「ワクチンを打たせたい」保護者は78%なのに、「打ちたい」子どもは60%と大きく下回る【国立成育医療研究センター調べ】
国立成育医療研究センター(コロナ×こども本部)は、第6回「コロナ×こどもアンケート」の集計結果を発表した。コロナ禍における子どもおよび保護者の状況を探るため、生活状況、こころの状態、コロナの影響、ワクチンに対する考え方などについて定期的に調査しているもので、2021年9月13日~30日の期間に、子ども1,271名・保護者5,807名の計7,078名が回答している(前回第5回調査:2021年2月19日~3月31日)。
長引くコロナ禍で、「登校よりオンライン授業」という意見が過半数
まず全体に対し「身近なコロナウイルス感染者」について聞くと、全体の44%が近しい人の感染を経験していた。
次に子どもに対し「最近1週間で学校に行ったか?」を聞くと、小学1~3年で71%、小学4~6年で70%、中学生で62%、高校生で40%が「ほぼ通常通りに行った」と回答している。
あわせて“登校に関する気持ち”として「最近1週間で学校に行きたくないことがあったか?」を聞くと、38%が「(いつも・たいてい・ときどき)ある」と回答した。その理由を自由回答で聞くと「コロナの感染が怖い」という声が多いほか、「対人関係に関する悩みがある」「体力的にきつい」「面倒くさい」といった意見が複数見られた。メンタルの不調、不規則な登校などが、子どもに影を落としていることがうかがえる。
「授業をオンラインでやると言われたらどう感じるか?」を聞くと、「とてもうれしい」「どちらかというとうれしい」が53%、「どちらかというとうれしくない」「まったくうれしくない」が39%で、肯定派が多い。「わからない・こたえたくない」という回答も見られる。
ワクチン接種に対して、保護者と子どもでギャップ?
さらに「新型コロナウイルスワクチンを接種できるようになったらすぐに受けたいか?」と聞くと、小学生の55%、中学生以上の72%が「(とても・どちらかというと)受けたい」と回答し、全体平均は60%だった。
一方で保護者の側に、「子どもに、予約がとれればすぐにコロナのワクチンを受けさせたいか?(子どもの考えではなく、自身の考え)」を聞くと、「(とても・どちらかというと)受けさせたい」は78%に達している。自由意見では「感染や重症化・後遺症を予防したい」「収束に貢献したい」「子ども自身が希望している」「身近な人の意見や周囲が気になる」といった理由が多いが、子どものほうが20ポイント近く低く、親の意向とのギャップがうかがえる。
メディアの影響、保護者のワクチンに対するスタンスではなく、子どもは子どもなりに独自の考えで、ワクチン接種に慎重なのかもしれない。
調査概要
- 【調査対象】小学生~高校生の子ども(小学生68%、中学生18%、高校生13%)、0歳~高校生の保護者
- 【調査方法】インターネット調査
- 【調査時期】2021年9月13日~30日(前回第5回調査:2021年2月19日~3月31日)
- 【有効回答数】7,078名(子ども1,271名・保護者5,807名)、両方での回答は1,091組
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