Xのアルゴリズムに踊らされるな! 2025年後半戦、狙うターゲットに届く投稿とは?

こんにちは。Webコンサルタントの森和吉です。
急速に変化する時代のなかでも、特に流れが早く激しいSNS界隈。特に「X」に関しては、「X」と名が変わった2023年頃から激動ともいうべき変化をし続けています。2025年でもすでに3月と5月に「アルゴリズムが変わったな」と感じた瞬間がありました。
「あれ? フォロワー数がガクンと減った」「アカウントが急にBANされた」……みなさんもそんな経験があることでしょう。そのたびに、新たなアルゴリズムを何とか調べて、投稿内容を路線変更する。しかしまたすぐに上がったり下がったり……そんなことを繰り返してきたはずです。
しかし、ここでハッキリと言わせてください。もうアルゴリズムに踊らされるのはやめましょう。なぜなら、アルゴリズムだけにとらわれていると、投稿の質が低下して「集客」や「ブランディング」といったSNSを行う本来の目的を叶えられないおそれがあるからです。
「えっ? 目的を叶えるためにアルゴリズムを意識する必要があるんじゃないの?」と思ったみなさん。なぜアルゴリズムに踊らされてはいけないのか? 本当に質の高い投稿、狙ったターゲットに見てもらえる投稿をするには、どうすればいいのか? これらについて、今回は解説していきたいと思います。
アルゴリズムよりも大切なこと
私が、アルゴリズムに踊らされてはならないとお伝えするのには、大きく分けて2つの理由があります。
出回る情報の信ぴょう性が低い
1つ目は、出回る情報の信ぴょう性が低いことです。Xをはじめ多くのSNSは、アルゴリズムアップデートについて匂わせ程度はしても、詳細な内容は発表しません。その背景にはおそらく、「最新アルゴリズムのノウハウを販売します」といった、アップデートを食い物にしたビジネスが増えるからだと推測しています。
つまり、世の中に出回る「今回のアップデートはこういう内容で、こうすればいい」といった情報の多くは憶測や人伝いの信憑性に欠ける内容だったり、「どうしても情報が欲しい」という人につけこんだ、ビジネス目的のデマだったりする可能性もあるのです。それらをすべて信じ込んで方向性を見直していくのは、非効率と言えるでしょう。
情報の賞味期限が短い
2つ目は、情報の賞味期限が短いことです。特に最近のXはアップデート頻度が高く、たとえ「これだ!」という攻略法を見つけても、すぐに新しいアルゴリズムに切り替わってしまいます。
昨年12月にXに関する記事「 X(旧Twitter)の利用規約改定「中身のない」アカウントが次々閉鎖…その背景とねらいを考える」を書きましたが、当時「これがよい」と言われていたことの多くが、半年足らずで真逆というほど変わってしまいました。その一例をご紹介しましょう(なお、これらは2025年5月中旬現在、NGとなっているテクニックです)。
自分の投稿のリポストを1日1回は行う:リポストはフォロワーに通知がいくため、固定ツイートより閲覧されやすいことから、多くのアカウントが実践していたテクニックです。実際私のアカウントも、この方法で閲覧数が増加していました。しかし、現在は「閲覧数稼ぎの行為」として評価が下がる傾向にあります。
挨拶ツイートも積極的に行う:この技もユーザー交流の1つとしてよいとされ、「おはようございます」「こんばんは」など今も続けている人が多いと思います。ですが、現在これらは「内容のない投稿」ととらえられています。いいねやインプレッション数の増加を狙った投稿は、以前と比べると評価につながらない印象です。
短文が読まれるのか? / 長文が読まれるのか?:昨年末あたりは「長文投稿が読まれる」という潮流でしたが、今年に入るとその流れは「短い方が読まれる」に変わり、春以降は再び長文が評価される流れになっています。つまり、頻繁にトレンドが入れ替わっているのです。
こうした事実が何を意味しているか? そうです、数稼ぎのための無意味な投稿ではなく、「内容のある質の高い投稿」が求められているのです。そのためには、コロコロ変わるアルゴリズムに流されるよりも、自分が一番伝えたいことを伝える。ここに尽きると感じています。
とはいえ「アルゴリズムに踊らされるな」とは言いつつも、トレンドを意識しておくことは大切です。ただし、そのトレンドはとても賞味期限が短いこと、そしてそれよりも重きを置くのは投稿の質だということは知っておいていただければと思います。
Xに評価される、本当に質の良い投稿とは?
これまでのSNSを振り返ってみれば、そもそも長文であろうと短文であろうと、ブログであろうとXであろうと、いつの時代も一貫して評価される(そして閲覧される)のは、発信者ならではの体験や考え、専門的な知識、正しい情報などでした。
たとえばセミナー講師なら、自分の思い、得てきた知識、経験などを語ることで、「この人は信用できる」「もっと話を聞いてみたい」と思った人がDMや問い合わせのリンクをクリックしますよね。SNSもそんな「原点回帰」ともいうべき、誰かのためになる有益な発信が評価される時代になっていると感じています。
特にAIが普及している昨今、小手先のSEOキーワードを入れ込んだコンテンツはいくらでも作れます。だからこそ、「その人だからこそ語れること」の価値がより高まっているのだと思います。
また、そうした発信は、ターゲットに間違いなく投稿を見てもらうためにも重要です。なぜなら、現在多くのSNSがユーザーの特性や興味をAIで判断し、その人にマッチした投稿を優先的に表示させる仕組みとなっているからです。
たとえば、半年ほど前までは効果的とされていた、挨拶投稿やランチ投稿。現在は、あまり頻繁に投稿すると評価が落ちるだけでなく、AIによって「グルメ好き」「交流好き」のアカウントと判断され、本来届けたいジャンルのユーザー層に表示されにくくなる恐れもあるのです。狙ったユーザーとつながりたいのであれば、ジャンルのブレない投稿も非常に重要です。
さらに、昨今はアルゴリズムがコロコロ変わり、その度にたくさんのアカウントが容赦なく停止されていますよね。1万人以上いたフォロワーが1,000人近く減るなんてこともザラで、旧Twitter時代にただ数字だけを追い求めて増やした、いわゆる“意味のないフォロワー”斬りも加速しているように感じます。
私個人の憶測に過ぎませんが、これは「みんなが本当に有効活用できるプラットフォーム」といったSNSの本質を導き出すためのイーロン・マスク氏の思惑なのかもしれません。実際、これまで多くのSNSが誕生してきましたが、Xのような影響力のあるSNSはなかなか出てきません。この事実がすべてを物語っているのではないか、とまで感じています。
AI活用も広告活用も◎。SNSは見られてこそ意味がある!
最近は、「SNSの投稿文をAIで作成するのはアリですか?」といった質問もよく受けます。私の回答は、「上手く活用するならアリ!」です。たとえば、自分の体験や専門性をプロンプトのベースにして、ターゲット特性などを学習させた上で制作したものであれば、AIでもオリジナリティが出せるでしょう。
制作スピードもアップしますし、誤字脱字や表現誤りの指摘など校正能力は人間よりも精度が高いです。きちんと使いこなせるなら、むしろ活用すべきとすら思っています。私も、自分で作った投稿のチェック機能として使っています。
一方で、無課金のAIツールに「Xの投稿文を作って」などと依頼したような文章をそのまま使うのはNGです。独自性や専門性に欠けるのはもちろん、見た人はAIが作ったとすぐわかってしまうでしょう。それは評価を下げてしまう原因にもなります。AIがダメなのではありません。大事なのは「使い方」なのです。
もうひとつよく聞かれるのが「Xの投稿拡散のために広告を出すのはどう?」という質問ですが、これも私は「アリ」だと思っています。ターゲットにマッチしたフォロワーを増やすにも、認知を広げるにも、いかに自分の投稿を見てもらえるかが鍵となります。たとえ1日500円程度でも無課金の投稿よりは、課金した投稿の方が閲覧者は増えるでしょう。
さらに投稿内容の質が高ければ、より高い効果が期待できます。反応がよかった投稿は、Threadsなど、他のSNSでも横展開しましょう。プラットフォームによって、リーチするユーザー層、ユーザー数にも違いがあるはずだからです。
アルゴリズムにもAIにも踊らされない、独自性、専門性の高い投稿を!
今回は、主にX運用においてのアルゴリズムとの向き合い方、Xの評価やターゲットの閲覧数をアップさせるために意識したい投稿内容、AIや広告の活用方法などについて解説しました。
この先、XをはじめSNSでどのような動きがあるのかは読めませんが、より独自性、専門性を入れ込んだ投稿が求められるのは、ほぼ間違いないのではないかと思います。
それと同時に意識したいのは、「AIにどう評価してもらうか」です。SNS運用では長らくSEOが主流でしたが、最近は必要な情報をAIツールで検索する人も増えてきたことから、「AEO(応答エンジン最適化)」も重視されています。つまり、AIが回答を生成する際に選ばれやすい情報を整備するのです。
たとえば私の場合、「Web集客コンサル」などのキーワードを含んでAI検索すると高い確率で自社の名前が表示されます。この仕組みは、アルゴリズム同様、どうやったら表示率が高くなるのかは公開されておらず、何が正解かはわかりません。しかし、ホームページやSNSを通した、専門的で正しく真っ当な情報発信の積み重ねが重要視されていると感じます。このあたりもぜひ意識してみてください。
今回は「Xのアルゴリズムに振り回されるな!」というタイトルでお話ししてきましたが、そうはいっても日々の投稿に追われていると意外と手軽な挨拶投稿やランチ投稿などが増えてしまうと思います。
この機会に今一度、ご自身の投稿内容を振り返ってみていただければと思います。
ソーシャルもやってます!