。図1が一般的なコーポレートサイトのサイト目的を設定するための要素だ。 サイトを訪れるユーザーは、製品やサービスの情報を求める顧客、IR情報を求める投資家、採用情報を求める新卒・中途などの就職希望者、取引先企業の担当者などがあげられる。
サイトで用意するコンテンツ(内容)としては、製品・サービスの情報、IR情報、採用情報、基本的な会社概要などがあげられるだろう。これらに付随したプレスリリースなどもあるだろう。
コンテキスト(文脈)を考えるために、まず製品・サービスなどの情報の広報機能としてどの程度ウェブを使っていくつもりなのかを明示化してみよう。たとえば、対面のセールスがメインのサービスであれば、ウェブでの情報提供は補助的なものとなるが、逆にセルフサービスでユーザーが情報を得るのであればウェブ上での情報提供が唯一のものとなるために、重要度は増すだろう。 IR情報や採用情報についても同様に考えてみよう。たとえば、IR情報ならば、個人投資家が多いのであればウェブで情報を得て投資判断をすると考えられ、ウェブでの情報開示がメインの情報提供手段となる。機関投資家がメインであれば、ウェブ以外のチャンネルも使われると考えられる。
また、こういった情報提供手段と当時に考えなければならないのが、問い合わせやサポートの体制だ。ウェブでの問い合わせやサポート受付が一般化するにしたがって、ユーザーもウェブでなんでも問い合わせができると期待するようになる。しかし、はたして企業側の体制としてそれだけの問い合わせを受け付けられるのかどうかを検討しなければならない。
ウェブサイト自体は問い合わせフォームやメールなど自動化は可能だが、それらの対応は人が行うことになるので、適切に体制が整えられていない場合、問い合わせだけが届いて、対応できない状況になってしまうケースもあるのだ。この際、たとえばコールセンタや他の問い合わせ窓口などのウェブ以外の問い合わせ手段を用意している場合は、それらの費用をどの程度減額できるかという試算に基づいて、ウェブでの問い合わせの対応の強化を検討したい。
こうやって自社のビジネスの状況に対応させて、ウェブサイトをどの程度活用すべきかを検討しよう。
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