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「外部向けリンクは張るな」という意見にとどめを刺す

Moz

2008年8月29日 9:00

PageRankやリンクジュースの貯め込み(ホーディング)を支持する「外部向けリンクを張るべきではない」というまったく根拠のない主張は、毎月のようにその醜い鎌首をもたげてくる。

僕はもう5時間もQ&Aコーナーにかかりっきり(担当している愛しのジェーンが休暇中なもんでね)だし、短いながらパンチの効いた記事も欲しかったから、この点について手短に説明してみようと思う。

外部向けリンクを張ることに対する反対意見の論拠

  1. 元々のPageRank公式が今も使われていて、しかも、外部向けリンクを張っているサイトやページに対して有利に働く他のアルゴリズム因子が導入されていないとしたら、ほんのわずかではあるにせよ、本来得られたはずのリンクジュースの一部を失う可能性がある。

  2. 外部向けリンクをクリックしたビジターは、二度と自分のサイトに戻ってこないかもしれない。

外部向けリンクを張ることに対する賛成論の論拠

  1. 被リンク数が増えやすい(論拠)。

    ※Web担編注 論拠として示しているリンク先の記事では、各種新聞社サイトで外部向けリンク数と被リンク数を調べ、2つのデータの相関性を調べたところ、0.84という比較的高めの相関が出ているというデータを出すことで、外部向けリンクは実質的なトラフィックは減らさないことを示している。
  2. 自分のドメイン名やページが他サイトのウェブ解析にリファラー(参照元)として表示されるため、サイトオーナーたちがサイトをチェックしにきてくれる(多くの場合、リンクを張ってくれる「リンケラティ」である可能性が非常に高い人たちだ)。

  3. これまで各検索エンジンは、外部向けリンクを張る行為に報いるアルゴリズムを、少なくとも研究はしてきている(HITS(PDF)など)。

  4. カルマブロガー(と言っても、目に見えない形而上学的な存在を指しているわけじゃないんだ。要するに、熱心なブロガーってこと)たちは、外部向けリンクを張る人と張らない人を本当によく見ていて、度量の大きい人に報いてくれる傾向がある。

  5. あらゆる種類の「隣接」リンク解析モデルにおいて、あるサイトから張られた外部向けリンクが、ドメイン名の相対的な信頼度を示す優れた判断材料として使われることがある。

  6. 読者やWebビジターが、張ってある外部向けリンクを価値のあるものだと思ってくれた場合、信頼できるサイトとして他のサイトに紹介してくれるかもしれない。記憶の連合と反復に関するこの研究に注目してほしい(そしてそれを政治ではなくマーケティングに応用しよう)。

  7. 外部向けリンクを張らないサイトは、ウェブのリンクグラフ上でポツンと孤立していて、そのためにつまらないサイトに分類されてしまう可能性がある(こうしたサイトが、熱心すぎて過度に最適化を施すSEO担当者によって運営されている場合は、特にね)。

  8. 外部向けリンクをまったく張っていないからといって、ビジターが自分のサイトに長く滞在してくれるわけではない。「戻る」ボタン、ブックマーク、ブラウザの終了、アドレスの直接入力などで離れていってしまうだけのことだ。

  9. ピートが「リンクの独り占めなんてやめてしまえ!」という記事で、このほかにももっともな理由をいくつか挙げている。

    ※Web担編注 リンク先で挙げられている理由には次のようなものがある。
    • リンクがWWWを作り出してきた
    • 外部向けリンクを張ること=被リンクを得ることである
    • リンクは便利である
    • リンクを張れば、リンク先の人に自分のサイトを知ってもらえる

みんなの感想は? これでも、外部向けリンクなんか決して(あるいはめったに)張らないぞっていう人はいるかな?

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