注目度急増の「エシカル消費」の認知率は24.0%、具体的なアクションは「食品ロス防止」がトップ【電通調べ】
電通は、グループ横断組織で実施した「エシカル消費 意識調査2020」の結果を発表した。全国10~70代の男女計1,000人が回答している。「エシカル消費」の認知度、共感度、実践意欲に加え、産業別(全11業種)に見た消費者の意識傾向と期待値、今後の意向・行動を調査した。
「エシカル消費(倫理的消費)」とは、“消費者それぞれが各自にとっての社会的課題の解決を考慮したり、そうした課題に取り組む事業者を応援しながら消費活動を行うこと”を指す。2015年9月に国連で採択された「SDGs」の17ゴールのうち、特にゴール12番目「つくる責任 つかう責任」に関連する取り組みが当てはまる。
「エシカル消費」の認知率は24.0%、今後は企業イメージ向上のカギに?
それによると、まず「エシカル消費」を知っていた人は、「意味まで知っている」5.7%、「聞いたことがある」18.3%で、全体の24.0%だった。男女ともに若年層(ミレニアル・Z世代)が高く、特に16~24歳男性と25~39歳女性が高い。一方40~59歳男性の認知率が最も低かった。
また「エシカルな商品・サービスの提供は、企業イメージの向上につながる」と思っている人は54.0%。40~59歳女性がもっとも高く、25~39歳男性がもっとも低い。
なお業界別では「すでにエシカルな取り組みを行っている印象が強い業界」上位は、食品、自動車、「今後の取り組みへの期待が高い業界」上位は電力・火力・水道、金融などがあがっている。具体的に購入経験が多い業界、今後の購入が意向が高い業界でも、上位は食品業界となった。
エシカル消費の取り組みは「食品ロス防止」が上位、「ヴィーガン」などは共感低め
エシカル消費の取り組みを、大きく20パターンに分けて認知・共感・実施意向を聞いたところ、認知は「食品ロス防止」44.3%、「再生可能エネルギー」43.0%が上位。共感は「食品ロス防止」46.6%、「再生可能エネルギー」39.2%が上位。実施意向は「食品ロス防止」36.1%、「地産地消」25.1%が上位となり、“食品ロス”が最も身近な課題となっていた。
また「ベジタリアン・ヴィーガン・ハラル(食への制限)」は認知は高いが共感が低い。また「ダイベストメント(投資の撤退、インベストメントの逆)」「エシカル金融投資」は総じて低いことが判明した。
こうしたエシカル消費について、自分も実施する条件を聞くと、「価格が同じだったら」35.3%、「メリットがわかったら」34.5%、「自分の関心がある問題に関する商品であれば」31.0%、「身近な店で売られていたら」29.1%が上位だった。その理由については「同じような商品を買うなら社会貢献につながるものがいい」62.7%、「環境問題や社会問題に関心がある」51.8%、「長い目で見ると節約につながるから」40.2%が上位。購入しない理由でも、「エシカル消費についてよくわからない」28.3%、「どれがエシカル消費につながるのかわからない」23.4%が上位で、“理解したうえでの積極的なアクション”は見られないのが現状だ。
なお、新型コロナウイルス対策の自粛なども影響があるが、エシカル消費において「意識が高まった」としたのは30.9%で、実際に行動に移している人は6.5%にとどまった。
調査概要
- 【調査対象】10~70代の男女
- 【調査方法】インターネット調査(調査機関:電通マクロミルインサイト)
- 【調査期間】2020年11月18日~25日
- 【有効回答数】1,000人(性年代別に各125人ずつ、計を人口構成比でウエイトバック集計)
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