ネットショップ担当者フォーラム

EC利用者の58%はアマゾンで商品検索をスタート。グーグルのSEOだけでなくAmazon内の表示対策が大切な理由 | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

7 years 6ヶ月 ago

消費者の75%が商品の検索をオンライン通販サイトで行い、その内58%はAmazon(アマゾン)で検索をスタートしています。この事実を考えると、ネット上でブランドの存在感を高めるには、バーチャルな商品棚での陳列を最適化することが、最も重要な要素だといえるでしょう。

アマゾンの広告ビジネス拡大のニュースを聞き、投資家たちは喜んでいるように見えます。広告ビジネスの成長を見込んで、BMOキャピタルは最近、アマゾンの株価の目標価格を1,600ドルに引き上げました。他のアナリストも、「アマゾンは商品検索でグーグルを打ち負かすだろう」と予想しています。「警戒しなさい、グーグル」と警告を送っているとも言えるでしょう。

投資家の視点では、アマゾンが広告ネットワークとして利益を最大化するまでの道のりは、まだ長いと考えられています(アマゾンにとって、広告が最も利益率の高いビジネスになるとはまだ考えづらいからです)。しかしながら、製造業者が商品をオンラインで販売し、消費者がオンラインで商品を買う現状を見れば、アマゾンはすでに最も影響力のある広告ネットワークなのです。

2017年には、小売業界全体の売り上げの約4%をアマゾンが占めていたと言われています(編注:全米の小売市場)。ウォルマートと比べて、アマゾンの規模がとても小さいことを考えると、驚くべき数字です。オンラインの小売の売り上げでは、アマゾン経由が44%(編注:Internet Retailer社の調査では43%)を占めています(オンライン上で求も影響力のあるプラットフォームになっています)。しかしながら、売り上げの数字だけではその全容はわかりません。

404
※1 米国ネット通販市場におけるアマゾンの売上比率(編注:編集部が過去記事をもとに追記)
出典:Internet Retailer、ChannelAdvisor、Slice Intelligence、米国商務省
※市場シェアにはアマゾンが自社で販売した製品および、同社のマーケットプレイスで販売された製品が含まれる

Market Track社が行った調査によると、75%の消費者はオンラインで商品を探すとき、オンライン通販サイトで検索をスタートします(その内、58%はアマゾンで検索をスタート)。オンライン上でブランドの存在感を高めるには、バーチャルな商品棚での陳列を最適化するのが最も重要な要素だということが言えるでしょう。伝統的な広告活動よりも大切で、自社サイトよりも重要度が高く、グーグルよりも重視しなければいけないということです。

ネット通販利用者の58%はアマゾンで検索をはじめる
消費者がオンライン上で商品検索をスタートするサイト
・アマゾン:58%
・検索エンジン:20%
・各社ECサイト:18%
・その他:4%
(編注:Market Track社発表の動画を編集部がキャプチャして追加)
https://markettrack.com/digital-shelf

ブランドがオンライン上で効果的に商品を販売するには、正しいアマゾン戦略を持つことが大切であることは明らかです。またアマゾンは、消費者がアマゾンで買おうが買うまいが、最初に訪れる場所になっています。

アマゾンの1-Clicl注文で買おうとしているのか、それともBest Buyの店頭でどのテレビを買おうか迷っているのか。いずれにしても、アマゾンが商品情報を手に入れるための情報源になっているのです。

ですから、アマゾンを商品販売のためだけに利用するという戦略は、ブランドのマーケティングの努力をひどく損なうことになるでしょう。

商品を見つけてもらうのか、もしくは買ってもらうのか。どちらにしてもアマゾン(もしくは他のオンライン通販サイト)のバーチャルな商品棚のなかで、ページの1行目もしくは検索結果の最初の3つ以内に表示されることが重要です。

もし表示されない場合は、購入の可能性が大きく下がります。バーチャルな商品棚で良い場所を確保することが大変重要なのです。企業は1,000番目に表示されるような商品を「ロングテール」と呼んでいるのかもしれませんが、実際は10番目か20番目には商品が表示されないと何も起こらないのです。

しかしながら、商品の表示場所を改善するだけで購入につなげることは困難です。オンライン上での購入にあまり積極的でない消費者を巻き込むためには、バーチャルな商品棚で興味喚起を行い、購入を検討させ、購入そして評価まで、これらすべてのプロセスを行う必要があるかもしれません。

一方、前述したテレビを買おうとしている消費者の例のように、購入に積極的な消費者のカスタマージャーニーでは、バーチャルな商品棚はそれほど大きな役割を果たさないでしょう。

検索の初期段階、他の消費者のコメントチェック、実店舗に行く前の価格確認など、消費者がどの段階であったとしても、バーチャルな商品棚はブランドが商品を伝えるための重要な場所になっています。しかし、すべての要素を上手に活用するには、より広い視野でバーチャルな商品棚について考える必要があります。

バーチャルな商品棚を効果的に利用するには、すべてのマーケティング要素を把握することが大切です。「検索結果の表示場所」「商品詳細」「価格変更」「在庫表示」「商品レビュー」まで、すべての要素です。実店舗で使われている商品管理の原則をオンライン用に少しカスタマイズして、デジタルの環境でも利用してみましょう。

以下がデジタル環境で使う原則です。

  • KPIを注視して、隙間を埋めるためにプロモーションに投資することで小売事業者との関係を築いていく。
  • 商品の表示位置の変更、商品の評価、レビューなどの変化を、実際の売り上げの結果に照らし合わせて考える。
  • 悪いレビューに対処する方法や、在庫切れ、小売事業者とのオープンなコミュニケーション方法など、バーチャルな商品棚で展開するにあたり、どこに問題があるのかを確認して解決する。

最終的に勝ち残るのは、行動を起こし、先を見越してバーチャルな商品棚の管理にリソースを割くブランドです。先に述べたように、バーチャルな商品棚には単なる商品販売以上の意味があるからです。アマゾンはすでに最も影響力のあるデジタル広告ネットワークになっています。

アマゾンをカスタマージャーニーのきっかけにすると同時に、販売場所として捉えているブランドは競合に差をつけ、オムニチャネルの売り上げを伸ばすでしょう。商品の購入のみならず、カスタマージャーニーのきっかけもコントロールできるようになるのです。

Internet RETAILER

世界最大級のネット通販業界の専門誌「Internet Retailer」は、雑誌のほか、Web媒体、メールマガジンなどを運営。Vertical Web Media社が運営を手がけている。

Eコマースの戦略に関し、デイリーニュース、解説記事、研究記事、電子商取引におけるグローバルリーダーをランク付けする分析レポートなどを発行している。

Internet RETAILER

セブン&アイの新オムニチャネルが6月本格スタート、イトーヨーカ堂がアプリ運用を開始

7 years 7ヶ月 ago

イトーヨーカ堂は6月、会員カード機能などを備えたオリジナルアプリ「イトーヨーカドーアプリ」の運用を開始する。アプリを通じてクーポンや店舗のセール情報などを配信。チラシを閲覧したり店舗を訪れたりした会員には「アプリポイント」を付与する。

イトーヨーカ堂が始める会員カード機能などを備えたオリジナルアプリ「イトーヨーカドーアプリ」
「イトーヨーカドーアプリ」のイメージ

「アプリポイント」はアプリの中のゲームに使用できるほか、電子マネー「nanaco」のポイントに交換することも可能。

「イトーヨーカドーアプリ」は、セブン&アイグループが6月に開始する新たな会員プログラム「セブンマイルプログラム」に合わせてスタートする。店舗やEC、ネットスーパーを利用するとマイル(ポイント)が貯まり、ポイント数に応じて、さまざまな特典を受けられるという。

「セブンマイルプログラム」はイトーヨーカ堂のほか、グループを横断したECサイト「オムニ7」や「セブン-イレブン」も対象となる。

「セブンマイルプログラム」の概要
「セブンマイルプログラム」の概要(画像はセブン&アイのIR資料から編集部がキャプチャ)

セブン-イレブン・ジャパンも6月にオリジナルアプリ「セブン-イレブンアプリ」の運用を開始すると発表している。

「セブンマイルプログラム」は2018年秋に「そごう・西武」、2019年春頃に「ロフト」と「赤ちゃん本舗」が参加する予定。

セブン&アイはグループ会社のアプリを刷新し、実店舗での購買情報を一元管理する。購買情報はマーケティングや商品開発に活用する計画だ。

「セブンマイルプログラム」の展開計画
「セブンマイルプログラム」の展開計画(画像はセブン&アイのIR資料から編集部がキャプチャ)

デジタル強化を進めるセブン&アイ

セブン&アイ・ホールディングスはデジタル戦略を強化するため、2018年3月1日付でオムニチャネル管理部の名称を「デジタル戦略部」に変更。デジタル戦略部などを統括するデジタル推進本部を新たに設置し、本部長に後藤克弘副社長が就任した。

ITを活用して顧客1人ひとりの情報を生かし、よりニーズに合致した商品開発やCRM戦略を推進するとしている。

セブン&アイは2016年10月、それまでのオムニチャネル戦略の見直しを行った。「顧客ごとにグループ各社の利用状況をつなげ、全チャネルを通じてサービスの質を追求すること」を目標に掲げ、グループの顧客戦略をオムニチャネル戦略として再定義した。

国内のグループ店舗に来店する1日あたり2200万人(当時)に上る顧客のCRMを生かした販促、きめ細やかなパーソナル販売を強化するとしている。

「セブンマイルプログラム」の展開計画
セブン&アイがめざすCRM(画像はセブン&アイのIR資料から編集部がキャプチャ)

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

ECを使うメリットは「価格」「24時間」。クーリングオフ制度の適用「知らない」が36%

7 years 7ヶ月 ago

弁護士や税理士などの専門家と消費者のマッチングサービスを手がける日本法規情報が実施した「ネットショッピングに関するアンケート調査」によると、ECの利用者は価格の安さや注文時間の自由度にメリットを感じていた。

また、通販やECにはクーリング・オフが適用されないことを知っている回答者は約3割にとどまった。

調査対象760人のうちネットショッピングの利用経験者(87%)に「ネットショッピングを利用するメリット」を選択式単一回答で質問した。

その結果、「価格が安い」が31%でトップ。2位以下は「24時間注文できる」(23%)、「外出せずに商品を注文できる」(21%)、「商品比較ができる」(14%)、「口コミや評価がわかる」(3%)だった。

ネットショッピングを利用するメリット(日本法規情報が調査)

ネットショッピングを利用するメリット

訪問販売などで商品を購入(契約)した際に一定期間内であれば無条件で解約できる「クーリング・オフ」は、通信販売には適用されないことを知っているのは36%だった。

クーリング・オフは、訪問販売など不意打ち的な勧誘や、連鎖販売取引など複雑でリスクが高いとされる契約において、一定期間内であれば無条件で解約できる制度。現行法では通販やECには適用されない。

クーリング・オフ制度が通販には適用されないことの認知(日本法規情報の調査)

クーリング・オフ制度が通販・ECには適用されないことの認知

4人に1人がECでトラブル経験

「ネットショッピングの利用によるトラブルの経験はありますか」という質問では、23%が「はい」と回答。ネットショッピングの利用経験者の約4人に1人が、何らかのトラブルを経験していた。

遭遇したトラブルの内容は、上位から「サイズや見た目が思っていた商品と違った」(33%)、「商品が破損していた」(24%)、「商品が届くまで時間がかかった」(13%)、「代金を支払ったのに商品が届かなかった」(11%)、「偽物が届いた」(5%)となっている。

ネットショッピングで遭遇したトラブル(日本法規情報の調査)

ネットショッピングで遭遇したトラブル

調査概要

  • 調査期間:2018年1月15~1月29日
  • 回答者:760人(男性352人、女性408人)
  • 日本法規情報が運営するサイトの運用情報やアンケートをもとに「ネットショッピングに関するアンケート調査」を発表した

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

LINEログインの利用者が急増! ECサイトが実装するメリットとは? | ソーシャルログインとは? ECオーナーが知っておきたい基本

7 years 7ヶ月 ago

昨年まではソーシャルログインといえば、FacebookログインやTwitterログイン、日本ではYahoo! JAPAN IDログインが主流でした。特にFacebookとYahoo!はログイン時に取得できる情報が多く、新規会員登録時のフォーム項目のほぼすべてを自動で埋めることができます。

Yahoo! JAPAN IDログインは、ヤフオク!やYahoo!ショッピングで利用されている正確な住所が取得できるため、多くのECサイトで利用されていました。ところが、この1年でLINEが大きくシェアを伸ばしてきています。その理由と背景、ECサイトが実装するメリットなどを解説します。

スマートフォンシフトでLINEログイン利用者が拡大

スマートフォンシフトが進み、メッセンジャーアプリも一般的になってきています。ユーザーとのコミュニケーション方法に変化が現れてきていた2016年末から、本格的にLINEログインが展開されました。

次の図は、筆者の所属会社フィードフォースが提供するソーシャルログイン機能「ソーシャルPLUS」導入サイトの利用状況です。

「ソーシャルPLUS」を導入する国内サイトのソーシャルログイン利用アカウントの割合。いずれかの機能を導入するサイトが対象(期間2016年9月1日~2016年9月30日)。
https://www.feedforce.jp/release/9100/

さらに、2017年に調査したのが次の図です。2016年の調査から1年ほどの間で、LINEログインの利用率が10ポイント以上増加し、Yahoo!ログインに迫る勢いです。

「ソーシャルPLUS」を導入する国内サイトのソーシャルログイン利用アカウントの割合。いずれかの機能を導入するサイトが対象(期間2017年2月~2018年1月)。
https://www.feedforce.jp/release/13167/

2016年当時は、Facebookが4月の開発者カンファレンス「F8」でチャットボットのプラットフォームを発表し、海外でもFacebook Messangerでユーザーとのコミュニケーションを開始する企業が徐々に現れ始めていたタイミングです。

しかし、メッセンジャーアプリというと、日本国内ではLINEが圧倒的なシェアを占めていたこともあり、日本ではFacebook Messangerよりも、まずLINEでのコミュニケーションを始めてみようという企業が多かった印象です。

LINEの利用状況
  • 月間のアクティブユーザー7,300万人以上(日本の人口の57.6%)
  • 毎日利用している日本国内のユーザー84%
    LINE Account Media Guide April 2018 - June 2018より)

また、LINEは2014年2月にビジネスコネクトをリリースしており、ユーザーの会員IDとLINEアカウントを連携(ID連携)することで、企業とユーザーとのOne to Oneコミュニケーションが実現できる環境は事前に浸透している状況でした。

LINEのID連携が実現したコミュニケーション

今までのソーシャルログインとLINEログインの大きな違いは、新規会員登録の離脱や再訪問の際のPW忘れを防ぎ、ログイン作業のストレスを抑え利便性を高めることに加え、ID連携によってユーザーとコミュニケーションが取れる点です。またスマートフォンでの挙動に最適化されているのも特徴です。

次の図は、実際にLINEログインの認知度が高まった2017年度のプラットフォーム別の利用割合です。前述までの調査とは異なり、「5種類のソーシャルログイン機能すべてを導入するサイトが対象」であることに注意が必要ですが、LINEログインの利用率が高いことがわかります。

「ソーシャルPLUS」を導入かつ5種類のログイン機能を実装する国内サイトのソーシャルログイン利用アカウントの割合(期間2017年12月~2018年1月)。
https://socialplus.jp/report/2018

ECサイトにLINEログインがもたらす利点

LINEの利用者は、日本の人口の57.6%とされています。シェアの高さは、LINEログイン普及の大きな要因の1つですが、ECサイトのオーナーにとって、他のソーシャルログインと異なる大きな利点があります。

それは、LINEとID連携することで、メールに代わるユーザーとのコミュニケーション手段を手に入れられるという点です。

メールを代替するLINEのコミュニケーション

昨年から、「メールの開封率が下がっているのでチャネルを増やしたい」という相談が増えています。また、メールアドレスを持ってない、もしくは自分のメールアドレスを知らないといった若年層が増えているというニュースも目にするようになりました。

今までは当たり前のように利用していたメールや電話でのコミュニケーションが、メッセージングツールに変わりつつあります。皆さんも仕事を除けば、家族や友人と連絡を取る際に電話やメールよりもLINEやFacebook Messangerを利用するケースが増えていると思います。

メッセージングツールが一般的になり、若者に限らず年配の方まで、全年代をカバーしているLINEをメールの次のチャネルに企業が選択することは必然的な流れです。

LINEログインであれば、ユーザーが新規会員登録やログインをする流れで、自然にLINEでコミュニケーションできる会員を増やせることもあり、LINEでのコミュニケーションニーズが高まると同時にLINEログインが普及してきました。

LINE連携のマーケティングツール、独自のチャットボットが普及

また、メールに加えてLINEに対応した各種マーケティングツールが増えてきたことも1つの要因です。LINE ビジネスコネクトの登場によって、連携機能の開発が加速しました。

たとえば、マーケティングオートメーションツールでは、見込客に向けたLINEのメッセージ配信に対応するツールが増えています。

LINEのチャットボットを独自開発する企業も増加しました(LINE ビジネスコネクトのなかでも、主にMessaging APIという機能を活用)。コールセンターやQ&Aサイトなど、問い合わせ窓口としてLINEチャットボットを活用したLOHACOやヤマト運輸など多数の事例がでてきています。

ヤマト運輸のLINE公式アカウント。話しかける感覚で配達状況や受取日時を確認できる。
http://www.kuronekoyamato.co.jp/ytc/campaign/renkei/LINE/

メッセージングツールと相性の良いチャットボットがより使いやすく、安価に利用できるようになったことで、ユーザーとのコミュニケーション方法を大きく変えると同時に、ID連携のニーズが幅広い企業で高まりLINEログインのシェアが伸びていくことになったのです。

スマートフォンへの最適化

LINEログインは他のソーシャルログインと異なり、スマホでの利用を重視しています。オートログインと呼ばれる機能があり、iOSのSafari、AndroidのChromeまたはLINEアプリ内ブラウザ上でLINEログインをすると、スマホにインストールされているLINEアプリと連動して、ユーザーはID/PWを入力することなく、サイトにログインできます。

LINEアプリと連動したスマートフォンのログイン画面(画像はゴルフダイジェスト・オンラインの例)

このように、LINEアプリと連動してワンタッチでログインできることは、サイトの利便性を大きく向上させます。スタンプやクーポンなどの即効性が高いインセンティブとは異なり、自社サイトと親和性が高いユーザーをサイトへ定着させる大きな武器になります。ロイヤルカスタマーのLTVを最大化させることにも貢献できます。

ユーザー1人ひとりとのコミュニケーションが進化した

日本の人口の半数近くにまで普及し、圧倒的なアクティブ率を誇るLINEと連携するLINEログインの登場により、サイトへのログインだけでなく、IDを連携してユーザーと最適なコミュニケーションを取るという一歩進んだ使い方が浸透し始めました。

また、ユーザーとのコミュニケーション方法において、メッセージングツールの一般化やマーケティングオートメーションツールとチャットボットの進化が大きな影響を与えています。

次回は実際にLINEログインによるID連携を活用したユーザーとのOne to Oneコミュニケーションを実現している事例をご紹介したいと思います。

岡田 風早

株式会社フィードフォース

岡田 風早(おかだ かざはや)
株式会社フィードフォース
ソーシャルPLUSプロダクトマネージャー 兼 カスタマーサクセスチーム

ソーシャルログイン/ID連携ASPサービス「ソーシャルPLUS」のプロダクトマネージャーとして2015年フィードフォースに入社。その後、カスタマーサクセスチームの立ち上げに携わり、「ソーシャルPLUS」プロダクトマネージャーを兼任している。LINE社とLINEログインにおけるパートナー契約を中心になって進め、ビジネスコネクトパートナーや大手代理店と連携して、企業のLINEによるOne to Oneコミュニケーション実現の設計に数多く携わる。

岡田 風早

「ECサイトを立ち上げるときの店づくり」で大切なこととは?EC担当者の基礎知識 | EC部長が担当者に読んでもらいたいこと

7 years 7ヶ月 ago

商品・コンテンツを載せて、お客様に届けていくのがECサイトの役割です。ECサイトはユーザーが直接触れるものなので、その「つくり」やユーザビリティは、ユーザーの行動に大きな影響を与えます。実店舗に近い考え方もあり、応用できるところもたくさんあります。

Ⅱ-3. サイト(店づくり)

ECの店づくりは、主に「ECサイトを立ち上げるときのサイト構築における店づくり」と「ECサイトをオープンした後の継続的運用による店づくり」の2つの段階に分かれます。第7回は「ECサイトを立ち上げるときのサイト構築」において大事なことを説明します。これをEC担当者が踏まえておくと、日々の仕事において「自分たちの業務が、なぜ必要なのか」「どのような考え方で業務に取り組めば良いか」を理解しやすくなるはずです。

そして第8回では「ECサイトを立ち上げた後の継続的な運用」で担当者に知っておいてもらいたいことを記載していきます(サイトづくりというと、本連載にマニュアル的なことを期待されるかもしれませんが、ここではあくまでも、通常の業務はやっているけれど、実際の意味合いや知っておいてもらいたいことを書いていきます。)

Ⅱ-3-1. サイト構築の前に「コンセプト」や「要件」をしっかり固める

サイト構築というとデザインやシステムによるものと安易に考えがちですが、最初にやるべきことは「どのようなサイトにするか」「誰に対し、どのようなコンテンツ、情報を提供していくか」を決めることです。ECのコンセプトや位置づけを固めてから、コンセプトを実現するために適した「場」を作るということです。

極端に言えば、コンセプトに合わないことはサイトに組み込んではいけないし、載せてはいけないのです。それを実現するために、システムや制作などが必要となってきます。もちろん、最初に考えたサイトのコンセプトや要件でも、技術的、費用的、運用的に実現できないこともたくさんあります。

大まかな流れとしては、コンセプトの確認、それにともなうサイトの役割、対象者(ターゲット)の明確化、それに合わせた機能、テイスト、デザイン、(サービス)、使い勝手(ユーザービリティ)のレベル、掲載するコンテンツの想定、掲載量などを決めていきます。

これらは、ECビジネスにかかわるほぼすべての役割の知識、情報が必要です。制作やシステムの範疇だけで決めるものではありません。

ECサイトのコンセプトや要件を固める
サイト上に掲載する情報・コンテンツの種類・量を決める
サイト上のどこに何を載せるか(情報設計)・導線をどうするか(階層設計)を考える
サイトやページのデザインを決める
掲載するコンテンツを制作する
商品情報を登録する
コンセプトを決を実現するために適した「場」を作ることを意識しよう

よくある失敗例は、小売業などの企画部門が、いきなりECシステム会社にコンタクトし、自社の商品と目標売上規模だけを伝えて、ECサイトを作るよう依頼してしまうこと。システム会社は一般的なECの知識を持っていたとしても、クライアントのビジネス要件(本当はシステム要件)が分からなければ、どうしようもありません。いずれにしても、外部への丸投げはだめです。

また、コンセプトや要件が、技術的にもコスト的にも本当に実現できるかを判断するための知識も必要です。最終的には制作会社やシステム会社からの回答次第ですが、ある程度、内部で判断できなければ、ECサイトの構築はなかなか進みません。

Ⅱ-3-2. 立ち上げ後の“運用しやすさ”を考慮して設計する

サイト構築において大切なことの1つに、「開始してからの運用がやりやすいサイトにする」ということがあります。運用ができない、あるいは運用にとにかく手間や費用が掛かるサイトもありますが(曲線を多用したビルが、窓ふきやメンテなどの費用が、非常に高額になることなどがイメージに近いのではないでしょうか)、そうならないために、情報設計・階層設計の後に運用設計も行い、運用の検証をしておくことをお薦めします。

また、運用面で実現したいことのすべてをシステム化するには無理があるので、確定していなかったり、実施されていない運用は、まずは手動でやってみて、業務が確立されてから要件をまとめ、システム化することが望ましいでしょう。

固まっていないことをシステム化すると、結局使われなかったり、逆に手動だけのときよりも労力がかかったり、後の改修が非常に高額になったりすることがあります。また、未確定のことをシステム化する場合、未確定ゆえに汎用性を持たせる必要があり、開発費が大きく膨らみます。

そして、担当者の心構えとして大切なのは、ECサイトを開設した後は、一旦、出来上がったサイトを「正」として受け入れ、できることの中で最善を目指して運用していくことです。往々にして、最初の設計が不十分であったために、開設されたサイトが不満の多いものになってしまうこともあります。将来の改善のための要件を出していくことは大切ですが、サイトの悪いところや不足しているところばかり指摘して、ネガティブになったりあきらめたりしてはいけません。

どんな店でも、その店でできることはあり、結果は出せます。不満ばかりを言っていないで、まずは、現状を受け入れたうえで、最善の運用を心がけることが大事です。(Webビジネスは、そのネイチャーとして、未熟な状態でリリースされ、その後、運用されながら完成度が上がっていくものです。どのレベルで許容されるかを判断するのは、経営判断と思いますが。そこまでわかってECを運用している企業は少ないようです。)

Ⅱ-3-3. 情報設計・階層設計のポイントは?

ECサイトを立ち上げる際に行う「情報設計・階層設計」について説明します。一見何を言っているのかわからないかもしれませんね。細かいやり方は制作などの専門会社と実施することをお薦めしますが、要は、ユーザーの動きを想定して、サイトのどこに何を載せるかを決めたり、ユーザーがどのように流れるかに沿って階層を決めたりしていくことです。

例えば、トップページに何を載せるか、トップページのどの部分に何を載せるか、それをコーナー化するかどうかを定義します。また、商品詳細ページに載せる商品情報の種類、量、そして、それぞれのページからの導線(どうリンクをはっていくか)などを決めていきます。

同じ階層の同じ種類のページなのに掲載されている情報の種類・位置づけが違えば、ユーザーは混乱しますし、期待通りの使い方をしてくれません。コーナーなどに載せる情報も位置づけをはっきりすることによって、ユーザーにある種のサイトの使い方を刷り込んでいくわけです。そして仕組みや運用負荷を考慮し、どのページ、どの部分を動的にするか、静的にするかなども決めていきます。

Ⅱ-3-4. 基本的な流れや誘導は、できるだけベーシックに

コンテンツ系以外のページなどの情報設計、導線も決めていかなくてはなりません。例えば、会員登録フロー、購入フローなどです。それぞれのページにどんな文言、注意書き、リンクを載せていくかは、サイトによって違うと思いますが、基本のフローは、よほど考慮されていなければ、あまり独自性を出さずベーシックなフローをお薦めします。

有名な事例として、「ECサイトの購入に至る基本の流れ」(チェックアウトフロー)は、アマゾンが作ったと言われています。少なくとも、アマゾンで一般的になったということです。

検索	商品一覧 	商品詳細	カート	ログイン	送付先の指定	支払方法の指定	確認	購入決定

この流れは、ECサイトのスタンダードと言えると思います。

EC黎明期に、アマゾンのユーザーが増え、追随する他のECサイトがアマゾンのこの流れをまねた結果、ECで購入をするユーザーが慣れている方法で迷うことなく購入できたので、ECが普及したとも言われています。基本的な流れや誘導(ナビゲーション)は、特殊なことをせず、極端な独自性にこだわらず、業界のスタンダードといわれるものに従った方がよいということです。

サイトづくりでは、サイト単体での使い勝手の良さということが第一ですが、「基本的な使い勝手」をユーザーの慣れ親しんでいるものに合わせることも非常に大事なユーザビリティの基本です。

Ⅱ-3-5. デザインは「こぎれいで、わかりやすく」が大切

サイトのデザインは、ブランディングや独自性を高めるために、クリエイティブにこだわりがちですが、「こぎれいで、わかりやすい(Clean and Easy)」ことが最優先です。また、大切なのが、サイト名やサイトのテイストです。既存ビジネスを持つ会社の多くは、既存ビジネスの信頼性やブランド、集客力をECにも利用することになると思います。そうであれば、サイト名は既存ビジネスの名称を使うか、「既存ビジネス名+オンラインショッピング」のように、既存ビジネスと同じ会社が運用しているECサイトであるとすぐにわかるようにすることが大切です。

既存ビジネスと違う名前で、ECサイトをブランディングして集客するには、非常に時間と費用が掛かります。また、折角来た訪問者が、微妙に違うまたは違う名前のサイトを、既存ビジネスの名前を騙った偽サイトと疑ったりなど、全くいいことがありません。

2000年前後までに開設されたECサイトに、そういった名前のものが多いようです。(アイ〇〇〇〇〇のような)わざと区別したいのか、ネットのユーザーが若いからと意識したのか、全くマイナスだと思われるものもあります。

また、サイトのテイストも、色やデザインなど既存の実店舗とまったくイメージが違うようにしてしまっては、折角の実店舗のブランドイメージが使えません。ユーザーが直感的に既存ビジネスと同じサイトだと分かることには非常に大きな価値があります。最初はやはり既存ビジネスのユーザーや、既存ビジネスを知っている消費者が一番のお客様なのだということです。

Ⅱ-3-6. システム担当者もコンセプト設計やビジネス要件に関わることが多い

ECサイトづくりにおいて「制作」と「システム」は両輪です。ECサイトを立ち上げる際のシステム構築の流れは、次のようなフローになります。

ビジネス要件の取得(資料をもらうか、関係者からのヒアリング)
システム要件策定
ベンダー選定またはプラットフォームの選定
開発プロジェクト
テスト
システム稼働・サイト公開

ECのシステムは既存の基幹システムと違い、未だに、システムと他の業務の境界があいまいなところが多いため、システム担当者はビジネス側に踏み込んでいくことを求められることが多いと思います。(基幹システムでももちろんですが、より多いということです。)

システム要件を作るには、「ビジネスコンセプト」「事業計画(規模など)」「サイトの情報設計」などが必要です。しかし、全部そろってから、システム要件を作れていることはあまりなく、多くの場合はシステム担当者も巻き込まれながら、一緒にビジネス要件を決めたり、情報設計を行ったりもすることになります。そもそも、非システム・非制作スタッフがWEBサイトやECサイトで何をしたいのかの前に、何ができるかがわからず、堂々巡りをしてしまうのです。

システム担当者からすれば、非システム・非制作スタッフがやりたいことを全部言ってくれれば、できること・できないことを含めてまとめて回答ができるのですが、任せておいてもシステム側に必要な項目、要素が出てきませんし、出てきても全く足りないこともあるでしょう。(結果、スケジュールが押してシステム担当の負担となってしまいます。)さらに、WEBというとつかみどころがなく、舞い上がってしまい、全部わからないという人や、世間のあいまいな情報を真に受けて幻想に走ってしまう人が少なからずいるので、結局、ビジネス要件に近いものをシステム担当者がまとめていることも多いのが現状です。

一見、システムで実現できないようなことも、考え方次第では実現できたり、他社事例から解決できたりすることもあるので、システム担当者だからといって、ビジネスコンセプトや事業計画の策定からあまり分離しない方がいいという考え方もあります。会社の組織の問題もあり、さまざまな進め方がありますが、基幹システムよりは、はるかに巻き込まれ度が高いでしょう。

システムを自社で開発せず、レンタルカードなどを使う場合もありますが、開発以外のプロセスはほぼ同じです。規模が大きかったり、他システムとの連携がある場合は、レンタルカート利用といえども、システム担当者は必須です。

読者の多くは、すでECサイトを持っている部門で働いていると思いますが、これらの当初の構築に関する考え方は運用にも使えますし、今後のサイトの改善にも役に立つと思います。

次回は、ECサイトを立ち上げた後の継続的な運用による店づくりにおいて、EC担当者に知っておいて欲しいことを説明します。

中島 郁

ネクトラス株式会社 代表取締役

中島 郁(なかしま かおる)

ネクトラス株式会社 代表取締役

新規事業立ち上げ、急成長事業マネジメントのプロフェッショナル。

ベンチャー、外資、老舗にて、事業立上げ、急成長ビジネスの責任者を歴任。関与分野は、小売、EC、インターネット、メディア、アウトソーシングを含むサービス業等。

トイザらスではマーケティング部門立上げ、EC専業法人設立。ジュピターショップチャンネル執行役員(EC、テレビ編成及びマーケティング)本部長を経て、世界最大のECサービス企業GSI Commerce(eBay Enterprise)アジア太平洋担当副社長兼日本法人社長。三越伊勢丹では役員兼WEB事業部長として、EC・情報メディア等の構築、オムニチャンネル導入を担当。米国Babson College MBA。

おそらく大規模EC・オムニチャンネル3社で事業責任者に携わった国内唯一の経験者。
ベンチャーから大企業までのコンサルティング、アドバイス、顧問、業務支援に携わっている。

中島 郁

丸井グループのEC取扱高は約8%増の230億円(18年3月期)

7 years 7ヶ月 ago

「マルイウェブチャネル」を運営する丸井グループの2018年3月期におけるEC取扱高は、前期比約8%増の230億円だった。取引先と在庫情報を共有し、丸井の自社倉庫にない商品の品ぞろえを拡充。自社倉庫外の取扱商品数と取扱高が約1.5倍に増えた。

KDDIグループが運営するECモール「Wowma!」と協業を開始したことも取扱高を押し上げた。ファッションを扱う「Wowma! Brand Square」を2017年2月に開設。2018年3月期の取扱高は11億円だった。

「マルイウェブチャネル」を運営する丸井グループのEC取扱高推移

丸井グループのEC取扱高推移(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

EC事業を成長させる上での課題として、「物流・通販システム」「スマホUI」の2点を上げた。

取扱高の増加に伴い、物流センターのスペースや人員が逼迫していることから、センターの増床やロボット化で効率化を進める。

スマホの利用者が増える中、スマホサイトのユーザーインターフェースが最適化されておらず、コンバージョン率に課題があるという。

専門部署を2017年10月に設立し、外部の専門家とも連携しながらユーザーインターフェースやユーザーエクスペリエンスの改善に取り組んでいる。

丸井が「マルイウェブチャネル」を開設したのは2006年。店頭とECの在庫連携や、ECの店頭受取サービスなどオムニチャネルを進めている。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

楽天のフリマアプリ「ラクマ」、販売手数料を3.5%に改定

7 years 7ヶ月 ago

フリマアプリ「ラクマ」を運営する楽天子会社のFablicは6月4日の10時から、無料で展開していた販売手数料を改定し、商品価格の3.5%を手数料として徴収する。5月15日に「ラクマお知らせブログ」で公表した。

6月4日10時まで出品された商品を購入する場合、購入者側の支払い完了日が6月11日の10時までなら手数料は無料。10時以降に支払いが完了した場合は手数料3.5%を徴収する。

6月4日10時以降の出品商品の購入については、支払期間問わずに販売手数料3.5%を徴収する。

フリマアプリ「ラクマ」が販売手数料を3.5に改定

販売手数料の改定について(画像は編集部がブログからキャプチャ)

「ラクマ」では、利用者を増やし流通規模の拡大を優先するため、取引成立時に出品者から徴収する販売手数料を無料で展開してきた。一方、フリマアプリで先行する「メルカリ」は売買成立時に10%の手数料を徴収している。

親会社である楽天の2018年1~3月期連結業績(第1四半期)では、国内ECの営業利益のマイナス要因(前年同期比8.3%減)として、楽天ダイレクトなどの直販事業、CtoC事業の「ラクマ」で実施している手数料無料施策といった戦略投資をあげていた。

楽天は2016年にFablicを買収。楽天の旧「ラクマ」と、Fablicの「フリル」を2月26日に統合し、新サービス「ラクマ」としてフリマアプリの運営を一本化した。

楽天によると、CtoC事業の年間流通総額の規模は1400億円(2017年12月度の流通総額から参照)。今後もCtoC事業への戦略投資を続けていく。

なお、楽天は2018年7月1日付でFablicを吸収合併すると発表している。

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、現在に至る。EC業界に関わること約13年。日々勉強中。

瀧川 正実

セブン&アイが全国展開を決めたコンビニ商品のECサービス「ネットコンビニ」とは

7 years 7ヶ月 ago

セブン-イレブン・ジャパンは、コンビニで扱う商品をネット上で販売するECサービス「ネットコンビニ」を全国に拡大する。

現在、北海道内の25店舗で展開しているが、2019年8月までに道内約1000店舗に拡大。2019年9月以降、全国約2万店舗で順次サービスを開始する。

セブン-イレブン・ジャパンが手がける、コンビニで扱う商品をネット上で販売するECサービス「ネットコンビニ」

「ネットコンビニ」の仕組み(画像は編集部がIR資料からキャプチャ)

「ネットコンビニ」は2017年10月に北海道札幌市内などの15店舗でスタートした。タバコやホットスナック(揚げ物惣菜など)を除き、セブンイレブンの商品約2800品目を宅配している。

顧客はスマホで注文すると、最短2時間で商品が届く。受付時間は午前7時から午後5時。注文最低金額は1000円で送料は216円。購入金額3000円以上で送料無料(セブン-イレブン・ジャパンが送料を負担)になる。

配送を担っているのは、セイノーホールディングスの100%子会社「ジーニー」。受注情報をもとに店舗で商品をピックアップし、顧客に届ける。

ジーニーはセブン&アイ専用の配送会社で、配送スタッフはセブンイレブンの制服を着用している。

「ネットコンビニ」の当初のターゲット層は、冬場に積雪で外出しにくい高齢者など、いわゆる買い物難民を想定していた。実証実験の結果、全国でニーズが見込めることから対象店舗の拡大を決めた。

「ネットコンビニ」は対象エリア外からのアクセスが多かったという(画像は編集部がIR資料からキャプチャ)

「ネットコンビニ」は、セブン&アイグループが手がけているネットスーパー事業や食品宅配「セブンミール」とは別事業として展開する。

セブン&アイはデジタル戦略を強化

セブン&アイ・ホールディングスはデジタル戦略を強化している。2018年3月1日付で、オムニチャネル管理部の名称を「デジタル戦略部」に変更。デジタル戦略部などを統括するデジタル推進本部を新たに設置し、本部長に後藤克弘副社長が就任した。

組織変更の目的としてデジタル戦略推進体制の強化をあげた。ITを活用して顧客1人ひとりの情報を生かし、よりニーズに合致した商品開発やCRM戦略を推進するとしている。

セブン&アイは2016年10月、それまでのオムニチャネル戦略の見直しを行った。「顧客ごとにグループ各社の利用状況をつなげ、全チャネルを通じてサービスの質を追求すること」を目標に掲げ、グループの顧客戦略をオムニチャネル戦略として再定義した。

国内のグループ店舗に来店する1日あたり2200万人(当時)に上る顧客のCRMを生かした販促、きめ細やかなパーソナル販売を強化するとしている。

セブン&アイホールディングスがめざすCRMの形

セブン&アイがめざすオムニチャネル(画像は編集部がIR資料からキャプチャ)

2017年には、CRM機能やマーケティングオートメーション機能などを備えたクラウド型ビジネスアプリケーション「Salesforce Service Cloud」を採用。グループ全体で顧客情報を一元管理し、リアル店舗とECの垣根を超えて顧客1人ひとりに最適化したサービスの提供をめざしている。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

ZOZOスーツだけじゃない! ZOZOTOWNが起こす3つの革命と3つの試みとは?【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

7 years 7ヶ月 ago

ZOZOスーツが話題になっているZOZOTOWNですが、売上も順調に伸びていて、3年後には商品取扱高7000億円が目標だそうです。3つの革命のうち「服の作り方革命」は今までになかったものだけに、今後の動きに注目です。

ZOZOTOWNが止まらない。3年後の目標は商品取扱高7000億円

「ZOZOTOWN」での広告事業スタートなど、スタートトゥデイの中期経営計画まとめ | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/5390

スタートトゥデイの中期経営計画 3つの革命と、3つの試み
スタートトゥデイが掲げる「3つの革命と、3つの試み」(画像は中期経営計画の発表資料から編集部がキャプチャ)

服の選び方革命

試着や服選びを行わなくても、自分に合った服を買えるようにする。具体的な施策として、人力のコーディネートと人工知能を組み合わせて服を提案する定期販売サービス「おまかせ定期便」を2018年2月に開始。また、ZOZOSUITで計測したサイズデータを活用し、体のサイズで商品を検索する「自分サイズ検索」を強化していく。

3つの革命は「服の買い方革命」「服の選び方革命」「服の作り方革命」となっています。買い方と選び方は今までもアパレル業界では工夫されていた分ですが、作り方はあまりなかったですよね。これが浸透してくると他のアパレル業界にとっては脅威でしかないです。

関連記事
  • スタートトゥデイの商品取扱高は2700億円を突破、2018年度は3600億円を計画 | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/5389
  • スタートトゥデイグループのテクノロジー戦略は? 新会社の久保田社長と金山CIOに聞く | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/5400

本業を活かすために、ずらした部分でもマネタイズ

『えんとつ町のプペル』はなぜ売れたのか? キングコング西野亮廣が語る“お金”と“広告” | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/5381

まとめると、

  • 作品の評価は高いのに10万部に届かなかったことから、「モノを作って売る」ことをデザインしようと2つのことを考えた
  • 1つ目は絵本の原画を無料で貸し出し、全国で原画展を開いてもらい、会場の出口で絵本を売ること
  • 2つ目はクラウドファンディングで作り手を増やし、その人たちが「自分が作った(支援した)作品だ」と宣伝してくれるようにしたこと

仕事は“差”によって生まれる。差を作るには圧倒的な天才になればいいが、他人と同じ環境にいては、天才にはなりにくい。たとえば、ケーキを売って、その売り上げで翌日の商品を作り、利益で新作を出すことはみんながやっている。多少の差はあっても、本業でマネタイズしている限り、極端にとがることはできない。

─キングコング 西野亮廣氏

記事中では「本業からマネタイズの軸をずらすことが、結果として本業をより鋭くさせる」とも書かれています。自分が得意な分野で個性を出すという方法が一般的ですが、本業と近そうなところでも稼いでいけると、相乗効果で全体的に収益が上がるということですね。

関連記事

喜んでくれる人のために頑張るのもあり

事業継承、スーパーからの撤退、三代目が直営店舗とネットショップに振り切った理由とは?|大分県で糖質制限用食肉のネットショップを営む山崎昌彦さん | marketeer
https://marketeer.jp/yamazaki/

まとめると、

  • 楽天出店時は売上はあったが利益がなかった。自社サイトを開店したが、楽天のお客さんは付いて来てくれなかった
  • ある日、検索語句に「糖質制限食」という言葉が増えだして、肉が売れていくようになった
  • 妥協しないといけない部分が出てくるので、店舗数や規模を拡大は目指さず、糖質制限者向けの商品を開発していく

商材が生モノなので大変ですけど、自分がやりたいと思ったことやっていきたい。売上をあげるにはいくらでも方法があるけど、今の選択肢の中ではそれって楽しくないなあと。牧草牛でマーケット支配できるだなんて思ってない。でも一部の糖質制限している人が喜んでくれるなら、それで今は良いです。

─九州肉屋.jp 山崎昌彦氏

規模を拡大していくと、妥協しないといけない部分が出てくるというのは納得です。ZOZOTOWNのように、拡大が目的なら妥協するんでしょうが、そこじゃない部分に興味があるのであれば、自分の道を進むということですね。自社が目指すのはどこなのか?は見失わないようにしたいです。

EC全般

売上20倍を実現したメルマガ事例!? 「セグメント」と「A/Bテスト」がCVアップに欠かせない理由 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/5340

A/Bテストだけでなく、常に改善し続けることで売上になるということです。

「EC・通販事業はリピートビジネスである」 収益構造を理解するための3つの効率とは? | ECzine
https://eczine.jp/article/detail/5645

リピートしない通販はつらすぎるので上の記事と合わせてお読みください。

Original Stitch、全身写真を撮るだけの高精度身体採寸アプリ「Bodygram」を発表 | ECzine
https://eczine.jp/news/detail/5670

ZOZOスーツの独壇場かと思いきや、こういったサービスも出てきて便利な世の中になりそうです。

セブン、「ネットコンビニ」拡大に向けた難題 | 東洋経済オンライン
https://toyokeizai.net/articles/-/220299

コンビニまで遠い場合や天気が悪いときには使ってみたくなりそうですが、果たしてうまくいくのでしょうか。

Google I/O 2018基調講演まとめ AIのある快適な暮らし | ITmedia
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1805/09/news053.html

楽天市場が「Googleアシスタント」に対応、音声で商品検索も | 通販通信
https://www.tsuhannews.jp/51687

こちらは2つあわせて。指名で買うものは自動的に音声だけで簡単に買えるようになりそうですね。

URLから決済できるペイパルの新サービス「PayPal.me」、中小企業などに向け提供 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/5391

「初期費用・月額手数料・新規登録は無料」。ちょっとしたキャンペーンなどに向いているかも。

今週の名言

ユニークなことをするには、つまり成功を重ねないといけない。

第3部「大事なのは継続するコミュニケーション」 ダイキン工業 広告宣伝グループ長 片山義丈氏 | BACKYARD
https://backyard.imjp.co.jp/articles/imjlip_03

斬新なアイデアもそれまでの積み重ねがあるから、会社に認めてもらえる。小さなことからコツコツと。

森野 誠之

運営堂

運営堂代表。Web制作の営業など数社を経て2006年に独立後、名古屋を中心に地方のWeb運用を支援する業務に取り組む。現在はGoogleアナリティクスなどのアクセス解析を活用したサイト・広告改善支援を中心にWeb制作会社と提携し、分析から制作まで一貫してのサービスも開始。豊富な社会・業務経験と、独立系コンサルタントのポジションを活かしてWeb制作や広告にこだわらず、柔軟で客観的な改善提案を行っている。理系思考&辛口の姿勢とは裏腹に皿洗いを趣味にする二児のパパ。

森野 誠之

ARで化粧品の使用イメージを購入前に確認! 化粧品ECの課題を解決する「AR Styling Station」とは | 中国ECのテクノロジー・ウォッチ from JD.com(京東商城)

7 years 7ヶ月 ago

中国EC大手のJD.comは、消費者がネットで化粧品を購入するときに、AR(拡張現実)を使って商品をユーザー自身の顔で試すことができるメイクアップ機能の提供を開始しました。消費者は、マットタイプやパールタイプなど仕上がりの異なる口紅を自分の顔で試すなどして、商品の使用イメージを購入前に確認することができます。

JDは従来のARメイクアップ・プラットフォームをリニューアルし、「AR Styling Station(ARスタイリング・ステーション)」として新機能を追加し、JDが毎年北京で開催している「バタフライ・フェスティバル」で発表しました。

「バタフライ・フェスティバル」は大手化粧品ブランドやファッションブランドが最新商品やトレンドを紹介する場。式典にはロレアルやSK-II(エスケーツー)、メイベリン、Olay(オレイ)といった海外ブランド、国内のセレブリティらが集まることでも注目を集めています。

ARスタイリング・ステーションのデモ動画。スマホを通じて商品の試用イメージを確認できる。

「スタイリング・ステーション」は、中国で2億6,600万人が使うJDのスマホアプリから利用できます。消費者は、口紅やチーク、カラーコンタクト、アイブロウペンシルなどの商品をバーチャルに試すことが可能です。

メイクアップ製品のネットショッピングは、商品の写真だけで購入を決めなければならず、実際に試して自分に似合うかどうか確認できないことが課題となっていました。

JDのARサービスはこうした悩みを解消するだけでなく、商品を試した顔写真をSNS上で友だちとシェアできる機能があります。この機能を活用することで、化粧品ブランドは自社ECサイトへの流入を促し、コンバージョン率をアップできるメリットがあるのです。

JDは、デジタル時代の消費者に向けて新しくパーソナライズされたショッピング機能の開発を進めており、ARを活用した「スタイリング・ステーション」もその1つ。メイクアップ業界の専門家の協力のもと開発したこの機能は、ネットショッピングの利便性と、化粧品のお試しという実体験を同時に叶えることができるのです。

JDで日用消費財部門の代表を務めるCarol Fung氏は次のように説明しています。

消費者は、AR・VR(バーチャルリアリティー)技術によって、クリックひとつで気に入った商品が玄関先に届く便利さと、実店舗でしか得られないインタラクティブな体験とを両方手にすることができます。私たちは化粧品購入者の増加とともに、パートナーブランドと協力して、最新の技術で消費者のショッピング体験をさらにインタラクティブかつパーソナライズされたものへと進化させていきます。

中国の化粧品市場は、数年前に日本を抜き、今では米国に次いで世界2位です。米シンクタンクのL2によれば、2020年までに中国市場は世界1位になると見られており、生活レベルの向上とともに、中高級化粧品への人気は高まっています。

中国では過去2年で海外ブランド化粧品の購入者が増えており、特に若い世代が高級品を求める傾向にあります。2017年の高級化粧品の新規購入者数の平均は、1年前と比較して10倍以上に伸びています。

JDは急成長する海外高級化粧品のネット通販市場を獲得するため、2017年にSK-II、ロレアル、クラランス、Aveeno(アビーノ)、Avene(アベンヌ)、Marionnaud(マリオノー)、The History of Whoo(ドフー)など海外有名ブランドのネット販売を開始しました。スキンケアブランドで最も人気なのがロレアルなどフランスブランドで、SK-IIといった日本ブランドの売り上げも大きな伸びを見せています。

JDは2018年、中国消費者向けに200以上の高級化粧品ブランドの取り扱いを始める予定で、ビオテルム、ヘレナ・ルビンスタイン、Philosophy(フィロソフィー)、ジュリークなどのブランドはすでに販売を開始しています。

JD.com(京東商城)

JD.com(京東商城)

JD.com(京東商城)は、中国EC市場の直販ビジネスでは1位、流通額で2位。ECをスタートしたのは2004年で、わずか12年で年間流通額は15兆円以上、過去12年間の平均成長率は152%という驚異のスピードで成長している。

JD.com(京東商城)

メルカリの流通総額は2480億円(17/6)、今期は「ZOZO」超え3000億円突破の見込み

7 years 7ヶ月 ago

メルカリが公開した有価証券報告書によると、フリマアプリ「メルカリ」を中心とした2017年6月期の流通総額は前期比74.6%増の2480億円だった。

流通総額は取引高の合計で、「メルカリ」「メルカリ カウル」「メルカリ メゾンズ」などを経由した取引高。米国の取扱高も含んでいる。

メルカリの流通総額の推移

流通総額の推移(単位は十億円、画像は編集部が有価証券報告書からキャプチャ)

「メルカリ」は2013年にサービスをスタート。

  • 2015年6月期 → 630億
  • 2016年6月期 → 1420億円
  • 2017年6月期 → 2480億円

と、すさまじい勢いで流通総額を拡大。今期の流通総額は2017年7月~2018年3月期(第3四半期累計)で2660億円と、2017年6月期の実績を突破。3000億円超えは確実と見られる。

なお、「ZOZOTOWN」などのスタートトゥデイの2018年3月期流通総額(商品取扱高)は、前期比27.6%増の2705億4300万円。BtoC、CtoCの違いはあるものの、「メルカリ」はアパレルを中心としたプラットフォームとして、「ZOZO」の流通総額を超える見通し。

「メルカリ」の2018年3月末時点における累計ダウンロード数は、日本が7100万ダウンロード、米国が3700万ダウンロード。

MAU(月間マンスリーアクティブユーザー)は2018年3月末時点で1030万人ユーザー。

2018年1月~2018年3月期(第3四半期)のメルカリ日本事業で、ジャンル別の流通総額の割合は1位がレディースで26.2%。2位がエンタメで18.0%。メンズが16.9%。家電・スマホ・カメラは7.8%、コスメ・美容が7.1%と続く。

「メルカリ」の取扱ジャンル別の流通総額の割合

取扱ジャンル別の流通総額の割合(画像は編集部が有価証券報告書からキャプチャ)

2017年6月期の売上高は220億7100万円(前期比80.1%増)、営業損失は27億7500万円(前期は4200万円の営業損失)、経常損失は27億7900万円(同9700万円の経常損失)、純損失が42億700万円(同3億4800万円の純損失)。

3月末時点の同社の従業員数は652人で、平均年齢は30.3歳。平均勤続年数は1.3年で、平均年間給与は501万円(基準外賃金含む)。

メルカリは5月14日、東京証券取引所から上場承認を受けたと発表。6月19日に東証マザーズに株式を上場する。

2017年のフリマアプリ市場は4835億円

経済産業省が2018年4月にまとめた「電子商取引に関する市場調査」によると、フリマアプリの2017年における推定市場規模は前年比58.4%増の4835億円。CtoCアプリが本格的に利用され始めた2012年から5年で、市場規模は5000億円近くまで拡大した。

経済産業省が2018年4月にまとめた「電子商取引に関する市場調査」のフリマアプリの2017年における推定市場規模

フリマアプリの推定市場規模(単位:億円)

楽天が2017年12月期決算で公表した実績値では、CtoC事業の年間流通総額の規模は約1400億円(2017年12月度の流通総額から参照)という。

GMOペパボが運営するハンドメードマーケットアプリ「minne」の2017年の年間流通額は約102億だった。

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、現在に至る。EC業界に関わること約13年。日々勉強中。

瀧川 正実

ロックオンが「Amazon Payプラグイン」の配信を「EC-CUBEオーナーズストア」で開始

7 years 7ヶ月 ago

ロックオンは5月10日、EC-CUBE公式の追加機能配信サイト「EC-CUBEオーナーズストア」で、「Amazon Payプラグイン」の配信を始めた。

「Amazon Pay」は、Amazon以外のECサイトで、「Amazon.co.jp」のアカウントでログインし、支払いができるオンライン決済サービス。

プラグインの特徴は、EC-CUBEの管理画面上で「Amazon Pay」の決済金額の修正やキャンセルが行える点という。これまでの運用業務を変更せずに、導入できるとしている。

「Amazon Payプラグイン」は、Amazon Payグローバルパートナープログラムの「プレミアパートナー」であるアイピーロジックが制作・運営をサポートしている。そのため、利用には別途契約が必要となる。

「EC-CUBEオーナーズストア」での配信画面(画像は編集部がキャプチャ)

「Amazon Pay」は2015年のサービス開始から約3年で、利用ECサイト数は数千社に達したという。ASPカート「侍カート」(開発・提供はFID)が「Amazon Pay」を標準実装するなど、「Amazon Pay」の導入拡大に向けて新たな動きが始まっている。

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、現在に至る。EC業界に関わること約13年。日々勉強中。

瀧川 正実

「SHOPLIST」は規模拡大を優先――「売上最大化に投資し利益は出しません」と宣言

7 years 7ヶ月 ago

ファッション通販サイト「SHOPLIST」を運営するクルーズは、ECやオンライントラベルなどクループの流通額が1000億円を超えるまで、単年度の利益の全額を投資に回す計画を発表した。

事業規模を拡大することが長期的な利益の最大化につながると判断。短期的な利益の確保よりも市場シェア拡大を優先する。現在の売上高が約210億円の「SHOPLIST」は、年率30%以上の成長をめざす。

クルーズは、ECやオンライントラベルなどクループの流通額が1000億円を超えるまで、単年度の利益の全額を投資に回す計画を発表

クルーズは規模拡大を優先する(画像はIR資料を編集部がキャプチャ)

米Amazonが短期的な利益確保よりも成長への投資を優先していることを引き合いに出し、「SHOPLIST」の市場シェア拡大を優先することがクルーズの最終的な利益率向上につながると指摘。利益の全額を投資する理由について、IR資料で次のように説明している。

10億を1年で使っても2億ずつ5年かけて使っても使う金額は同じです。同じ金額を投資するなら我々はスピードを優先し、今後は全ての利益を売上拡大に投資します。

ゲーム事業売却で2018年3月期は減収減益

クルーズの2018年3月期における連結売上高は、前期比10.6%減の254億8600万円だった。営業利益は同65.5%減の7億2500万円、経常利益は同66.9%減の7億200万円、当期純利益は同96.7%減の1億500万円。

ゲーム事業の大半を売却したことなどが影響し、売上高と利益が減少した。2019年3月期からEC事業の強化と、ECに次ぐ第二・第三の柱の創出に取り組んでいる。

「SHOPLIST事業」の2018年3月期における売上高は、前期比12.6%増の214億5500万円だった。

「SHOPLIST」の売上推移

「SHOPLIST」の売上推移(画像はIR資料を編集部がキャプチャ)

中期事業方針として、「SHOPLIST」の年間ユニーク購入者数500万人、1人あたりの年間購入金額2万円をめざす。

年間ユニーク購入者数は2018年3月期の第4四半期時点で約160万人。計画を500万人に設定した根拠として、日本国内の16~45歳の総人口約4600万人のうち、11%にあたる500万人は達成可能と判断したと説明している。

「SHOPLIST」のクルーズが掲げる年間ユニーク購入者数の推移と今後の計画

「SHOPLIST」の年間ユニーク購入者数(画像はIR資料を編集部がキャプチャ)

年間購入金額の計画は、「SHOPLIST」における1回あたりの平均購入金額が約5000円であることから、顧客が春夏秋冬の季節ごとに年4回買い物することで達成できるとしている。

年間ユニーク購入者数と年間購入単価を目標に設定した理由として、リピート率を先に改善することで新規ユーザーの定着率が上がり、効率的に売り上げを伸ばせることをあげている。

「SHOPLIST」のクルーズが掲げる年間ユニーク購入購入金額の推移と今後の計画

「SHOPLIST」の年間購入金額(画像はIR資料を編集部がキャプチャ)

中期事業方針を達成するため、2019年3月期は配送日数の短縮や、キャンセル・返品に関する問い合わせ件数の削減に取り組む。

「SHOPLIST事業」の売上高は4年で2倍以上に拡大した。四半期ごとの売上高は約40億~62億円で推移しており、2018年3月期はすべての四半期で前年同期を上回った。

通期のプロモーション費用の売上対比は16.1%。第4四半期にプロモーション費用が増えた影響で、理想値(設定時点での理想の値)を2.6ポイント上回った。リピート率改善の兆しが見えたことから、プロモーション費用の増額に踏み切ったとしている。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

[CtoC-EC市場2017まとめ]フリマアプリは4835億円、オークション全体は1.1兆円

7 years 7ヶ月 ago

個人間のEC(CtoC-EC)市場が拡大している。

経済産業省が2018年4月にまとめた「電子商取引に関する市場調査」によると、フリマアプリの2017年における推定市場規模は前年比58.4%増の4835億円。CtoCアプリが本格的に利用され始めた2012年から5年で、市場規模は5000億円近くまで拡大した。

経済産業省が2018年4月にまとめた「電子商取引に関する市場調査」のフリマアプリの2017年における推定市場規模

フリマアプリの推定市場規模(単位:億円) 

ネットオークションのBtoC-ECの市場規模は同3.2%増の3569億円。事業者による販売(BtoB)も含めたネットオークション市場全体は、同3.2%増の1兆1200億円となっている。

事業者による販売(BtoB)も含めたネットオークション市場全体は、前年比3.2%増の1兆1200億円

ネットオークションの推定市場規模(単位:億円)

経産省はネットショップ(BtoC-EC)によるリユース品販売額を約2600億円と推計。店舗にけるリユース品の販売額は約1兆円、自動車・バイク・原付バイクのリユース市場は約2兆円と試算した。

過去1年間で不要となった製品の推定価値は、自動車・バイク・原付バイクを除いて推定7兆6254億円に達していることから、モノの有効活用の意識が一層高まればリユース市場も拡大すると予想している。

リユース市場の全体像

リユース市場の全体像

各社のCtoCアプリの市場規模は?

CtoCアプリ大手の流通額は拡大を続けている。楽天が2017年12月期決算で公表した実績値では、CtoC事業の年間流通総額の規模は約1400億円(2017年12月度の流通総額から参照)という。

メルカリはCtoCアプリ「メルカリ」の月間流通額を100億円以上としている。

GMOペパボが運営するハンドメードマーケットアプリ「minne」の2017年の年間流通額は約102億だった。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

中小企業のECサイト運営がうまくいかない理由は、初期段階の判断ミスに有り | 竹内謙礼の一筆啓上

7 years 7ヶ月 ago

世の中の企業を「大企業」「中小企業」「零細企業」の3つに分類すると、「大企業」と「零細企業」は比較的ECサイト運営がうまくいく傾向にあります。

「零細企業」は経営者自身がeコマースに精通しており、組織も小さいので末端の社員にまで情報が行き渡り、正しい判断ができます。

また、「大企業」はECサイト運営を子会社や外部の企業に外注できるので、結果的にeコマースを運営するのは規模の小さい“零細企業”となり、正しく運営されているケースが多いと言えます。

しかし、ちょうど真ん中にあたる「中小企業」の場合は、ECサイトが正しく運営されていないケースが多いのではないでしょうか。今回はなぜ中小企業のECサイト運営がうまくいかないのかを掘り下げて考えてみたいと思います。

ほとんどの兼業EC企業はeコマースを理解していない

もちろん、eコマースを専業にしている中小企業であれば、企業規模に関係なくうまくいっているケースが多いのですが、私の経験上、従業員数が50人~300人くらいの企業がeコマースを本業として取り組まない場合、なぜかECサイト運営がおかしな方向に向かっていることが多いのです。

まず、ECサイトを本業としていない中小企業の経営者の99%はeコマースのことをよく理解していないといってもいいと思います。本を読んだり人の話を聞いたりして、なんとなくは理解しているとは思いますが、ECサイト運営は実経験で学ぶノウハウが多いために、ECサイト運営が本業ではない経営者は「eコマースがわからない」という状況から脱することが困難です。

社長「eコマースってわからないな……」

そうなると、経営者は自分自身がECサイトを運営するのではなく、自分の部下にやらせようとします。営業部、販売部、制作部と同じような感覚で、「ネット販売部」「直売部」のような部署を作り、そこの担当者に任せます。

しかも、経営者は自分のわからない仕事を、いきなり見ず知らずの人間に任せる度胸はありません。自分が一番信頼できる部下にやらせて「安心したい」というところがあります。自分が見込んでいる部下ならば、「自分のわからない仕事でも裏切ることなく必ず実績を作ってくれるだろう」という信頼感もあります。

しかし、ここが一番大きな判断ミスとなります。大抵の場合、その部下がeコマースに精通していることはないからです。むしろ、危機意識は中小企業の経営者よりも低くなるので、ネットビジネスに対する情報量や知識はさらに乏しくなります。

社長「eコマースってわからないな……」
ナンバー2「eコマースってわからないな……」

そのようなレベルの低い担当者がECサイト運営の責任者になると、一緒に仕事をする制作会社も当然、レベルの低いスタッフを抱える会社になってしまいます。

仮にECサイト運営に精通したホームページ制作会社と仕事をしたとしても、担当者がeコマースに詳しくないとわかれば、どんな業者であれ、多少の手抜きはしますし、見積りで高い金額を請求するようになります

なぜなら、担当者がネットビジネスの知識と経験がないとわかれば、仕事を一生懸命やろうと手を抜こうと、それを判断できない相手では、評価されることがないからです。報酬が変わらない仕事を一生懸命やるほど、下請けの制作会社には余裕がありません。

社長「eコマースってわからないな……」
ナンバー2「eコマースってわからないな……」
制作スタッフ「この人、わかってないな……」

これはネットビジネスに限ったことではありませんが、常に知識のない人がお金を巻き上げられてしまう構造は、昔からあるのです。

ダメな構造を修正できなくなる理由

このようなダメな構造が一度成立してしまうと、修正するのはなかなか困難です。社内は誰もネットビジネスに詳しくないので、ECサイトが正しく運営されているのかどうか、社内では誰も判断できません

仮に「自社のECサイト運営は間違っているのではないか?」と気付いた社員がいたとしても、担当者は自分が間違った仕事をしていることを隠したいので、その正しい意見を全力で握り潰しにかかります

「そんな社員がいるはずがない!」と思われる経営者の方もいるかもしれませんが、中小企業のサラリーマンはそれほどお人好しではありません。「自分の評価は下がってもいいから、会社の売上が伸びる選択をして欲しい」などと考える社員はいません。特に中小企業の場合、自分の社内評価が給与やポジショニングに直接影響があるので、正しい意見を受け入れるよりも保身を優先してしまうのです。

パートナーになっている制作会社も、新しい担当者に代わってしまうと自分たちが切られてしまう可能性があるので、現担当者と一緒になって正しい意見を全力で潰します。そして、その会社のECサイトは間違った方向性に進み続けてしまうのです。

社長「それ正しいの?」
ナンバー2「正しいですよ!」
制作スタッフ「正しいですよ!」

また、間違ったことを正しいことに変えようとすると仕事量が増えます。給料は変わらないのに、あえて大変になることを選択するサラリーマンは滅多にいません。そのような物理的な問題も中小企業が間違ったECサイト運営を続けてしまう要因の1つと言えます。

このような構造ができあがっていると、経営者が「これからはうちの会社もECサイト運営に力を入れるぞ!」と声高に叫んでも、うまくいくことはほぼ100%ありません。担当者の選択が間違っているので、何をやってもうまくいくはずがないのです。商材や手法以前の問題です。

私のような外部の専門家から見れば、会社の金をドブに捨てているようなECサイト運営は多々あります。方向性を正そうと思っても、社内評価を下げられたくない担当者と、仕事の契約を切られたくない制作会社に阻まれるケースも少なくありません。

間違ってしまった企業ができることとは?

では、すでに間違った方向に進んでいる中小企業のECサイト運営は、どうすれば良いのでしょうか。

1つはすべての仕事を外注に投げてしまうことです。自社で判断せず、すべての判断をECサイト運営のプロにお願いするのです。その方が、素人集団よりも正しい判断をする可能性ははるかに高いでしょう。

また、その場合は経営者直属の業務にしてしまったほうが良いと思います。経営者の耳に入ってくる情報に担当者のバイアスがかかっていては、結果的に間違った判断をしかねないからです。

理解しておいてほしいのは、無知なECサイト運営担当者と一緒に仕事をしたいという優秀なECサイト運営者はいないということです。どんなにお金を積まれても歌の下手な歌手と優秀なプロデューサーが仕事をしたくないのと同じです。ストレスになる仕事をわざわざやりたがる優秀な人材というのは、この世の中には存在しないと思った方が良いでしょう。

経営者やECサイト担当者は、戦略を考える以前に、まずは正しい情報がしっかりeコマース事業に注入されるような組織作りに注力するべきでしょう。

竹内 謙礼

有限会社いろは 代表取締役

竹内 謙礼(たけうち・けんれい)

1970年生まれ。大学卒業後、出版社に勤めた後に観光牧場に転職。企画広報担当を経て2004年に経営コンサルタントとして独立。楽天市場、ビッダーズ等で多くのネットビジネスの受賞履歴あり。また、千葉文学賞等の小説、エッセイでも数々の受賞暦を持つ。

大企業、中小企業のコンサルティングはもちろん、サイドビジネスや起業に対しての販促、営業、人材教育のアドバイスを行い、特に実店舗のキャッチコピー制作とネットビジネスへのコンサルティングには定評がある。また、低価格の会員制コンサルティング「タケウチ商売繁盛研究会」の主宰として、180社近いコンサルティング指導を日々行っている。

販促、企画、会計、投資の書籍執筆の他、新聞や雑誌等でも連載を持っており、ラジオのパーソナリティとしても活躍。商工会議所や企業での講演、企業での人材教育等、経営コンサルタントとして精力的に活動している。NPO法人ドロップシッピング・コモンズ理事長。著書多数(詳しくはこちら

竹内 謙礼

フェリシモのジリ貧脱却策――「規模の経済は終了。顧客との継続的な関係性が生命線」 | 通販新聞ダイジェスト

7 years 7ヶ月 ago

この10年、売上高の減少傾向が続いているフェリシモ。地方自治体向けの支援事業など、これまでとは毛色の違う取り組みも始めているが、中核となるのは色・柄・デザインの違う商品が毎月1回届くコレクション(定期便)事業。しかし、近年は消費者がデザインを選べる商品の数を増やすなど、試行錯誤が続いている。売り上げ減に歯止めをかけるべく、新たに打ち出したのが「クラスター戦略」。じり貧脱却に向けた次の一手とは。

フェリシモの2018年2月期連結業績は、売上高が前期比5.2%減の292億8500万円、営業損益は8億5900万円の黒字(前年同期は4億9900万円の赤字)、経常損益は9億1500万円の黒字(同4億9300万円の赤字)、当期損益は9億9600万円の黒字(同75億4800万円の赤字)だった。17年2月期は物流センターの減損損失を計上していたため、減価償却費が減少したほか、広告費などの経費見直しにより、販管費が前年同期比12.5%減少したことで、黒字に転換した。

フェリシモの業績

ただ、売上高は前期も減収。顧客数は、商品CMとタイアップしたキャンペーン施策やウェブに注力した販売活動が奏功し、新規顧客は前期を若干上回る獲得実績に。ただ、継続顧客が減少したことで、コレクション事業全体の売り上げが減少した。19年2月期の業績予想は、売上高が前期比3.2%増の302億1500万円、営業利益は同39.8%減の5億1700万円。配送関連コスト上昇が響き減益となる見通し。

同社では近年、売り上げを大きく減らしており、5年前と比較すると約3分の2まで落ち込んでいる。10年前の08年2月期には、売上高が549億円あったことを考えると深刻だ。主力のコレクション事業において、顧客減が止まらない状況が続いていた。

これを受けて、同社では17年2月期、ファッションアイテムを中心として、消費者がデザインを選べるジャストワン(指定買い)で購入できる商品の数を増やす方針に切り替えた。しかし、「やってはみたものの、当社の強みとはリンクしないという感覚があった」(宮本孝一執行役員)。コレクションの弱点である返品率は下がったものの、継続購入率が低下したことで売り上げが落ち込み、17年2月期は二桁減収となってしまった。

そこで、同社では前期途中から方針を再転換。「顧客と継続的に毎月つながるコレクション事業において、独自の価値を提案していくのが強みと痛感し、一旦切った舵を元に戻した」(宮本執行役員)。そして、新しい方針として打ち出すのが「クラスター戦略」だ。

これは「ニッチではあるが確実にファンがいる商品やサービスを立ち上げる」というもの。ニッチなだけではなく、新しい切り口からの価値提案を行うという。例えば「フェリシモ猫部」は猫好きを対象とした事業だが、他社にはない、ユニークな切り口といえる。宮本執行役員は「こうした個人の喜びの源になるニーズをしっかりと切り取って、そこからマーケティングを展開していきたい」と話す。さらには、物販だけではなくサービス提供による収入も増やしていく。「猫部」であれば、猫のための保険を提供するなどといったものだ。

とはいえ、ネット販売の世界では、ニッチな需要にマッチした通販サイトが無数にある。こうした競合に打ち勝ち、存在感を示すにはどうすればいいのか。宮本執行役員は「クラスターを設計する上で重視しているのは『フラッグ』を立てること。『こんな社会を作りたい』というフラッグを立てた上で、クラスターを築いていく。顧客に対して、一緒になって未来づくりに参加する機会を提案していきたい」と話す。

例えば「猫部」は「殺処分される猫を1匹でも救いたい」という理念があり、「猫と人間が共に幸せに生きることができる社会を作りたい」という理想につながる。そのため、販売する商品には基金がついており、さらには、猫の譲渡会などのイベントも定期的に開催している。

こうした接点を活用し、「顧客と販売者という関係性を超えた関係を構築することで他社との差別化を進めたい」(宮本執行役員)。神戸市内にある「デザイン・クリエイティブセンター神戸」内に同社のスペースを展開しており、イベント開催などを実験的に行っている。今後は、積極的に顧客との交流会やセミナーといったイベントを開催していくという。

衣料品事業についてはこれまでとは立ち位置を変える。具体的には「衣料品だけを販売するようなブランドから脱却し、『フェリシモ的な価値観』を世の中に訴えるにはどうあるべきかという原点に立ち返る」(同)。例えば主力ブランドの「イディット」であれば、「AかBを選びなさい」と言われてきた女性たちに対して「AとBを両方選ぶ生き方もある」と提案していくのだという。「イディット的な服」を販売するだけではなく、「イディット的な旅行」や「イディット的なオフの楽しみ方」など、ファッションアイテム販売以外のサービスを展開しながら、「イディット的な価値」が楽しめるクラスターに育てる狙いだ。

フェリシモの主力アパレルブランド「EDIT(イディット)」
主力ブランド「EDIT(イディット)」

事業整理はしない

近年、大規模な事業整理を進める総合通販が出てきているが、宮本執行役員は「そうした考えはない」と断言する。すでにこの数カ月、離脱顧客が想定より少ないトレンドが続いており、これは「クラスター戦略が部分的に機能してきた成果ではないか」(宮本執行役員)。ようやく売り上げの下げ止まりがみえてきたようだ。

自前主義で事業を進めてきた同社だが、今後はM&Aや他社との提携も積極的に行う。宮本執行役員は「新しいクラスターの種になりそうな事業を手掛ける企業、サブスクリプション(定期)型のビジネスモデルを手掛ける企業、特定のテーマで一定の顧客を抱えるメディアやコミュニティーサービスを手掛ける企業、海外販路の開拓に役立つ企業という4つの切り口から検討したい」と話す。

同社では、クラスターを500個作ることを目標としているが、現段階でのクラスターは約20個。自社だけで500のクラスターを作るのは困難なため、外部との連携に活路を見出す。同社では、培ってきたノウハウやインフラなどを活用した支援事業を新規事業として立ち上げており、最初は同社の機能を外部企業に開放して使ってもらい、その後は一緒にクラスターを作っていく、と段階を踏んで協業を進めていくという。

また、現在のターゲットである30~50代女性向けだけでは限界があることから、新たな顧客層開拓も進める。すでに、若者向けのファッションブランドとして「MEDE 19F」を立ち上げているほか、シニア層向けファッションも強化する方針。加えて、マタニティーの領域も重要視しており、幅広い年齢層をカバーすることでライフタイムバリューの向上を図る。また、海外向け事業についてはパートナーを探している段階だが、それ以外でも越境ECを強化する。

クラスター1個あたりの売上高は10億円程度を想定している。クラスターの数を増やすことで、売り上げを積み重ねていく状況を作るのが目標で、宮本執行役員は「そうなれば結果として業績も成長軌道に乗るのではないか」と語る。

紆余曲折を経て、「ニッチ分野」における顧客との関係性強化に活路を見出すフェリシモ。独自の世界観に基づく商品にはかねてより定評があるが、継続率低下に悩んできた経緯があるだけにMD改革をどれだけスピード感を持って進められるかがカギになりそうだ。

【宮本執行役員に聞く今後の戦略】「得意な領域に時代がシフト」“2次拡散”で新規獲得

今後のクラスター戦略などを宮本孝一執行役員に聞いた。

フェリシモの宮本孝一執行役員
宮本孝一執行役員

――今後の方向性について。

規模を追い求める経済は終わったと思う。今後重要になってくるのは関係性を重んじた経済であり、顧客とどれだけ継続的に付き合えるかが生命線になる。現に、ネット動画サービスなどを中心に、サブスクリプション型のビジネスモデルがどんどん出てきている。当社はコレクションというスタイルで、こうしたビジネスを昔から手掛けてきた特殊な通販会社だ。当社が得意な領域に時代がシフトしてきているという感覚を持っている

――コレクションを重視する戦略に戻す。

「当社の売上高がこの10年、シュリンクしていた理由の一つとして挙げられるのが、カバーしている領域が狭くなっていったことだ。例えば、売上高が大きかった頃は子供服の分野が非常に強かったし、フェアトレード商品を扱う事業をやっていたり、左利きの人向け事業があったり、さまざまな領域をカバーしていた」

「現状の当社はカバーしている領域が以前に比べるとかなり狭くなっている。それを、これから新しいクラスターをどんどん作っていくことで、もう一度『面』を広げていきたい

――新規顧客の獲得策は。

「これまで通りカタログとインターネットが中心となるが、加えて考えていきたいのが2次拡散、つまり顧客から発信してもらうことだ。顧客に参画してもらい、その後に発信したくなるようなコンテンツが必要になるだろう。最近は従来型の広告メディアの反応が悪くなっており、届かない領域が増えている。そこを個人のSNSなどを使った2次拡散で埋めていく。猫部の商品などはSNSでも非常に人気があるが、まずは認知してもらうことが重要で、そこから長期的につながることができる関係性を育んでいきたい」

――衣料品の主力ブランド「イディット」について。

「『家庭か仕事か』など、いちいち選ぶ必要はない。『本当は両方選びたい』と思っている女性が生きやすい社会を作ろう、というのがイディットのフラッグだ。ファッションアイテム販売以外のサービスも展開したい」

「一貫した価値の中で事業の収益モデルを広げていく。フラッグが不透明だと価格競争だけになり、当社に勝機はない。フラッグを確立するのはもちろんのこと、ユニークであること、顧客から見て本気であると分かってもらえることも重要だ。クラウドファンディングなども活用しながら、顧客に参画してもらい、ブランドから生まれる価値観に基づいた社会を作っていきたい

――今後のクラスター戦略は。

「クラスターの数を増やすことで売り上げを積み重ねていく状況を作るのが目標で、結果として業績も成長軌道に乗るはずだ。ただ、あまり無理にクラスターを拡大するのは良いことだとは思っておらず、ビジネスのことだけを考えて投資していくのは、すでにあるコミュニティーを破壊することにつながる可能性がある。クラスターに属する顧客のことを考えて、そのスペースを守るためのマネージをすることが大切だと思う」

通販新聞

6/1福岡開催。アンファー、ふくや&オイシックスドット大地、越境ECモール「ドコデモ」成功事例など全7講演

7 years 7ヶ月 ago
本イベントのお申込受付は終了いたしました。
多数のお申込ありがとうございました。
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ファン作り、ブランディング戦略など顧客コミュニケーションを学ぶ1日

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ネットショップ担当者フォーラム、Web担当者Forumでは、地域におけるeコマース市場の現状と課題を把握し、その方策を導くため、「ネットショップ担当者フォーラム&Web担当者Forumミーティング2018 in 福岡」を開催します。

基調講演
「スカルプD」で知られるアンファーのダイレクトマーケティング戦略とは
講師
アンファー株式会社
マーケティング本部
本部長
吉田 南音
株式会社アンファー
特別講演
国内拠点型の越境ECモール 「ドコデモ」 出店企業の成功事例を一挙公開!
講師
株式会社ベガコーポレーション
ドコデモ事業部マーケティンググループ
グループマネージャ
川井田 将城
株式会社ベガコーポレーション
パネルディスカッション
通販・EC戦国時代を勝ち抜くための策&生き残り策(オイシックスドット大地、元JADMA柿尾、ふくやが登壇)

パネリスト

  • 株式会社ふくや
  • システム業革プロジェクト
  • 部長
  • 平山 高久
株式会社ふくや
  • オイシックスドット大地株式会社
  • アライアンス/グローバル本部
  • マネージャー兼ファウンダー
    (カラビナテクノロジー株式会社 代表取締役社長)
  • 福田 裕二
オイシックスドット大地株式会社

モデレータ

  • 合同会社柿尾正之事務所
  • (元公益社団法人日本通信販売協会理事)
  • 柿尾 正之

今回の基調講演は、LINE@やLINEショッピングなど、LINEを使った顧客とのコミュニケーションをテーマにLINE藤井執行役員が登壇。

ゼネラルセッション、クロージング講演では、フェリシモのファン作り、Twitterビジネス活用、ヤッホーブルーイングのブランド戦略など顧客コミュニケーションについてさまざまな角度からお話いただきます。

そのほかにも、ECサイトの成功事例、CRM戦略、解析、決済、アプリについて講演など盛りだくさんの内容でお届けする1Dayセミナーです。

ネット通販、デジタルマーケティングに関わる全ての方にお役立ちの情報満載です。 あなたも、お知り合いをお誘い合わせのうえ、ぜひご参加ください。

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ご来場プレゼント

ご来場プレゼント1

参加者の方にはアンファー株式会社提供によるDou AS10、Danhoru、Johorichのサンプル商品ををご用意しております。
数に限りがありますので、お早目に会場にお越しください。

Dou AS10
Dou Danhoru
Dou Johorich

ご来場プレゼント2

当日、主催者アンケートにお答えいただいた方に下記をお渡しします。

EC物流最前線 送料値上げ時代を勝ち抜くためのヒント20選

  • 発行:インプレス
  • 発売:2017年10月31日
  • 定価:本体1,350円+税
EC物流最前線 送料値上げ時代を勝ち抜くためのヒント20選
スポンサー
  • アマゾンジャパン合同会社
  • 株式会社プラスアルファ・コンサルティング
  • 株式会社ヤプリ
  • 株式会社ロックオン

開催概要

イベント名
ネットショップ担当者フォーラム&
Web担当者Forumミーティング2018 in 福岡
日時

2018年6月1日(金)
セミナー:11:30~18:00(受付開始11:00)
懇親会 :18:30~20:00  ※有料

場所
福岡県福岡市中央区天神2丁目5-55 アーバンネット天神ビル 5F(地図
交通アクセス
西鉄福岡(天神)駅から徒歩2分
地下鉄空港線天神駅から徒歩5分
地下鉄七隈線天神南駅から徒歩5分
JR博多駅から天神まで地下鉄で5分
福岡空港から天神まで地下鉄で11分
天神バスセンターから徒歩3分
参加費
セミナー(事前登録制)
主催
株式会社インプレス ネットショップ担当者フォーラム
協賛企業
  • アマゾンジャパン合同会社
  • 株式会社プラスアルファ・コンサルティング
  • 株式会社ヤプリ
  • 株式会社ロックオン
特別協力
  • 九州ECミーティング
  • 一般社団法人ウェブ解析士協会
  • 一般財団法人ネットショップ能力認定機構
定員
120人
このページのURL https://netshop.impress.co.jp/event/201806fukuoka
お問い合わせ
株式会社インプレス イベント事務局
TEL:050-3356-0787
受付時間 10:00~18:00(土・日・祝日を除く)

タイムテーブル※講師・講演内容は予告無く変更される場合があります。予めご了承ください。

11:30~12:20
基調講演
「スカルプD」で知られるアンファーのダイレクトマーケティング戦略とは
講師
アンファー株式会社
マーケティング本部
本部長
吉田 南音
吉田 南音
セッション概要

「スカルプD」をはじめ、健康食品、サプリメントなど予防医学にまつわる商品を発売しているアンファー。

印象的なCMを行う一方で、2017年アンファーが注力したのが、ダイレクトマーケティング、CRM、顧客とのコミュニケーションです。

・リピート率をどうやって引き上げたのか
・定期購入してくれる顧客をどのように獲得し、育成していったのか
・アンファー製品にロイヤルティを持ってくれるファンをどのように作っていったのか

マスプロモーションとダイレクトマーケティングを融合させた戦略をご紹介いたします。

プロフィール

東海大学卒業後、2010年にアンファー株式会社に入社。
入社後、広告、ECサイト、CRM、モール、マーケティングの部署を経験。
2017年4月に部長に就き、ブランド、WEB、コールセンターの統括を行っている。

内容レベル

大規模店舗向け、中規模向け、小規模店舗向け

内容のレベル感への補足

小規模店舗の方、モール店舗の方の参考にもなると思いますが、商品力のある企業の顧客とのコミュニケーション作りに関心がある方向けです。

参加対象者

Eコマースを運営するマネージャークラスの方、そのマネージャーの右腕となる方

受講するメリット

顧客とのコミュニケーション、組織作りに課題を持たれている方、リピート率をあげる施策を考えられている方にとって参考になる内容です。

続きを読む
12:30~13:10
ランチセッション軽食をご用意しています。
成長するECサイトが続々とアプリを導入する理由とその効果
株式会社ヤプリ
講師
株式会社ユーザーローカル
取締役COO
渡邊 和行
渡邊 和行
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13:20~14:00
講演1
Amazon Payが実現する買いやすいECサイトの事例とコネクテッドコマースの世界
講師
アマゾンジャパン合同会社
Amazon Pay事業本部
営業部 部長
成田 建介
成田 建介
セッション概要

「Amazon Pay」はAmazon以外のEコマースサイトでもお客様がAmazonアカウントで簡単にログインし、お支払いできるサービス。
導入ECサイトでは新規会員獲得やコンバージョン率の改善などにその効果が表れています。
本講演では「Amazon Pay」の導入メリットや最新の導入事例をご紹介します。
また、オンラインだけでなく実店舗やAlexaを使った音声での決済におけるAmazon Payのソリューション=コネクテッド・コマースの世界もご紹介します。

プロフィール

2007年11月アマゾンジャパン株式会社入社。セラーサービス事業本部にて、Amazonマーケットプレイスの事業者様へ向けたサポート業務を担当。
2016年よりAmazon Pay事業の営業責任者として、「Amazon Pay」の日本での拡大をリードし、現在に至る。

内容レベル

大規模店舗向け、中規模向け、小規模店舗向け

参加対象者

自社ECサイト運営責任者・運営担当者、ソリューションプロバイダー、ECサイト開発者

受講するメリット

最新の決済サービスに関する情報が得られる、EC売上向上のヒントが得られる

こんなニーズや悩みにこたえられる内容です

新規顧客獲得、コンバージョン率向上

続きを読む
14:10~14:50
特別講演
国内拠点型の越境ECモール 「ドコデモ」 出店企業の成功事例を一挙公開!
講師
株式会社ベガコーポレーション
ドコデモ事業部マーケティンググループ
グループマネージャ
川井田 将城
川井田 将城
セッション概要

2017年6月にプラットフォーム機能を公開して以降、導入企業が増加中の越境ECモール。商品数は約6万点、アプリDL数は世界46万を突破し毎月成長中。出店企業では月商3,000万円を突破した店舗が誕生、更に月商1000万円を突破する店舗がここ数か月で続出した。モール全体としての海外マーケティング手法ならびに出店社とともに行った海外販売施策を本セッションを受講頂く皆様に役立つようにご説明させて頂きます。

プロフィール

2007年 明治大学政治経済学部卒業後、 国内某大手広告代理店、データマーケティングの大手コンサルティング会社を経て、webマーケティングの集客から売上構築、引いては組織開発等、多岐に渡るコンサルティング実績を持つ。2015年4月より、株式会社ベガコーポレーションにて、越境ECモール事業のドコデモを立上げ、成功に向け、世界を相手に多国籍のメンバーと共に日々奮闘中。

内容レベル

大規模店舗向け、中規模向け、小規模店舗向け、モール店舗向け、 その他

内容のレベル感への補足

EC事業者様向けの内容をメインにご説明させて頂きます。

参加対象者

海外販売を検討中のメーカー様 小売業様

受講するメリット

海外向けの販路拡大・マーケティングレベル強化の施策検討中の方々へお役に立つ内容となります。

続きを読む
15:00~15:40
講演2
成長通販450社から学ぶ、収益UPのためのCRM活用術
~最先端のアパレル、化粧品通販事例を大公開~
講師
株式会社プラスアルファ・コンサルティング
執行役員 カスタマーリングス事業部 副事業部長
山崎 雄司
山崎 雄司
セッション概要

ECが成長するために、顧客を知り、顧客に響く施策を実践する「CRM戦略」の強化は必須です。
本講演では、成果を出すための「CRM戦略」について、国内トップとなる成長通販400社の実績がある最新CRM/MAツール「カスタマーリングス」のデモを交え、LINEやWeb接客、オムニチャネル展開など最新のMA活用事例を解説します。

プロフィール

大学卒業後、大手テレマ会社を経て2011年株式会社プラスアルファコンサルティング入社。
一貫してCRMの推進をライフワークとし活動を続けており大手から中小にわたる様々な企業向けに電話やwebによるマーケティング支援/CRMプロジェクトを経験。
そのノウハウを生かし数多くの通販企業向けに、データマイニング/テキストマイニングなどIT技術を駆使したデータ活用から、マーケティング現場の付加価値を向上させるMAツールの企画・推進に従事している。
また、オウンドメディアにおいて、「マーケティングオートメーションLAB」として業界トレンドも執筆中。

内容レベル

大規模店舗向け、中規模向け、小規模店舗向け、モール店舗向け、 その他

続きを読む
15:50~16:30
講演3
業界シェアNo.1のアドエビスが語る「マーケター1,000人への調査で判明したWebプロモーションのリアルシリーズ 2018 Spring~広告費が“増えた”企業と“増えない”企業の決定的な違いとは?~」
講師
株式会社ロックオン
マーケティング部
部長
デ スーザ・リッキー
デ スーザ・リッキー
セッション概要

広告効果測定市場で圧倒的シェアNo.1(42.9%、2017年度予測)*を誇るアドエビスがマーケターに調査する「リアル」シリーズ第2弾。今回の調査では「広告費が3年前と比較して増えたグループ」と「増えていないグループ」で集計し「差」を分析。結果、明日から使えるかもしれない「大きな違い」を発見するに至りました。数字は会場のみの公開となっております。ぜひ、ご聴講ください(*出典:ITR「ITR Market View:メール/Webマーケティング市場」広告効果測定市場:ベンダー別売上金額シェア)

プロフィール

Web制作会社でディレクター/企画営業の経験を4年積んだあと、特定企業のブランディングを行うため大手通信企業に転職。通算10年以上のマーケティング実務経験を持ち、同社在籍時にはWeb経由獲得数を数倍に伸長させた。2017年3月より株式会社ロックオンに参画し、アドエビスのマーケティングに従事。複数の担当業務で前月比150~700%成長を記録。6月より現職。

内容レベル

大規模店舗向け、中規模向け、小規模店舗向け

続きを読む
16:40~18:00
パネルディスカッション
通販・EC戦国時代を勝ち抜くための策&生き残り策(オイシックスドット大地、元JADMA柿尾、ふくやが登壇)
パネリスト
株式会社ふくや
システム業革プロジェクト
部長
平山 高久
平山 高久
プロフィール

1990年株式会社ふくや(福岡市博多区に本社を置く、辛子明太子の製造メーカー)に入社。
主に通信販売・商品企画・システム企画を担当し、現在に至る。
公益社団法人日本通信販売協会(JADMA) 理事・単品通販部会 部会長

パネリスト
オイシックスドット大地株式会社
アライアンス/グローバル本部
マネージャー兼ファウンダー

カラビナテクノロジー株式会社
代表取締役社長
福田 裕二
福田 裕二
プロフィール

1995年に株式会社ニッセンへ入社。2000年よりeコマースに携わり、ニッセンオンラインの売り上げを27億円 → 300億円まで牽引。2009年にOisixに移る。EC事業本部副本部長として新規獲得とLTV向上を推進。リクルートとのJVである、ごちまるを立ち上げ、その後人事室長、ソリューション事業部副部長として他社ECをコンサルティング。

2015年から、オイシックスを兼務しつつ、カラビナテクノロジー株式会社を立ち上げ。システム開発をメインに現在30名体制で、ECのシステム受託開発を行っている。

好きなことは、新規立ち上げ。これまでにやったことないことするのは大好き。あとはお酒。塩をツマミに飲む派。

モデレータ
合同会社柿尾正之事務所
(元公益社団法人日本通信販売協会理事)
柿尾 正之
柿尾 正之
プロフィール

マーケティング会社にて小売業・外食産業等のリサーチ・コンサルティング業務に従事。
1986年4月、公益社団法人日本通信販売協会(所管:経済産業省)に入局。
おもに調査、研修業務を担当。主任研究員、主幹研究員を経て、理事・主幹研究員。2016年6月、退任。
現在、企業顧問、社外取締役。関西大学大学院商学研究科、東京国際大学商学部講師(非常勤)。
日本ダイレクトマーケティング学会理事。著書に「通販?不況知らずの業界研究?」(共著:新潮社)等多数

内容レベル

大規模店舗向け、中規模向け、小規模店舗向け

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高嶋 巌

セミナー「アフィリエイターを味方につけて売上を拡大する集客方法」5月17日 東京・墨田区

7 years 7ヶ月 ago

5月17日、墨田区の国際ファッションセンターで「アフィリエイターを味方につけて売上を拡大する集客方法」が開催される。

アフィリエイト広告の使い方やネットショップ担当者がやるべき運用施策、アフィリエイターとの付き合い方など、元運用担当者でありASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダ)担当者の経験を持つ鈴木氏が、事例と体験を交えて売上拡大につながるコツをレクチャーする。

開催概要
  • 第82回月例勉強会 鈴木珠世氏セミナー「アフィリエイターを味方につけて売上を拡大する集客方法」
  • 2018年05月17日(木)18:30~20:30
  • 会場:東京都墨田区横網1丁目6番1号[地図
  • 受講料:4,000円(会員)、6,000円(一般) ※共に税込
  • 定員:24名
  • 主催:国際ファッションセンター株式会社
詳細・申し込み
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カスタマイズもできる定期購入システム「たまごリピートNext」、3か月無料のキャンペーン

7 years 7ヶ月 ago

定期購入に特化したショッピングカート「たまごリピート」を提供するテモナが、カスタマイズも可能な新たな定期通販用ショッピングカート「たまごリピート Next」の3か月無料提供キャンペーンを始めた。

2018年5月1日から2018年5月31日の期間に「たまごリピートNext」を申し込んだ顧客が対象。

「たまごリピート Next」は定期購入、頒布会、ステップメール、ページ一体型購入フォーム、電話受注システムといった機能を実装。既存製品「たまごリピート」では対応できなかった通販における課題を解決するため、新システムとして2018年4月にリリースした。

APIによりCRMや倉庫など外部システムと連携が可能で、画面や機能などを個別にカスタマイズできる。年商100億円以上の事業者にも対応する。

「たまごリピート Next」の連携イメージ

「たまごリピート Next」のAPI連携イメージ

既存の「たまごリピート」は今後数年で順次「たまごリピートNext」に移行・統合する。既存製品からデータを移行する際は、テモナが提供する移行専用ツールを使う。

テモナでは、今後も各種特別キャンペーンを継続して企画するとしている。

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、現在に至る。EC業界に関わること約13年。日々勉強中。

瀧川 正実

楽天の国内EC流通総額は11%増の8576億円【2018年1Qまとめ】

7 years 7ヶ月 ago

楽天の2018年1~3月期連結業績(第1四半期)における国内EC流通総額は、前期比11.4%増の8576億円だった。成長率は前年同期(2017年1~3月期)と比べて1.3ポイント減少した。

楽天の

国内ECの流通総額推移(画像は編集部がIR資料からキャプチャ)

国内EC流通総額は「楽天市場」「楽天トラベル」「楽天ブックス」「楽天マート」「楽びん」「フリル」「ラクマ」などのほか、楽天ダイレクトなどの流通額を合算した金額。

2016年にスタートした「スーパーポイントアッププログラム」(SPU、エントリー不要でポイントを最大7倍付与する施策)への参加サービスの拡充(Rakutenブックス、Rakuten BRAND AVENUEなど)といった施策が、流通総額の伸長につながったとしている。

楽天の河野奈保氏(常務執行役員兼ECカンパニー プレジデント)は「SPUによって休眠ユーザーが再び楽天のサービスを再び使うようになった」と説明。休眠顧客の掘り起こし、LTV(顧客生涯価値)の向上にも寄与しているとした。

「スーパーポイントアッププログラム」(SPU)でサービス間の利用が加速

「SPU」施策によって他サービスとのシナジーが生まれたとうい(画像は編集部がIR資料をキャプチャ)

人気ブランド500以上を取扱う楽天のファッション通販サイト「Rakuten BRAND AVENUE」の流通総額が同37%増と高成長を維持していることも要因。

なお、国内ECの営業利益は164億円で前年同期比8.3%減だった。楽天ダイレクトなどの直販事業、CtoC事業の「ラクマ」で実施している手数料無料施策といった戦略投資がマイナス要因。

楽天は直販ビジネスの拡大を進めている

楽天は直販ビジネスの拡大を進めている

「楽天市場」の流通総額に占めるモバイル比率(スマホ、タブレット、フィーチャーフォンの合計)は66.5%で前年同期比3.7ポイント上昇した。

2018年3月末時点の楽天市場の出店店舗数は、前年比1258店舗増の4万5860店舗。楽天カードの決済比率は拡大基調で、55.8%だった。

楽天市場流通総額における楽天カード決済比率

「楽天市場」の流通総額における楽天カード決済比率(画像は編集部がIR資料からキャプチャ)

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、現在に至る。EC業界に関わること約13年。日々勉強中。

瀧川 正実
確認済み
1 時間 10 分 ago
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