緊急事態宣言でも「出社率7割減」は難しい? 宣言直後の7都府県の出社率は61.8%【パーソル総研調べ】

新型コロナウイルスによる緊急事態宣言を受けて、テレワークの実施率・不安・課題・変化について大規模調査。

パーソル総合研究所は、「新型コロナウイルスによる緊急事態宣言(7都府県)後のテレワーク」について、実態調査を行った。調査期間は2020年4月10日~12日で、約2万5千人から回答を得ている。なお同社では同様の調査を3月9日~15日にも実施しており、今回が2回目。調査は全国が対象で、そのうえで7都府県(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、大阪府、兵庫県、福岡県)とそれ以外の比較も行っている。

緊急事態宣言を受けても「出社率7割減」は難しい現状

調査によると、「緊急事態宣言後の正社員のテレワーク実施率」は、平均27.9%で、前回調査の13.2%から、1か月で倍以上に増加した。7都府県とそれ以外で比較すると、7都府県は38.8%、それ以外の地域は13.8%だった。「テレワークを初めて実施した」という人は68.7%。前回調査で47.8%だったが、そこで未体験だった人たちの多くが「初めてのテレワーク」を体験したこととなる。

3月と4月のテレワーク実施率
3月と4月の初めてのテレワーク実施率

7都府県における出社状況の推移を、「出社無し(1日中テレワーク)」「出社して勤務(一部でも出社した場合)」「業務自体が無かった」の3パターンで見ると、「出社して勤務」とした人の割合(出社率)は、4月8日(緊急事態宣言の翌日)でもは61.8%と、前日の7日(68.0%)から6.2ポイントしか減っていなかった。4月10日時点でも58.5%が出社しており、政府が目指した「7割減」は難しい現状が明らかとなった。

緊急事態宣言地域の7都府県における「出社率」

テレワーク最大の課題は「テレワークでできない仕事がある」ことより「運動不足」

続いて、テレワークを行っている人(n=500)に「不安・課題・変化」を聞いた。まずテレワークの「不安」としては、1位「相手の気持ちが分かりにくい」37.4%、2位「仕事をさぼっていると思われないか」28.4%、3位「出社する同僚の業務負担の増加」26.4%が上位だった。

テレワークの「課題」としては、1位「運動不足」73.6%、2位「テレワークでできない仕事がある」60.2%、3位「必要機器がない(プリンターなど)」47.8%が上位。初体験の人では「仕事に集中できない」「仕事に適した机や椅子がない」といった意見が多かった。

「変化」において「減った」項目に着目すると、「同僚/上司とのやりとり」「労働時間」「業務量そのもの」が上位となっている。

テレワークの不安

テレワークの課題

テレワーク実施前後の変化

テレワークに対する企業方針、明確に命令・推奨している企業は約4割

あわせて、「テレワークに対する企業方針」を聞くと、「推奨されている」27.0%、「命じられている」13.7%で、命令・推奨の合計は40.7%。「会社から特に案内がない(通常通り出勤している)」53.0%のほうが上回っている。前回調査より数字は改善しているが、まだまだ案内がされていない企業も多い。なお企業規模別のテレワーク実施率については、従業員数が多い企業ほど、テレワーク実施率が高かった。

会社からのテレワーク・時差出勤の方針

逆に「テレワークができない理由」を企業に聞くと、「テレワークで行える業務ではない」47.3%(前回:39.5%)、「テレワーク制度が整備されていない」38.9%(前回:41.1%)となり、前回から順位が入れ替わっており、じょじょにではあるが整備が進んでいる様子がうかがえる。「新型コロナが収束した後もテレワークを続けたい」という意見は53.2%と半数を超えており、ひきつづき業務スタイル変革の課題になるだろう。

テレワークができない理由

調査概要

  • 【調査対象】全国の就業者・正規雇用の従業員20~59歳男女(勤務先従業員人数10人以上)(前回調査:正社員)
  • 【調査方法】新型コロナウイルス対策によるテレワーク(在宅勤務)の実態・課題について一か月前の時点での状況と比較しつつ定量的に把握(調査会社モニターを用いたインターネット定量調査)
  • 【調査期間】2020年04月10日~4月12日(前回調査:2020年03月9日~3月15日)
  • 【集計サンプル数】25,769(前回調査:21,448)
※グラフ中のサンプル数はウェイトバック処理後のサンプル数
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