プロダクトマネージャーが『レビュー』を語る!第6回:商品レビュー運用のコツ - ネガティブレビュー編 -
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こんにちは!NaviPlusレビュー プロダクトマネージャーのOakuです。
前回は、商品レビューの効果を最大化させるコツ- 収集編 -についてご紹介させていただきました。
収集施策をするとしないとでは、商品レビューの集まり方に差が出るという声をよく聞きます。
ぜひ、サイトにあった収集施策を検討してみてくださいね。
今回の記事からは前回までとは打って変わり、『運用のコツ』に焦点を当てています。
商品レビューを導入する際にネックとなるのが、運用していれば必ず遭遇するネガティブレビューの存在。
ブランドのイメージや炎上リスクなどを考えると、対応に慎重になってしまいますよね。
そんなネガティブレビューですが、思ったより怖い存在ではないかもしれません。
むしろ、ECサイトにとって大切なある2点を向上させてくれる可能性も…?
今回は、ネガティブレビューの実態とその対応方法についてご紹介します。
ネガティブレビューの実態
商品レビュー導入の際に、まず頭を悩ませるのがネガティブレビュー。
「悪いコメントをたくさん書かれたらどうしよう…」と不安な気持ちはありませんか?
しかし、多くのECサイトではそこまで懸念することはありません。
なぜなら、ネガティブレビューが投稿される割合は非常に少ないからです。
実は、ネガティブレビューが投稿される数は少ない
★1、★2のレビューの割合は約6.5%
NaviPlusレビュー全体でのとある期間の投稿状況のグラフをご覧ください。
こちらは、通常の商品レビューでよく星マークなどを使って用いられている5段階の総合評価別レビュー件数の割合です。
総合評価1のレビューが赤・2のレビューが黄色で示されますが、その二つの割合がとても少ないことがわかります。
★1、★2のレビューの割合は約6.5%と少なく、ほとんど★4や★5のポジティブな評価のレビューとなっていました。
中には、ネガティブな評価のレビュー割合が2%を切るECサイトも。
ネガティブな評価のレビュー割合が6.5%より高いECサイトもありますが、そういった場合でもレビュー投稿件数の6割以上をポジティブな評価のレビューが占めていることがほとんどです。
内容がネガティブと判定される商品レビューは約1割
また、総合評価の数値だけではなく、レビューの内容を感情分析した場合もネガティブなレビューの割合が少なくなりました。
以下は、レビュー本文の内容がポジティブなものかネガティブなものかを判定するNaviPlusレビューの感情分析機能を用いて、その割合を表したものです。
(NaviPlusレビューでは感情分析を元にレビューを自動で公開・非公開にするルールを設定できたり、管理画面で感情分析の結果を確認することができます。詳細はまた次回の記事でご紹介しますので、お楽しみに!)
ポジティブな内容のレビューが71.4%と半数以上を占めています。
ネガティブな内容のレビューは12.6%ほどとなっており、多くのユーザが好意的なレビューを投稿してくれているということがわかりました。
ネガティブレビューの投稿数の実態は、いかがでしたか?
好意的なレビューの割合が高く、ネガティブなレビューの割合はとても少ないという結果に安心された方も多いのではないでしょうか。
この2つの調査結果により、ネガティブレビューの数を想定する場合は月に書き込まれる商品レビュー数のおおよそ1割弱ほどの数が目安になりそうです。
レビューの運用工数を算出することがあれば、ぜひ参考にしてみてくださいね。
ネガティブレビューにもプラスの効果がある
また、意外なことですがネガティブレビューもECサイトにとってプラスに働くことがあります。
それが、【ECサイトの信頼性の向上】と【CVRアップ】の2点です。
ネガティブレビューでECサイトの信頼性が向上
ついつい非公開にしがちなネガティブレビューですが、いいレビューばかり並んでしまうと消費者からの信頼を損ないかねません。
Spigel Research Centerの調査によると、95%の消費者が悪い評価のレビューが全く無いとき偽のレビューの疑いを持つとされています。
また、同調査では68% の消費者は良いレビューと悪いレビューが混在するときにレビューをより信頼するともされています。
昨今ではフェイクレビューのニュースなどもしばしばメディアで取り上げられており、いい評価のレビューばかりだとユーザに余計な心配をさせてしまう可能性も。
レビューの内容を精査する必要は出てきますが、ECサイトの信頼度向上のため不都合なレビューもあえて公開することをオススメします。
ネガティブレビューでCVRアップ
また、ネガティブレビューが購入判断の材料となり、CVRの向上に貢献する場合があります。
値段は安いけど長持ちせず、雨の日に滑ってしまうシューズを例に出してみました。
靴は1年程度で買い換えをし雨の日は専用のシューズを履くこちらのユーザにとっては、ネガティブレビューに書かれた欠点よりもこのシューズのメリット(値段や履きやすさ)が上回り購入に繋がりました。
このように、ネガティブなポイントが十分妥協できるものであった場合、ネガティブレビューが却って購入を後押しする場合があります。
また、ネガティブレビューがCVRを上げる理由のもう1つとして、あえてネガティブレビューを探すユーザの特徴が挙げられます。
ネガティブレビューを探すユーザは購入の意思が固まっており、通販での失敗を防ぐために熱心に調査をします。
ネガティブレビューからその商品が自分のニーズに合うかどうかを判断しているからです。
Revoo社の調査によると、そういったユーザは、サイトに長時間滞在し、商品の閲覧数も他のユーザに比べて4倍も高くなるとされています。
ネガティブレビューの存在はこうしたユーザの購入の後押しをするため、無理のない範囲で公開することをおすすめします。
ネガティブレビューにはこう対応しよう
ネガティブレビューのメリットについてご説明しましたが、商品レビューを初めて導入する場合など、とはいえネガティブレビューが投稿されたらと困ってしまう方も少なくないはず。
そこで、おすすめのネガティブレビュー対応法をご紹介します。
ネガティブレビューは返信コメント付きで公開するとより信頼度UP
ネガティブレビューへのおすすめの対応法は、ズバリ「返信付きで公開する」ことです。
ネガティブレビューを公開することでECサイトの信頼性が向上することは先ほどこちらでご説明しました。
この時にお店から真摯な返信コメントをつけて公開することで、レビューを投稿したユーザだけではなく、レビューを見ているその他のユーザにもその姿勢が伝わります。
実際に、ネガティブレビューに返信コメントをつける取り組みをされているECサイトはNaviPlusのお客様の中にもいらっしゃいます。
また、店舗にとって都合の悪いレビューも公開し、真摯に対応することによって、レビューを見ているその他のユーザからの信頼を得ることにも繋がります。
ネガティブレビューをただ公開するよりも印象がかなり違ってきますので、工数がかかる部分ではありますがぜひ対応を検討してみてください。
商品レビュー対応フローチャート
ネガティブレビューへの対応方法だけでなく、商品レビューの公開・非公開の基準やオススメの対応方法を教えて欲しい!という質問を頂くことがあるため、今回商品レビュー対応フローチャートを作成しました。
細かな部分は各ECサイトの方針で異なると思いますが、ご参考にしていただければ幸いです。
それぞれのフローについて、詳細をご説明します。
公開して活用
公開できるポジティブなレビューの中でも、特に良く書けている優れた内容のものは積極的に活用することをオススメします。
例えば、
- ・ピックアップレビューとして目立つところや商品レビュー一覧の一番トップに持ってくる
- ・メルマガや商品レビュー特集などのコンテンツに利用する
こんな使い方が挙げられます。
(NaviPlusレビューでは、管理画面から簡単にピックアップレビューを選択できる機能があります。ご利用中のお客様で気になる方がいらっしゃいましたら、お気軽にお問い合わせください)
コメントして公開
もし、ユーザが何か誤解していると感じる点があった場合は、その点を修正するコメントをつけて公開することをおすすめします。
謝罪して公開
商品に関する不備など店舗側の非が明らかな場合は、潔くそれを謝罪し今後の再発防止に努める旨をコメントしてレビューを公開することをおすすめします。
公開できない場合は、個別にメールなどでカスタマーサポートの対応をしたほうがいい場合もあるかもしれません。
残念な思いをしたことをわざわざレビューで書いてくれるようなユーザは、対応次第ではまたお店を利用してくれる可能性があります(詳細はこちらの記事をご覧ください)。
また、店舗にとって都合の悪いレビューも公開し、真摯な対応をしていることを見せることによって、レビューを見ているその他のユーザからの信頼を得ることにも繋がります。
まさに、ピンチはチャンスとなり得ることがありますので、こうしたネガティブレビューへの対応にぜひ取り組んでみてください。
個別対応
こちらは、商品に関係のないネガティブレビュー、たとえば配送にまつわる不手際などに関する投稿を想定しています。
通常のカスタマーサポートで対応が必要そうな内容であれば、レビューの返信などではなく個別にメールなどの対応をすることをおすすめします。
このようなレビューを公開する場合は、謝罪の返信コメント付きで公開すると信頼度の向上に繋がります。
また、商品に関係のないレビューについては、内容がポジティブ/ネガティブにかかわらず非公開としているECサイトも多いので、そのような運用に倣うのもいいでしょう。
ネガティブレビューへの対応は悩ましい場合もありますが、商品レビューはユーザとその商品についてのコミュニケーションを実現できる場でもあります。
NaviPlusレビューは、今後そういったコミュニケーションをより促進できるような機能をリリースしていく予定です。
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