新型コロナで“インフォデミック”が現実化、8割以上が「ニュースは誰かに伝える」【LINEリサーチ調べ】
LINEリサーチとNHKは、新型コロナウイルスに関連したニュースや報道について、番組制作のための共同調査を実施した。フェイクニュースを含む情報の見極め、情報の拡散への関与、その判断根拠などについて、LINEユーザー2,000人に対しアンケートを行っている。
情報の真偽を見極めるのは「難しい」59%、しかし気になるニュースは「誰かに伝えた」83%
まず「新型コロナウイルスの情報に関して感じていること」を聞くと、「どれが信頼できる情報か見分けるのが難しい」59%が最多。以下「感染拡大につながるような楽観的な情報は危険だと思う」「誤った情報やデマがひろがっている」が同率39%、「日々多くの情報が流れてくることに混乱する」37%が続く。フェイクニュースを含む真偽不明なままの情報が氾濫・拡散する“インフォデミック”の危険が、まさに現実化していると言える。
そこで、「新型コロナウイルスに関して気になるニュースや身の回りの情報を聞いたときに、誰かに伝えたか」と聞くと、83%が「誰かに伝えた」と回答。内訳では、「家族」73%、「家族以外の実際の知り合い」50%が上位で、伝え方では「口頭で伝えた」が上位だった。ただし、「ネットだけの知り合いの人」8%、「不特定多数の人」7%が存在する。また家族に伝えるのにも、WebサービスやSNSを使っている人がおり、「SNSなどでつぶやく≒不特定への拡散」と明確に自覚していない人が、一定数いると思われる。
このような「情報を伝えた動機」について聞くと、「大事な情報だと思ったから」65%、「役に立つ情報だと思ったから」49%、「驚いたので」18%などが上位。「うそだとわかっていたが、いたずらしたかったので」「面白いことを書いて、笑いを取りたかったから」はいずれもゼロ%だった。
不安を感じる人ほど、良くも悪くも情報拡散に熱心
さらにこの調査では、自身への感染に対して「不安を感じる人」1724人と「不安を感じない人」276人とで、さまざまな比較を行っている。
その結果「不安を感じる人」のほうが、情報を伝達している割合が多かった。その理由について、「不安を感じている人」は、「自分の不安を知ってほしかった」「大事な情報だと思ったから」「役に立つ情報だと思ったから」が高くなる傾向が見られた。不安を感じる人ほど、良くも悪くも情報拡散に熱心な傾向があると言える。
なお、「位置情報や検索履歴などネット上の個人データを、新型コロナウイルス感染拡大防止の対策に活用することをどう思うか」を聞くと、「新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためのような、危機を逃れるための目的で使われるのは問題ない」51%が多数派だったが、「目的に関係なく、問題がある」26%も存在しており、今後検討が進むと思われる。
調査概要
- 【調査対象】日本全国15~59歳のLINEユーザー男女
- 【調査方法】スマートフォンWeb調査(NHKの番組制作のための共同調査として実施)
- 【調査期間】2020年5月8~11日
- 【有効回答数】2,000サンプル(市場の性年代別構成比に合わせて回収)
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