AIレシピ氾濫時代に「本物の料理」を武器に。People Inc.の人間ファースト戦略
グーグル検索SEO情報②
AIレシピ氾濫時代に「本物の料理」を武器に。People Inc.の人間ファースト戦略
グーグル流入75%消失に巨大テストキッチンで対抗 (The New York Times) 海外情報
People Inc.(ピープル・インク)は、Food & WineやSouthern Livingなどのブランドを抱える大手デジタル・紙媒体出版社だ。AI生成レシピに対抗するため、人間主体のフードコンテンツに賭けている。
People Inc.のウェブサイトへのグーグル検索からのトラフィックは、検索プラットフォームによるAI要約の利用を背景に、過去4年間で総訪問数の75%から25%に低下した。こうした状況を受けて、次のことを推進した:
- ソーシャルメディア向け動画制作に重点を置く形へと再編した
- すべてのレシピの背後にある人間の専門性のさらなる強化に乗り出した
まず、人間ならではの強みを打ち出した。アラバマ州バーミンガム近郊で40,000平方フィート(サッカー場の約半分の広さ)、28のキッチンを備えた施設を運営している。同施設では、人間のレシピ開発者、フードスタイリスト、写真家によって、年間約1,800件の新レシピが開発され、さらに5,300件のレシピをテストしている。13の写真スタジオと3つの動画スタジオを備え、現在は月に約175本の動画を制作している。
多角化戦略も検索トラフィック急減への対抗策だ。インスタグラム、Apple News、YouTubeなどのプラットフォームで新たなオーディエンスを構築し、イベント、スポンサーシップ、ライセンス契約を通じて別の収益源を見いだす取り組みを進めている。無料のレシピ保存ツールであるMyRecipesは、現在300万人以上のユーザーを抱えている。People Inc.はまた、テキサス州オースティンで毎年開催されるフード&音楽フェスティバルHot Luckの買収も発表した。
People Inc.は、AIの普及に対抗しているが、利用そのものを否定しているわけではない。むしろAIを活用している。OpenAIとライセンス契約を結んでおり、ソーシャルメディアの監視や食材価格の見積もりなど、調査や業務効率化のためにAIを活用している。
ただし、いずれのブランドにおいても、執筆、編集、ビジュアル、その他のクリエイティブ業務にはAIを使用していない。「人間味」を打ち出す戦略は先に触れたとおりだ。
財政面では、2021年以降、約1,000人の従業員を削減している。主な要因は紙の雑誌タイトルを14誌から7誌へ半減させたことにある。一方で、デジタル収益は10四半期連続で成長していると報告している。
このように、People Inc.は、人間が作成するフードコンテンツの高い価値によって差別化を図り、AI生成コンテンツがますますあふれる環境の中で、実世界での厳密なレシピ開発を通じて読者の信頼を築いている。
People Inc.は超大手ブランドなので、こうした戦略は簡単には真似できないと思うかもしれない。本当にそうだろうか? 人間ならではのコンテンツや、実体験に基づく一次情報の提供、検索以外のメディアでのアプローチなどは、規模は違ったとしても不可能なことでは全然ない。
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先手必勝! AI Overviewsが動く前に記事を出すUSA Todayの新戦術
AIを活用したスピードでAIに挑む (DIGIDAY) 海外情報
People Inc.は、AI検索によるトラフィック減少に「人間味」で対抗していた。一方、米国の大手パブリッシャーであるUSA Today(USAトゥデイ)は、「速報性」で対抗している。
USA Todayは、2026年FIFAワールドカップの速報ニュースを迅速に公開するために、AI支援による事前作成済みの「シェルファイル」を導入している。これは、グーグルのAI Overviewsが要約を生成する前の限られた時間にコンテンツを作成して急増する初期の検索トラフィックを取り込む戦略だ。
同社は、過去の報道からアーカイブされた小見出し、写真、リンクを組み込んだ「自動化シェルファイル」を作成している。ニュースが発生すると、編集者は数行を追加し、見出しを調整して即座にコンテンツを公開する。ゼロから文脈を組み立てる必要はない。要は「記事テンプレ」のようなもので、特にスポーツニュースの速報記事はある程度のパターンが決まっている。必要な部分だけを試合状況に合わせて編集するのだ。
ニュースルームは、ワールドカップ報道用に1日あたり5本のシェルファイルを準備しているそうだ。
何らかの出来事(たとえば試合)があってから、その情報がグーグルのAI検索機能であるAI Overviews(AIによる概要)とAI Modeに出るまでには、タイムラグが多少なりともある。USA Todayのシェルファイル戦略は、その「AIが情報をだせるようになるまでの間」の検索需要を取り込むよう設計されている。つまり、先手を打つのだ。
このアプローチは2026年冬季オリンピックで試験導入され、実証済みの実績を持つ。USA Todayの全ネットワークは1月1日から2月28日までに合計1億1600万ページビューを生み出した。主力媒体だけでも9100万ページビューを獲得した。これは、2022年冬季オリンピックから82%の増加だ。
さらに、最初に公開することで、グーグルニュースにおいて大元の情報源として扱われることが多くなり、他のパブリッシャーがリンクを張るきっかけになる。この引用パターンはオーガニック検索順位を強化し、AI Overviewsは基盤となる検索結果を参照するため、同じ優位性がAI検索機能にも及ぶ可能性があるという。
スピードに加えて、USA Todayは人間中心のアプローチも疎かにすることなく、従来型のSEOにも投資している。全16開催都市に配置された記者、現地の報道ハブ、2つの専用ニュースレター、そしてポッドキャストである。人間の手による編集で、一般的なAI出力では容易に再現できない、署名記事を軸とした視点豊かなジャーナリズムを補完策としている。
まとめると、USA Todayは、人間のワークフローを加速することでAI検索の要約に対抗している。ニュースパブリッシャーにとって、自動化された検索回答に対する最良の防御策は、圧倒的なスピードと、現場に根ざした独自報道を組み合わせることのようだ。
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「コモディティ」と「非コモディティ」コンテンツの判別方法
ユーザーに直接聞けばいい (Mark Williams-Cook on LinkedIn) 海外情報
グーグルが公開している「生成AI検索最適化のベストプラクティス」では、ありきたりでない価値・独自性のある「非コモディティ」コンテンツの作成を推奨している。
では、コンテンツが「コモディティ」なのか「非コモディティ」なのかの判別は、どのようにすればいいのだろうか?
AlsoAskedというSEOツールを展開するSEO専門家のマーク・ウィリアムズ=クック氏は次のようにアドバイスする。
「これは非コモディティコンテンツなのか」という議論を社内でまとめるのは難しいことがありますが、それを解決する良い方法は、(驚くなかれ)データです
最も基本的な指標は簡単に設定でき、ユーザーがどう考えているかを把握できます。自分が関わって作ったものについては、どうしてもバイアスがかかってしまうものなので、データ主導のアプローチを取りましょう。
コンテンツが良いかどうかを推測するために、直帰率、ページ滞在時間、エンゲージメント率など、抽象的な方法がいろいろ使われているのを見てきました。でも……
ユーザーに直接聞いてみたことはありますか?
たとえば、情報提供型のコンテンツを作っているなら、各ページの下部にシンプルに次のようなボタンを置きます。
「この記事は役に立ちましたか? 👍👎」
そして、これをGoogleアナリティクスに連携します。
もちろん、そこにも多少のバイアスはあります(人はポジティブな反応よりもネガティブな反応のほうが多くなりがちです)。ただし、それは全体に同じように適用されるため、比較するための十分な基準になります。
コンテンツ改善に取り組む必要がある場合は、低評価が多い外れ値から着手するための優れたデータポイントが得られます。そこで、次のように問いかけることができます:
- なぜこのコンテンツはユーザーの期待を満たしていないのか?
- 重要な情報が抜けていないか?(AlsoAskedは確認しましたよね?)
- 現在の情報の見せ方が悪いのか?
- 提供された内容が単に気に入らなかったのか?
もちろん、そこからさらに定性的な評価を行うこともできますが、このデータを最初から収集することに、文字どおりデメリットはありません。
要は、記事下に次のような要素を設置し、GAで計測するというのだ。
クック氏が指摘するように完璧ではない。しかし、コモディティ・非コモディティの判別とコンテンツ改善のヒントとしての利用価値はありそうだ。
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「戻るボタンのハイジャック」スパムポリシーが適用スタート、影響は?
まったく確認されていない (Glenn Gabe on X) 海外情報
グーグルは、「戻るボタンのハイジャック」をスパムに関するポリシーの「悪意のある行為」に適用するとしていて、その開始日が2026年6月15日だった。適用開始から半月が経過したが、状況はどうなのだろうか?
驚くべきことにと表現していいのだろうか、まったくと言っていいほど変化がないようだ。常日頃から多くのサイトをモニタリングしている、グレン・ゲイブ氏は次のように状況を伝えている。
まず、適用された翌日の報告だ。
「戻るボタンのハイジャック」に関しては、まったく静かな状況だ。手動による対策は一切確認しておらず、それを受けたサイトがあるとも聞いていない。私が確認できる限り、まったく話題にもなっていない。また、現在では私のリストにあるサイトのうち、戻るボタンをハイジャックしているサイトは1つもない。つまり、すべてのサイトが6/15の期限前にハイジャックをやめたということだ。引き続き注意深く見守るが、今のところ何もない。
All quiet on the 'back button hijacking' front. I haven't seen any manual actions, I haven't heard of a site receiving one, and there is no chatter at all from what I can see. Also, now NONE of the sites on my list are hijacking the back button anymore. So all of them stopped… pic.twitter.com/FZfKauqpBT
— Glenn Gabe (@glenngabe) June 17, 2026
その4日後の報告だ。
「戻るボタンのハイジャック」に関しては、依然としてまったく静かな状況だ。戻るボタンをハイジャックしていた多くのサイトが現在ではそれをやめていると考えているため、手動による対策への懸念がウェブ全体で大きな変化をもたらした可能性がある。手動による対策の兆候は(まだ)確認しておらず、私のデータでは、以前戻るボタンをハイジャックしていて私が追跡していたサイトはすべて、現在はハイジャックしていない。引き続き注視するが、現時点で報告することは何もない。
Still all quiet on the 'back button hijacking' front. I believe many sites that were hijacking the back button have now stopped, so it's possible that the fear of a manual action yielded a ton of change across the web. I haven't seen any signs of manual actions (yet) and my data… https://t.co/u0N8oigaPE pic.twitter.com/MkyYtuYntx
— Glenn Gabe (@glenngabe) June 21, 2026
2か月の猶予期間があったため、どのサイトも対処を完了したということだろうか。実際にはほとんどのサイトで「何らかの広告サービスが提供する機能」を使っていて、それらのサービスが6月15日の時点で機能を停止したのだろうと想像される。
もしかすると、「戻るボタンのハイジャック」に対してはアルゴリズムによって自動でも対処もするとのことだったので、現状では手動による対策は実行せずに自動処理のみなのかもしれない(その場合でも、気付かないほどに影響が小さいのかもしれない)。
いずれにしても、影響が報告されていないからといって戻るボタンの正規の挙動を乗っ取る仕掛けは禁物だ。そもそも、ユーザー体験を悪化させる邪悪な仕組みなのだから。
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グーグル、2026年6月のスパムアップデートをリリース
検索結果に変化は起きたのか? (Google Search Status Dashboard) 海外情報
グーグルは、2026年6月24日(太平洋時間)に2026年6月のスパムアップデートをリリースした。展開は6月26日(同時間)に完了している。特定のスパムをターゲットにしたものではなく、通常のアップデートとのことである。
米国のSEOコンサルタントであるグレン・ゲイブ氏は、このスパムアップデート前後のランキング変動を次のように観測している。
6月の大きな変動 ―― 過去数週間、検索での露出に激しい変動があり、6月12日と6月18日が大規模なトラフィック減少と急増の主要な日付として際立っている。6月25〜26日にかけても最近の動きが観測された。
テストかロールアウトか ―― この極端な変動が、公式の6月スパムアップデートが実環境で積極的にテストされていることによるものなのか、それとも別の基礎的なアルゴリズム要因によるものなのかは、依然として不明である。
AIによる大量生成コンテンツへの影響 ―― リスクの高い手法や、「Mt. AI(AI山)」と呼ぶAI検索向けのスパム行為を大々的に実践しているサイトは、深刻な調整を受けている。一部は5月のコアアップデート前または期間中に一時的な急増を見せたが、6月のこの変動で大きく下落している。
コアアップデートによる影響の重なり ―― 分析された複数のサイトは、まず5月のコアアップデートの影響を受け、その後6月中旬の変動で追加の打撃を受けた。これには、多くの主要クエリで実質的に姿を消した著名なクーポンサイトも含まれる。
例外と急増 ―― スパム色の強い多くのサイトが下落する一方で、予想外のドメイン名が大幅に上昇した例もある。注目すべき例はGrokipedia(グロキペディア)で、露出が大きく急上昇した。しかし、その成長が持続可能かどうかには疑問が残る。
Good Morning Google Land! This is the 6/25 edition of "Spam Update Notes". It's the sister show to "Core Update Notes". :) Anyway, I ran the visibility reporting for nearly 2K sites that have been previously impacted by spam updates, plus a number of sites that are currently… pic.twitter.com/5joRPeSJy4
— Glenn Gabe (@glenngabe) June 25, 2026
グーグル公式のガイドラインに従ってSEOを施策していればスパムアップデートで悪影響を受けることはない。むしろ、スパムサイトが検索結果から排除されて恩恵を得られることを期待したい。
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