日本のモバイル広告不正の様相が1年で大きく変化、「フェイクユーザー/ボット」が主流に【Adjust調べ】
Adjustは、「モバイルにおけるアドフラウド(広告不正)」に関する最新調査の結果を発表した。Adjustアドフラウド防止機能で検出された143億件以上のデータを分析した。
日本で発生するアドフラウド、「フェイクユーザー/ボットの使用」が60.72%を占める
アドフラウドにはさまざまな種類・手法があるが、全体でもっとも多かった不正手口は「フェイクユーザー/ボットの使用」54.6%で、日本では発生するアドフラウドの60.72%を占めた。昨年2019年の調査では、日本におけるフェイクユーザー/ボット使用は8%と一番少なく、最多は「クリックインジェクション」49%だったが、1年で大きく様相が変化したことになる。
「フェイクユーザー/ボットの使用」は米国・中国も全体より多いが、韓国では84.98%にまで達している。一方、LATAM(中南米およびメキシコ)や東南アジアでは「SDKスプーフィング」のほうが多いが、全体では22.05%ほどだ。なおSDKスプーフィングの防止には、SDKシグネチャーのようなソリューションを実装するのが有効だという。
不正手口をアプリカテゴリ別に見ると、「SDKスプーフィング」は「ビジネスアプリ」35.31%、「フード&ドリンクアプリ」59.73%で多い一方、「フェイクユーザー/ボットの使用」は、「Eコマース」36.64%、「ゲーム」64.63%で多い。また「クリックスパム」は「エンターテインメント」34.63%で多かった。
特に「ゲーム」カテゴリで、アドフラウドが急増したとのこと。Adjustアドフラウド防止機能が拒否した不正を、2019年8月と2020年8月で比較すると、世界的に172.95%増加。地域別では、APAC(アジア太平洋地域)では214.86%、さらに米国では310.29%にまで達していた。
なお、広告を見てアプリをインストールしたように見せかける「不正インストール」については、Adjustアドフラウド防止機能が拒否した不正インストール2億件のうち、オーガニックインストール(自然流入によるインストール)が全体の3分の2を占め、ペイドインストール(有料広告によるインストール)は3分の1だった。
これは不正業者がオーガニックトラフィックを偽装しているためと考えられる。こうした行為は予算を不当に消化されることに加え、マーケティング施策をゆがめる可能性が高い。
調査概要
- 【調査対象】日本、米国、LATAM、EMEA、中国、韓国および東南アジアなどの世界各国
- 【調査方法】Adjustアドフラウド防止機能で検出されたデータを分析
- 【調査期間】2020年1月~8月
- 【対象数】モバイルアプリ143億件以上(インストールベース)
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