テレワーク普及を阻害する本当の原因? 部長クラス以上は「テレワークのメリットとくになし」が48.9%【Dropbox Japan調べ】

オンライン会議に欲しいのは「議事録作成」「ToDO・スケジュール作成」などの機能。

Dropbox Japanは、日本国内のナレッジワーカー/企業・組織の有職者1,000名を対象に、「テレワークに関する意識・実態調査」を実施した。調査時期は2020年5月11日~12日。

テレワークのネックは、やはり「紙の書類」と「社内ネットワーク限定の資料」

まず、テレワーク(リモートワーク)を行っていたのは回答者の40.2%(テレワーク頻度「週5日以上」「週3~4日」「週2日以下」の3つの合計、402人)。地域別では「関東」54.3%、業種別では「通信・情報サービス関連企業」62.3%が平均より高い。

「外資系企業」45.1%と「政府・公共機関」45.7%はほぼ並んでいるが、頻度の内訳を見ると、外資系企業は「週5日以上」が主流ながら、政府・公共機関は「週2日以下」がとくに多く、部分的な実施に留まっていた。

テレワークの導入状況

テレワーク未実施とした回答者(598人)に「あなたの勤務先でテレワークの活用を検討するとしたら、課題や障害となりそうな項目は何ですか」と聞くと、「テレワークできる業務が全くない」54%が最多。以下「家と職場の線引きができず、気分転換ができない」20.7%、「環境の用意が間に合わない」15.7%といった声があがった。

逆に、実際にテレワークを実施している回答者に「テレワーク実施上の困りごと」(やむを得ず出社した理由)を聞くと、「会社においてある紙の書類の確認」「会社のネットワークに接続しないと確認できない資料・書類の確認」が上位となった。年代では役職者が多いであろう60代と40代が、とくに紙の書類の確認に不便を感じていた。

テレワークの活用を検討するとしたら、課題や障害となりそうな項目
テレワーク実施期間中に以下の理由でやむを得ず出社した経験の有無

まだまだオンライン会議に不満あり、議事録やスケジュール作成に難?

同様に「オンライン会議」について実施率などを聞くと、2019年10月に同条件で実施した調査に比べ、社内外に関係なく1~2割ほど増加していた。一方、「テレワーク実施上の困りごと」(やむを得ず出社した理由)として部長~経営者クラスは「対面での会議」を32.3%があげている。

「オンライン会議に期待すること」では、「会議終了後に議事録ができていること」「会議が終わった段階で何をいつまでにするか、To doリストやスケジュールができあがっていること」「誰のコメントや提案なのか、後でわかるようにしたい」「メールや共有フォルダに散在する関連資料を探す苦労から解放されたい」などが7割以上と、まだまだオンライン会議に不満点は多い。また数値も前回調査より10ポイント程度上昇している。

オンライン会議(テレビ会議、Web会議、電話会議)の際の機能に、どの程度期待を持っているか

経営者~部長クラスの48.9%は、テレワークのメリットを感じていない

「今後、在宅勤務を導入または継続する場合のメリット」を聞くと、「長時間労働の是正」32.8%、「ワークライフバランス」31.7%、「生産性の向上」27.3%などが上位。20代・30代は全体より高いが、年齢が下がるほど数値は下がる。60代だと「とくになし」が46.9%と最も高い。さらに経営者~部長クラスは48.9%が「とくになし」としており、テレワークのメリットを実感していないことが明らかとなった。

今後、在宅勤務を導入または継続する場合のメリット

テレワークの頻度別で見ると、頻度の高い人ほどメリットを感じている。「1日平均2時間以上有効に活用できていると回答した人」は、週2日テレワークを実施している人で43.5%、週3~4日実施している人で58.2%、週5日以上実施している人で65.7%と、頻度が高いほど上昇している。

在宅勤務の頻度と一日あたり有効活用できていると感じる時間

また「新型コロナウイルス感染症の大流行(パンデミック)が収束した後も、在宅勤務の体制整備や強化をあなたの勤務先に望みますか」と聞くと、80.6%がテレワーク体制の整備を望んでいた。

新型コロナウイルス感染症の大流行(パンデミック)が収束した後も、在宅勤務の体制整備や強化をあなたの勤務先に望みますか

調査概要

  • 【調査対象】22歳~69歳男女で、ナレッジワーカーの有職者(製造業、運輸業の一般職は除く)
  • 【調査方法】インターネットリサーチ
  • 【調査期間】2020年4月24日~5月12日(スクリーニング調査)、5月11日~12日(本調査)
  • 【サンプル数】1,000サンプル
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