マーケター必見!IPウォームアップに関する基礎知識(メルマガ・メールマーケティング入門)
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簡単な自己紹介
デジタルマーケティング情報・ノウハウ発信メディア「MarkeTimes(マーケタイムズ)」(http://marketimes.jp)編集メンバーの上村です。今回はメールマーケティングを企業様で活用するにあたって、見落としがちなIPレピュテーションについての記事を執筆させていただきます。
はじめに
メール配信システムを利用していない企業はないというほどに、浸透しているので言うまでもないであろう。ただしメールをマーケティングツールとして使いこなせている企業、マーケターはどれくらいいるだろうか?著者は、デジタルマーケティングのコンサルタントとして、多くの企業やマーケティング担当者と出会うが一部の大手を覗いてほとんどの企業やマーケターがメールをマーケティングツールとして位置づけていないため効果的なメールマーケティング施策を行う事ができていないのが現状である。本記事では、中小企業〜大企業におけるメール配信システムを導入する際に注意しておかなければならないIPスコアリングについての基礎知識を記載していく。
IPウォームアップとは何か?
IPウォームアップについて米国のWEBマーケティング会社「LIQUID LIGHT」は下記のように定義している。
Warming an IP address is the name given to the process that is used to build a good reputation for your IP address. The process involves sending regular but small email campaigns over a period of time and gradually increasing the volume of emails as ISPs begin to form a positive reputation for your IP address. Once a solid reputation has been gained, you will be able to send out much larger and more regular email campaigns from your IP without ISPs getting in the way.(引用:What is IP warm up)
【翻訳】
IPウォームアップとは、IPアドレスの良い評価を得るのに用いられるプロセスの事を指す。ISP(インターネット・サービス・プロパイダー)がIPアドレスに対してポジティブな評価与えるには、少数のEメール配信数から初めて、徐々に電子メール量を増やすことが必要である。一度IPの高い評価が得られたならば、非常により大規模でより定期的なEメール・キャンペーンを出すことが可能になる。
つまりなんの評価も受けていないIPアドレスから大量のメールを配信しようとすると、ISPのフィルタリングに引っかかってしまい、結果的に想定しているメール配信ができないというリスクが生じる事になる。
大量メール配信にIPウォームアップが必要になるのには理由がある。メールの急速な普及とマーケティングツールとしてのメール配信を導入する企業が増加し、迷惑メールの存在が問題になった。ISP(インターネット・サービス・プロパイダー)やモバイルキャリアは、このような迷惑メールを事前にキャッチアップし、利用者にメールが届く前に、排除してしまおうという流れである。また悪質なメール配信業者に関してはIPアドレスのスコア(評価)を下げ、そのIPアドレスから送信されるメールすべてをISP側でブロックしてしまうなどの対処をするようになった。
【参考】動画:IPウォームアップとは
SendGridの次の動画はIPウォームアップを知るには参考になる動画なのでぜひ見ていただきたい。
https://www.youtube.com/embed/fGvW3hqu380
送信者の評価(レピュテーション)の確認
メールの受信側は、送信者の評価をもとに受信するか否かを決定している。評価(レピュテーション)が低い場合は、迷惑メールフォルダに入ったり、メール自体がブロックされてしまう事もありうる。
まずは自社が利用しているIPの評価をチェックする必要があります。チェックするには下記のサイトでIPの評価を確認する事ができます。
※IPレピュテーションとは:メール送信者(送信元IPアドレス)の信頼度の評価。
Sender Score (Return Path)
世界でもっとも利用者が多いIP評価(レピュテーション)を確認するサイトの一つである。IPごとに1〜100までの評価体系になっており、評価は1日ごとに更新。
Senderbase(Cisco)
IPレピュテーションを3段階で評価。
Reputation Authority(Watchguard)
Sender Scoreとほぼ同じ評価体系。
http://www.watchguard.com/products/reputation-authority.asp
IPレピュテーションは、メール配信ごとに評価されるため日毎や週ごと等、メール配信頻度に応じて定期的に確認する必要がある。評価が高尿すれば、1時間あたりに送信できるメール配信数が増加し、評価によっては配信可能数に数十倍の差がつくこともある。またスコアが高くなれば高くなるほど迷惑メールフォルダへ分類される可能性も低くなる。
IPレピュテーション(送信元IPの評価)を向上させるためには
送信ドメイン認証に対応
送信者のアドレスが正規なものであるという事を証明する技術の事を指す。送信元のなりすましは、現在においても簡単にできてしまうため、送信ドメインの認証設定をする必要がある。SPFやDKIMが一般的ではあるが、聞き慣れない言葉でもある。詳細に関しては別途記事にて紹介するが、ここではそういったドメインが本物であるかを証明する技術があるという事を頭に入れておくだけで良い。少しテクニカルな話になるので、概念理解は必要であるのは間違いない。
送信ドメイン認証とは?|一般財団法人 日本データ通信協会
http://www.dekyo.or.jp/soudan/taisaku/4-2.html
迷惑メール報告を軽減する
各メールサービスにはメールを迷惑メールとしてサービス元企業に報告する機能がある。迷惑メールとしての報告が多い場合は、IPレピュテーションの第三者機関による評価が下げられてしまう可能性が出てくる。一般的にはメール配信において0.3%程度でとどめておく事ができれば特に影響はないと考えられる。意図が薄いメールを何通も配信してしまうと、IPレピュテーションが下げられてしまう可能性が高くなるので、ユーザー目線のメール配信を心がける必要がある。
メール配信数の引き上げ
もしIPレピュテーションが低い場合は、まずは数千単位のメール配信を行い徐々にメール配信数を引き上げていく必要がある。1ヶ月〜2ヶ月の間で徐々に配信数を上げていきながらレピュテーションを確認しIPウォームアップしていく流れが一般的である。
さいごに
今回はIPウォームアップの概念理解を目的として執筆をした。次回以降で、具体的なIPウォームアップ計画や、その手法などの記事を書いていきたい。質問等は問い合わせより受付していますので、お気軽にお問い合わせください。
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