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タイムセールや期間限定販売は最終申込画面で「販売期間」表示を求める改正特商法。消費者庁が示した「ガイドライン」の内容は? | 徹底追跡 消費者契約法・特定商取引法の見直し動向

4 years 5ヶ月 ago
ASP、モール、パッケージソフトなどを使用手居るEC事業者はベンダー企業への確認、ベンダー企業は「通信販売の申込み段階における表示についてのガイドライン」に沿った改修が急がれる

2022年6月1日施行の改正特定商取引法(消費者被害の防止及びその回復の促進を図るための特定商取引に関する法律等の一部を改正する法律)で、特定価格で購入できるように販売期間を限定した場合(タイムセールなど)などに、ECサイトの最終申込画面に販売期間を表示する義務を課すという条項などの運用について、消費者庁は「通信販売の申込み段階における表示についてのガイドライン」を公表した。

消費者庁が公開した事業者向けチラシ「貴社カートシステムでの改正法への対応について」
消費者庁が公開した事業者向けチラシ「貴社カートシステムでの改正法への改正特定商取引法について」

悪質な定期購入販売をターゲットにしたとされる改正特定商取引法だったが、一部条文は健全な事業活動を行う事業者にも影響する内容が盛り込まれた。ECサイトの最終申込画面で販売期間を表示する義務が生じることに関し、ECプラットフォームの大規模改修の必要が生じるといった声が事業者からあがったのだ。

「通信販売の申込み段階における表示についてのガイドライン」で消費者庁は、「申込期間について不実の表示を行い、当該商品が期間経過後に購入できなくなると消費者に誤認させるような不当な表示等を防止する観点から、申込期間を設けている場合には正しく表示することが求められる」と回答。ECサイトの最終申込画面で販売期間を表示する義務を事業者に求めるとした。

消費者庁は「申し込みの期間に関する定めがある旨とその具体的な期間が消費者にとって明確に認識できるようにする必要がある」と説明。たとえば、商品名欄などで商品名に販売期間の併記、バナー表示、消費者が明確に認識できるようなリンク先や参照ページ、クリックにより表示される別ウィンドウなどで詳細を記載する方法などをあげている。

表示義務(改正特定商取引法第12条の6)に違反しないと考えられる表示の例
表示義務(改正特定商取引法第12条の6)に違反しないと考えられる表示の例
表示義務(改正特定商取引法第12条の6)に違反しないと考えられる表示の例
表示義務(改正特定商取引法第12条の6)に違反しないと考えられる表示の例。バナーやリンク先に詳細を表示させる形式も可とする

該当するのは、購入期限のカウントダウン(タイムセール)や期間限定販売など。個数限定販売、価格その他の取引条件(価格のほか、数量、支払条件、特典、アフターサービス、付属的利益など)について、一定期間に限定して特別の定めを設けている場合は該当しないとしている。

改正特定商取引法の主な内容は、

  • 広告表示義務に、タイムセールなど「申込期間についての定め」を追加(法第11条第4項)
  • 最終申込画面に、以下の項目を記載する義務を新設(法第12条の6第1項)
    • 価格・対価・送料
    • 支払時期・支払方法
    • 引渡し時期
    • 申込期間の定め(あるとき)
    • キャンセルポリシー、返品特約(あるとき)
  • 最終申込画面で人を誤認させるような表示の禁止(法第12条の6 第2項)
  • 最終申込画面で人を誤認させるような表示があった場合の取消権の付与(法第15条の4)
    ※改正法案の条文は「消費者被害の防止及びその回復の促進を図るための特定商取引に関する法律等の一部を改正する法律案新旧対照条文(※リンクをクリックするとPDFが開きます)で確認できる。

最終申込画面で誤認させるような表示を行った場合、消費者に申込みの取消しが認められるとともに、販売事業者に100万円以下の罰金が科される。必要な表示をしていない場合、法人には1億円以下の罰金を科す。

ECサイトの改修は5月末までに

ECサイトの最終申込画面でも販売期間を表示する義務を課すという条項の新設について、健全なECサイト運営を行っている事業者も対象となり、ECシステムの改修が伴うことから多くの疑問の声があがった。

改修、および事業者側の対応を含めると、改正特商法施行まで約5か月という短期間のため、「施行日までに間に合わない可能性があり、中小企業ではコスト負担も大きな問題になる」といった声が、「通信販売の申し込み段階における表示についてのガイドライン(案)」のパブリックコメント募集に事業者や各種団体から寄せられた。

こうした声に消費者庁は、「通常は意見募集対象とはならないガイドラインについて、今回は任意の意見募集を実施するなど、事業者の皆様からも幅広く御意見を伺った上でガイドラインを策定したものと認識している」と説明。今後は施行に向けて必要な周知を行っていくとの回答にとどめている。

パブリックコメントに寄せられた意見では、「自社ECをスクラッチで構築している企業はごく一部。多くはASP、モール、パッケージソフトなどを利用しているので、自社で最終確認画面の表示内容を構築できない」という声もあった。

これに対し消費者庁は、「特定商取引法上の義務を負うのは、あくまでも通信販売事業者であることに御留意ください」とのコメントにとどめている。

ASP、モール、パッケージソフトなどを使用しているEC事業者はベンダー企業への確認、ベンダー企業はシステム改修が急がれる。海外製のASPなどを利用している企業は、ローカライズの可能性があるかなどの確認が必要になる可能性がある。

瀧川 正実
瀧川 正実

【Zホールディングス2021年3Q取扱高】ショッピング事業は約1.2兆円で約13%増、eコマース全体は約2.6兆円で約10%増

4 years 5ヶ月 ago

Zホールディングスが2月2日に発表した2021年4-12月期(第3四半期)連結決算によると、ショッピング事業の取扱高は前年同期比13.8%増の1兆2456億円だった。

ショッピング事業の取扱高は、2021年4-6月期(純第1四半期)が前年同期比0.3%増の3808億円、同7-9月期(純第2四半期)が同20.8%増の3870億円、同10-12月期(純第3四半期)が同21.1%増の4778億円の推移となっている。

Zホールディングスが2月2日に発表した2021年4-12月期(第3四半期)連結決算
物販系eコマースの取扱高について(Zホールディングスが公表した決算説明会資料から編集部がキャプチャ)

「ショッピング事業」「リユース事業」「サービス・デジタル事業」「アスクルBtoB」「その他」を合算したeコマース取扱高は、同9.5%増の2兆6388億円だった。物販系eコマースの取扱高は同11.7%増の2兆1796億円。

Zホールディングスが2月2日に発表した2021年4-12月期(第3四半期)連結決算
eコマース取扱高について(Zホールディングスが公表した決算説明会資料から編集部がキャプチャ)

ショッピング事業においてZホールディングスは、各サービスの特徴・優位性、グループの総合力を生かし、多様なユーザーニーズを取り込むことでグループ全体の取扱高を最大化、EC物販取扱高で国内名ナンバー1をめざす。

Zホールディングスが2月2日に発表した2021年4-12月期(第3四半期)連結決算 ショッピング事業の主要サービスプラットフォーム
ショッピング事業の主要サービスプラットフォームについて(Zホールディングスが公表した決算説明会資料から編集部がキャプチャ)

コマース事業においてはLINE公式アカウントの拡大を推進。注力している友だち登録者数は急拡大しており、ECのCRMツールとして徐々に浸透している。LINEの営業活用によるコンサルティングも実施。開封率やCTRが高くなり、成功事例の創出に貢献しているという。

Zホールディングスが2月2日に発表した2021年4-12月期(第3四半期)連結決算 LINE公式アカウント拡大施策
LINE公式アカウント拡大施策(Zホールディングスが公表した決算説明会資料から編集部がキャプチャ)

LINEギフトにおいては、マーケティングキャンペーンなどを通じて取扱高は大幅に拡大しており、累計利用者数は2000万人を突破。グループ連携の強化により品ぞろえも拡充、より日常使いができるソーシャルギフトサービスをめざす。

Zホールディングスが2月2日に発表した2021年4-12月期(第3四半期)連結決算
LINEギフト事業の進捗(Zホールディングスが公表した決算説明会資料から編集部がキャプチャ)

最短15分で日用品・食料品を届ける「ヤフーマート」においては、本格展開にあたり「Yahoo!マート by ASKUL」に名称変更。店舗数は9店舗に拡大しており、総注文数も順調に増加している。来年度中に数十店舗を開設し、東京都23区内をカバーできる体制を早期に確立する計画だ。

Zホールディングスが2月2日に発表した2021年4-12月期(第3四半期)連結決算 「Yahoo!マート by ASKUL」
「Yahoo!マート by ASKUL」の事業進捗(Zホールディングスが公表した決算説明会資料から編集部がキャプチャ)
石居 岳
石居 岳

アマゾン日本事業の売上高は約2.5兆円、ドルベースで230億ドル【Amazonの2021年実績まとめ】 | 大手ECモールの業績&取り組み&戦略まとめ

4 years 5ヶ月 ago
アマゾン日本事業の201年(2021年1~12月)売上高は円ベースで2兆5378億1000万円。ドルベースでは230億7100万ドルで前期比12.8%増

アマゾン日本事業の201年(2021年1~12月)売上高は円ベースで2兆5378億1000万円だった(2021年の平均為替レートを1ドル=110円で換算)。円ベースでの伸び率は前期比15.9%増。米Amazonが公表した「年次報告書」などから、2021年のAmazonの日本事業、米Amazonの状況をまとめた。

アマゾン日本事業について

日本事業のドルベースでの売上高は230億7100万ドルで前期比12.8%増(2020年の日本事業売上高は204億6100万ドルで前期比27.9%増)。全売上高に占める日本事業の割合は4.9%。

アマゾン(Amazon)日本事業の売上高推移(ドルベース)
アマゾン日本事業の売上高推移(ドルベース)

日本銀行が参考計数として公表している「東京外為市場における取引状況(2021年中)の2021年平均レート「1ドル=109.89」を参考に、1ドル=110円で換算した場合、日本円ベースによる日本事業の売上高は2兆5378億1000万円となる。

アマゾン(Amazon)日本事業の売上高推移(円ベース)
アマゾン日本事業の日本円ベースの売上高推移(年間平均為替レートで円換算)。平均為替レートは、2010年が87円、2011年は79円、2012年は79円、2013年は97円、2014年は105円、2015年は120円、2016年は108円、2017年は112円で換算、2018年は111円で換算、2019年は109円で換算、2020年は107円で換算、2021年は110円で換算)

アマゾン日本事業の売上高は直販ビジネスのほか、第三者による販売(マーチャント売り上げ)の手数料収入、定期購入サービス、AWS(Amazon Web Service)などが含まれる。

米Amazon、アマゾンジャパンともに流通総額は公表していないが、2018年時点の「Amazon」グローバル流通総額に占める販売事業者(「Amazonマーケットプレイス」出品・出店者)経由の割合は58%。米国のEC専門誌『Digital Commerce 360』は、流通総額の6割をマーケットプレイス経由が占めていると推定している。

全体の流通総額のうち第三者による販売は6割程度、手数料収入は平均して第三者販売額の約10%という推定を前提に、円ベースの売上高から「Amazon.co.jp」の流通総額を算出すると5兆円程度に達していると推測される。

なお、楽天グループは2021年度(2021年1-12月)の国内EC流通総額について5兆円を突破したと1月に発表している。公表した国内EC流通総額は、「楽天市場」の流通総額に加え、トラベル(宿泊流通)、ブックス、ゴルフ、ファッション、ドリームビジネス、ビューティ、デリバリー、楽天24(ダイレクト)、オートビジネス、ラクマ、Rebates、楽天西友ネットスーパーなどの流通額を合算した速報値。

グローバルの販売状況

2020年度(2020年1-12月)の総売上高は前期比21.7%増の4698億2200万ドルだった。2020年の伸び率は37.6%増増。規模拡大を続けながら、2021年度は高成長を維持している。

売上高の内訳は次の通り。

  • 仕入れ商品などによる製品売上(直販売上、デジタルメディアコンテンツなど含む)
    → 2220億7500万ドル(前期比前期比12.5%増)
  • 第三者販売サービス売上など(第三者が販売するサービスに関する手数料売上など)
    → 1033億6600万ドル(同28.5%増)
  • 定期購入売上(サブスクリプションサービス売上)など(「Amazon プライム」の会員費など)
    → 317億6800万ドル(同26.0%増)※プライム会員は世界中で2021年までにグローバルで2億人を超えている
  • AWS(Amazon Web Service)
    → 622億200万ドル(同37.1%増)
  • 実店舗売上(主にホールフーズの売り上げ)
    → 170億7500万ドル。(同5.2%増)
  • 広告サービス
    → 311億6000万円(同57.6%増)
  • その他(クレジットカード契約などの売上高)
    → 21億7600万ドル(同29.5%増)
アマゾン(Amazon)の売上高の内訳
<キャプション>Amazonの売上高の内訳(2021年)。カッコ内の数値は全体売上高に占める割合

地域別の売上高は次の通り。Amazon全体の売上高に対して日本事業が占める割合は5.3%。2019年よりも0.4ポイント減った。主要国の伸び率は3割を超えているのに対し、日本事業は2割台にとどまっている。

  • アメリカ → 3140億600万ドル(前期比19.2%増)
  • ドイツ → 373億2600万ドル(同26.3%増)
  • イギリス → 319億1400万ドル(同20.5%増)
  • 日本 → 230億7100万ドル(同12.8%増)
  • その他 → 635億500万ドル(同38.0%増)
アマゾン(Amazon)の地域別売上高
Amazonの地域別売上高(2021年)。カッコ内の数値は全体売上高に占める割合
瀧川 正実
瀧川 正実

ecbeingがクロスシーと資本業務提携を締結。中国への越境ECを支援

4 years 5ヶ月 ago

ecbeingは、中国市場に向けた日本企業の越境EC支援を手がけるクロスシーの第三者増資を引き受け、資本業務提携契約を締結した。中国市場向けソーシャル越境EC事業をecbeing、クロスシーで強化する。

中国向けソーシャル越境EC事業を強化

ecbeingとクロスシーは2021年11月に業務提携を実施。日本でECサイトを運営する企業への中国向けソーシャル越境ECのソリューション提供で連携していた。

資本提携により、ビジネス面、システム面での連携を強化。より付加価値の高い中国市場向けソーシャル越境EC事業の実現をめざすという。業務提携の内容は次の通り。

  1. ecbeingを利用しているEC事業者の中国向け販売戦略、課題に応じた中国ソーシャル越境ECへの出店から運用、商品のプロモーションまでをトータルでサポート
  2. ecbeingとクロスシーのシステムを連携することで、ECサイトを運営する事業者の日本国内向けECと越境ECの情報を一元管理する。
    また、クロスシーのネットワークに参加している在日中国人300人以上のインフルエンサー、在日クリエイターによる迅速なプロモーションを可能にする
  3. トライアル運用によるソーシャルECでのテストマーケティングの提供を通じ、日本国内のEC事業者が販売する商品の中国市場でのポテンシャルを確認。本格的な拡販の展開ができることで、事業者の海外進出時のリスクを低減する

ecbeing 代表取締役社長の林雅也氏は次のようにコメントした。

Eコマースにより、日本国内における販売の地理的な制約はこの20年で大幅に改善され、生活者のライフスタイルが大きく変化しました。テクノロジーの進化によって、海外との取引についても円滑になる時代が近づきつつあります。

海外取引のなかでも中国については、特に市場が大きいとともに、独自のEコマースの発展を遂げており、技術的にも運用面においても中国に特化した対応が求められます。

中国のEコマースに強いクロスシーさまと業務提携することで、ecbeingを利用している企業さまの中国越境へのニーズに迅速に対応できるようになりました。今後、日本企業の越境支援および、海外との文化交流に貢献できれば幸いです。

藤田遥
藤田遥

広告の多様性とクリックされやすさ

4 years 5ヶ月 ago

ヤフーが検索広告の多様性とクリックされやすさの関係を調査した。形態素解析で広告文を分解し、生態学で利用される指標で多様性を算出したうえで、広告の多様性とクリック率の関係を分析。広告の多様性が高いとクリックされやすいことが明らかに。広告グループに含まれる単語の種類を多くするだけでよい。

生態学の指標を応用した、広告の多様性とクリックされやすさの関係の分析
https://techblog.yahoo.co.jp/entry/2022012630256917/

noreply@blogger.com (Kenji)

ローカルSEO×SEO施策でEC売上4倍&来店増! 地方の老舗和菓子店が手がけたDX実践事例を解説

4 years 5ヶ月 ago
コロナ禍で打撃を受ける和菓子業界のなかにあって、SEO施策、ローカルSEO施策で、EC売上増&実店舗への来店増を実現した老舗和菓子店の事例を紹介します。

「売上を伸ばすことができるDXやデジタル化について教えてほしい」。地方で中小企業を営む経営者から、私が所属するFaber Company(ファベル カンパニー)にそのような相談が持ち込まれるケースが増えてきている。新型コロナウィルスや人材不足などにより、地方や中小企業を取り巻く環境は厳しさを増す一方だが、これを乗り越える1つの材料となるのが、デジタルマーケティングだ。そこで、本記事ではECの売上4倍、実店舗の来店増にもつながった老舗企業のデジタルマーケティング実践事例を紹介する。

今回の取材にご協力いただいたのは、「木村屋」取締役・吉野薫氏

山形県で創業134年を迎える和菓子店「木村屋」。全体売上の2割を占めるお土産の売上が半減するなど、コロナ禍で大きな打撃を受けた。しかし、そこからデジタル施策に力を入れたことで、起死回生の糸口を掴んだ。コロナ禍を経て老舗和菓子店はどのようにマーケティングのデジタル化を進めていったのか。地方の老舗企業ならではの苦労やその乗り越え方などについて伺った。

和生菓子市場の小売金額(推定)は5年でマイナス20%。コロナ禍でさらに減少傾向

新型コロナウィルスで各産業が大きな打撃を受けている。その1つが和菓子業界だ。2016年と2020年を比較すると、和生菓子の小売金額(推定)はマイナス約20%、菓子全体に占める小売金額の構成比率はマイナス約2%。金額・構成比率ともに大幅に減少している(全日本菓子協会の調査データ参照:http://anka-kashi.com/statistics.html)。

同協会の調査によると、「彼岸の仏教催事・入卒業時の謝恩会、各種愛郷など和菓子需要が大きい催しが開催されないことによる売上が減少したこと」「空港や主要駅の利用客の大幅な減少の影響などによる販売機会が失われたこと」などが、減少している要因としてあげられている。そんな逆風が吹く中、売上を伸ばしている地方の老舗がある。山形県にある老舗和菓子店「木村屋」だ。

和生菓子の小売り金額と構成比(全日本菓子協会の調査データを基に著者作成)

木村屋は、明治20年(1887年)に山形県初のパン屋として創業した。屋号は、初代が「酒種あんぱん」で有名な東京銀座木村家で修業し、暖簾分けを許されたことに由来する。現在は、山形県に17店鋪を展開し、和洋菓子やパンなどの販売を行う。自家製の粒あんを使った和菓子「古鏡」、明治20年から作り続けるあんぱんなど、「自家製あん」にこだわった和洋菓子を取り揃える。数々の賞を受賞し、地域に親しまれる名品はもとより、お土産品としても人気を集める商品を製造・販売している。

木村屋では「自家製あん」にこだわった和洋菓子を取り揃えている

ECサイトの売上が3件から300件に? 放置していたECに異変

2020年の木村屋は、コロナ禍により壊滅的な打撃を受け、苦しい期間を過ごしていた。取締役・吉野薫氏(38歳)は、「全体の2割ほどを占めているお土産や法要関連の売上が半減した」と当時を振り返る。

この苦しい期間でも、光明が見えた出来事があった。同社では和菓子だけでなく、クリスマスケーキなどの洋菓子も販売しているが、EC経由のクリスマスケーキの売上が急増したのだ。「何となく作った」というECページ。7~8年前にネット上で注文を受け付けたときは、わずか3~4件しか注文がなく手ごたえがなかった。その後ネット予約の受け付けをとりやめていたが、コロナ禍により来店予約や直接の受け渡しが難しい状況になったため、数年ぶりにネット予約を受け付けることにした。するとすぐに、300件ほどの注文があったのだ。

吉野氏は「県外の方だけでなく、地元のお客様のネット注文ニーズもかなりあるのは意外でした」と驚きを口にする。地元はまだまだ直接の購入が多いだろうと考えていたが、その予測は外れた。

デジタル化やDXという概念は、「東京」「都会」「大企業」の話で、地方にある老舗の弊社とは程遠い存在だと思っていました。しかし、目の前のお客様たちはECでの購買を求めている。老舗だということにあぐらをかかず、変革をしていく必要があると感じるようになりました(吉野氏)

木村屋のECページ。2020年にはケーキの特設ページを設けた

ローカルSEO×SEOの2つの車輪で、デジタルマーケティングを推進

社会全体の潮流としてECサイトの需要が高まっていたことに加え、突如訪れたコロナ禍。打ち手が限られるなかで生き残っていくためにはデジタルしかないと考えた吉野氏だが、社内にデジタルに精通する人材がいるわけでも、専門家がいるわけでもない。

「自分たちに何ができるのか……」。そんな不安を覚えながらも、手探りで行動を始めた。

不安を抱えながらもデジタル化への挑戦を始めた吉野薫氏

同社がまず取り組んだのは、デジタルマーケティングだ。Webサイトだけでなく実店舗への集客を増やしていくために、「SEO」「ローカルSEO」に注力した。「SEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)」は、検索エンジンを使ったマーケティング戦略の1つ。Googleなどの自然検索結果に自社サイトを表示させることで、サービスや商品を知らないユーザーに自社サイトを見てもらい、購入検討する機会を創出する。

一方、「ローカルSEO」とは、ユーザーの居住地や現在地など「特定の地域」にフォーカスした検索結果のなかで上位表示をねらう最適化のことを指す。例えば、ユーザーが「千代田区のカフェ」といったような特定ジャンルのキーワードをWeb検索したとき、お店の情報が検索結果の上部に表示されれば、集客効果が期待できる。ローカルSEOはそのために有効な施策のことだ。

では、同社が取り組んだ施策の一部を紹介しよう。

ローカルSEO施策_最新情報を週3、4回更新

見込み顧客にアプローチする頻度・機会を増やす施策として、Googleマップなどの地図アプリに着目した。地図アプリ上の店舗情報を管理する「Googleビジネスプロフィール(以下、GBP)」には、店舗から情報発信をする機能がある。その最新情報を週3、4回更新することとした。

最新情報を週3、4回投稿した例

ローカルSEO施策_商品写真の追加

続けて、お店や商品を魅力的にアピールする施策として、商品写真の追加を実施した。取り扱い商品のほぼすべての商品写真をGBPに登録した。

追加した商品写真の一部

ローカルSEO施策_店舗情報の整備

さらに、GBPはユーザーが情報を更新できるという特性もあり、一部情報が意図しない内容で書き換わってしまう場合もある。間違った店舗情報が掲載され続けてしまってはお客様からの苦情につながるリスクが大きい。コロナ対策状況なども追加できるようになったので、店舗情報の整備も各店舗で実施した。

店舗情報の整備として、コロナ対策を行っていることを表明する設定やサービスオプションの追加などを行った

GBP関連の施策自体は至ってシンプルだが、この基本ができていなかった。これらの整備によって、マップ上での露出を高め、来店促進につなげることが狙いだ。

SEO施策

Webサイトはあったものの、特に集客を意識したことなければアクセス解析なども十分に行えていなかった。当然ネットショップでの購入も伸びていない。こうした状況からサイトの集客力を高めるためのSEO施策に取り組んだ。これも基本的な施策だが、デジタルマーケティング強化にあたっては重要な取り組みとなった。

SEOへの対応としては、次のような施策を行った。

  • サイトの内部構造の分析
    →サイトの骨組みとしての基本的な問題を改善するため
  • 流入しているキーワードの分析と今後獲得したいキーワードの設定
    →現状分析後に、目標を定めることで適切なPDCAを回すため
  • ユーザーの検索意図に合わせたコンテンツリライト
    →ユーザーに寄り添ったコンテンツで満足度を高め、検索順位への好影響を意識
    など。

ローカルSEO×SEOから生まれたシナジー

ユーザーは、検索エンジン・SNS・グルメ情報サイトなど、さまざまなチャネルでお店や商品を探す。ゆえに、SEO / ローカルSEOのどちらか一方の施策のみでは、さまざまなユーザーにアプローチできない。デジタルマーケティングにおいては、1つの手法に力を入れるだけでは成果を上げるには不十分になりつつあり、いくつかの手法を組み合わせてマーケティング施策を行う重要性が増してきている。2つの手法に取り組んだことについて吉野氏は以下のように振り返った。

どちらか1つでは足りなかったと思います。山形県内在住の方や山形でお土産を探している方に対してはローカルSEO、県外の方に対してはSEOが効果的でした。ただ、それぞれが別々ものとしてあるのではなく、新たなシナジーも生まれています。Googleビジネス プロフィール(旧Googleマイビジネス)でお店を見つけて「このお店に行ってみたい」と思ったユーザーは、そのお店のWebサイトも訪れる方が多い。Webサイトには、GBPに掲載できないような商品の魅力を詳しく掲載しておくことで、新たなファン獲得にもつながりました。そうした新たな導線を生むことができたんです(吉野氏)

EC売上4倍、実店舗売上は約10%アップ! 成功した要因とは?

このような取り組みを続けた結果、GBP経由での店舗への電話数は3倍近くまで向上。EC売上も順調に伸び、2020年1~3月と、21年同月を比較すると4倍近くになった。

施策実施の成果として、店舗への電話数、EC売上などがある

実店舗を含めた売上で比較すると、20年5月と21年同月では10%ほどアップ。コロナ前の19年3月と21年同月を比較しても、約5%伸びている(3月は繁忙期となるため、5%でもかなりの売上増となる)。

成功した要因は一体どこにあったのか。吉野氏に聞くと「ローカルSEOツール“(ローカルミエルカ)”やSEOツール“(ミエルカ)”の活用が大きかった。これらを提供するFaber Companyとの定例ミーティングを継続的に行ったことで、アクションが緻密になり、デジタル上でPDCAを回せるようになった」という。

例えば、何月何日に何を投稿し、それに対する反応はこうだった…といった数値を積み重ねながら改善して、さらに良い投稿を行っていく。この計画・投稿・反省といった一連の流れの実施をFaber Companyのご担当に伴走していただき、非常に勉強になりました。行き当たりばったりだった今までのやり方とは次元が違うレベル感で施策が行え、我々の成長につながりましたし、成果にもつながったのだと思います(吉野氏)

プロセスを他の施策にも応用

同社では、今回の取り組みで得た一連のプロセスを、SNS投稿やホームページ更新など、他の施策にも応用しているという。また吉野氏は「開発や製造から広告宣伝まで巻き込んだ形で企画を動かせるようになってきた」と、社内での連携が円滑になったことに安堵する。今後さらなる成果が付いてくれば、社内のデジタル施策への理解はより一層深まり、好循環が生まれてくるのではないかと期待しているそうだ。

地方の中小企業などでは、デジタルに詳しい人材が社内にいないことや、そもそもデジタル施策に割ける人数が少ないことがネックとなり、なかなか踏み出せないケースも多々ある。木村屋でも、主なデジタル施策を展開しているのは、吉野氏ともう1名の社員、そして現社長・吉野隆一氏(67歳)の3名のみだ。

2~3名体制でデジタル施策を回すコツを聞くと「社長を巻き込んでいくことでしょうか」と返ってきた。さらに、「ゴールまでロードマップを描き、行動に落とし込んでくださる会社さんと協力することでうまく回る」と吉野氏は付け加えた。

デジタル施策が結果を出し始めると、社長である隆一氏の意識も変わってきたという。隆一氏自らが、SNSや画像編集ツールを学びはじめて商品写真を投稿するなど、デジタル施策に関心を寄せて現場で実行までしているそうだ。吉野氏は「やっぱり成果が出ると楽しくなってくるんでしょうね」と笑顔を見せる。

左から、現社長の吉野隆一氏、取締役の吉野薫氏

縮小業界でも伸びている領域はある。広告費を最適化して苦境を乗り切る

良い影響はそれだけにもとどまらず、「広告費の最適化」にもつながりつつある。コロナ前まで数百万円単位でマス媒体を中心に投じてきた広告費だが、コロナ禍を機に、大幅にカットせざるを得なくなった。しかし、デジタル施策をスタートさせた2020年以降、広告費の減少に伴って売上が下がったというような事象はほぼ起こっていない。

マス広告を一切取りやめたわけではない。「マス広告は瞬間的な反響が大きいという利点があるので、媒体の性質を見極めながら出稿先を検討していきたい」と吉野氏は述べる。媒体ごとの特徴と自社商材の特徴に鑑みて、適切な広告施策を打つことを心がけていくという。

全体として縮小傾向にある和菓子業界。「お土産関連や法要関連の売上は壊滅的」と吉野氏が語ったように、非常に苦しい2年間を過ごしてきた。一方で、SNS映えする和菓子や、地方の独自性を活かしたお菓子のギフト需要など、成長している部分もある。

年々売上が増えている商品もあり、我々は今後もお客様の需要に応えられる商品を作っていかなければ。しかし作るだけではダメで、その情報をどうやってお客様に届けるか。Webという新たな武器を手に入れたので、それを今後も活用していきたい(吉野氏)

木村屋をはじめ、地方企業や老舗といわれる企業にも、デジタル施策に注力する企業が増えてきている。コロナ禍でさまざまなオンライン化が進み、商圏が限られる地方企業にとっては好機ともいえる。時流に合わせた商品開発はもちろんだが、それらの良い商品をお客様に知ってもらうためのデジタルマーケティング施策をブラッシュアップし続けられる体制があることが、地方企業生き残りの条件になるかもしれない。

木村屋は今後もお客様の需要に応えられる商品を作っていく
※編集協力:落合真彩

この記事は、姉妹媒体『Web担当者Forum』で掲載された記事を転載したものです。

オリジナル記事はこちらローカルSEO×SEOで、EC売上4倍&来店増! 老舗和菓子店のDX施策とは?(2022/01/28)

志賀友樹(しが ゆうき)
志賀友樹(しが ゆうき)

クルーズグループが物流センターに導入した保管能力2倍、出庫能力3倍の自動棚搬送ロボットとは

4 years 5ヶ月 ago

クルーズの100%子会社であるCROOZ EC Partnersは、自動棚搬送ロボットで業界トップシェアのギークプラスと自動棚搬送ロボット「EVE」を活用したEC向け物流センターを共同開設し、従量課金制での利用を開始した。省人化を図り、年々増加する作業費の圧縮、人員不足の解消につなげる。

人が行っていた商品の入荷やピッキング作業を、ロボットに移行、作業時間を大幅に削減する。他センターでは保管能力が2倍、出庫能力が3倍になった事例があり、EC向け物流センターでも大きな効果を期待している。

ロボットが作業を代替することで作業が平準化するため、EC独特の物流波動にも耐え得る倉庫現場を実現した。

クルーズの100%子会社であるCROOZ EC Partnersは、自動棚搬送ロボットで業界トップシェアのギークプラスと自動棚搬送ロボット「EVE」を活用したEC向け物流センターを共同開設し、従量課金制での利用を開始
ギークプラス社の提供する自動搬送ロボット「EVE」

共同プロジェクトにおける役割は、CROOZ EC Partnersがギークプラスを用いた物流現場への誘致・営業と、新規案件の現場構築に向けた要件を定義。ギークプラスは、従量課金制のAGV(搬送ロボット)を用いた物流オペレーションの構築、EC物流のサービスレベル向上を図る。

昨今のEC需要拡大に伴いCROOZ EC Partnersの物流センターにおいては出荷量が増加している。増加に耐え得るだけの作業人員が必要となるが、年々リソースを確保することが困難になってきているという。

多様化するEC事業者の物流ニーズに対応することも求められており、高いスキルセットが必要となっていることも、リソース確保の難易度を上げる要因となっている。

CROOZ EC Partnersは、ギークプラスと協業し、ギークプラスが提供している自動棚搬送ロボット「EVE」を倉庫現場に導入することで庫内作業の自動化をめざす。

石居 岳
石居 岳

大規模な業務改革を成功させる秘訣とは? ラクスル流プロジェクトの進め方 | 印刷通販ラクスルのDX戦略

4 years 5ヶ月 ago
業務の8割を自動化。リピート率改善にも寄与した「スピードチェック入稿」実現の裏側(連載第3回)

今回のテーマは「業務の効率化」。ラクスルは業務効率化に向けたプロダクト開発に注力してきました。業務の効率化を望むユーザーのニーズを把握し、とにかく現場へ足を運び、理想の状態を追求してきました。その結果、入稿データをシステム上で自動チェックする機能を開発し、データチェックにおける待ち時間を大幅に短縮することに成功しました。

ラクスルが課題をどのように乗り越え、業務効率化の実現に向けて取り組んできたのかについて解説します。

事業拡大に伴うマンパワー不足。リピート率の低下が大きな課題に

ラクスルではDTPデータ(お客さまから受け取ったチラシなどのデザインデータ)を印刷可能なデータに修正・変換する作業をマンパワーで行っていました。しかし、当時は2つの課題感を持っていました。

1つは事業の拡大と共にDTPに携わる人員が不足していること。そして2つ目はデータ変換の平均待ち時間が15時間を超えて、納期遅延等の要因になっていたことです。特に後者はリピート率の低下を起こす原因になるため、経営的なインパクトも大きいものでした。

急速な事業成長に労働集約型で対応していましたが、オペレーションの改善がおよばず、とにかく必死で業務を回す状況が続いていました。業務改善に向け、スプレッドシートやオペレーションフローの見直しなどを行ったものの、小手先で変えられることでは抜本的な解決にいたりませんでした。

専門領域の異なる人員でプロジェクトチームを組成

転機になったのは、購入時間の長さが納期の遅れにつながり、リピート率の低下につながっているという事実に気付いたことでした。サービスの離反原因が経営層にも伝わり、オペレーションの抜本的な改善を図ることを意思決定したのです。

既存の業務の延長線上にはない新たな解決策を見出すためには、デザインやエンジニアリングの力も必要になるため、エンジニア、デザイナー、オペレーションなど各専門領域から人員をアサインしてプロジェクトチームを組成しました。

加えて、解決策の決定から実行までの旗振り役となるプロジェクトリーダーも専任で1名配置し、具体的に課題解決に向けてアクションを始めました。

具体的に課題解決のアプローチを考える上で留意したいのが、「業務効率化」と「顧客価値向上」を分離して考えないことです。

日々の業務に追われてしまうために、目の前の業務の延長線上にある微々たる改善しか行えないことはよくあります。また、業務の効率化だけが目的になってしまうと、単純な人員削減や顧客にとって価値がある業務の整理をしてしまいがちです。一歩間違えれば顧客体験の低下、ひいては事業価値の棄損を招いてしまう恐れもあります。

つまり、企業価値向上という本質的な目的を見失わず、顧客への提供価値向上とコスト削減がトレードオフにならないように改善していくことが大事になってきます。

業務や顧客、市場を徹底的に分析して解像度を高める

プロジェクトチームを立ち上げた後、注力したのは下記の3つの側面から、徹底した分析や調査を行うことでした。

  1. 自社の提供するサービスの業務理解
  2. 顧客が抱える課題を抽出するための顧客理解
  3. 競合が提供しているサービスや顧客理解を通じた市場理解

1.業務理解

業務務理解については実際に現場の業務を体験し、担当者がラクスルをどのように使っているかなどを確認していきました。デモンストレーションはチーム全員で体験し、業務内容の定義や所要時間、必要な専門性を整理しました。

注文を受ける前から印刷物の生産に入るまでの工程を細かく分解し、それぞれの工程に潜む課題は何なのか、納期の遅れはどこまでなら許容できるのかといった分析を行い、課題解決の方向性を定めていきました。

2.顧客理解

顧客理解については納期遅延を経験した顧客を含む、数十人の顧客インタビューを実施し、課題の特定を行いました。インタビューから課題を抽出し、解決につながる仮説を立て、UI/UXや改善案に対する意見をいただきながら、何度も検証を繰り返しました。

ある程度の方向性が固まった段階で、新しいサービスプロセスを顧客にデモンストレーションするための「ペーパープロトタイプ」を作成しました。

いきなりシステム開発に入るのではなく、PowerPointや手書きのイラストベースのイメージ画像を使うペーパープロトタイプであれば、フィードバックをすぐに反映でき、改善のPDCAをスピーディーに回すことができます

3.市場理解

市場理解については海外のDTPにおける最先端の知見を取り入れるべく、 欧米やアジア各国で同じ業務に携わる企業についてのリサーチを実施しました。

その中で最も発展しているドイツに渡り、最先端のオペレーション・テクノロジーを学習しました。そこで得た知見を国内に持ち帰ってサービスへ実装すると共に、現地企業と顧問契約を締結して継続的にレビューや助言を受け続けられる体制を構築しました。

ついにスピードチェック入稿が実現

こうしてさまざまな検証や分析、創意工夫を経て出来たものが、DTP業界では革命的な「スピードデータチェック」の仕組みでした。お客さま自身がサイト上でデータを修正・変換できるようになり、データ入稿の自動化やセルフサービス化を実現できました。

入稿からデータ確定までの所要時間 左:オペレーターチェック入稿(半日から1日程度) 右:スピードチェック入稿(数分から10分程度) 待ち時間が短いから早い
従来の入稿とスピードチェック入稿の違い

これによって、業務オペレーションは注文数のうち80%が自動化されただけでなく、顧客の購買体験も大幅に改善し、リピート率も向上しました。

従来は印刷物が到着するまで仕上がりイメージを確認できませんでしたが、サイト上で仕上がりイメージを立体的に確認できるようになったことで、ネット上で発注することの不安やトラブルの解消にもつながったのです。

これがもし、単純な業務効率の改善という課題設定だったら、オペレーション現場の業務の自動化にとどまり、DTPにおけるコスト構造の変化も起こせなかったと思います。DTP業務の結果によってもたらされている顧客側の課題も解決しようと、自社だけでなくバリューチェーン全体に向き合って取り組んだ結果、「自動化+顧客のセルフサービス化」というアウトプットに至ったのです。

事業や顧客価値向上に寄与する課題を優先して解決

一方で、サービス体験向上における別のアプローチとして、お客さまからいただくサービスや注文に関する問い合わせの削減にも着手してきました。

当時は3件の注文に対して1回以上の問い合わせが発生しており、問い合わせ率が40%近い水準にありました。

問い合わせ数の多さは対応の遅延や品質低下の原因となり、結果としてリピート率の低下につながります。問い合わせ対応を削減するため、チャットや電話といった問い合わせの動線ごとにお客さま自身で解決できるような最適なコンテンツを用意しました。

ラクスルのチャットの例
ラクスルの問い合わせ対応の例

また、カスタマーサクセスの成功事例を取り入れながらアプローチを実施したところ、顧客体験の向上に寄与したほか、直近の問い合わせ率が15%を下回る水準までに改善しました。

事業成長を実現するには常に課題と向き合わなければなりません。課題は探せばいくらでも見つかるため、事業価値や顧客価値をいかに高められるかに焦点を当て、優先順位を意識しながら解決策を模索していくことが大切です。

多くの企業でDXによる業務効率化などに取り組んでいると思いますが、最も重要なのは「そうした取り組みの結果、事業価値が上がるのか」という点です。

経営陣はチームの最大のサポート役になるべき

プロジェクトを成功させるには、まず専任のプロジェクトオーナーを立て、裁量を与えることをおすすめします。不確実性が高く具体的なイメージを持ちにくい中長期的な取り組みは心理的負荷が高く、確実性が高くやることが明確な短期の取り組みが優先されることを何度も見てきました。

だからこそ、非連続で中長期的に取り組むべきミッションについては、プロジェクトオーナーを立て、日々の連続的な業務から切り離し、チームを牽引する旗振り役として目標にコミットしてもらうことが極めて重要です。

また、デザイナーやエンジニア、オペレーションなどの複合的なチーム組成も鍵になります。異能多能の人材が集まり、さまざまな視点で既存のプロセスを見ることで、現場や顧客の課題に対する新しいアプローチの発見やイノベーションとも呼べる変革が起こる可能性が高まります。チームで現場の理解を高めつつ、事業をバリューチェーン全体で俯瞰し、あるべき姿を描き続けることが大切です。

そしてプロジェクトの実行フェーズでは、現場からさまざまな軋轢や抵抗が生じます。大きな変化を起こすには必ず困難な状況が訪れます。その際、経営陣はプロジェクトの意義をぶらさず、改善に取り組むチームにスポットライトを当て続け、苦難を乗り越える最大のサポート役に徹することが求められます。

◇◇◇

皆さんがいま取り組もうとしているプロジェクトは上記に挙げるほどの「やりきり」がなされているでしょうか? 今回は業務効率化という切り口でしたが、それに留まらず、本稿が非連続な変化を起こす挑戦を行う際の参考になれば幸いです。

次回はラクスルが取り組む集客支援やモバイルの拡張、デザイン領域への推進について掘り下げていきます。

高城 雄大
高城 雄大

デジタル広告の第三の波は「リテールメディア」

4 years 5ヶ月 ago

デジタル広告の領域において、2000年代は検索、2010年代はソーシャルメディアが台頭したが、2020年代はリテールメディアの隆盛が予測されている。

Retail Media 2022: What's Next for Digital Advertising's Third Big Wave?
https://www.emarketer.com/content/retail-media-2022-what-s-next-digital-advertising-s-third-big-wave-meet-analyst-webinar-january-21-2022

noreply@blogger.com (Kenji)

「成功事例は参考になるか」

4 years 5ヶ月 ago

事業会社からDXの成功事例をよく聞かれる。またエージェンシーを含むマーケティング支援事業者からも、データを活用したマーケティング活動の成功事例は?などという質問がよく来る。もちろん成功事例は情報として価値がある。参考にもなる。ただ成功事例だけ欲しがる傾向には問題がある。

まず成功したという評価をするにはまだ早い事例が多い。またそれぞれの企業の個別の状況や課題がある中で、よその事例をそのまま参考にできるかは微妙である。そして、これが最大の理由だが、実は失敗例の中にこそ参考になる要素が多いということだ。だが特に失敗例は世の中に出て来ない。そうそう失敗を公表する企業もないし、大概本当は失敗なのに責任者の保身のために成功を装うことが多い。さらに失敗の原因をしっかり分析する会社もほとんどない。しかるに、自身で実際にやってみるしかないのだ。失敗事例に有効な情報があるのは、故野村克也監督の名言(「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし。」)のとおりである。失敗には原因がしっかりある。だからそれを潰していくことで成功の確率は上がる。成功事例には偶然の幸運があって、同じようにやっても見えない失敗要因を避けることができない。

 

 DXしかり、新しいことへのチャレンジによその事例を持ち出して議論するのはやめた方がいい。そもそもそういう企業文化そのものに革新性がない。とにかく「やってみる」これしかない。「よそはよそ、他人の事例は参考にならない」と割り切った方がいい。ただその経験値、得られた知見をしっかり共有すること、個人ではなく組織に経験値、知見を根付かせること。これが肝心だ。

 およそ30年前の名著「失敗の本質」を何度も読み返すことがあるが、この日本軍の組織論的研究には、日本企業の問題点を示唆する点が数多くある。破綻する組織の特徴として、

・トップからの指示があいまい

・大きな声は論理に勝る

・データの解析がおそろしくご都合主義

・「新しいか」より「前例があるか」

・大きなプロジェクトほど責任者がいなくなる

 が列挙されている。

 「前例があるか」はよその成功事例を求めるのと一緒だ。

 この本には、ノモンハン、ミッドウェー、ガダルカナル、インパール、レイテなどの作戦における失敗の本質を、章の頭に整理している。例えばガダルカナル作戦は、「失敗の原因は、情報の貧困と、戦力の逐次投入、日本の陸軍と海軍はバラバラの状態で戦い、米軍の水陸両用作戦に有効に対応できなかった」とある。

 ほとんど日本企業の組織的問題点をなぞっているかのようだ。

 おそらく大概の企業のDXはうまくいかない。ないし、DXの定義そのものを間違っている。それは、日本軍の失敗のそれとほぼ同じ体質を脱却できないからで、数ある失敗の本質のひとつとして「事例を探す」のかもしれない。情報収集として価値がある行為は、手に入らない失敗の原因も自ら実施することで得ることである。

ベム

Googleに「星だけ」の口コミが投稿された場合の対応方法&口コミ集客のポイントを解説 | 店舗ビジネスに役立つ『口コミラボ』特選コラム

4 years 6ヶ月 ago
Googleに寄せられた口コミでコメントがなく星のみで評価されことがあります。必ずしも返信する必要はなく、店舗のスタンスによって対応は異なります

Googleに寄せられた口コミで、コメントがなく星のみで評価されている場合がありますが、返信をした方がいいのでしょうか。

結論から先に述べると、必ずしも返信する必要はなく、店舗のスタンスによって対応は異なります。また、返信するのであれば、評価ごとに返信対応も変わってきます

今回の記事では、星だけ評価に対する評価ごとの返信を、例文付きで解説します。さらに後半では、口コミ集客で押さえるべきポイントも紹介するので、口コミ集客にご活用ください。

Googleの「星だけ」評価、返信すべき?

Googleの星だけ(コメントなし)の評価には、必ずしも返信する必要はありません。ユーザーが星だけの評価をする場合、相手とコミュニケーションを取る意思がない可能性もあります。

Googleのヘルプでも、口コミの返信について「すべてのクチコミに対して感謝の意を公に表明する必要はありません」と述べられています。

とはいえ、星だけの評価に対しても丁寧に返信しているのを他のユーザーが見た場合、好印象を与えるといったこともあるかもしれません。

星だけの評価だけでなく、投稿された口コミ全体に対してどのように対応するか、店舗としての方針をあらかじめ決定しておくとよいでしょう。

コメントなしの評価に対する返信例

コメントのない星だけの評価にも返信する場合、どのような内容を返信すればいいか、例文とともにご紹介します。

評価が良かった場合:サービス利用に対する感謝や、再来店したくなるような情報を伝える

星5つなど高い評価がつけられた場合、感謝の言葉に加えて、再度来店を促すようなPR、関連情報などを織り込むと効果的です。

「この度は〇〇(店名)にご来店いただき、また、このような評価をいただき誠にありがとうございます。〇〇(店名)では、季節ごとのメニューをご用意しておりますので、次回ご来店の際にご利用いただけると幸いです。改めまして、評価をいただけたことにお礼申し上げます。スタッフ一同、またご来店いただける機会を心よりお待ち申し上げます」

評価が悪かった場合 その1:評価をしてくれたことへの感謝と気持ちを伝える

低い評価で星のみがつけられた場合、評価への感謝と今後の姿勢を伝えましょう。

「この度は、ご評価いただきありがとうございました。当店にてご不快な思いをさせてしまい、誠に申し訳ございません。今後は皆さまにご満足いただけるよう、スタッフ一同気を引き締めて取り組んでまいります。機会がございましたら、ご来店をお待ちしております。」

評価が悪かった場合 その2:低評価となった理由を尋ねる

低い評価の場合、理由を尋ねるのもよいでしょう。低評価に対しても真摯に向き合っているという姿勢を、第三者のユーザーにも伝えられます。また、理由を追記してもらえた場合、「お客様の声」として参考にし、サービス改善に活かすこともできます。

「このたびは、ご評価いただきありがとうございました。当店にてご不快な思いをさせてしまい、誠に申し訳ございません。当店ではお客様の声を第一に、サービスを改善しています。もしよろしければ、今後の改善のために、どのような点がご不便を感じられたか教えていただけますでしょうか。ご意見をおうかがいできれば幸いです。」

口コミ集客で押さえておくべき3つのポイント

ここまで「星だけの評価」に対する対応方法を解説してきましたが、押さえるべきポイントはコメントありの評価とほとんど同じです。

そこでここからは、口コミ集客を取り組むうえで重要な押さえておくべきポイントを3点解説します。

1. ネガティブな口コミに対しても誠実に対応

ネガティブな口コミにも、真摯に対応することが大切です。ユーザーから批判的な指摘が入った場合、接客など改善が可能なものについてはその旨を、価格など改善ができないものについては店舗の方針を返信で伝えましょう。

口コミは投稿者と店舗だけでなく、ほかのユーザーも閲覧しています。ネガティブな内容に対して攻撃的にならず、誠実に答えることでほかのユーザーからも悪印象を持たれてしまうのを防ぐことができます。

また、低評価な口コミは、必ずしもネガティブというわけではありません。口コミの中に、店舗を改善できるヒントが書かれている場合もあるので、実践することで高評価を獲得しやすくなるでしょう。

2. 悪質な投稿は削除できるケースもある

寄せられた口コミが店舗とは関係なく、または事実でもなく、誹謗中傷など悪質であると判断される場合、ガイドライン違反で削除申請できます。

必ずしも申請が受け入れられるわけではありませんが、放置していては店舗の信頼にかかわってくるので早急な対応が必要です。

3. 口コミを集めるのも施策の一つ

店舗側で悪質な口コミを事前に防ぐことは不可能です。もし投稿されてしまった場合、上記で解説したような返信をするほか、高い評価を集めてネガティブな口コミを目立たなくさせることもできます。

そのために、店舗のオペレーションやサービスの品質をもう一度見直し、店舗内でお客様に口コミを書いてもらえる仕組みづくりを検討することが大切です。

口コミに対して真摯に対応することが重要

Googleマップなどに寄せられる口コミは、店舗とお客様がコミュニケーションを取れる場として機能しています。誠実に口コミ返信することで、口コミ投稿した本人だけでなく、ほかのユーザーとも信頼関係を築きやすくなります。

ポジティブな口コミに感謝やお礼の言葉を伝えるのはもちろんですが、ネガティブな口コミに対しても真摯に受け止めて改善につなげ、悪質なものは削除申請するなど、適切に対処しましょう。

この記事を書いた「口コミラボ」さんについて

「口コミラボ」は、様々な地図アプリ・口コミサイトの監視、運用、分析を一括管理できる店舗向けDXソリューション「口コミコム」が運営する店舗ビジネス向け総合メディアです。近年、企業の評判管理が重要視されるなか、特に注視すべきGoogleマイビジネスを活用したローカルSEO(MEO)や口コミマーケティング、それらを活用した集客事例から、マーケティング全般、店舗経営のハウツー、業界動向データにいたるまで幅広い情報を紹介します。

口コミラボ
口コミラボ

悪質な業者が目立つのっておかしくない? 健全化への取り組みは事業者からユーザーに発信を【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

4 years 6ヶ月 ago
ネットショップ担当者が読んでおくべき2022年1月31日〜2月6日のニュース

先週は悪質・悪徳業者に関する記事が多い週でした。これだけ集中するのも珍しいです。実際はごく一部の「極悪層」が目立っているだけなのに、業界全体が悪く見られてしまうので、健全性への取り組みはどんどん発信しないといけないですね。

悪質、悪徳、パクリ、一部の業者でのせいでECとネット広告業界はイメージは悪くなるなるばかり

「アフィリエイターが勝手にやった」はNO 3000億広告市場「極悪層」排除へ...消費者庁が提言案公表 | J-CAST ニュース
https://www.j-cast.com/2022/01/28429908.html

報告書案によれば、コンプライアンス(法令順守)意識が欠如した広告主や広告代理店、コンサルタント会社などが、セミナーを通じて「絶対に儲かるアフィリエイト広告」などと喧伝して情報商材を販売するケースもある。薬機法や景品表示法などに抵触するような不当表示を推奨する事業者もいるという。検討会では、こうした関係事業者を「極悪層」と分類していた。

サブスク「契約は容易なのに解約は困難」…解約方法の分かりやすい表示、努力義務に | 読売新聞オンライン
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20220129-OYT1T50134/

「解約手続きが分かりづらい」「解約したいと思ったが、電話番号が分からない」などの相談が、国民生活センターに寄せられているという。

悪質なMEO業者によるGoogleビジネスプロフィール改ざん、知っておくべき手口と対処方、未然防止策 | 店舗ビジネスに役立つ『口コミラボ』特選コラム | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/9470

Aさん「口コミをきちんと管理しようとか、そういった納得できるような話は特になかったです。とにかくしつこく、契約したほうがいいと言われたんですね。

断ったら『このままだといたずらされますよ』とたたみかけられました。そのときは、まさかあんなことをされるとは思いませんでしたけどね…」

北の達人コーポレーション、競合品販売会社はぐくみプラス社との控訴審において一審の損害賠償金より約5,000万円増額。 | 北の達人コーポレーションのプレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000041.000051691.html

通信販売業界は依然、ヒット商品を模倣した粗悪な品質のコピー商品を、あたかも正規品より優良であるような虚偽の表示で販売する不正競争行為が蔓延しています。

ここ1週間くらいの間にこれだけの悪質・悪徳業者に関する記事がありました。ネット業界と通販業界はこんな業者しかいないのか? と思うほどですが、実際はほんの一部の業者に過ぎません。これらの業者を規制するために法律が改正され、まっとうな業者がその対応に追われる一方で、悪いことをする人たちは涼しい顔。誰のために何をしているのかわからなくなりますよね。

EC事業者の皆さんもこういった動きがあることをお客さんにも伝えていく必要があると思います。業界として認識していて良くなるように頑張っていることをわかってもらわないといけないですからね。

配送関連の記事が多く、オンラインでは初めて購入するブランドが多くなるという調査結果もあった2月1週目のEC業界でした。

今週の要チェック記事

なぜECプラットフォームがこぞって物流に投資しているのか | REWIRED
https://rewired.cloud/fulfillment-investment/

瞬間風速は年収1000万? 出前館の配達に異変 報酬3倍の時間帯も | ITmedia NEWS
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2201/28/news121.html

「俺たちは透明人間ですかね」 "送料無料"が引き起こす運び手軽視の波 | Yahoo! ニュース(橋本愛喜)
https://news.yahoo.co.jp/byline/hashimotoaiki/20220128-00278913

車を商品の受け取り場所にする「車内置き配」。KDDI・ヤマト運輸などがデジタルキーを活用した実証実験 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/9476

【日本郵便】EC返品をより手軽にする『e発送サービス 宛先ご指定便』の提供開始、第一弾はZOZOTOWN | ECのミカタ
https://ecnomikata.com/ecnews/33537/

商品だけでなく“すべて”が見つかるECへ SHIPSがサイト内検索で実現した新たな情報提供の形 | ECzine
https://eczine.jp/article/detail/10873?utm_source=pocket_mylist

EC利用が増加する中で増すアッパーファネルマーケティングの重要性~ニールセン ECの利用状況に関するレポートを発表~ | ニールセン デジタル
https://www.netratings.co.jp/news_release/2022/01/Newsrelease20220127.html

BASEは“わたしのホームページ“。雑貨ブランドオーナーが語るBASEの”おいしさ” | BASE U
https://baseu.jp/24253?utm_source=pocket_mylist

今週の名言

手仕事に対価を支払うことの意味 ドイツの職人の訴えに共感 | Chietoku.jp
https://www.chietoku.jp/teshigoto-taika-doitusyokunin/

「他人の仕事の対価が妥当ではないなんて簡単に言うべきではありません。これは人生の教訓です」とレネは語っています。

もちろんなかには雑な仕事をする職人もいるでしょうが、ほとんどの職人は実直に丁寧な仕事をしています。それにはお金がかかり、サポートが必要なのです。

送料も無料なわけがないですし、商品開発やサポートにもお金がかかっています。悪徳・悪質な業者も多いですが、ほとんどのEC業者は実直に丁寧な仕事をしています。買う側も安さだけに目を奪われず、まっとうな人たちが事業を継続できるように応援する気持ちで買い物をしたいですね

もちろんすべてにおいては無理なので、できる範囲であなたなりの応援をしていきましょう。売る側も買う側も自分たちの取り組みや気持ちをもっと発信していけば業界全体が良くなるはずです。

筆者出版情報

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森野誠之 著
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発売日 2021年10月15日
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この連載の筆者 森野誠之の著書が翔泳社から発売されました。小さな会社の“ひとり担当者”が、未経験、低予算、独学でホームページのリニューアルからウェブマーケティングまでを成功させるための指南書です。電子版、オンデマンド印刷版ともにAmazonで発売中です!

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森野 誠之
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Google トレンドで振り返る2021年。検索で「セール いつ」が8割増、「ライブコマース」は75%以上増でデジタルシフトが加速

4 years 6ヶ月 ago

Googleが公表した「Google トレンド」から2021年を振り返る生活動向についてのレポートによると、日本では「セール いつ」の検索が80%増加するなど、オンラインサービス利用でお得な情報や割引などで支出を減らそうとするユーザーが増えている。

公表したレポートは、「Google トレンド」から2021年の日本とアジア太平洋地域(中国を除く)の生活動向を振り返ったもの。2020年に浸透したオンラインサービス利用の著しい増加は、新型コロナウイルス感染症の影響による一過性のもので終わることなく、2021年もさまざまな領域で持続している。

日本では「セール いつ」の検索が80%増加、その関連ワードの上位にECサイト名が複数あることから、お得なオンラインショッピングを求めているユーザーが増えている。またアジア太平洋地域のインド、シンガポール、マレーシア、インドネシア、ベトナムでは、「お得な情報」「割引」「クーポン」の検索が110%以上伸びた。

Googleが公表した「Google トレンド」から2021年を振り返る生活動向についてのレポート
お得な情報や割引などのオンラインサービスを探し、支出を減らそうとする人が増えている

2021年時点では、アジア太平洋地域(中国を除く)の生活者の約半数が、必要なものがオンラインで購入できる場合、店舗に行く必要はないと考えている。オンラインショッピングの浸透で、生活者はより進化したサービスに期待するようになっているという。

日本では、「ライブコマース」の検索が75%以上増加。よりインタラクティブで多くの情報を得られるようなショッピング体験に関心が高まっている。

オーストラリア、ニュージーランド、マレーシア、フィリピン、インドで特徴的なのは配送に対する期待の高まりで、「当日配送」の検索が最大70%増加。インド、タイでは「無料配送」の検索関心が最大60%増加している。

Googleが公表した「Google トレンド」から2021年を振り返る生活動向についてのレポート
買い物もデジタルシフトが進んでいる

アジア太平洋地域(中国を除く)では、オンライン人口の半数以上がオンラインで誰かにプレゼントを買ったことがあり、その割合は世界のどの地域よりも高いとされている。

日本ではデジタル上でのギフト体験を模索する様子が見られ、「オンライン・ギフト」の検索が40%増加している。インドネシアでも、「ギフトボックス」「スナックギフトボックス」の検索が増加。オーストラリアでも同様に、ギフトの配送に関する検索が20%増加している。

石居 岳
石居 岳

ユナイテッドアローズの自社EC刷新。「アプリの進化」「OMO」「コスト構造改善」など6つのポイント

4 years 6ヶ月 ago

ユナイテッドアローズは2022年3月上旬、自社ECサイト「ユナイテッドアローズ オンラインストア」をリニューアルオープンする。

ZOZOに自社ECの運用を業務委託していた体制から自社運営に切り替える。最新システムを採用し基本スペックを向上、将来的なOMO施策の実現を担保する設計となっている。自社物流センターにフルフィルメント拠点を置き、各種サービスレベルの改善を通じた顧客体験価値の向上を図る。

「とりわけ在庫の効率化が図れることで、販売機会ロスの削減やリードタイムの短縮、在庫移動減少によるコスト低減などが図れる」(ユナイテッドアローズ)としている。

ユナイテッドアローズ 自社ECサイトのリニューアルについて
自社ECサイトのリニューアルについて(画像はユナイテッドアローズの決算説明会資料から編集部がキャプチャ)

基本機能の改善

最新システムの採用でサイト表示速度を改善、基本スペックを向上させる。検索ワードの入力を補助するサジェスト検索や検索条件の保存を含む検索機能の改善、カート投入から決済までのステップ短縮などでユーザビリティを上げていく。

販売スタッフの個人アカウントで商品を紹介するショートブログを追加しスタッフコンテンツを拡充、実店舗の接客販売力をオンライン上で再現する。顧客によるレビューも追加し、買い物をサポートする。セキュリティレベルも上げ、より安全に買い物ができるサイトにする。

アプリの進化

従来の買い物機能特化型から、オンラインストアのニュース、特集、各種スタッフコンテンツなどが閲覧可能なコミュニケーション性の高いアプリに切り替え、顧客との接触頻度を上げていく。

商品下げ札についたバーコードを読み込み、商品紹介ページを開くスキャン機能も追加。店頭で気になる商品があった際、スタッフに声掛けしなくても商品詳細が確認でき、そのままお気に入りに保存もできる。

CSレベルの向上

サービスの拡充で顧客の体験価値を高める。オリジナルの梱包資材を使った店頭品質に近い包装で届け、実店舗で購入した時と同様のワクワク感で満足度を上げる。物流センターの在庫を自社ECサイトの在庫として引き当てられるようにし、最短配送に対応する商品も拡大する。

実店舗の在庫を確保してから来店したい、実際に試着してサイズ確認してから購入したいというニーズは依然として高く、一時中断していた店頭試着予約サービスも再開する。

購入品の受け取りも注文時に置き配サービスを選択できるようにして利便性を高める。商品の返品についても手続きを簡便化し、自宅、コンビニ、宅配ロッカーなど、顧客の都合のよい場所から、QRコードを使って送り状を書く手間なく返送できるようにする。

ユナイテッドアローズ 自社ECサイトのリニューアルについて
「基本機能の改善」「アプリの進化」「CSレベルの向上」について(画像はユナイテッドアローズの決算説明会資料から編集部がキャプチャ)

効率的な在庫運営

フルフィルメント拠点を自社物流センター内に設置、効率的な在庫運営につなげる。これまで自社EC業務の委託先であるZOZOの倉庫に自社EC用とZOZOTOWN用の在庫をまとめて配分していた。

今後は自社物流センターのフリー在庫を自社ECに引き当てられるようにする。在庫の奥行きを広げ、販売機会ロスを低下させる。実店舗を絡めたOMO施策も予定しており、実店舗への在庫配分の適正化も含めた在庫運用の効率化を図る。

コスト構造の改善

SaaSサービスの活用で開発投資金額を抑制する。システム保守費用など一部コストの固定費化を図り、従来の変動費モデルから運営コストを低減させる。実店舗の売り上げ増にも寄与するため厳密な費用対効果の算出は難しいものの、自社ECサイトの売上・利益だけで初期投資の回収が2~3年、現在の運営体制からの収益性改善は2年後を想定している。

OMOへの発展性

現段階ではECサイトの基本機能を新しい仕組みに置き換え、安定的に運用することを第一としているため、実店舗も絡めたOMO施策まではカバーしていない。今後も継続的に開発投資を行い、実店舗のデジタル化も進めながらOMO施策を開始。自社ECサイトのサービスレベルを実店舗に近づけていく。

CRMの進化と連動させ、将来的には1人ひとりに最適化した精度の高いサービスをオンラインとオフラインの枠を超えて提供する。顧客の行動変化に即し、実店舗と自社ECサイトをまたいだ買い物体験の課題解決を進め、ライフタイムバリューを高めていく。

ユナイテッドアローズ 自社ECサイトのリニューアルについて
「効率的な在庫運営」「コスト構造の改善」「OMOへの発展性」について(画像はユナイテッドアローズの決算説明会資料から編集部がキャプチャ)

ユナイテッドアローズは2019年、ECサイトを全面刷新するために自社ECの運営を一時停止した。新システムでの運営スタートが難航。長期にわたるサイトの運営停止を避けるため、従来のシステムへ戻した。

石居 岳
石居 岳

アマゾンの広告収入、ユーチューブを超える

4 years 6ヶ月 ago

アマゾンドットコムが、2021年第4四半期の決算で広告サービスの売上を初めて開示した。2020年第3四半期までさかのぼり、四半期ごとの広告売上を確認できる。それによると、アマゾンドットコムの広告売上は、2020年第4四半期からユーチューブのそれを上回っている。アマゾンドットコムの方が成長率も高く、今後もユーチューブを引き離しそうだ。

以下は、両社の決算資料より抜粋した広告売上(単位は百万ドル)。

google.charts.load('current', {'packages':['table']}); google.charts.setOnLoadCallback(drawTable); function drawTable() { var data = new google.visualization.DataTable(); data.addColumn('string', ''); data.addColumn('number', 'Q3 2020'); data.addColumn('number', 'Q4 2020'); data.addColumn('number', 'Q1 2021'); data.addColumn('number', 'Q2 2021'); data.addColumn('number', 'Q3 2021'); data.addColumn('number', 'Q4 2021'); data.addRows([ ['Amazon Advertising Services', 4982, 7350, 6381, 7451, 7612, 9716], ['YouTube Ads', 5037, 6885, 6005, 7002, 7205, 8633] ]); var table = new google.visualization.Table(document.getElementById('table_div_1')); table.draw(data, {showRowNumber: true, width: '100%', height: '100%'}); }
google.charts.load('current', {'packages':['table']}); google.charts.setOnLoadCallback(drawTable); function drawTable() { var data = new google.visualization.DataTable(); data.addColumn('string', ''); data.addColumn('number', '2019'); data.addColumn('number', '2020'); data.addColumn('number', '2021'); data.addRows([ ['Amazon Advertising Services', 12625, 19773, 31160], ['YouTube Ads', 15149, 19772, 28845] ]); var table = new google.visualization.Table(document.getElementById('table_div_2')); table.draw(data, {showRowNumber: true, width: '100%', height: '100%'}); }

Amazon has a larger advertising business than YouTube
https://www.emarketer.com/content/amazon-has-larger-advertising-business-than-youtube
アマゾン広告収入、規模がユーチューブ超え 世界の新聞業界並み
https://jp.reuters.com/article/amazon-com-results-advertising-idJPKBN2K90AZ

noreply@blogger.com (Kenji)

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