IABヨーロッパが、文脈ターゲティングを活用する広告の手引きを発行。ダウンロードできる。
IAB Europe's Guide to Contextual Advertising
https://iabeurope.eu/knowledge-hub/iab-europes-guide-to-contextual-advertising/

大塚商会は2021年10月、神奈川県横浜市に新たな物流センター「横浜物流センター」を開設する。
オフィスサプライ通販事業「たのめーる」の受注量拡大に対応する。高島平物流センター(東京・板橋区)、東日本物流センター(東京・大田区)に続き、首都圏における第三の物流拠点として物流ネットワーク体制を強化する。

「横浜物流センター」では、省スペース化と省人化を実現する最新鋭のロボットストレージシステム「オートストア」を2基導入。既存物流センターと比較して保管効率は3.5倍以上で、作業人員の省人化を実現する。オートストアの導入としては国内最大規模となる。

庫内には最新のマテハン(マテリアルハンドリング)設備を各種導入し、DPS(デジタルピッキングシステム)のステーション数を既存の東日本物流センターの1.75倍となる28ステーションに拡張。画像処理とデジタルチェックを組み合わせて商品知識などのスキルに頼らない作業環境を構築する。
高能力ケース荷揃えシステム(シャトルラック)による配送引渡し待ちの一時保管、コンベアラインの渋滞を抑制し、出荷スピードの向上も実現する。
さらに、出荷頻度に応じた在庫配置の最適化だけでなく、各設備の特色に応じてその能力を充分に引き出す自動分析や解析機能など、AIやビッグデータを活用したシステムを構築した。「横浜物流センター」の延べ床面積は5万3838平方メートル、地上4階建て。
※このコンテンツはWebサイト「ネットショップ担当者フォーラム - 通販・ECの業界最新ニュースと実務に役立つ実践的な解説」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:大塚商会、横浜市に大型物流センターを新設。出荷スピードの改善と物流生産性を向上
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D2CはOMO戦略と親和性が高く、FABRIC TOKYOもその考え方を経営の根幹に据えています。オンラインとオフラインを分けるのではなく、一体として捉え、オンラインを基軸としてビジネスを展開していく必要があるのです。
これは、リピーターに対して、LTVを最大化する上でも同様です。一方通行の考え方ではなく、デジタル接点もリアル接点も相互に連関し、一体となって顧客体験を作る状態を前提としてマーケティングやバリューチェーンの構築を考えていくべきでしょう。
タッチポイント(顧客接点)の見極めも重要な論点です。
出所:藤井保文、尾原和啓著『アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る』(日経BP/2019年)、ニック・メータ他『カスタマーサクセス サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則』(英治出版/2018年)
それぞれのタッチポイントが顧客体験上でどのような役割を果たし、OMO全体として一貫した顧客体験を形作るのかを把握します。
例えばFABRIC TOKYOなら、ビジネスカジュアルの夏の時期は顧客の購入タイミングにあたりますが、テックタッチだけでは購入まで踏み切れないかもしれません。
運動をして筋肉がついて体型が変わったけれど、サイズ感やデザインと体型がどうマッチするのかわからない顧客は、オンラインでの購入を躊躇するかもしれません。そのような顧客を想定してテックタッチでリーチし、店舗での体験を訴求する必要が出てくるかもしれません。一方で、体型が変わったが、店舗へいく暇がないため、ズーム等オンラインでの体型診断を必要とする顧客もいるかもしれません。
このように、すべての顧客の購入タイミングを一律同様の訴求で捉えず、様々な価値観やニーズに最適化した訴求で、タッチポイントを使い分けるべきです。オンラインだけではなく、オフラインも利用できる強みを活かし、全体として一貫した顧客体験を構築すべきと思います。
そういった意味で、「八百屋のone to oneマーケティング」はOMOの本質を突いているかもしれません。お勧めの野菜や顧客の傾向を汲み取って提案するのはもちろん、時には御用聞きや配達にも応じてくれたりします。お得意様の台所事情=購入タイミングをそれぞれ把握し、店舗・配達などのタッチポイントを使い分け、場合によってはツケ払い(ユーザーペインの解消)などにも応じる姿勢は、一貫した顧客体験を構築しています。
LTVを最大化する意味でも、こうした身近な例も参考になります。想像力を働かせ、顧客とのタッチポイントを探してみてください。
昨今、B2BのSaaS(Software as a Service)を中心に、カスタマーサクセスというワードが普及しています。直訳すると「顧客の成功」といった意味で、顧客のゴール(=成功)を理解した上で、各種施策を実行していこうということでしょうか。B2Bでは一般的に使われている概念ですが、定義はかなり曖昧なので、「その商品やサービスを利用して、顧客の自己実現や成功体験を叶えること」といった趣旨で筆者は捉えています。
例えばナイキであれば、何を顧客の成功として捉えているのでしょうか。イメージとしては、「このブランドやサービスを利用するとき、私は○○になった気分」と思わせるのがブランドの自己実現、成功体験ではないかと思います。ナイキの場合なら、「マイケル・ジョーダンのようにストイックな選手でありたい」などの欲求を満たす瞬間が、カスタマーサクセスに当たるのではないかと思います。
例えば、エアーマックスを履いた瞬間や、または履いて練習をしたときに少し前より上手くなった気分の高揚、などといった瞬間にカスタマーサクセスが訪れるのではないでしょうか。
このカスタマーサクセスを常に把握せずして、LTV最大化は期待できないように思います。
FABRIC TOKYOでも、カスタマーサクセスのポイントを意識して、ビジネスを展開しています。商品が届いて箱を開けたときの感動、初めて着用したときのフィット感、オーダースーツを着てはじめて出社したときの気持ちのアップデート感、周りや奥さんから褒められたとき、着用して商談が成功したときなど、様々なカスタマーサクセスの瞬間があるかと思います。
企業側からすると、「○○ができます」「△△とここが違う」のような機能アピールで競争しがちですが、他と比較できるものは代わりが効くため、それだけでずっと選ばれ続けることは難しいのが現代です。
それよりも顧客の心理からすると、「何を約束してくれるのか」「どこへ導いてくれるのか」「信頼できるのか」のほうが気になるのではないでしょうか。このようなカスタマーサクセスをしっかり特定し、顧客と約束したことを常に実行していくことが大事です。
結果として、カスタマーサクセスは、すなわちブランディングであって、ブランドが掲げた約束を果たし続ける挑戦なのかもしれません。どんな想いで企画しているのか、企業の思想が見えてくるとそこに期待が生まれて、その期待に応えると顧客の喜びになるのではないでしょうか。
カスタマーサクセスは、第2章で紹介した「ブランドとしての顧客との約束」にあたる部分や第3章のWHOと関連付けて考えるのが良いと思います。顧客のライフスタイルやストーリーの中でカスタマーサクセスを特定した上で、ブランドの約束として実行していくと良いでしょう。
そのためには、図4-4のように理想の顧客像に向けて、各種カスタマージャーニー上でのペインを解消し、離脱を防いでいきます。その一方、顧客のエンゲージメントを高める施策も実行し、約束を果たすためのオペレーショナル・エクセレンス(業務改善サイクル)を磨き上げていくこの一連の活動を筆者はカスタマーサクセスと呼んでいます。

FABRIC TOKYOでは、スーツが届いて着用したらサイズが合わなかったなど、顧客がペインを感じるとそこで離脱してしまう可能性があるため、お直しの保証サービスなどを充実させています。お直しというと「時間がかかる、面倒」といったイメージがありますが、手続きの簡便さを追求したり、利便性を高めたりすることにより、顧客のペインを解消しています。
さらにホワイトフライデー、ファンイベント(シーズンリリース時に顧客へコーディネートを提案する)など、各種ブランドの理念を掲げる企画で、顧客のエンゲージメントを高めていきます。その他、ワイシャツや、カジュアルジャケットなど、スーツ以外の商材もコーディネートの提案でクロスセルを高めていき、そこでも離脱させません。最終的に、顧客との約束として、例えば「自分らしくデザインされた前向きな人生を送れるような」カスタマーサクセスを目指していくのです。
※この記事は『リテール・デジタルトランスフォーメーション D2C戦略が小売を変革する』(インプレス刊)の一部を編集し、公開しているものです。
日本発D2Cブランドの代名詞とも言われる「FABRIC TOKYO」が、D2Cによる小売推進・変革のための事業戦略を徹底解説する1冊。
小売業のDX化を推進する活動を背景に、D2Cの基礎知識、世界観の作り方、オンラインとオフラインの融合(OMO戦略)、マーケティング戦略、組織運営、さらにその先の未来の話(RaaS)まで、具体的な事例やデータを盛り込みながら解説します。
DX化が遅れている中小の小売メーカー、ECのビジネスモデル転換を図りたい中小経営者、D2Cの考え方やノウハウを事業戦略に取り入れたい方、モノづくりの分野でスタートアップを始めたい方などに、課題解決のヒントを提示します。
※このコンテンツはWebサイト「ネットショップ担当者フォーラム - 通販・ECの業界最新ニュースと実務に役立つ実践的な解説」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:FABRIC TOKYOのLTV最大化法② OMO全体で一環した顧客体験を設計する | 『リテール・デジタルトランスフォーメーション D2C戦略が小売を変革する』ダイジェスト
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この『リテール・デジタルトランスフォーメーション D2C戦略が小売を変革する』の筆者、三嶋憲一郎氏が、8月18日に開催されるインプレス主催のオンラインイベント「ネットショップ担当者フォーラム2021夏 〜リピート客作り、ファンを増やすネットマーケティングのコツ〜」に登壇いたします。
テーマは「D2Cを成功させるには? 「FABRIC TOKYO」の失敗・成功事例に学ぶ成長のヒント」。聴講は無料です。下記のバナーからお申し込みください。

リスティング広告、リターゲティング広告、Googleショッピングなど、ネットショップを運営するために集客・広告ツールの利用を検討している方も多いでしょう。ですが、広告を出そうと思っても「広告費にいくらかければいいのか」迷ってしまいますよね。少なすぎて効果が出ないのは避けたい一方で、不要に広告費をかけすぎると経営を圧迫しかねません。
そこで今回は、広告費をいくらに設定すればいいのか悩んでいる方向けに、カラーミーショップが考える「広告費の目安の決め方」をご紹介します。必要な数値や計算方法を詳しく解説しているので、簡単におおよその広告費を出すことができます。
ツクルくんネットショップの広告を出したいけど、広告にいくらかければいいのか、どうやって決めたらいいんだろう?
カラミちゃん広告費の予算は、広告経由で獲得したいアクセス人数や売り上げをベースに計算して算出します。今回は、その手順をわかりやすく解説します。
広告費の予算を出す前に、必要な数字の確認や広告の目的を決めましょう。
広告費の予算を決めるには、まずは現状を把握します。ご自身のネットショップの以下の3つの数字をチェックしましょう。
これらの数字は、Googleのアクセス解析ツール「Google Analytics(グーグルアナリティクス)」で確認が可能です。
予算を決めるにあたり、次に「どの数値を伸ばすために広告を出すのか」、広告の目的を決めましょう。ネットショップの広告は、大きく分けて2つの目的に分かれます。
このように、目的によってどの数値を伸ばせばいいのかが決まります。ご自身のネットショップが今どの段階にあるのかを考え、目的を決めましょう。
準備ができたら早速、広告費の予算を決めていきます。まずは、アクセス人数を上げるために広告を出す場合の予算の決め方を見てみましょう。
アクセス人数(訪問顧客数)を伸ばしたい場合、広告予算の目安を出すのは簡単です。広告ツールには大体のクリック単価が出ていますので、まずその単価を確認します。
例えば訪問顧客を1か月あたり300人増が目標で、広告のクリック単価が100円の場合は以下の計算式になります。
1か月の広告予算
目標訪問顧客数×クリック単価=広告予算
300人×100円=30,000円
※手数料などが含まれる場合はそれも加算します
このように、アクセス人数を伸ばしたい場合の広告予算は、目標とするアクセス人数とクリック単価を元にすればすぐに出せます。
売り上げを上げることを目的に広告予算を決める場合は、ある程度信用できるくらいの購入データとアクセスデータがそろっている必要があります。そのため上記にもあるように、ある程度の購入者がついてから広告による売り上げアップをめざしましょう。データがそろっている場合は、以下の手順で広告予算を出していきます。
いくら売り上げを伸ばしたいのか、まずは売上目標を決めましょう。今回は広告経由の売り上げを1か月で10万円にすることを目標とします。
次に、顧客の平均購入単価を確認します。顧客のデータは、多いほうが信頼性は高くなります。過去の売上単価の平均値を出すことで求めることもできます。
顧客の平均購入単価がわかったら、何人が購入すれば目標金額の10万円になるか、必要購入顧客数を以下のように計算します。今回は、仮で平均の顧客購入単価を4,000円とします。
1か月の必要購入顧客数
目標金額÷平均購入単価=必要な購入顧客数
100,000円÷4,000円=25人
これで10万円という売上目標を達成するためには、1か月あたり25人の顧客に購入してもらう必要があることがわかりました。
さらに、何人にサイトへ訪問してもらえれば、先ほど出した購入顧客数(25人)を達成できるのか、必要な訪問顧客数(アクセス人数)を計算します。
まずは、購買率を確認します。仮に購買率を5%とすると、以下のように計算できます。
1か月の必要訪問顧客数(アクセス人数)
購入顧客数÷購買率=必要訪問顧客数
25人÷0.05=500人
これで、売上目標10万円を達成するためには、1か月あたり500人にサイトに訪れてもらう必要があることがわかりました。
集客すべき訪問顧客数(アクセス人数)がわかったので、これに対してどのくらい予算がかかるかを計算していきます。
まずは広告ツールで、大体のクリック単価を確認します。今回は、仮でクリック単価を60円とします。
1か月の広告予算
訪問顧客数×クリック単価=広告予算
500人×60円=30,000円
※手数料などが含まれる場合はそれも加算します
これで1か月あたりの売上目標を達成するための広告予算の金額がわかりました。
以上の計算から10万円を売り上げるための広告予算は30,000円であることがわかりました。一方で、一般的には「広告費は売上目標の30%程度」ともいわれています。
今回はちょうど売上目標の30%の金額になりましたが、計算した結果、もし広告予算が売上目標の30%を大幅に超えてしまうような場合は、少し予算を抑えるなど調整しましょう。
広告費が経営を圧迫しないためにも、まずは売り上げの30%程度を広告予算の目安とすることをおすすめします。
上記の計算を1つの式にまとめると以下のようになります。
1か月の広告予算
((目標金額÷平均購入単価)÷購買率)×クリック単価=広告予算
((100,000円÷4,000円)÷0.05)×60円=30,000円
広告コストに対する売り上げ効果としては、LTVで見ましょう。LTVとはライフ・タイム・バリューの略で、日本語では「顧客生涯価値」と呼ばれます。LTVは簡単にいうと、リピートも含め、お客さまが生涯にわたってどれくらいの利益をもたらしてくれたかの指標です。
できれば数年単位で見るのが望ましいですが、データが集めにくいため、年単位で概算を見積もることをおすすめします。
まず顧客の1年あたりの平均購入回数を出します。例えば平均単価4,000円で年間の平均購入回数が3回、広告経由の購入者数が25人とすると、以下の計算ができます
1か月の広告コストに対する売り上げ効果の見方
平均購入単価×平均購入回数×広告経由の購入者数(1カ月間)=広告経由の売り上げ
4,000円×3回×25人=300,000円
1か月分の30,000円の投資に対しての売り上げは概算で300,000円となりました。このように、顧客のリピート売り上げも踏まえて、広告投資をすると良いでしょう。
今回は、ネットショップの広告費の予算の決め方についてご紹介しました。広告予算は、目標とする売り上げやアクセス人数をベースに計算するのがおすすめです。
また、広告を効果的に使うには、自社のネットショップの状況に合った目標を設定することが重要です。ぜひ、この記事を参考にネット広告の予算を立ててみてください。
※このコンテンツはWebサイト「ネットショップ担当者フォーラム - 通販・ECの業界最新ニュースと実務に役立つ実践的な解説」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:ECサイトの広告予算はいくらが目安? 計算方法や決め方まとめ | 今日から試せるネットショップ運営ノウハウ powered by カラーミーショップ
Copyright (C) IMPRESS CORPORATION, an Impress Group company. All rights reserved.
この記事はカラーミーショップの公式Webメディア『よむよむカラーミー by GMOペパボ』の記事を、ネットショップ担当者フォーラム用に再編集したものです。
フェイスブックは、インスタグラムの若年層の利用者の安全を確保するため、16才未満のアカウントをデフォルトで非公開に。また、フェイスブックやインスタグラムにおいて、18才未満への広告配信を制限する。18才未満には、年齢、性別、位置情報でしか広告をターゲティングできなくなる。
若い利用者のために、安全性とプライバシーを強化したエクスペリエンスを提供
https://about.instagram.com/ja-jp/blog/announcements/giving-young-people-a-safer-more-private-experience
About Advertising to Young People
https://www.facebook.com/business/help/229435355723442
Instagram、16歳(18歳)未満アカウントの初期設定を非公開に 広告にも制限
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2107/28/news083.html

ローカルSEOとは、ユーザーが「行きたい場所」を検索した際、正確かつ充実した店舗情報やたくさんの高評価な口コミを見てもらうことで、自分のお店をユーザーに選んでもらいやすくすることを指します。
一般的なメディアでは、ローカルSEOの意味を「Google マップで上位に表示させること」と説明しているものが多く存在します。
しかし上位に表示されていたとしても、評価が☆2.8のお店に行きたいと思うでしょうか。評価が高かったとしても、行ってみたらサービス内容や接客が良くなかった、そんなお店に繰り返し来店してもらえるのでしょうか。
ローカルSEO対策を始めたいと考えているのであれば、安易に短期的な上位表示をねらう施策ではなく、長期的に多くのお客様から選ばれるお店になるための施策を知る必要があるのです。
今回は、ローカルSEOの意味や考え方から、具体的な対策方法、そしてローカルSEOに取り組んでいる店舗の事例まで、網羅的に解説します。
Google 検索やGoogle マップなどを用いて、行きたいお店を検索したことがあるという方は多いのではないでしょうか?
たとえば、行きたいお店を検索する際のキーワードとして以下のような例が挙げられます。
地名を入れて検索した場合はその場所のお店が表示され、地名が含まれていない場合は端末の位置情報をもとに近くのお店が表示されます。
行きたいお店を検索する時、そのお店が「どこにあるか」、つまり「場所」の情報が非常に重要となります。たとえば今から都内で晩ご飯を食べる場所を探す場合、北海道にあるレストランを表示されても困ってしまうというのは、容易に想像がつくでしょう。
特に検索エンジンの中で圧倒的なシェアを誇るGoogleは、特定の場所に関連した情報をユーザーが求めているということを認識し、その場所周辺の情報を表示します。
この時行われている検索行動、つまり「場所」の情報が大きく影響する検索のことを「ローカル検索」といいます。そしてこのローカル検索に”最適化”し、店舗への来店につながりやすくすることを、「ローカルSEO」と呼ぶのです。
ローカルSEOの重要性を語るにあたり、知っておくべき3つのキーワードを解説します。
1.ゼロクリックサーチ
ゼロクリックサーチとは「一度もクリックせずに検索を終えること」で、Googleが検索結果画面に多くの情報を表示させ、利便性を向上させようとしていることに起因するものです。
場所を調べた場合、ローカルパック(地図とともに3つの店舗情報が表示されるもの)、ナレッジパネル(店舗の名前などで検索した際、右側に詳細な情報が表示されるもの)などが表示されます。

店舗名や場所、営業時間、電話番号、口コミの平均評価など基本的な情報がここからわかるようになっています。そしてもちろん、Google マップのアプリでも調べられます。
公式サイトや口コミサイトなどをクリックして詳細な情報を見るという行動が以前より少なくなっているため、Googleの検索結果画面やGoogle マップ上に表示される店舗情報整備の重要性が高まっています。
2.ZMOT
ZMOT(Zero Moment of Truth、ズィーモット)は「顧客はお店に来てから買うものを決めるのではなく、インターネットで情報収集し、来店前にはすでに買うものを決めている」という理論で、Googleが2011年に提唱したものです。
インターネットの普及に伴う来店前の情報収集に着目し、Web上での情報発信に取り組むよう促しています。
3.マイクロモーメント
こちらはZMOTと同じくGoogleが、2015年に提唱した理論です。
ユーザーが「何かをしたい」と思い、反射的に目の前にあるデバイスで調べたり、購入したりという行動を起こす瞬間のことです。スマートフォンの普及により、その場で行きたい場所を検索したいというニーズが叶えられるようになったといえます。
※コロナによるデジタル化の加速も影響
さらに、コロナでデジタル化が加速。消費者はお店の営業時間(そもそも開店しているのか)、混雑度、コロナ対策の実施など、これまで以上に店舗情報を慎重に調べてから来店するようになりました。
以上のような「ローカルな情報(場所の情報)」を求める検索行動が広まったことにより、その検索で正しい・充実した店舗情報を表示させる「ローカルSEO」の重要性が高まっているのです。
ユーザーが行きたい場所を検索した際に自分のお店が表示されていれば、来店してもらいやすくなります。店舗経営に関わる方が、自分のお店を検索で上位に表示させたいと考えるのは自然なことです。
しかしローカルSEOで「上位表示」を目的にするということには、2つの大きな落とし穴があります。
1. そもそも特定のキーワードで常に上位に表示させるというのが非常に難しく、効果検証もしづらい
ローカル検索では、「どの場所から検索したか」が検索結果を左右します。
ローカル検索における主な順位決定要因は、「距離」「関連性」「知名度」の3つです。そのお店が検索したキーワードに関連しているか、知名度があるのかについてもGoogleは重視しますが、「距離が近いかどうか」が大きく影響するのです。
たとえば「レストラン」というキーワードで上位に表示させたいという目標を立てたとしても、場所を少し移動しただけでも検索結果が異なります。
「検索地点 × 検索キーワード」の数だけ検索結果が存在するため、それら全てで1位を取ることは不可能なのです。
またやってしまいがちなのが、店舗の中にいる時に「レストラン」「美容院」などと検索して上位に表示されているのか確認するというやり方。店内で検索すればそのお店が上位に表示されるのは自然なことなので、効果検証としては適当ではありません。
順位を基準として施策の効果検証をするならばできるだけ多くの地点で検索したデータを集めて推移を見るといったことをしなければなりませんが、日々多くの業務を抱える店舗経営者にとって、優先すべきは他にあるのではないでしょうか。
2. 仮に上位に表示されたとして、店舗情報や口コミが充実していなければお客様には選んでもらえず、来店につながらない可能性が高い
仮にあなたが飲食店を探す場合、✩2.8だが1位に表示されているお店と、表示されているのは3位だが✩4.2のお店、どちらを選ぶでしょうか。
通常の検索の場合1位のクリック率が圧倒的に高いため、SEO対策ではとにかく上位に表示されることを目指します。しかしお店を探す際はそれなりに時間をかけていくつかの選択肢を比較することが多いので、上位表示よりも口コミ評価の高さや店舗情報の充実度の方を重視すべきです。
また、ローカル検索でユーザーから選ばれ、来店してもらえたとしましょう。しかしその時、サービス内容に満足してもらえなければリピーターになってもらえません。低評価な口コミを投稿され、他のユーザーからの印象すら低下してしまう可能性もあります。
ですから店舗情報の整備だけではなく、お客様の満足度を向上させるために、お客様の声(口コミ)をもとにサービスを改善することも「ローカルSEO」の中に含まれるといえます。
ローカルSEOの最終目的は、店舗情報を上位に表示させるだけではなく、その情報を見て「行きたい」と思ってもらい、そして実際に来店した後に「来て良かった」と思ってもらえるようにすることだと考えましょう。
お客様に来て良かったと思ってもらえれば、自然と高評価な口コミも増えていきます。
そしてユーザーから評価されるようなお店は、結果的にGoogleからも評価されて上位に表示されやすくなり、さらに多くのユーザーから選ばれるようになっていくのです。
ローカルSEO対策に「口コミ投稿の促進」や「顧客満足度の向上」までも含めるとすれば、すぐに結果が出るものでないというのはお分かりかと思います。
しかしどうしても「短期的に効果を出したい」と思ってしまうものです。そのような心理につけ込んで「すぐに上位表示できる『MEO対策』」を謳い、Googleが定める規則(ガイドライン)に違反したり、そもそも倫理的にNGな行為を推奨する悪質な業者が存在します。
そもそも「MEO(Map Engine Optimization)」とは、Google マップ上の店舗情報を充実させることを意味するもので、SEO(Search Engine Optimization)の「Search」を「Map」に変えて作られた和製英語です。ローカルSEOと似た用語ではあるものの、このように悪質な業者が使いがちであることからこの用語自体が敬遠される風潮もあるようです。
もちろん「MEO対策」として適切な施策を行う業者もいますが、以下のような運用を含んでいないか確認しましょう。
・口コミを大量に増やせる
MEO業者に報酬を支払い、「やらせ」の口コミを大量に投稿させることはGoogleのガイドラインに違反します。そしてそのような「やらせ」口コミは、ユーザーから見て不自然な場合も多く、SNS上で炎上する事例も発生しています。
そもそも口コミ評価を「やらせ」によって上げたところで、それが実際のサービスと乖離していればお客様に満足してもらうことは叶わないのですから、本末転倒な手法です。
・口コミを確実に消せる
「口コミをほぼ100%消せます」と謳う業者も存在します。不適切な口コミであればGoogleに報告する、それでも削除されなければ発信者情報開示請求を行い、直接投稿者に口コミの削除を求めるといった方法はありますが、どちらも必ず削除できるとは限りません。「ほぼ100%削除できる」と断言している時点で怪しいと思った方がよいでしょう。
このような業者の中には、一般ユーザーとして低評価な口コミを自ら投稿し、その後「口コミを消しませんか」と営業をかける例もみられます。低評価な口コミが立て続けに投稿された直後、MEO業者から営業があったという場合は注意しましょう。
・実際と異なる店舗情報を設定する
実際と異なる店舗情報を設定することは、ガイドライン違反としてGoogleからビジネス プロフィール(Google マイビジネスで設定する情報)の公開停止などのペナルティを受けるおそれがあるため、注意が必要です。
その中でもよくあるのが「店舗名に宣伝文句となるキーワードを含める」という手法。「〇〇駅から徒歩1分」「20時まで営業中」「焼き鳥が美味しい居酒屋」といった、店舗の正式名称と異なる語句を店舗名に設定することは、実はガイドライン違反です。
このような運用を勧めてくる業者には依頼しないようにしましょう。
・契約内容を明確にせず、勝手に施策を進行する
ローカルSEO、MEOに対する知識は未だ浸透していません。その状況を利用し、曖昧な契約のまま施策を進行する業者もいるようです。
特に悪質な事例として、勝手に業者側のGoogle アカウントでオーナー確認を行おうとした業者もいました。依頼する際にはできれば書面で契約を結び、不審な点があれば断るのが得策です。
では、本当に取り組むべきローカルSEO対策とはどういったものなのでしょうか。チェックリストとしてまとめましたのでぜひご活用ください。

まずは地図アプリ、口コミサイト(宿泊施設であればOTA: Online Travel Agency)に登録しましょう。
地図アプリではGoogle マップ、Yahoo!マップ、Apple Maps(iOS端末に搭載されている「マップ」アプリ)の3つに登録しておきます。
それぞれ店舗側の管理ツールとして、Google マイビジネス、Yahoo!プレイス、Apple Maps Connectが提供されています。郵送ハガキや電話などを用いた確認コードの入力など、手順が複雑ですので、以下記事を参考にしてください。
また、店舗情報を掲載する際に各サイトのガイドラインを確認しておき、ガイドラインに沿った運用ができるようにしましょう。たとえばGoogle マップの場合、ビジネスの名称に「キャンペーン実施中」「20時まで営業中」のような宣伝文句など、正式名称に含まれないワードを設定することが禁止されているといった、細かな規定が存在します。
基本的な情報を登録しましょう。チェックリストには、Google マイビジネスで設定できる基本的な項目を示しています。
※なおGoogle マイビジネスでは、各ビジネスのURLを短縮するために用いる「略称」という機能がありましたが、2021年6月から新たな略称の設定ができなくなっています。すでに略称を設定済の場合は、引き続き使えるようです。
また、基本情報の登録の際は「NAP」を統一することが必要です。NAPとは、Name(店舗名), Address(住所), Phone(電話番号)の頭文字をとった用語です。
Googleはこれら3つの情報をもとにGoogle マップ上の情報と公式サイト・SNSなどとを関連づけているといわれていますので、表記を統一しておきましょう。
また、来店者にとっては店舗名などの表記が「〇〇東京店」「〇〇 東京駅前」などと表記が揺れていると、本当に同じ店なのかと不安を抱いてしまうかもしれません。Googleへの対策という側面だけでなく、ユーザー目線でもNAPは統一されていた方が認識しやすいでしょう。
Web上の店舗情報整備は、最初に登録したあと放置してしまうのはよくありません。定期的な更新やチェックが非常に重要です。
特にコロナ禍では、店舗の営業時間を何度も変更しなければならなかったという方も多かったのではないでしょうか。
いまやユーザー目線では、Google マップなどWeb上の営業時間情報が信用できないものになってしまっています。営業時間が最新の情報に更新できているか確認するとともに、Google マイビジネスの投稿やSNSなどでその日の営業時間を伝えるようにすると、安心して来店してもらえるでしょう。
またGoogle マップでは、ユーザーが情報の修正提案を行い、それをGoogleが承認すると勝手に変えることができてしまいます。公式サイトやSNS、口コミサイトなどの情報をもとに、Googleが情報を変更することもあります。
店舗情報が正確なものになっているのか、定期的に監視する必要があるのです。また、ユーザーが投稿した写真が不適切なものでないか、悪質な口コミが投稿されていないかといった点での監視も必要です。
・投稿機能の活用
Googleマイビジネスの場合は「最新情報」が基本的な投稿です。他にコロナ情報、イベント、特典(クーポン)、商品が投稿できます。
Yahoo!プレイスにも「トピックス入稿」という機能があります。Google マップに比べ閲覧数は多くないかもしれませんが、競合でもやっているところは少なくブルーオーシャンだといえます。
・検索されやすいキーワード対策/多言語対応
たとえば投稿の内容は検索の対象となります。投稿機能を活用する際、検索で当たってほしいキーワードを自然に盛り込みながら投稿すると効果的です。
多言語対応でも投稿が重要となります。英語、中国語などを投稿本文の後半に添えて投稿すると、外国語で検索された際に検索に引っかかりやすくなります。
・ユーザーからのメッセージの返信
ユーザーと直接メッセージをやりとりできます。「今日開店していますか」などすぐに返信が必要な内容であることも多いため、定期的にチェックしておくとよいでしょう。
・「Googleで予約」の整備
Googleで予約とは、お店の予約がGoogle 検索上で完結するシステムです。ユーザーとしてもGoogle 検索から移動せずにお店を予約できるのは便利で、これを設定しておくことで「予約が面倒」という理由での離脱を防ぎ、Google経由の予約が増える可能性があります。
ぐるなびなど、提携するプラットフォームに登録していることが利用の条件です。
・被リンク、サイテーションの獲得/公式サイト、SNS運用
被リンクとは、外部サイトが自分のサイトのリンクを貼ることを指します。
サイテーションとは「引用、言及」という意味で、自分のサイトのリンクは貼られていないものの、店名などに言及されていることを指します。
自然な被リンクやサイテーションを多く獲得することで、Googleが「この店舗は知名度がある」と認識し、優先的に表示するといわれています。特にSNSの運用はサイテーションの獲得に役立つでしょう。
また、公式サイトも順位決定要因の一部となっています。公式サイトを持っていないため簡単に整備したいという場合は、Google マイビジネスの「ウェブサイト」から、簡易的なWebサイトを作成することもできます。
・競合他社の違反行為を報告
Google マップでは、ユーザーが情報の修正を提案することができます。仮に競合他社のビジネスで店名にキーワードを設定しているなど違反行為がみられた場合、ユーザーとして報告することで、公正な競争を促すことができます。
また、競合他社とは少し異なりますが、Googleは悪質なMEO対策などを行う事業者を報告する窓口も開設しています。MEO業者に悩まされている場合はGoogleに報告するのがよいでしょう。
常に新たな口コミが投稿され続ける仕組みになるよう、口コミ投稿を促進します。口コミを直接依頼したり、QRコードを印刷して設置したりといった手法が有効です。
お客様が行きたいと思うようなオススメコメントの入った口コミ(高評価で、文章が長く具体的な口コミ)を多く集めることを目指します。
口コミがたくさん集まったら、口コミに返信していきます。
高評価な口コミには、感謝の意を伝えるとともに、次回来店時にオススメする情報も加えましょう。リピーターにつながりやすくなります。
低評価な口コミが入ると落ち込んでしまうかもしれませんが、的確な批判はユーザーにとっても店舗にとってもありがたいものです。真摯に謝罪しつつ、誤解があれば訂正するなどして返信します。
※口コミの内容が誹謗中傷など悪質なものであったり、店舗と関係のない内容であったりするのであれば、プラットフォーム側に報告しましょう。Googleのほか、食べログなどでも報告を受け付けています。
ただし高評価な口コミが投稿され続けるようにするには、提供する商品・サービスがお客様のニーズを満たしている必要があります。
「高評価な口コミが表示されている→ユーザーに選ばれ、来店してもらえる→サービスに満足してもらえる→高評価な口コミを投稿してもらえる」という理想的な循環を目指すため、口コミを分析したりアンケートを収集したりして、店舗の改善へ活かしましょう。
口コミはユーザーが参考にするものであると同時に、店舗にとっては貴重な「お客様の声」です。口コミの評価や件数の推移を見たり、内容を分析したりすることでサービスの改善につながるヒントが得られます。
経路検索の回数、電話回数などが上がったかどうかを、施策前と施策後、そして施策を行っている店舗と行っていない店舗の2軸で検証します。
たとえばGoogle マイビジネスのインサイトでは以下のようなデータが確認できます。
なお先述した通り、順位を基準にするのは難しいと考えられますが、順位をチェックできるツールも存在します。以下は無料で順位をチェックできるツールをまとめた記事ですのでご覧ください。
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オリジナル記事:ローカルSEOとは? 店舗が行うべき対策を解説【チェックリスト有り】 | 店舗ビジネスに役立つ『口コミラボ』特選コラム
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「口コミラボ」は、様々な地図アプリ・口コミサイトの監視、運用、分析を一括管理できる店舗向けDXソリューション「口コミコム」が運営する店舗ビジネス向け総合メディアです。近年、企業の評判管理が重要視されるなか、特に注視すべきGoogleマイビジネスを活用したローカルSEO(MEO)や口コミマーケティング、それらを活用した集客事例から、マーケティング全般、店舗経営のハウツー、業界動向データにいたるまで幅広い情報を紹介します。

Zホールディングスの2021年4-6月期(第1四半期)におけるEコマース取扱高は、前年同期比15.5%増の8172億円だった。
Eコマース取扱高のうち物販系は6908億円で同5.7%増。ショッピング事業の取扱高は同0.4%増の3808億円。リユース事業の取扱高は同13.1%増の2283億円だった。「ヤフオク!」の客単価向上や、「PayPayフリマ」の堅調な拡大で2ケタ成長を達成した。

ZホールディングスのBtoCコミュニケーションインフラとして、「LINE公式アカウン」を全面的に導入。ショッピング事業の出店者への導入を進めており、7月28日時点で1万3773店舗が申し込んでいる。

ヤマトホールディングスとの連携を通じて配送品質を改善、ユーザー体験の持続的向上をを進めている。出荷遅延率や受注から出荷までの速さなど、ヤフーの定める一定基準を満たした商品に「優良配送」ラベルを付与(商品お届け日が最短当日~2日以内、出荷遅延率が5%未満のストア)する取り組みでは、6月時点の取扱高に占める「優良配送」比率が、2021年2月開始時期と比較して約1.2倍となった。

「LINE」を通じて友だちにさまざまなプレゼントを贈ることができる「LINEギフト」サービスは取扱高が急速に拡大。5月の「母の日」キャンペーンが奏功し、「LINE」ギフトの取扱高は前年同期比203%増だった。

7月28日からはアスクル、出前館と協働し、日用品などの即配サービス「PayPayダイレクト by ASKUL」の実証実験を開始。取扱商品の拡大や他地域・他サービスでの展開を検討する。

第1四半期におけるコマース事業の売上収益は同11.8%増の1959億円、調整後EBITDA(税引前利益に支払利息、減価償却費を加えて算出される利益)は同14.6%減の354億円。コマース事業の売上収益が全売上収益に占める割合は52.5%。
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オリジナル記事:eコマース取扱高は8172億円で15.5%増、ショッピング事業は3808億円【Zホールディングスの2021年4-6月期】
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D2Cにとっての最重要指標はLTV(Life Time Value)。LTVとは顧客生涯価値を意味します。顧客が長期にわたり商品やサービスを使い続ける可能性を表し、かつ収益性が高いかどうかを測る指標です。またこれは、ブランドのWHAT(提供価値)を考えていく際の指標にもなります。
LTVの計算式
LTV=平均購買単価×購買頻度×継続購買期間×限界利益率(または粗利率)
このうち、平均購買単価と購買頻度を掛け合わせると、ユーザー1人あたりの平均売上金額を把握することができます。これをARPU(Average Revenue Per User)と言います。
ARPUの計算式
ARPU=平均購買単価×購買頻度
LTVを算出するための前提として、ARPUの想定は必須です。例えば、FABRIC TOKYOの事例としてスーツで考えれば次のようになります。
あるべきARPUの想定(スーツの場合)
平均購買単価:5万円
購買頻度:1年間平均1.5回
1年間のARPU:5万×1.5=7万5000円
平均購買単価を5万円、購買頻度を年間平均1.5回とすると、1年間のあるべきARPUとして7万5000円が導き出されます。
D2C立ち上げ時のスタートとしては、まずは1年間のあるべきARPUを目標として、LTVの最大化を図っていくべきと考えます。このARPUから導き出されたLTVのユニットエコノミクスが成立しないと、そもそも商材選びからやり直す必要があるため注意が必要です。
ユニットエコノミクスが成立していない場合、商材を変更するか、立ち上げ時からある程度様子見した時点で、周辺領域のクロスセル商材等を想定しておく必要があるでしょう。
また当然、この数値は商材のARPUの最大値なので、購買頻度が実際にどうなるかは、サブスクリプションサービスでない限り、サービスを開始して一定期間を経ないとわかりません。立ち上げ初期に、どの程度の期間で、どの程度のリピート率になるのか検証する必要があります。
スーツの場合は、商品到着直後にリピートする顧客が多かったため、平均の購買サイクルは1年程度ですが、半年も経過すればどの程度の購買頻度になるのか想定できました。そして、必ずあるべきARPUとの差分ができるので、その差分は何なのかしっかりとユーザーヒアリングを実施して、リピートを妨げているハードルを特定し、サービスの改善につなげるところまで行うのがお勧めです。
立ち上げ初期に、周辺領域のクロスセル商材がある場合は、それとミックスしたARPU、およびミックスした場合のあるべき購買サイクルも準備する必要があります。
例えばFABRIC TOKYOでは、立ち上げ初期からシャツも販売していました。
あるべきARPUの想定(シャツの場合)
平均購買単価:1万円
購買頻度:1年間平均3回
1年間のARPU:1万×3=3万円
こちらも平均購買単価を1万円、購買頻度を年間平均3回とすると、1年間のあるべきARPUとして3万円が導き出されます。つまり、先のスーツと合算すると、1年でのクロスセル合計のあるべきARPUは10万5000円となります。
その上で、表4-1のように初回購入から1年間のクロスセルも想定した、購買頻度の仮説を準備し、それに対して検証を繰り返すと良いでしょう。

あるべきARPUに到達することは、立ち上げ初期にはまずないため、焦らずに原因を追及しましょう。また、あるべき値を設定せず、いたずらにARPUを上げようとすると、顧客にとって購入タイミングがないのに、買い増しを促し続ける訴求になってしまうことになります。
買い増しを促すことは簡単ではなく、なかなかARPUは上がりません。「今だけ安い」「期間限定」などのCall to actionを付けることで、購入タイミングへ切り替える訴求をし続けることになりかねません。顧客が購入する量には限界があるのであって、顧客の財布は他商材との争奪戦ですので、注意が必要です。
あるべきARPUになっていないということは、必ずそこにユーザーペインが存在します。それを解消してこそ、LTVの最大化という土台にやっと乗せられるのです。
コホート分析にはCPM(Customer Portfolio Management)、RFM(Recency Frequency Monetary)など様々な手法がありますが、ここでは、D2C向けのリピート率管理手法として、FABRIC TOKYOで実施しているリピート率の管理手法を説明します。
弊社では1回目のリピートをするかしないかが、その後のLTVを左右するキードライバーになっているため、1回目のリピート率とリピート平均購入回数を全体として管理しています(図4-1)。

また、スーツで言うと、1年に1回の購買が多数を占めるため、1年を1つの測定の区切りとしています。そして、1年目のリピーターが、2年目、3年目へ遷移しているかどうかを観測していきます。
先ほど説明した1年でのあるべきARPUや2年目以降でのあるべきARPUなど、どの程度ギャップがあるのかどうか差異を特定し、対策を講じていきます。商材の購買頻度などにより、1年でなくても3ヶ月や6ヶ月など測定の経過単位が異なるかと思いますが、目安としては顧客獲得コストの投資回収期間、購買頻度等により適切に設定してください。
また、FABRIC TOKYOでは全体のリピート管理としては、2回目以降のリピートを平均購入回数としてまとめていますが、図4-2のように2回目、3回目のリピート率などを細かく管理するのも良いかと思います。どこがLTVを上げるボトルネックとなっているのかがわかってきて、またどこのリピート回数を超えるとその後LTVが伸びるかがわかると思います。

さらに、図4-3のように、1年目、2年目、3年目など継続率を追っていくと長期でのリピート率を把握していくのも良いと思います。

また、筆者が参考にしているコホート管理のサンプルも以下にURLを参考に掲載します。
スタートアップの業界ではよく言われることですが、D2Cにおいても、マーケティング投資を加速する等グロースのフェーズに入る前に必ず、LTVを上げて投資対効果が合う状態を作りましょう。
特にD2Cではもの売りがLTVの中心になりますので、サブスクリプションサービスでない限り、LTVのトラックレコードも当該期間を経過しない限りは、蓋然性が高まりません。こちらは第6章で詳しく説明します。
商材の購買頻度にもよりますが、適切なLTVの検証期間として、適切な期間を設定し、マーケティング投資などの投資対効果が合うのかどうか検討しましょう。
FABRIC TOKYOでは、商材の購買頻度の特徴から、3年程度をLTVの検証の目安としています。スーツであれば1年に1回が50%程度を占めているので、1年での投資回収を目標としており、さらに2~3年での購買頻度のさらなる継続性、及び2~3年に1回のリピートでの購買戻りを考慮して決定しています。
当然、他商材の購買頻度やクロスセルの構成率によっては、短期で見ることも可能でしょうが、FABRIC TOKYOではサービスインしてから、3年程度はグロース投資(マーケティング投資や店舗出店投資等)をしてきませんでした。それまでは、ほとんどLTVに関する投資で、バリューチェーンを磨くものだけに投資してきました。
D2Cではここを見誤ると、焼き畑な投資となり、損益分岐点がどんどん遠くなってしまいます。スタートアップの死の谷からなかなか抜け出せなくなるため、注意が必要です。
あるべきARPUを最大化し、適切な訴求をしていくためには、ユーザーペインの解消と顧客の購入タイミングの想定が肝心です。
当然、顧客の購入タイミングを具体化するには、顧客インサイトからの濃密なストーリーとペルソナの想定があってはじめて作成できるものなので、不安な方は第3章をもう一度読み返してみてください。年間を通した詳細な見取り図をスケジューリングできれば、顧客獲得だけでなくリピーターの訴求にも役に立ちます。
ただし、リピーターに対する訴求としては、初期的にはメルマガやSNS等が中心になることが多いと思いますが、常にオンラインでのタッチポイント(顧客接点)が最適であるわけではありません。紙媒体のDMやカタログ、はたまた店舗での体験なども、顧客へのリーチを最大・最適化し、顧客の購入するきっかけを捉えるチャネルになります。適切なタイミングとチャネルを見極めた訴求をするためにも、顧客の購入タイミングの具体化は必須とも言えます。
また、顧客の購入タイミングが年間を通して非常に少ないD2Cブランドもあるでしょう。第3章でも説明したキャスパーのマットレス、アウェイのスーツケース、ワービーパーカーの眼鏡なども、顧客の購入タイミングが非常に少ない商材でもあります。そのため、購入タイミングの間をつなぐ、サービスやコンテンツとしてのタッチポイントが非常に重要になります。
FABRIC TOKYOが運営するコンテンツメディア「はたら区」は、まさにそれに当たります。また、アウェイは自社について旅を提案する会社と位置づけ、紙雑誌「HERE」を発行していたり、キャスパーは睡眠やウェルネス関連のコンテンツを雑誌「WOOLY」で発信したりしています(図4-4)。デジタルネイティブブランドにもかかわらず、購入以外のリアルな顧客接点を随所に設けています。どちらもハイクオリティで読み応えがあり、デザイン性も高いものです。
このように、顧客の購入タイミング以外に、随所にサービスやコンテンツを用意すると顧客のエンゲージメントが高まります。これはD2Cの特徴でもある、「ものを売るだけでなく、顧客体験を提供する」という根本的な部分を表していると言えます。
※この記事は『リテール・デジタルトランスフォーメーション D2C戦略が小売を変革する』(インプレス刊)の一部を編集し、公開しているものです。
日本発D2Cブランドの代名詞とも言われる「FABRIC TOKYO」が、D2Cによる小売推進・変革のための事業戦略を徹底解説する1冊。
小売業のDX化を推進する活動を背景に、D2Cの基礎知識、世界観の作り方、オンラインとオフラインの融合(OMO戦略)、マーケティング戦略、組織運営、さらにその先の未来の話(RaaS)まで、具体的な事例やデータを盛り込みながら解説します。
DX化が遅れている中小の小売メーカー、ECのビジネスモデル転換を図りたい中小経営者、D2Cの考え方やノウハウを事業戦略に取り入れたい方、モノづくりの分野でスタートアップを始めたい方などに、課題解決のヒントを提示します。
※このコンテンツはWebサイト「ネットショップ担当者フォーラム - 通販・ECの業界最新ニュースと実務に役立つ実践的な解説」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:日本発D2C企業の代名詞「FABRIC TOKYO」が実践してきた「LTVを最大化する方法」 | 『リテール・デジタルトランスフォーメーション D2C戦略が小売を変革する』ダイジェスト
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この『リテール・デジタルトランスフォーメーション D2C戦略が小売を変革する』の筆者、三嶋憲一郎氏が、8月18日に開催されるインプレス主催のオンラインイベント「ネットショップ担当者フォーラム2021夏 〜リピート客作り、ファンを増やすネットマーケティングのコツ〜」に登壇いたします。
テーマは「D2Cを成功させるには? 「FABRIC TOKYO」の失敗・成功事例に学ぶ成長のヒント」。聴講は無料です。下記のバナーからお申し込みください。

セレクトショップのビームスは、所属部署や勤続年数の枠組みを超えて新商品企画を社内で公募するプロジェクト「マクアケグランプリ2021」を2021年4月からスタートした。最終審査を通過したアイデアは、商品化実現に向け、オンラインプラットフォームの応援購入サービス「Makuake(マクアケ)」の活用機会を得る。
6月に都内で行われた、全応募者の中から最終審査に選ばれた15案の企画の中から「Makuake」でのプロジェクト挑戦権獲得者を決定する「マクアケグランプリ2021」の模様を紹介する。
ビームスはリアルタイムに消費者ニーズを知ることができる場として「Makuake」に着目し、2020年12月からマクアケと業務提携を開始。「Makuake」を通じてビームスの新商品発表や共催イベントなどを中長期的に実施している。
「Makuake」内に設置したビームス専用ページでは既に複数のプロジェクトを行っており、「マクアケグランプリ2021」は次なる取り組みとなる。
「マクアケグランプリ2021」冒頭で挨拶したビームスの設楽洋代表取締役社長は、グランプリ開催の背景と期待を次のように説明した
次の時代のスターを育て、常にファンに愛されるブランドで居続けるために、ファンが応援購入する「Makuake」のシステムがマッチしていると感じた。
グランプリを通じて、新しい時代のディレクターが生まれる可能性がある。時代に寄り添い、突き抜けていく人材を発見していきたい。「マクアケグランプリ2021」は、次の時代のスター、次の時代のBEAMSを作っていくプロジェクトだ。(設楽氏)
「マクアケグランプリ2021」冒頭で実施の意図を語るビームスの代表取締役社長 設楽洋氏
「マクアケグランプリ2021」はビームス全社員を対象とし、所属レーベルや部署、勤続年数の垣根を越えて、新商品の企画提案を公募するプロジェクトだ。
2021年4月に告知・募集を始め、審査を通過した起案者が6月上旬、設楽社長も参加する最終審査の場でプレゼン。最終的に選考に残った企画は8月以降、「Makuake」でのプロジェクト始動に向け、Makuakeによる全面サポートの元、起案者となる社員が中心となり準備を進めて行く。

プロジェクトを通じて発案者は消費者のニーズに向き合い、普段の所属部署での役割を超えて自身の思いを自由に提案・企画することができるため、将来のスター社員発掘の機会として期待されている。
また、採用された起案者は、商品やブランド作りの全工程やPR、運営などすべての行程に責任者として携わるため、新しいキャリア育成の場にもなる。
マクアケは、「Makuake」への商品掲載だけでなく、企画選出における審査から専任キュレーターによる各プロジェクトのコンサルティング、マーケティング、PRサポートなどプロジェクトの全行程を支援する。
グランプリ選抜イベント当日は、計10組の起案者が各自3分間の持ち時間の中でプレゼンを実施。ビームスのブランドディレクター3人と、マクアケの取締役、キュレーター2人の計6人が審査員を務めた。より多角的に審査が行えるよう、さまざまな役割を担うメンバーを起用した。
ビームスのユニフォーム課に所属し、普段から企画生産を担当している穂積優さんが起案したのは「知育玩具ふくパズル」。マジックテープがついた洋服のパーツをパズルのように組み合わせ、1着の洋服を作るという商品で、4~6歳を対象年齢としている。
小学校・中学校の家庭科の授業で制作するエプロンなどの柄がもっとオシャレで、かつ自分で選べたら、洋服を作ることやファッションの楽しさに気づけるのではないか、という考えから着想を得た。
穂積さんはこの商品のポイントについて、「自分で作った服が着られること」だと説明する。「作るだけでなく着心地やスタイリングを楽しむことで、『物作りは楽しい』と思ってもらいたい」(穂積さん)。将来的には小中学校の教材として提案を行っていきたいという。

「BEAMS BEER」は、デイリーユースのデザイナー担当の中塩敬恵さんによるアイデアだ。もともと、ビールは苦いと感じていた中塩さん。クラフトビールの魅力を知ったことで生活が豊かになり、ビールを通して人とのコミュニケーションが活性化したことが商品企画のきっかけだ。
コロナ収束後に友人たちと会えるようになった時、「BEAMS BEER」で人々に笑顔を届けたいと考えている。
商品化が実現した暁には、商品の販売だけでなく、醸造所での体験を通してビールに触れる機会の創出やコラボ商品作りで、コラボ先の売上向上にも貢献したいと意気込みを語った。

起案者の中には、1人で2案以上発表する人やペアで発表する人もいた。

審査基準は①審査員が純粋に「施策を応援したい」と思えるか ②ビームスの方向性に合致するかの2つが主なポイントとなり、特に1つめに比重を置いている。審査の結果、次の6組が最終審査通過者となった。

今後は上位6組分の商品サンプル作成や撮影を行い、8月以降に「Makuake」で掲載を開始。目標金額を達成し商品化が実現したプロジェクトに関しては、今秋以降、順次応援購入したサポーターに商品を発送する予定だ。
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オリジナル記事:ビームスが次世代スター社員の発掘&新商品企画の公募で「Makuake」を活用する理由【マクアケグランプリ2021を取材】
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