テレワークで危惧する点、年配世代は「仲間意識」Z世代は「ビジョンの共有」【リスキーブランド調べ】
リスキーブランドは、「ビジネスマンのテレワークの実施状況と意識」についての調査結果を発表した。調査時期は2020年5月1日~8日で、企業に勤務する役員・正社員・契約社員1,696人から回答を得ている。なお同調査では、各世代を以下のように定義している。
- 25歳以下:Z世代
- 26~40歳:ミレニアル世代
- 41~49歳:団塊ジュニア世代
- 50歳以上:バブル世代
テレワークがもたらす新しい価値、若い世代が期待
それによると、新型コロナウイルス対策の主要期間であった4月~5月上旬にテレワークを行っていたビジネスマンは、「基本的に毎日」22.1%、「週3~4日」15.3%で、あわせて37.4%(635人)が週3回以上テレワークを実施していた(2019年の同種調査では4.8%)。企業規模では、大企業ほどテレワークの実施が多く、「50人未満の企業」の実施率が14.0%だったのに対し、「3,000人以上の企業」は30.1%と2倍以上だった。業種による差異も大きく、「IT系企業」42.8%に対し「医療・福祉」7.3%、「運輸・物流」5.2%だった。
続いて世代別に「テレワークそのものについての意識」を探るべく、「時間・物理的な面で期待すること」「多様性や創造性で期待すること」「仲間意識やビジョン共有への危惧」「その他の危惧」について聞いた。
まず時間・物理的期待は、全世代のビジネスの半数以上が支持。「育児や介護との両立ができるようになる」と考える意識は、年代とともに高まりバブル世代では73.7%にも達している。「通勤時間がなくなるから、仕事の生産性が高まる」は、働き盛りのミレニアル世代(64.9%)の支持がもっとも高かった。
多様性や創造性への期待では、若い世代ほど数値が高い。「組織として自由闊達な風土が高まる」はZ世代で64.5%、ミレニアル世代で63.9%だが、バブル世代は47.6%と減少する。「働く人の創造性/クリエイティビティが高まる」はZ世代で53.3%だが、それ以外の世代は低く、団塊ジュニア世代は36.6%に留まった。「会社に、多様な人材が集まるようになる」も若い世代のほうが高めだが、全世代で過半数が期待している。
一方、仲間意識やビジョン共有への危惧も、過半数が不安を感じている。世代傾向としては、年配の団塊ジュニア世代、バブル世代が高いが、若いZ世代の危機感も高い。ミレニアル世代のみ数値が低めで谷になっている形だ。「組織としての求心力や仲間意識が低下する」は、団塊ジュニア世代で63.9%、バブル世代で64.3%。「会社のビジョンや理念の共有が難しくなる」はZ世代の59.8%がもっとも高かった。
その他の危惧では、「社員が成長できる機会が減少する」「孤独感からストレスや鬱病に悩む人が増える」「上司と部下や社員同士が、何となく不信感を持ち合うようになる」などが上がっており、いずれの世代でも3割~5割近い数値を示した。
テレワークそのものの評価、生産性は不透明だが制度としては歓迎
テレワークそのものを評価するべく、「リモートワーク(テレワーク)という働き方が増えていくことで、あなたが勤務される会社/組織の生産性はどの程度向上するとお考えですか?」と聞くと、全体では50.7%が「何とも言えない」と回答。
「かなり向上すると思う+いくらか向上すると思う(ポジティブ派)」の合計は25.1%、「かなり低下すると思う+いくらか低下すると思う(ネガティブ派)」の合計は24.2%と、評価が拮抗している。世代別に見てみると、若い世代ほどポジティブ派が多く、年配の世代ほどネガティブ派が多い。
「リモートワーク(テレワーク)という働き方が増えていくことは、あなたご自身にとって喜ばしいことですか?」と聞くと、「喜ばしいことだ+まあ喜ばしいことだ(歓迎派)」は44.1%、「喜ばしいことではない+あまり喜ばしくはない(歓迎しない派)」は16.5%で、歓迎派が大きく上回っている。世代別では、ミレニアル世代がもっとも歓迎派が多い。
なおテレワークの経験者635人(週3回以上)と未経験者1,061人(それより少ない、あるいはゼロ)で、「テレワークの生産性」と「テレワークを歓迎するか」の回答をわけると、経験者ほどポジティブ派・歓迎派が多い。
調査概要
- 【調査対象】国内のビジネスマン(企業に勤務する役員・正社員・契約社員)
- 【調査方法】同社が実施する生活意識調査「MINDVOICE」データを使用
- 【調査期間】2020年5月1日~8日
- 【有効回答数】1,696人
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