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脱付加価値、買いたくなるサムネイル・ページ作りでヒットを生む「OZA SODA」ライフドリンクカンパニーのEC戦略

7ヶ月 1 週間 ago
ライフドリンクカンパニーの成長の秘訣は「楽天ハック」「自社EC」「脱付加価値戦略」にある。成長を遂げているポイントを執行役員SCM本部長・橋本知久氏が解説。

炭酸水など飲料品の低価格販売を手がけるライフドリンクカンパニーのEC事業が急成長している。2020年に「楽天市場」に出店しEC事業を開始、翌年には「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー」(SOY)の新人賞を獲得。その後もSOYのジャンル賞を連続で受賞している。売上規模もすでに数十億円規模に達しているという。ライフドリンクカンパニーの成長の秘訣は「楽天ハック」「自社EC」「脱付加価値戦略」にあるという。ライフドリンクカンパニーの執行役員SCM本部長・橋本知久氏が解説する。※2024年9月19日時点の情報です

全社売上高は約382億円、EC化率は2ケタ%超

ライフドリンクカンパニーは大阪に本社を置く飲料メーカー。主事業としては、低価格の水やお茶などのペットボトル飲料をスーパーマーケットやドラッグストアにプライベートブランドで卸している。2024年3月期の全社売上高は前期比26.4%増の382億3600万円。EC売上高は非公開ながらEC化率は「全体の2ケタ%は超えている」(橋本氏)としている。EC売上高は40億円を超えるとみられる。

ライフドリンクカンパニーの執行役員SCM本部長・橋本知久氏
ライフドリンクカンパニーの執行役員SCM本部長・橋本知久氏

「楽天市場」からECスタート、1年目からSOY受賞

そんなライフドリンクカンパニーのEC事業が始まったのは2020年。同年2月、「楽天市場」に「LIFE DRINKオンラインストア」を出店してEC事業をスタート。その能登、「Yahoo!ショッピング」「Amazon」「Qoo10」「au PAYマーケット」など主要モールに出店。自社ECは2022年4月に立ち上げ、現在は全7店舗運営体制だ。

低価格で打ち出したオリジナルの無糖炭酸飲料「ZAO SODA」(現:OZA SODA)が大ヒット。EC事業開始1年で楽天SOY(楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー)の新人賞とジャンル賞を受賞した。2021年は「楽天市場」の「水・ソフトドリンク」における年間総合ランキング1位を獲得。2022年のSOYではジャンル賞、2023年のSOYではジャンル賞の大賞に輝くなどし、EC事業は毎年2ケタ成長が続いている。

「楽天市場」からEC事業を開始。現在は7店舗を運営
「楽天市場」からEC事業を開始。現在は7店舗を運営

ライフドリンクカンパニーがECスタートを「楽天市場」にした理由は、①国内有数の市場規模を持っている、②店舗・商品の個性をしっかりとPRできる、③買い物を楽しむユーザーが多い――ことから決めたという。

Amazonは商品画像と価格が中心のすっきりとしたデザインであるのに対し、「楽天市場」は自社や商品をPRできる。自社の商品を見たことがないお客さまにも自社の商品の魅力度をきちんと伝えることが可能だ。ライフドリンクカンパニーでは、無糖炭酸飲料という差別化が難しそうな商品について、「水」「炭酸」「安全性」や人気商品であるという点を丁寧に記載している。実際、参入当初に競合リサーチをしたが、売り上げの上位商品を見ても、Amazonは大手型番商品が多い。一方、「楽天市場」はあまり見かけない商品が数多く上位にランクインしており、後発でもしっかりとシェアを取っていける土壌があると感じた。(橋本氏)

「楽天市場」で成功するための6つの秘訣

「楽天市場」での戦いについて、次の6つに重点的に取り組んでいる。

  1. ECに特化した商品作り
  2. 競争力のある値決め――脱付加価値戦略
  3. 変化し続ける物流網
  4. 買ってみようと思わせるサムネイル・ページ作り
  5. 柔軟な広告宣伝費投入
  6. 少ないSKU・少数精鋭で①~⑤を徹底的に行う

①ECに特化した商品作り

ヒット商品「ZAO SODA」は「楽天市場」の主要購買層である30~40歳代の家庭を持つ女性をターゲットに商品を開発。従来型の無糖炭酸飲料は「男性向けのゴツゴツしたデザイン」「赤黒のシンプルな色合い」などで展開されていたことから、ターゲット層に合わせカラフルな色合いとポップな表現をパッケージやクリエイティブに採用した。

パッケージは商品にすべての情報を盛り込むのではなくEC上で商品情報を補完することを前提にしたシンプルなデザインにした。こうした戦略的開発からヒット商品を生み出した。

「楽天市場」の顧客層をターゲットあわせたに商品デザインに
「楽天市場」の顧客層をターゲットに合わせた商品デザインに

またライフドリンクカンパニー全体の商品戦略として、「ZAO SODA」をはじめECで販売する商品は全てEC専用商品として販売している。BtoB顧客との競争を避け値決めしやすいことが狙いだ。このように、ライフドリンクカンパニーはECの特性を考慮の上、売れる商品開発を進めている。

②競争力のある値決め――脱付加価値戦略

ライフドリンクカンパニーは「脱付加価値戦略」を掲げ、本質的な価値を追求するという戦略を採っている。たとえば「ZOA SODA」の場合、「喉を潤す」「炭酸ですっきりとした味わい」、販売価格が顧客にとって本質的な価値であると考える。付加価値ではないこうした本質の部分の徹底に注力することが、ヒット商品を生む秘訣になっているという。

販売価格を低価格化するため「小品種大量生産」「内製化」「工場の全国展開」に取り組み、低価格な飲料を全国的に安定提供する体制を整えた。「小品種大量生産」としては容量バリエーションを2リットルと500ミリリットルに絞って展開。バリエーションを抑えることで“無駄”の極小化を実現している。

展開バリエーションは2リットルと500ミリリットルに集中
展開バリエーションは2リットルと500ミリリットルに集中

飲料工場は東は岩手、西は宮崎まで全国12拠点に工場を展開。各地から出荷することで配送コストの低減につなげている。そのほかペットボトルの原材料の調達から販売までを内製化、こうした取り組みで生産効率の最大化などを図りコストを極小化、低価格を維持する。

値決めは毎朝アナログな方法で競合価格をチェックして、決めている。ツールでは取得しきれない、クーポンやポイントなどの影響も考慮し、ライフカンパニーの商品が実質的な最安値になるように調整している。(橋本氏)

③変化し続ける物流網

飲料は費用に占める物流費の割合が高い。そのため、ライフドリンクカンパニーは配送条件に応じて配送会社の切り替えを細かく実施。こうした取り組みや工場拠点の強靭化で商品を低価格での提供を維持している。

短期間で細かく配送会社・3PLの並行利用や変更を実施
短期間で細かく配送会社・3PLの並行利用や変更を実施

物流費は採算に直結し、ライフドリンクカンパニーとしてはかなり死活問題となる部分。常に最適な物流を模索し複数の配送会社・3PLを並行利用かつ変更している。(橋本氏)

④買ってみようと思わせるサムネイル・ページ作り

市場にある炭酸飲料は型番商品の主となるため、競合店は商品ページなどの作り込みが限定的になる傾向にあるという。そこでライフドリンクカンパニーは差別化として商品ページなどの作り込みを徹底した。

モールに並ぶ炭酸飲料の商品ページは白背景に商品といったサムネイルがほとんどだった。これを逆手にとって背景色をつけたり目に止まるように見せ方にこだわっている。(橋本氏)

競合はシンプルなサムネイルが多いことから目立つデザインを用意し差別化
競合はシンプルなサムネイルが多いことから目立つデザインを用意し差別化

⑤柔軟な広告宣伝費投入

ライフドリンクカンパニーはあらかじめ広告宣伝費予算を設定してはいるものの、売上・成果状況に応じて、予算の増額・抑制を柔軟に実施しているという。

広告予算が限られていると、枠内で運用しなければならず、そのためやりたいタイミングで効果的に広告宣伝費を投入できないといったことが起きてしまう。そうなると露出が増えず、負のループに陥り、売上高広告宣伝費率が改善しないということが起こりうる。

ライフドリンクカンパニーは売上高や収益、ROASに応じて月次や日次で予算増額の判断を実施。セールタイミングなどで広告宣伝費を大きく投入して短期間で露出を増やせるようにしている。これによって売り上げはもちろんコメントも伸び、ランキングや検索結果にも好影響、結果的に広告宣伝費を抑制でき売上高広告宣伝費率を改善できるという好循環を実現している。(橋本氏)

柔軟な広告宣伝費投入で好循環を生み出している
柔軟な広告宣伝費投入で好循環を生み出している

⑥少ないSKU・少数精鋭で①~⑤を徹底的に行う

ライフドリンクカンパニーのECチームは、問い合わせや出荷対応も含め9人体制という少数精鋭だ。一人一人の裁量を大きくしスピード感重視で運営にあたる。商品開発から販売、出荷まで一気通貫で業務を把握しているためスピード感が出せているのだという。

ECのチームは、担当ごとに専門の部分とお互い協力する部分が柔軟に動いている。例えば商品開発の責任者も1人いるが、開発の過程では全員で話し合って進めている。またモールの大型セールの後に問い合わせが増えるようなタイミングも全員で協力して対応にあたるなどもしている。メインの業務を決めながらも決めすぎないような運用をしている。またメンバー同士がチャットやメール、電話と密にコミュニケーションをとっているためスムーズにことが運んでいると思う。(橋本氏)

自社ECはどこよりお得な定期便でリピーターを囲い込み

ライフドリンクカンパニーのEC売上の比率はモールが9割、自社ECが1割という。そのなかで自社EC戦略はどうなっているか。ライフドリンクカンパニーはモールと自社ECはそれぞれ顧客のニーズが違異なるため、自社ECへ集約するといった戦略は採っていない。

モールと自社ECはそれぞれ特長がある。モールではポイントを使いたいといったニーズがあり、自社ECの方では常にライフドリンクカンパニーの飲料をストックしておきたいといったリピーターのニーズがある。自社ECでは定期便のお客さまが中心となるため、定期価格がどこよりも安くなるようにするなど囲い込みを図っている。モールから自社ECへ無理やり寄せようとは考えていない。お客さまのニーズごとにそれぞれ利用いただければと思っている。(橋本氏)

自社ECではどこより安い価格としリピーターを囲い込んでいる
自社ECではどこより安い価格としリピーターを囲い込んでいる

自社ECならではの取り組みとしては、Web広告だけでなくオフラインイベントの参加やYouTuberへの商品提供やInstagramでの情報発信などといった認知向上施策に取り組んでいる。Instagramでは商品名を募集する取り組みなどユーザー参加型のキャンペーンなども打ち認知向上へつなげているという。

ライフドリンクカンパニーでは「ZAO SODA」のEC販売で得た知見やノウハウを元に取扱商品の拡大も図っている。

「ZAO SODA」の販売から得た知見などから商品展開を拡大
「ZAO SODA」の販売から得た知見などから商品展開を拡大

今後の展望としては自社ECではいかにユーザーが注文に手間をかけないかといったようなUI/UXの部分の改善を続け、長く利用いただけるように取り組んでいく予定としている。

鳥栖 剛

Z世代に受け入れられやすい広告形態とは? 動画広告は約9割が「不快と感じる」【Z世代の意識調査】

7ヶ月 1 週間 ago

ICAが実施した「Z世代が抱く広告のイメージ」に関する調査によると、約9割が動画広告を不快に感じていることがわかった。調査対象はZ世代(18歳〜27歳)1002人で、調査期間は2025年4月18日〜21日。

普段よく目にする広告の種類

最も多かったのは「SNS広告(Instagram・X・TikTokなどのフィード内広告)」で71.6%、続いて「動画広告(YouTubeや動画配信サービスなどで再生前・途中に流れる広告)」が50.9%、「テレビCM」が37.0%だった。

ICAは「『SNS広告』はZ世代の生活導線と直結しており、スクロール中に頻繁に挟まれるため、自然な形で目にする機会が圧倒的に多いと考えられる」と考察している。

普段よく目にする広告に対する印象は「コンテンツの途中に割り込んできて煩わしい」が最多の45.5%、続いて「一方的で、信頼性が少ない(怪しいサイトへの誘導など)」が25.2%、「誇張しているなと感じる」が21.4%だった。

普段よく目にする広告の種類(左)、普段よく目にする広告に対する印象(右)いずれも複数回答可
普段よく目にする広告の種類(左)、普段よく目にする広告に対する印象(右)。いずれも複数回答可

不快に感じる広告種別

「動画広告」を「とても不快と感じる」または「やや不快に感じる」と回答した人が最も多く、合計で89.9%だった。

不快に感じる人が続いて多かったのは「バナー広告」で、同79.8%。「SNS広告」は78.9%だった。

ICAによると、不快感が高い広告には共通して「視聴や操作中に割り込んでくる」という特徴が見られるという。「これらの広告は、ユーザーがコンテンツを操作・閲覧している最中に表示されるため、視覚的な邪魔や誤操作によるストレスが不快感をもたれやすい」(ICA)

その他、広告種別で不快と感じる人の割合は、「テレビCM」は45.3%、「雑誌広告」は34.8%、「看板広告・ポスター」は32.6%、「新聞広告」は31.8%、「屋外ビジョン広告」は29.9%だった。「これらはユーザーの体験を妨げず、自分のペースで視認できるため、不快感が少なく受け入れられやすい傾向が見られる」(ICA)

どのような広告を不快に感じるか
どのような広告を不快に感じるか

広告への不快感を回避するための行動

最多が「すぐ広告スキップや閉じるボタン・×を押す」で43.7%、続いて「広告がでてきたら画面を変える」が19.6%、「動画サイトの有料プランに加入している」が10.3%だった。

広告を回避するために行っている行動(複数回答可)
広告を回避するために行っている行動(複数回答可)

屋外ビジョンに対する印象

「迫力があって目立つ」が最多の32.1%、「芸能人やアーティスト、アニメキャラクターなどがよく出てくる」が25.7%となり2番目に多かった。

「信頼性、公共性が高い」と回答した人へそのように感じる理由を聞いたところ、最多が「誰もが目にするため、不正確な内容が少なそう」と65.3%、続いて「CM費用も高額な印象があり、大きな企業しか流せないイメージ」が40.9%、「街中で音響と映像が堂々と放映されるから、素材や企業の審査もしっかりしていそう」が38.0%だった。

オンライン広告に対して否定的な姿勢を示すZ世代でも、屋外ビジョンにはマイナスの印象を抱く割合が低い。その理由としてICAは「『不特定多数が見る』『費用が高額』といった『信頼性、公共性の高さ』があげられており、SNSの視覚的な迫力や非日常性も魅力とされており、広告が街の風景と一体化することで、情報というより体験として受け入れられている側面もあるのではないか」と考察している。

屋外ビジョンに対する印象(左)、屋外ビジョン広告の信頼性や公共性が高いと感じる理由(右)。いずれも複数回答可
屋外ビジョンに対する印象(左)、屋外ビジョン広告の信頼性や公共性が高いと感じる理由(右)。いずれも複数回答可

広告出稿による企業に対しての印象への影響

「やや影響する」が最多の36.5%、続いて「影響する」が16.9%で、合計すると約半数が「影響する」と回答している。

「やや影響する」または「影響する」と回答した人に、影響すると感じる理由を聞いたところ、最も多かったのは「信頼できそうな広告は、企業自体も信頼できそうに見えるから」で45.8%、続いて「広告のクオリティがそのまま企業の印象につながるから」が42.1%、「表現方法やトーンが企業の姿勢を反映していると感じるから」が25.4%だった。

広告から受けた印象が、その広告を出している企業の印象に影響するか(左)、なぜ影響すると感じるか(右)。いずれも複数回答可
広告から受けた印象が、その広告を出している企業の印象に影響するか(左)、なぜ影響すると感じるか(右)。いずれも複数回答可

屋外ビジョンや大型ビジョンに感じる魅力

「街が栄えているイメージ」が最も多く31.0%、続いて「流行のモノが流れているイメージ」が27.7%、「街中で大胆に流れることが魅力的」が23.1%だった。

屋外ビジョンや大型ビジョンに感じる魅力(複数回答可)
屋外ビジョンや大型ビジョンに感じる魅力(複数回答可)

ICAは「ユーザーに好印象を与える広告を打ち出すことは、企業そのものへの信頼感や好意を育む有効なアプローチとなり得る。今後は、Z世代の感覚や接触行動を前提にした広告設計は、企業のイメージ形成戦略の1つとしてますます重要となる」と考察している。

調査概要

  • 調査期間:2025年4月18日~21日
  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査対象:調査回答時にZ世代(18歳~27歳)であると回答したモニター1002人
  • 調査元:ICA
  • モニター提供元:PRIZMAリサーチ
大嶋 喜子

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※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

藤田遥

「キーコーヒーファンコミュニティ」の構築、ReviCoのコミュニティトーク機能と国産CMSのUNITEを連携して実現

7ヶ月 1 週間 ago

キーコーヒーはこのほど、コーポレートサイト内に「キーコーヒーファンコミュニティ」を構築し、コーヒーライフに役立つ動画やトピックスなどの発信を通じたファン同士のコミュニケーションを促進する場の提供を開始した。

ecbeingのメディアコマースCMS「UNITE」と、ReviCoのレビューマーケティングプラットフォーム「ReviCo」の連携により実現した。

「キーコーヒーファンコミュニティ」は会員制のコミュニティサイト。ユーザー同士の会話、キーコーヒーの担当者と気軽に交流ができるトークルーム機能などを用意している。日々のコーヒーライフをユーザー同士で共有し合える。そのほか、コーヒーの豆知識や作り方なども発信し、コーヒーの魅力を発信していく。

キーコーヒーの公式ECサイト「キーコーヒー公式オンラインショップ」や「コーヒーセミナー」、直営ショップで使える「LINEデジタル会員証」の会員は、それぞれの会員IDで「キーコーヒーファンコミュニティ」にログインできる。反対に「キーコーヒーファンコミュニティ」に登録するとそのIDで「キーコーヒー公式オンラインショップ」「コーヒーセミナー」「LINEデジタル会員証会員」の各サービスにログインできる。

「キーコーヒーファンコミュニティ」の構築、ReviCoのコミュニティトーク機能と国産CMSのUNITEを連携して実現
ユーザー同士の会話や、キーコーヒーの担当者と気軽に交流ができるトークルーム機能などを用意

ファンコミュニティサイトのトップページや各コンテンツページは、メディアコマースCMS「UNITE」で構築。テキストエディター付きの専用コンテンツフォーマットを用意することで、HTMLの知識がなくてもスピーディーにコンテンツをできる。各コンテンツページ内でのユーザーによるコメントや画像・動画投稿、「いいね!」などのリアクションなどは「ReviCo」の実装で実現し、新規投稿の承認作業や運営スタッフからの返信などはReviCoの管理画面で対応できるようにした。

「キーコーヒーファンコミュニティ」でコメントや画像の投稿、投稿に対する「いいね」などのアクションをすると、「アクションマイル」が付与される。「アクションマイル」は一定数貯まると、「キーコーヒー公式オンラインショップ」「コーヒーセミナー」「LINEデジタル会員証」で使える共通ポイントに自動的に変換される。「ReviCo」によりユーザーアクションをECサイト側にAPI連携することによって、「アクションマイル」の付与を実現した。

「キーコーヒーファンコミュニティ」の構築、ReviCoのコミュニティトーク機能と国産CMSのUNITEを連携して実現
コミュニティサイトでのアクションからECなどでも使える共通ポイントを付与する

以前は外部プラットフォーム上でコミュニティを運営していたため、ファン作りをめざす他の取り組みとの連動性や企画実行の機動性に課題を感じていた。既存システムを拡張することでコストを抑えながら理想に近い仕組みが実現できた。会員IDやポイントを他サービスと共通化することにより、各施策とコミュニティ施策の連動、ユーザー体験の向上が両立しやすくなったと感じている。(キーコーヒー担当者)

鳥栖 剛

「楽天ふるさと納税」の返礼品、ネットスーパー事業「楽天マート」で配送する取り組みをスタート

7ヶ月 1 週間 ago

楽天グループは5月1日、倉庫型ネットスーパー事業「楽天マート」とふるさと納税ポータルサイト「楽天ふるさと納税」との連携で、「楽天マート」を通じてふるさと納税の返礼品を配送する取り組みを開始したと発表した。

「楽天ふるさと納税」では、対象の自治体に寄付すると返礼品として受け取ることができる電子引換券「楽天マートふるさと納税返礼品引換券」を用意している。

「楽天マート」ユーザーは買い物時に、「楽天マートふるさと納税返礼品引換券」を活用することで、対象のふるさと納税返礼品を好きなタイミングで、受け取りたい量にあわせて受け取ることができる。

「楽天マート」で返礼品を受け取るメリットとして、受け取り希望の日時を指定できること、最短で引換券使用当日に返礼品を受け取れること、通常の「楽天マート」のお買い物もまとめて受け取ることができることをあげている。

「楽天マート」での返礼品受け取りの流れ

  1. 「楽天ふるさと納税」で、「楽天マートふるさと納税返礼品引換券」を返礼品として選択したうえで、対象自治体に寄付
  2. 「楽天マートふるさと納税返礼品引換券」を付与
  3. 「楽天マート」で対象の品を選択し、支払いページでクーポンの利用欄から引換券にチェックを入れたうえで注文
  4. 指定した日時に品をお届け

第1弾として愛媛県愛南町の一部返礼品を対象実施

取り組みの第1弾として、愛媛県愛南町のふるさと納税の一部返礼品を対象に実施する。鰹のたたきや真鯛の刺身などが対象となっている。引換券対象の返礼品である地場産品は、「楽天マート」で通常商品としても扱う。ユーザーが気に入った地場産品を気軽に定期的に購入できるようにすることで、ふるさと納税した地域を継続的に応援する仕組み作りも図る。

楽天グループでは、好きなタイミングで好きな量を受け取れる引換券を活用し、ふるさと納税返礼品の受取方法の選択肢を拡大。寄付者の多様なニーズに応え、返礼品受取の利便性の向上をめざすとしている。今後は自治体やユーザーの反響に応じて、対象自治体および返礼品の拡大を順次検討するとしている。

鳥栖 剛

送料値上げから1年。ZOZOの送料収入増などで約40億円増、配送費用の値上げなどで商品取扱高営業利益率は0.1ポイント改善に

7ヶ月 1 週間 ago

購入者から一律に徴収する送料を改定し、2024年4月に従来の250円(税込)から330円(同)に値上げしたZOZO。2025年3月期の連結業績によると、商品取扱高に占める営業利益の割合を示す商品取扱高営業利益率は前期比0.1ポイント改善の11.3%となった。商品取扱高が拡大したほか、送料収入の増加が増益に寄与したという。

営業利益の増減分析によると、前期の営業利益600億7000万円に対して、2025年3月期は前期比7.8%増の647億5600万円。商品取扱高が115億5000万円拡大し、「その他粗利増」として送料収入の増加などが39億7000万円上乗せとなった。そのほかの増益要因として、広告事業の成長、倉庫内作業効率上昇に伴う物流関連人件費率の低減をあげている。

一方で、利益面のマイナス要因に荷造運賃費率の上昇、決算賞与の支給による人件費の上昇、新物流拠点賃借に伴う賃借料・減価償却費率の上昇をあげた。

送料値上げから1年。ZOZOの送料収入増などで約40億円増、配送費用の値上げなどで商品取扱高営業利益率は0.1ポイント改善に
利益面のマイナス要因として「荷造運賃費率の上昇」もあがった(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

「ZOZOTOWN」の商品取扱高を同期間の出荷件数で除すことにより算出した平均出荷単価は、四半期ベースで比べると2.0~3.8%の伸び率で推移。四半期ごとの平均で見ると約8735円で、前期と比べて254円の増加となっている。

購入金額1万2000円以上で送料をZOZOが負担する送料無料施策の実施回数は、前年度と比較して拡大。これによる併わせ買いの注文が増え、出荷単価が増加している。

送料値上げから1年。ZOZOの送料収入増などで約40億円増、配送費用の値上げなどで商品取扱高営業利益率は0.1ポイント改善に
一定金額以上購入で送料無料とするキャンペーンによって平均出荷単価増に(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

通期累計の実質プロモーション費用は前期比14.1%増の252億9600万円となり、金額ベースでは31億2300万円の増加。web広告や送料無料施策の強化が主なコスト増要因となっているという。

送料値上げから1年。ZOZOの送料収入増などで約40億円増、配送費用の値上げなどで商品取扱高営業利益率は0.1ポイント改善に
送料無料施策の強化などによりプロモ費用は増加(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

2025年3月期の連結業績は、商品取扱高が前期比7.0%増の5743億7300万円、売上高は同8.2%増の1970億1600万円、営業利益は同7.8%増の647億5600万円、経常利益は同8.6%増の648億8800万円、純利益は同2.3%増となる453億4600万円。

鳥栖 剛

リユース商品販売などのエーツー、社名を「株式会社駿河屋」へ変更

7ヶ月 1 週間 ago

リユース商品などを扱う「駿河屋」を運営するエーツーは5月1日、社名を「株式会社駿河屋」に変更した。

「UPDATE SHIZUOKA with 駿河屋」を企業スローガンに掲げ、地元静岡から日本、世界の発展をめざしているという駿河屋。顧客に長年親しまれているブランド名としての「駿河屋」を会社名とすることで、同社の「想い」をより強く発信していきたいという。

今後、駿河屋でしか味わえない特別な体験やサービスを提供していくという。その一環として駿河屋の最大店舗である静岡市の「駿河屋 本店(駿河屋ビル1~4F)」内にオフィス機能を完全移管。業務の効率化を進めていく。

実店舗とオフィスが同居することで、観光地としての消費促進と雇用の両面から「UPDATE SHIZUOKA」を推進する。経営理念である「顧客最優先主義」のもと、静岡発のエクセレントカンパニーをめざしていくという。

鳥栖 剛

コマースメディア、ECプラットフォーム「Shopifyプレミアパートナー」に認定

7ヶ月 1 週間 ago

コマースメディアは4月28日、グローバルECプラットフォーム「Shopify(ショッピファイ)」のパートナープログラムにおいて「Shopifyプレミアパートナー」に認定されたと発表した。

「Shopifyプレミアパートナー」は、技術力、実績、顧客への貢献度が評価された企業に付与する称号。国内では数社のみが選出されている。

コマースメディアは、2017年に日本国内で3社目となる「Shopify Experts」に認定さ。数多くのプロジェクトを通じて実績を重ね、上位パートナープログラムである「Shopify Plus Partner」としても認定されている。

「Shopifyプレミアパートナー」への認定で、さらに高度な支援体制とリソースを活用し、クライアントのビジネス成長を支援していくとしている。

宮本和弥

和・洋菓子・デザート類の2023年度総市場規模は7%増の2兆4248億円、通販の構成比は4.8%と推計。2024年度は3.0%増の2兆4975億円と予測

7ヶ月 1 週間 ago

矢野経済研究所が4月28日に発表した国内の和・洋菓子、デザート類市場に関する調査結果によると、2023年度の国内の和・洋菓子、デザート類市場規模は前年度比7%増の2兆4248億円、通販の構成比は4.8%(約1164億円)と推計した。

矢野経済研究所が4月28日に発表した国内の和・洋菓子、デザート類市場に関する調査結果によると、2023年度の国内の和・洋菓子、デザート類市場規模は前年度比7%増の2兆4248億円、通販の構成比は4.8%(約1164億円)と推計した
国内の和・洋菓子、デザート類市場規模の推移

国内の和・洋菓子、デザート類市場規模は拡大するとし、2024年度は3.0%増の2兆4975億円に拡大すると予測している。

2023年度は国内外の人流回復で成長、リアル販路は市場拡大も通販は成長鈍化

コロナ禍が収束に向かった2023年度は国内外からの人流が回復し、観光需要、手土産需要が回復したことが追い風に市場は成長したという。原材料高騰に伴う価格改定が多くの企業で実施されたものの、人流回復により値上げによる販売への影響は軽微に抑えられたとしている。

一方、量販店やコンビニエンスストアを中心とした流通系における和・洋菓子やデザート類への自家用需要は、節約志向が徐々に強まったことでやや厳しい市場環境に。アイス類については、温暖化の影響で商戦期が長期化する傾向が見られ、好調に推移した。

流通チャネル別構成比は、百貨店が16.7%、専門店・路面店(ショッピングセンター内専門店含む)が6.1%、量販店が35.8%、CVS(コンビニエンスストア)が19.1%、駅関連が3.9%、空港が3.3%、SA・PA(サービスエリア・パーキングエリア)が1.0%、通販が4.8%、その他(法人需要などを含む)が9.2%。

矢野経済研究所が4月28日に発表した国内の和・洋菓子、デザート類市場に関する調査結果によると、2023年度の国内の和・洋菓子、デザート類市場規模は前年度比7%増の2兆4248億円、通販の構成比は4.8%(約1164億円)と推計した
2023年度の和・洋菓子、デザート類総市場の流通チャネル別構成比

各地で人流が回復したことから、百貨店や交通系チャネルなど、幅広いチャネルで市場が拡大した。量販店やコンビニは堅調に推移し、特にコンビニは来店客数の回復に伴い、2022年度比でプラスに推移した。一方で、通販については伸び率の鈍化が見られたとしている。

2024年市場は成長も節約志向で国内消費は縮小

2024年度の市場は前年比3.0%増の2兆4975億円と予測。和菓子類、洋菓子類は原材料などのコスト上昇が続くなかで、各企業は引き続き価格改定を実施しており、金額ベースの売上高は前年度を上回っているケースも見られるという。

コロナ禍後の人流回復の影響で2023年度は好調であった手土産や観光土産などのギフト需要が一巡。消費者の節約志向が強まるなかで、販売数量や商品単価が下落し、金額ベースで前年割れとなる企業も見受けられるという。

インバウンド(訪日外国人客)需要は好調で、国内消費の縮小をインバウンドでカバーする動きがあるものの、主に日本人需要を中心とする企業は苦戦が目立つ。デザート類では、猛暑や長い残暑、暖冬などにより、アイス類が好調に推移しており、市場全体にプラス影響を与える見通しとした。

調査概要

  • 調査期間:2024年11月~2025年2月
  • 調査対象:和菓子・洋菓子・デザート・アイス類のメーカー、卸売業、小売業、その他関連団体等
  • 調査方法:矢野経済研究所の専門研究員による直接面談(オンラインを含む)、電話によるヒアリング、アンケート調査ならびに文献調査併用
鳥栖 剛

「シニア・福祉関連製品/サービス」の販路開拓を助成する「シニア・福祉・アクセシビリティ関連製品等の販路開拓助成事業」とは | ビジネスに役立つ補助金・助成金制度

7ヶ月 1 週間 ago
ECモールの出店初期費用やサイト制作・改修費、販促費、展示会への出展費用など最大150万円を助成する。

公益財団法人東京都中小企業振興公社はこのほど、シニア・福祉・アクセシビリティ製品の製造・販売に取り組む東京都内の中小企業向け助成事業「令和7年度 シニア・福祉・アクセシビリティ関連製品等の販路開拓助成事業」の事前エントリーの受け付けを開始した。ECモールの出店初期費用やサイト制作・改修費、販促費、展示会への出展費用などを最大150万円補助する。

ECモールの出店初期費用やサイト制作・改修費、販促費、展示会への出展費用など最大150万円を補助する「令和7年度 シニア・福祉・アクセシビリティ関連製品等の販路開拓助成事業」
ECモールの出店初期費用などの経費を最大150万円を助成

「シニア・福祉・アクセシビリティ関連製品等の販路開拓助成事業」は、①アクティブシニア関連製品・サービス②福祉・アクセシビリティ関連製品・サービス③パラスポーツ関連製品・サービスの製造・販売――に取り組む都内の中小企業向けに、販路開拓の経費の2/3以内、最大で150万円を助成するもの。

助成対象の商品

4月30日時点で「商品化が完了し販売できる状態にある自社の製品」であり、自社で企画し、自社製品として単独で販売する権利があるシニア・福祉・アクセシビリティ関連製品が対象。企画・製造元でない販売代理店などは対象外としている。またサプリメントや美容液など薬機法に関連する製品・サービスは助成対象外。

「アクティブシニア関連製品・サービス」

高齢者・シニアの社会参加や就労支援など活躍を後押しする製品やサービスや、高齢者・シニアの健康作りに資する製品やサービス。

「福祉・アクセシビリティ関連製品・サービス」

移動支援、介護サービス支援、補装具や日常生活の困難の改善や自立支援、社会参加を促進する福祉用具。障害者向けの「学ぶ」「働く」「暮らす」「住む」「楽しむ」の促進を目的とした製品・サービス。情報保証のための機器、バリアフリー解消のための製品、共用品、アクセシブルデザイン製品といった障害者への合理的配慮に資する製品サービスも対象となる。

「パラスポーツ関連製品・サービス」

パラスポーツ、デフスポーツ、障害者スポーツに関する用具、障害者スポーツに関する理解を深めるためのコンテンツなど。

助成対象経費

  • 展示会参加費
  • EC出店初期登録料
  • サイト制作・改修費
  • 販売促進費

展示会は国内・海外・オンラインのいずれも対象。限度額150万円を上限に、出展小間料・資材費・輸送費を助成する。一度の申請で複数の展示会の助成申請も可能。ECサイト出店初期登録料とサイト制作・改修費は、それぞれ助成限度額は20万円としている。

販促費は印刷物の制作費(限度額50万円)・動画制作費(限度額20万円)・広告費(限度額20万円)が経費の対象。なお、販促費のみでの助成の申請は受け付けていない。

申請スケジュール

第1回のスケジュールは4月7日(月)から5月30日(金)の17時までエントリー受け付けを行う。申請は5月12日(月)~5月30日(金)まで。助成対象期間は2025年8月1日(金)から2026年8月31日まで。

第2回のスケジュールは10月6日(月)から11月28日(金)の17時までエントリー受け付けを行う。申請は11月10日(月)~11月28日(金)まで。助成対象期間は2026年2月1日(日)から2027年2月28日まで。

申請

電子申請システム「Jグランツ」による電子申請のみで受け付ける。「Jグランツ」の利用にはIT導入補助金などでも利用する「gBizIDプライム」が必要となる。助成対象者の決定は第1回分は2025年7月末、第2回分は2026年1月末としており、「Jクランツ」にて通知する。

鳥栖 剛

トランプ政権下の新たな関税と「デミニミスルール」撤廃がEC市場に与えている5つの変化とは? | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

7ヶ月 1 週間 ago
米国のトランプ政権による、従前の関税と貿易ルールの変更により、EC業界にはすでにさまざまな波紋が広がっています。各社による対処と、すでに出始めている影響とは?

EC業界では、小売事業者、配送業者、ベンダー企業といったサプライチェーン全体が、米国政府の関税と貿易ルール変更がもたらす新たな難局に直面しています。すでに起き始めている変化と、企業の対応を解説します。

米国政府の関税、「デミニミスルール」撤廃による打撃

トランプ政権による米国へのほぼすべての国からの輸入品に対する関税の引き上げが、EC市場に与える影響は無視できません。

小売業界のリーダーたちによるホワイトハウスでの会談、決算説明会など、EC事業者の経営幹部たちは「トランプ政権下の新たな関税措置と既存の貿易協定の変更が事業運営において課題を生み出し、将来の事業計画を立てることを困難にしている」と明言しています。

ECと小売業界全体で、関税による海外からの輸入コスト増加でAppleなどの電子機器を取り扱う事業者には大きな打撃に。さらに、商品の仕入れを輸入品に依存する家庭用品・家具は関税の影響を受けやすく、取扱事業者では事業運営の懸念が広がっています

一方、グローバルでの売り上げが多くを占めるEC事業者は、米国以外で製造された輸入品、報復関税を実施している国への米国からの輸出品に関して、運用がますます複雑な状況に直面しています。

トランプ大統領は4月22日、記者団に対して「中国からの輸入品への関税は145%を下回る程度の見通し」との見解を示しました。一方、ベセント財務長官は同日、非公開の会合で投資家に対し、「ごく近い将来」にトランプ政権下の貿易紛争が「沈静化する」と予想していることを伝えています。

それでも、過去数か月間、米国への輸入品に対する新たな関税(基本関税に上乗せする関税)の導入により、EC事業者にはすでに多くの変化が起きています。

すでに確認されている5つの主要な変化は以下の通りです。

1.高関税が越境ECに打撃

決済セキュリティと不正防止サービスを提供する米国事業者Signifydが発表したレポートによると、2025年1-3月期(第1四半期)において、米国の小売事業者からカナダの配送先への支払額は前年同期比6%減少しました。メキシコへの越境ECも同様に苦戦しており、米国からメキシコの消費者へのEC売上高は同31%減少しました。

その一方で、Signifydはこれらのエリアでの国内売上高が同期間に改善していることも確認しており、現地の消費者が米国の小売事業者からの越境購入を避けるようになっていることを示しています。

2.景気減速はEC事業者向けベンダーにも余波の見込み

たとえ売上高が打撃を受けても、小売事業者はITテクノロジーへの投資を止めることはできません。多くのEC事業者は2025年の最も重要なテクノロジー投資は、自社のサプライチェーンを管理するソリューションだと考えています。

一部の小売事業者は、サプライチェーンの管理をより効率的にでき、高いコストパフォーマンスを発揮できるソリューションを模索するでしょう。また、米小売大手のWalmartによる農業分野での「Cropin」を使用しているように、ニッチなケースに対応するテクノロジーもあります。

「Cropin」は、インドの事業者Cropinが提供する食品・農業分野向けのAIツール。収穫量予測の改善、作物の安全性チェック、季節の移り変わりの予測などを支援します。

ECのテクノロジーベンダーの命運は、関税による新たなコスト増に直面しているクライアント企業のEC運営と結びついています。たとえば、世界有数の金融機関Bank of America Securitiesのアナリストは、ECプラットフォーム構築ソリューションを提供するShopify、BigCommerce、Lightspeed CommerceなどのECソフトウェアベンダーが特に影響を受ける可能性があると指摘しています。顧客企業が中国からの仕入れに依存しているほど、関税に関連した景気減速の影響を受けやすくなる可能性が高くなるからです。

3.「SHEIN」「Temu」運営企業ほか小売事業者が値上げを計画

ファストファッションブランド「SHEIN(シーイン)」をグローバル展開するSHEIN Group、越境ECサイト「Temu(ティームー)」を展開する中国EC大手PDDHDは、トランプ政権による中国からの輸入品に対する追加関税に関連し、4月25日から実施の商品販売価格引き上げをすでに発表しました。

SHEIN GroupとPDDHDは4月25日からすでに販売価格を値上げしている(画像は「SHEIN」から追加)
SHEIN GroupとPDDHDは4月25日からすでに販売価格を値上げしている(画像は「SHEIN」から追加)

この動きはSHEIN GroupとPDDHDの2社だけではありません。商品の仕入れの多くを輸入品に頼る日用品・キッチン・家電を販売する米国事業者のWilliams-Sonomaと、高級家具やインテリアを扱う事業者RH(旧Restoration Hardware)の幹部も、販売価格の値上げを見込んでいると説明しています。

さらには、800ドル未満の貨物が免税で米国に輸入されることを可能にしてきた「デミニミスルール」(通称)が5月2日に撤廃される予定であることも、EC事業者のコスト面の課題を悪化させています。

4.大手配送事業者の貨物量はアップダウン

「デミニミスルール」の変更はECの配送事業者にも影響を与えています。米国株の情報を掲載している金融メディアSeeking Alphaの報道によると、米国を拠点とする大手金融事業者Wells Fargoのアナリストであるクリスティアン・ウェザービー氏は、FedExとUPSの事業に暗雲が立ち込める可能性を指摘しています。

ウェザービー氏は、貨物量が今後減少するリスク、「デミニミスルール」撤廃が差し迫っていること、そして2025年1-3月期にすでに観測された荷物量が減少していることを理由にあげています。

中国事業者が商品を米国に輸出する際に課される高関税と「デミニミスルール」の撤廃は、米国内の荷物量減少にも大きく影響するでしょう。特にUPSにとっては自社事業のレバレッジ解消につながってしまい、利益率を損なう可能性があります。

FedExは国際航空貨物減少のリスクがやや高いものの、短期的には、ほぼすべての国からの米国輸入品に対する関税の引き上げが導入される前に輸送を急ぐ動きが見込まれることから、流通量拡大の恩恵を受ける可能性があります(編注:トランプ政権は米国への輸入品に対する新たな関税(基本関税に一律10%上乗せする関税)の導入を4月10日から7月9日までの90日間停止。新たな関税措置はそれ以降に適用開始)。(ウェザービー氏)

一時的な荷物量拡大の例をあげると、DHLでは4月5日の時点ですでに、「デミニミスルール」の適用外となる、800ドルを超えるすべてのグローバル貨物の米国顧客への取り扱いを一時停止。貨物の流通量が急拡大したことで、DHLは「正式な通関手続きの急増につながっており、DHLは24時間体制で対応しているところです」と発表しています(編注:この一時停止はDHLが4月28日に撤廃し、800ドルを超える貨物の輸送を再開)。
 

5.無在庫販売の実施企業も苦境。中国サプライヤーが影響

トランプ政権下の関税引き上げと「デミニミスルール」撤廃の両方が、ドロップシッパー(無在庫販売)のEC事業者にも打撃を与えています。

ドロップシッパーは自社で在庫を抱えず、商品が売れた際にサプライヤーから直接顧客に発送してもらいます。打撃を受ける理由は、ドロップシッパーは少なからず、中国を拠点とするサプライヤーに依存しているからです。

toC向けのドロップシッピングビジネスを運営し、米国の金融・経済・ビジネス専門チャンネルのCNBCのインタビューに応じたカミル・サッター氏は「現在は、これまでほど米国向けに販売していません。従前は取扱製品のうち60%を米国向けに販売していましたが、現在は約20〜30%に減少させました」と述べています。「現在は米国での消費を減速させ、ヨーロッパ市場に注力しています」(サッター氏)

サッター氏によると、その理由は関税の引き上げにより商品発注にかかるコスト増加していることだけにとどまりません。中国からの注文が米国の国境で検査のために保留されるため、遅延しやすいことも理由に含まれます。米国政府による関税についての変更以前は、そのような遅延はありませんでした。

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

Digital Commerce 360

「楽天市場」店舗の事業承継を支援する「楽天事業承継アシスト」、岩手県の老舗時計店から都内の卸会社への事業譲渡が成立

7ヶ月 2 週間 ago

楽天グループは4月30日、「楽天市場」出店店舗の承継サポート事業「楽天事業承継アシスト」の事業譲渡案件が成立したと発表した。

岩手県に本社を置く老舗時計店TMプラネットが手がける「楽天市場」におけるEC事業を、東京都のタオルや作業着の加工、卸販売事業のアシークへ譲渡する。

楽天グループは事業運営者の高齢化や後継者不足の課題解決を目的に、「楽天市場」出店店舗の事業承継支援を手がける。出店店舗の事業承継の意思決定、M&A仲介会社の紹介、譲受企業の選定など、事業承継を希望する店舗と伴走し、事業承継希望店舗と譲渡先企業の双方が納得する形で店舗の受け渡しができるよう支援している。

マッチング成立後も、店舗がスムーズに運営移行できるよう、「楽天市場」に登録している企業情報の変更手続きのサポート、譲渡先の企業に対する店舗の運営ガイダンスなども実施しているという。

楽天グループは4月30日、「楽天市場」出店店舗の承継サポート事業「楽天事業承継アシスト」の事業譲渡案件が成立したと発表
楽天はM&A仲介会社を紹介の上、事業譲渡の成立からその後の運営支援までサポート

事業承継を実施するTMプラネットは、2000年に「楽天市場」へ「腕時計とバンドのアビーロード」を出店、月間優良ショップ賞を過去に多数受賞している。運営者の高齢化と後継者不足が課題となり、「楽天市場」からの退店も視野に入れる状況だったという。

そのなかでTMプラネットは、「楽天事業承継アシスト」を通じて事業承継の可能性を模索。楽天は提携するM&A仲介会社を紹介のうえ伴走しながら買い手を探し、1年8か月の期間を経てアシークに事業承継することが決まった。

譲渡先のアシークは東京に本社を構え、青森県に事業所を置きタオルや作業着などの加工・卸販売を手がける。「腕時計とバンドのアビーロード」の実績に魅力を感じ、TMプラネットからEC事業を譲り受けることとなった。今後はアシークが「腕時計とバンドのアビーロード」を運営していく。

楽天では今後も、「楽天事業承継アシスト」を通じて後継者不足に悩む出店店舗の事業承継を支援し、「楽天市場」およびEC業界のさらなる発展に貢献していくとしている。

鳥栖 剛

ECは未来のスピード成長産業で断トツ1位。AIソフトウェア&サービスは2位【マッキンゼーのレポート】

7ヶ月 2 週間 ago

マッキンゼーがこのほど公表した成長産業などを予測するレポートによると、成長産業のトップに「Eコマース」、2位には「AI&ソフトウェア」をあげた。

レポートでは今後18の「アリーナ」(ビジネス環境を一変させる可能性を秘めた産業のことを指す)によって世界経済は変化し、2040年までに29兆ドルから48兆ドルの収益を生み出す可能性があるとした。

ECは未来のスピード成長産業で断トツ1位。AIソフトウェア&サービスは2位【マッキンゼーのレポート】
18のアリーナのうち「Eコマース」が成長トップに(画像はマッキンゼーのHPから編集部がキャプチャ)

18のアリーナのうち、「Eコマース」を成長産業のトップにあげた。2022年に4兆ドルだったEコマースの売上高は、2040年に14兆ドル~20兆ドルに成長すると予測。2022年から2040年までのCAGR(年平均成長率)は7〜9%になるとした。利益は2800億ドル~1兆円、CAGRは2〜5%になると推定している。

成長産業の2位は「AIソフトウェア&サービス」。売上高は2022年に850億ドルから、2040年に1兆5000億ドル~4兆6000億ドルまで成長すると予測している。2022年から2040年までのCAGRは17~25%。利益は2300億ドル~9200億ドル、CAGRは15~20%と推定した。

18のアリーナには、「クラウドサービス」「デジタル広告」などをピックアップ。新興の成長産業のアリーナとして「自動運転シェアカーサービス」「宇宙」「サイバーセキュリティ」などをあげた。

鳥栖 剛

企業のサイト改善施策、45%がコンテンツマーケティングを2024年度に開始。次点は「SEO」39%【Webマーケティングのトレンド調査】

7ヶ月 2 週間 ago

PRIZMAがWebサイト制作・運営担当者を対象に実施した調査によると、2024年度に開始したWeb施策で最も多かったのは「コンテンツマーケティング」で45.6%、続いて「SEO施策」「UX/UI改善」だった。

調査人数は504人で、調査期間は2025年3月21日~24日。

2024年度に開始した主なWeb施策で最も多かったのは「コンテンツマーケティング」で45.6%、続いて「SEO施策」が39.3%、「UX/UIの改善」が35.5%、「広告キャンペーン」が33.7%だった。PRIZMAは、「コンテンツの充実やSEOといった従来の施策に次いで、UX/UIの改善が多くの企業で新たな施策の1つとして位置付けられている」とコメントしている。

2024年度に開始した主なWeb施策(複数回答可)
2024年度に開始した主なWeb施策(複数回答可)

2024年度に開始したWeb施策のなかで最も効果があった施策を聞いたところ、「コンテンツマーケティング」が最多の34.7%、続いて「SEO施策」が33.9%、「UX/UIの改善」が26.2%、「広告キャンペーン」が21.6%だった。

2024年度に開始したWeb施策のなかで最も効果があった施策(上位3つ)
2024年度に開始したWeb施策のなかで最も効果があった施策(上位3つ)

2024年度のWeb施策で期待した成果は、「アクセス数の増加」が最も多い44.3%、「サイト滞在時間の延長」が44.1%、「コンバージョン率の向上」が38.5%、「ブランド認知の向上」が35.1%だった。事業者はWeb施策において定量的な成果、特に訪問者数の増加や滞在時間の延長、コンバージョン率の向上など、測定できる定量的な成果を重視している傾向が強い。

2024年度のWeb施策に期待した成果(上位3つ)
2024年度のWeb施策で期待した成果(上位3つ)

施策がうまくいかなかった場合、どのような要因が影響したと考えられるかを聞いたところ、最多は「コンテンツの質や量の不足」で39.5%、続いて「ユーザー体験(UX/UI)の問題」が31.8%、「SEOの最適化不足」が29.6%、「ターゲット設定やセグメント選定ミス」が28.6%だった。

施策がうまくいかなかった場合の考えられる要因(上位3つ)
施策がうまくいかなかった場合の考えられる要因(上位3つ)

2024年度の施策でUX/UIの改善の有無について聞いたところ、「はい」は78.6%、「いいえ」は21.4%だった。約8割の企業がUX/UIの改善に積極的に取り組んでいることを示しており、多くの企業がユーザー体験の向上を重視していることがわかった。

2024年度の施策におけるUX/UIの改善の有無
2024年度の施策におけるUX/UIの改善の有無

UX/UIの改善の有無について「はい」と答えた人に対して改善した部分を聞いたところ、最も多かったのは「モバイル対応の最適化」で49.5%、続いて「ナビゲーションの改善」が45.2%、「サイト全体のデザイン(ビジュアル)」が38.1%、「ページ読み込み速度の向上」が32.1%だった。

UX/UIを改善した部分(複数回答可)
UX/UIを改善した部分(複数回答可)

UX/UIの改善の有無について「いいえ」と答えた人に、今後改善を行う予定がある場合はどの要素に最も注力したいかを聞いたところ、「サイトデザインの改善」が最も多く35.2%、続いて「ナビゲーションの簡素化」が30.6%、「ページ読み込み速度の改善」が26.9%、「ユーザー行動に基づくパーソナライズ」が20.4%だった。

UX/UIの改善を行う場合に注力したい要素(上位3つ)
UX/UIを改善する場合に注力したい要素(上位3つ)

PRIZMAは「企業の今後のUX/UI改善においては、サイトデザインやナビゲーションの簡素化、ページ読み込み速度の向上が注力すべきポイントとなっている」と解説している。

調査概要

  • 調査期間:2025年3月21日~24日
  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査対象:Web施策に携わっているモニター504人
  • モニター提供元:PRIZMAリサーチ
大嶋 喜子

飲食料品の値上げ、2025年10月までに1.4万品目。2025年5月は5か月連続で前年超え

7ヶ月 2 週間 ago

帝国データバンクが実施した、2025年5月以降における食品の値上げ動向と展望・見通しに関する調査によると、2025年1月~10月までの値上げする累計品目数は1万4409品目となり、2024年の実績を上回る見通しだ。

5月だけでも、値上げとなる食品は478品目。食品分野別では、ハム・ソーセージなど食肉加工食品が多くを占める「加工食品」の値上げが目立つ。

主要な食品メーカー195社における、家庭用を中心とした5月の飲食料品値上げは478品目で、値上げ1回あたりの平均値上げ率は15%。単月の値上げ品目数としては、1月以降5か月連続で前年同月を上回った(前年同月比51品目、同11.9%増)。

帝国データバンクによると、前年同月を5か月連続で上回るのは、記録的な値上げラッシュの1年となった2023年6月以来、約2年ぶりという。

2025年通年の値上げは、2025年10月までの公表分で累計1万4409品目にのぼり、2024年通年の実績(1万2520品目)を超えた一方、1回あたりの平均値上げ率は16%で、2024年の17%を下回る。

6月と7月は単月で2024年を大幅に上回る1000品目超の値上げが予定されており、帝国データバンクは「2025年における飲食料品値上げの勢いは2024年に比べて強い状態が続くことが予想される」と見ている。

また、帝国データバンクは「2025年の値上げは年間累計では最大2万品目が予想されるが、飲食料品の値上げラッシュが本格化した2022年の2万5768品目に並ぶ水準に到達する可能性もある」と示唆している。

近年の値上げ率と値上げ品目数の推移
近年の値上げ率と値上げ品目数の推移

2025年5月の値上げで多いのが、ハム・ソーセージなど食肉加工食品が多くを占める「加工食品」137品目(値上げ率16%)、カレールウなど香辛料を中心とした「調味料」192品目(値上げ率12%)。48品目が値上げされた「酒類・飲料」は、コーヒー飲料などが主な対象となった。

2025年の10月までの値上げ品目数を食品分野別に見ると、カレールウなどの香辛料製品やだし製品を中心とした「調味料」が最も多い4904品目、続いて冷凍食品やパックごはんなどの「加工食品」が3685品目、清酒やビール、清涼飲料水などの「酒類・飲料」が2759品目となっている。

食品分野別の値上げ品目数(2022年~2025年)
食品分野別の値上げ品目数(2022年~2025年)

2025年の10月までの値上げ要因として最も多いのは、原材料などモノ由来の「原材料高」で97.9%、続いて「物流費」が79.7%、2年ぶりに前年を上回った「エネルギー(光熱費)」が66.1%。

人手不足に伴う昇給・賃上げによるコスト増を背景とした「人件費」は52.0%で、帝国データバンクが要因別の集計を開始した2023年以降で最高値となった。

トラックドライバーの時間外労働規制などが要因となった輸送コストの上昇分を価格に反映する「物流費」由来の値上げは79.7%を占め、帝国データバンクの前月調査時(81.8%)からは割合が低下した。

値上げ要因の推移(品目数ベース)
値上げ要因の推移(品目数ベース)

帝国データバンクは値上げに関連して今後の市況を次のように考察している。

2025年は人件費や物流費などのコスト増を受けた価格転嫁の動きが続き、粘着性の高いインフレ圧力として飲食料品の値上げに強い影響を及ぼしている。

足元では1ドル140円前後の水準まで円高が進み、2022年以降の値上げで主な要因となった小麦粉で値下げの動きもあるものの、プラ容器など包装資材を含めた「モノ由来」「サービス由来」双方の値上げ圧力が強く、今夏以降も価格改定による採算改善をめざす動きが各社で続くとみられる。

大嶋 喜子

「楽天市場」の母の日ギフト、日傘や美容家電など実用的な商品への関心高まる。健康に気をつかったグルメ・スイーツの需要も増加

7ヶ月 2 週間 ago

楽天グループは「楽天市場」内に、特集ページ「母の日ギフト・プレゼント特集2025」を公開している。「楽天市場」では日傘、財布、バッグなどのファッションアイテム、美容家電、コスメなど花以外のギフトへの関心が高まっているという。

実用性の高いギフトへの注目が高まる

「楽天市場」において、2024年の「母の日」における「母の日 花以外」のキーワード検索数は前年同期比約1.6倍と増加(2023年5月8日~14日と2024年5月6日~12日における上記キーワードの検索数を比較)した。

特に実用性の高い母の日ギフトとしてインナーカテゴリーは人気が高く、2024年4月~5月の靴下の流通額は前年同期比約1.6倍に拡大。1000円~2000円台の日傘は、同期間の販売個数が約1.3倍に増加した(2023年3月1日~5月31日と2024年3月1日~5月31日において、商品名に「母の日」を含む日傘および靴下カテゴリーの売上額を比較)。

また、2025年直近の「母の日 美容」キーワードでの検索数は前年同期比約1.3倍に伸長しており、楽天グループは「2025年は美容関連商品をギフトとして選ぶユーザーが多くなる」と推察している(2024年3月1日~4月13日と2025年3月1日~4月131日における上記キーワードの検索数を比較)。

楽天市場 母の日2025 実用的なファッションアイテムの例
(画像は「楽天市場」からキャプチャ)
楽天市場 母の日2025 実用的なファッションアイテムの例
実用的なファッションアイテムの例(画像は「楽天市場」からキャプチャ)
楽天市場 母の日2025 美容アイテムの例
(画像は「楽天市場」からキャプチャ)
楽天市場 母の日2025 美容アイテムの例
美容アイテムの例(画像は「楽天市場」からキャプチャ)

定番のカーネーションでは人気の色に変化が

「母の日」向けギフトの定番のカーネーションは、赤、ピンクなどの暖色系に加え、直近では青、紫などもランキング上位に入るなど、人気の色に変化が生じているという。

また、「楽天市場」では、バラ、カスミソウなどカーネーション以外の花も特集ページで紹介。直近では、ラッピングにカラフルなペーパー、チュールなどを使用しボリューム感がある「韓国風ラッピング」を施したブーケなども登場しているという。

楽天市場 母の日2025 定番カーネーションの例
定番カーネーションの例(画像は「楽天市場」からキャプチャ)
楽天市場 母の日2025 カーネーション以外の花の例
カーネーション以外の花の例(画像は「楽天市場」からキャプチャ)
楽天市場 母の日2025 「韓国風ブーケ」の例
「韓国風ブーケ」の例(画像は「楽天市場」からキャプチャ)

「母の日 健康食品」の検索数が約2.3倍に

2024年の「母の日 健康食品」のキーワードでの検索数が約2.3倍まで伸長しており、健康に気をつかったグルメ・スイーツの需要が高まると予測した(2023年5月8日~5月14日と2024年5月6日~5月12日における上記キーワードの検索数を比較)。

楽天市場 新生活フェア2025 フェーズフリーな商品の例
フードギフトの例(画像は「楽天市場」からキャプチャ)
藤田遥

花王が公式オンラインショップ「My Kao Mall」にレビュー・口コミ・Q&Aエンジン 「ZETA VOICE」を導入

7ヶ月 2 週間 ago

花王は、公式オンラインショップ「My Kao Mall」にレビュー・口コミ・Q&Aエンジン「ZETA VOICE」を導入した。

5つ星評価の表示、商品を購入したユーザーの情報表示でCX向上につなげる

花王はデジタルプラットフォーム「My Kao」を運営。「知る」「体験する」「買う」「創る」の4つの機能でユーザー1人ひとりの「Kirei-Life(キレイライフ)」を共創することを目的とし、One-IDでユーザーとつながり理解を深めることで、さまざまなUX(顧客体験)の提供に取り組んでいる。

「買う」機能については「My Kao Mall」を通じて、安心・安全・便利な買い物ができるサービスを提供している。

花王 公式オンラインショップ「My Kao Mall」
花王の公式オンラインショップ「My Kao Mall」(画像はサイトからキャプチャ)

先行導入しているレコメンドエンジン「ZETA RECOMMEND」との連携で、「検索結果ページ」「人気ランキング」で表示する商品情報に5つ星評価を追加した。商品の評価を視覚的にわかりやすくすることで、サイトの利便性向上につなげるという。

花王 公式オンラインショップ「My Kao Mall」 検索・レコメンド×レビューの連携でUX向上につなげる
検索・レコメンド×レビューの連携でUX向上につなげる

商品を購入したユーザーの年代、レビュー、5つ星評価といった情報を商品詳細ページに一覧で表示するようにした。ユーザーが購買判断をしやすくなるよう、客観的な評価を参考にできるようにすることで、CX向上をめざす。

花王 公式オンラインショップ「My Kao Mall」 レビュー表示で購買プロセスをサポートしCX向上をめざす
レビュー表示で購買プロセスをサポートしCX向上をめざす

「ZETA VOICE」とは

サイト内にレビューコンテンツを実装できるサービス。ユーザーのレビューを複数の評価軸で収集し、さまざまなUIで表示する仕組みを簡単に導入することができる。

ZETA VOICE 基本機能
「ZETA VOICE」の基本機能(画像は「ZETA CX」サイトからキャプチャ)
藤田遥

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