大学の研究資金等受入額、大阪大学が東京大学を抜いて1位に【文科省・経産省「大学ファクトブック2020」】

産学官の連携を、共同研究の実施件数や外部資金の状況から見える化。

文部科学省、経済産業省、日本経済団体連合会(経団連)は、「大学ファクトブック2020」を公開した。

両省は、産学官の連携を推進することを目的に、共同研究強化のためのガイドラインをとりまとめている他、大学における取り組み状況や、産業界との連携実績などのデータを「大学ファクトブック」として毎年公開。各大学の基本情報と合わせ、外部資金(共同・受託研究実績)の状況、共同研究の実施件数、特許出願・活用実績などの情報を取りまとめている。

民間企業からの研究資金等受入額、大阪大学が東京大学を上回る

「大学ファクトブック2020」によると、「民間企業との共同研究実施件数」は、東京大学(1,797件)が大阪大学(1,243件)を大きく上回り1位となった一方で、「民間企業からの研究資金等受入額(共同研究・受託研究・治験等・知的財産)」では、今回、大阪大学が93億5,959万円と東京大学(92億7,182万円)を上回り1位となった。

 

この傾向は、受入額1,000万円以上の民間企業との「大型共同研究」でも同じで、大阪大学が受入額で東京大学を抜いて1位となっている。

 

大型共同研究は、実施件数のうち4.5%ほどで件数自体は少ない。ただし2013年以降ずっと増加しており、2013年の600件に対し2018年は1,237件と2倍以上になっている。また額でみると48.4%と全体の半分近くを占めており、大きな影響力を持っていると考えられる。

 

なお外国企業との共同研究実施件数では、前年1位の東北大学は5位に後退し、東京大学が1位。外国企業との共同研究実施件数では東京大学が1位。外国企業との共同研究費受入額は京都大学が1位。知的財産権等収入は引き続き東京大学が1位だった。

 
 

※2020年7月4日追記:記事の初出時において、一部の記述が間違っておりました。大変申し訳ございません。下記のとおり訂正させていただきました。
×外国企業との共同研究実施件数では京都大学が1位。外国企業との共同研究実施件数は引き続き東京大学が1位だった。
○外国企業との共同研究実施件数では東京大学が1位。外国企業との共同研究費受入額は京都大学が1位。知的財産権等収入は引き続き東京大学が1位だった。

調査概要

  • 【掲載対象】2017年度・30年度において特許出願・活用実績等のある大学
  • 【対象数】計438校(国立大学82校、公立大学65校、私立大学291校)
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