日本DPO協会がプライバシー保護人材育成のための資格認定制度と教育プログラムを創設
一般社団法人の日本DPO協会は、プライバシー保護人材育成のための資格認定制度と、教育プログラムを創設して10月から資格試験制度を始める、と7月5日に発表した。資格認定に向けた教育プログラムの提供で認定教育事業者を募集する。企業や地方自治体に広く求められるプライバシー保護人材を育成し、日本企業の国際社会におけるデジタル競争力の向上につなげる。海外のプライバシー保護法の基礎を日本語で学ぶことができる。
プライバシー保護の資格認定制度は、①実務者(プライバシーホワイト)、②スペシャリスト(プライバシーゴールド)、③オフィサー(プライバシーブラック)の3資格を創設する。①は、民間部門と公的部門の2種類あり、保護規制の全体像や歴史、用語を理解し、個人情報保護法やマイナンバー法、プライバシーマークや、欧州連合(EU)のGDPR(一般データ保護規則)など外国の保護法の実務対応に必要な知識を学んで日々の業務に生かせる。
②は、個人情報保護法(民間部門・公的部門)やEU GDPR、米国法、中国法、AI(人工知能)、プライバシープログラムなど専門分野の実務対応ができる人材を育成する。③は、GDPRで規定されたDPO(Data Protection Officer)や米国のCPO(Chief Privacy Officer)として必要十分な能力があると認定し、グローバルでプライバシーガバナンスを担える人材となる。実務家の第一歩としてまず①を取得し、②、③とステップアップできる。
ホワイトは柔道の白帯、ブラックは黒帯をイメージした。プライバシー保護の実務家には国内外のデータ保護法・個人情報保護法だけでなく、テクノロジーの高度な理解が求められるので育成は容易ではなかった。国際的なプライバシー保護の高まりで各国ではデータ保護実務家の活動領域が拡大しているが、日本ではまだ実務家は少ない。プライバシー保護人材の育成が日本企業や行政機関・地方公共団体の共通課題になっていた。
日本DPO協会代表理事の堀部政男・一橋大名誉教授は、政府機関の個人情報保護委員会の初代委員長を務めたこの分野の第一人者。東京都内の会見で堀部氏は「プライバシーを友として60年余。民間の専門実務家の育成は日本のプライバシー保護で焦眉の課題で、認定制度を創設した」と意義を述べた。協会事務局は、2019年の設立時に賛同したインターネット接続事業者でIIJのビジネスリスクコンサルティング本部内に置かれている。
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