コンテンツへの平均支出金額、2020年は「67,201円」で前年から2,629円も上昇【博報堂DYMP調べ】

デジタルを中心としつつ、アナログの顧客接点も備えたコンテンツに伸長の兆し。

博報堂DYメディアパートナーズと博報堂の共同研究プロジェクト「コンテンツビジネスラボ」は、「コンテンツファン消費行動調査」2021年版を発表した。最新の全11カテゴリ・計1000以上のコンテンツに関する「リーチ力・支出喚起力ランキング」を算出している。

「リーチ力」はそのコンテンツが一年間に到達できる人数を表す指標、「支出喚起力」はコアファンによる年間の関連市場規模の指標となっている(コンテンツビジネスラボが独自開発)。調査対象カテゴリは「ドラマ・バラエティ」「アニメ・特撮」「マンガ・ライトノベル」「小説」「映画」「音楽」「ゲーム」「美術展・博覧会」「スポーツ」「レジャー施設・イベント」「特定のタレント・人物」の11種。

コロナ禍でコンテンツの平均支出金額が上昇、一方で顧客接点を増やしたコンテンツが伸長

まず2020年1年間における「生活者のコンテンツへの平均支出金額」(全カテゴリ)は、コロナ禍による低迷が心配されていたが、実際には「67,201円」と、前年から2,629円の増加を見せた。

各市場の推計規模では、「リアルイベント市場」が9,444億円→7,171億円と落ち込んだほか、「レジャー市場」も低迷。接触系イベントが制限された「ファンクラブ市場」も減少となった。一方で「スマホ・タブレット市場」「ゲームアプリ市場」は1,000億円以上の増加を見せ、「パッケージ市場(CDや本、DVD等)」「関連グッズ市場」も好調だ。

各市場の推計規模(前年比較、調査結果を基に市場規模を推計)

具体的なコンテンツごとに、リーチ力・支出喚起力ランキングを見ると、リーチ力・支出喚起力のいずれも「鬼滅の刃」が1位。リーチ力では「呪術廻戦」「どうぶつの森シリーズ」「ドラえもん」「約束のネバーランド」が新たにトップ10に入った。支出喚起力では「パズル&ドラゴンズ」「ラブライブ!」の2ゲームが、今期は新たにトップ10入りした。なおここでいう新規は、2020年調査で20位以内でなかったのに、2021年調査で20位以内にランクインしたコンテンツを指している。

これらコンテンツは、デジタルからアナログまでさまざまなプラットフォームに生活者との接点が用意されている、という共通点があるという。また昨年は音楽コンテンツにこの傾向が強かったが、2021年調査ではアニメコンテンツでも目立つ。

2021年調査 リーチ力・支出喚起力ランキングTop20

首位にランクインした「鬼滅の刃」は、映画『無限列車編』が国内歴代興行収入1位になり、この9月にはテレビ放送もされたが、いまだに強い人気を誇っている。動画サブスクリプションサービスで随時視聴できたこと、的確なタイミングで話題を作り出したことが、人気維持の背景にあり、これは「呪術廻戦」「新世紀エヴァンゲリオンシリーズ」なども同様と考えられる。

「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」などの長寿コンテンツが、リーチ力に新たにランクインしたことについては、「コロナ禍でコンテンツ利用の間口が広がったことで、リーチ力が押し上げられた」とコンテンツビジネスラボでは推測している。一方で「スーパーマリオ」や「プリキュア」、あるいは「Fate/Grand Order」など強力な長寿コンテンツだがランクインしていないものもある。このあたりも、人気維持や話題造りの戦略やタイミングで差異が生まれたと考えられる。

調査概要

  • 【調査対象】全国15~69歳の男女(全国7エリアを性年代別人口構成比で割付)
  • 【カテゴリ】「ドラマ・バラエティ」「アニメ・特撮」「マンガ・ライトノベル」「小説」「映画」「音楽」「ゲーム」「美術展・博覧会」「スポーツ」「レジャー施設・イベント」「特定のタレント・人物」の11種。
  • 【調査方法】インターネット調査
  • 【調査時期】2021年2月19日~24日
  • 【有効回答数】5,000サンプル
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