【レポート】デジタルマーケターズサミット2026 Winter

検索データの裏にある消費者の本音を読み解く。IDベースの行動ログで実現する深層インサイト分析

LINEヤフーのマルチビッグデータでカスタマージャーニーを可視化。「DS.INSIGHT」の活用事例を解説。

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7:05

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生活者のニーズが複雑化する今、検索データの分析だけでは購買の背景や比較検討のプロセスを捉え切れない。2026年2月4日に開催された「デジタルマーケターズサミット 2026 Winter」にLINEヤフーの野口真史氏が登壇し、IDベースの行動ログによるインサイト分析について解説した。

ポイントは「聞く」より「見る」。どんなキーワードで検索したかは「(何かを)知りたい」「食べたい」「買いたい」「どこかに行きたい」といった、率直な欲求を表すことが多い。その上で、統計化・匿名化されたIDベース行動ログ「DS.INSIGHT」を活用し、検索だけでは見えない消費者のリアルな姿に迫る実務の勘所を示した。

LINEヤフー株式会社 データソリューション企画開発ユニット ディビジョンリード 野口真史氏
LINEヤフー株式会社 データソリューション企画開発ユニット ディビジョンリード 野口真史氏

「自社データ」と「外部データ」の両輪で顧客を描く

検索データを活用した消費者のインサイト分析について、野口氏は「まず整理すべき点は、外部データと自社データの使い分け」と語った。自社データはPOSデータやサイトのアクセスログ、顧客アンケートなど、社内で蓄積や取得が可能なデータで、既存顧客の実績を分析するのには欠かせない。一方、検索クエリやSNSといった外部データは、新規の顧客や潜在顧客の動きを捉えることができる。

「自社データはどうしても結果データに偏ることが多い」と野口氏は語る。購入や来訪の“後”は見えても、そこに至る背景や理由が薄くなる。外部データはその逆で、背景や理由、行動を表すデータが得られるという。だからこそ、顧客の“点”を“線”にするために、両者の併用が前提になる。

ここで重要なのは、外部データは「広いが粗い」、自社データは「深いが偏る」という前提を理解したうえで、目的に沿って設計することだ。例えば、新規獲得や需要創出では外部データの利用価値が高い。一方、LTV向上や離脱抑止は自社データの深い理解が必要だ。

消費者のインサイト分析には外部データと自社データの両方が必要
消費者のインサイト分析には、外部データと自社データの両方が必要

検索データは“欲求”がそのまま表れる

外部データは「リスニングデータ」と「アスキングデータ」に大別できる。検索データやSNSはリスニングデータに含まれる。アスキングデータとはユーザーインタビューやアンケートなど、こちらが聞きたい項目について質問して得られるデータだ。アスキングデータはピンポイントで知りたいことに迫れる一方で、回答する側の本音が隠されてしまう可能性がある。そのため、より本音に近いリスニングデータが重要になる。

リスニングデータの中でも検索キーワードとソーシャルデータではさらに性質が異なる。

SNSの投稿は「好き」「楽しい」「腹が立つ」など感情の発露になりやすいですが、検索キーワードは、何かを「知りたい」「食べたい」「買いたい」、どこかに「行きたい」といった欲求を表すことが多い。本質的な悩みや、潜在的なニーズが出やすいのです(野口氏)

昨今は生成AIを利用した市場調査も普及してきている。AIにソースを探してきてもらい、まとめてもらえば時間もコストもかからないが、ハルシネーションなど、信頼性に疑問が生じる可能性もある。また、AIがアクセスできるものは公開情報が中心のため、差別化ポイントにはなりにくい。

だからこそ独自のアンケートやインタビューと外部のベンダーが提供するデータを組み合わせ、AIに解釈させるというのが、非常に大事になってきます(野口氏)

LINEヤフーが提供する「DS.INSIGHT」とは

LINEヤフーでは誰でも簡単に調査・分析ができる「DS.INSIGHT」を提供している。「DS.INSIGHT」はYahoo! JAPANの検索データ、位置情報データ、属性データなどを「誰が」という情報は分からないようにした上で統計化している。

「DS.INSIGHT」は複雑な消費者のインサイトを手軽に分析できる
「DS.INSIGHT」は複雑な消費者のインサイトを手軽に分析できる

「DS.INSIGHT」は以下の5つのプロダクトで構成されている。

  1. 検索キーワード・ベーシック(検索キーワードのニーズを知りたい人向け)
  2. 検索キーワード・ジャーニー(ユーザーの検索行動を深掘りしたい人向け)
  3. 検索キーワード・トレンド(流行をウォッチしたい人向け)
  4. 位置情報・プレイス(人流分析、来店者分析をしたい人向け)
  5. 属性・ペルソナ(ターゲット像を具現化したい人向け)

「DS.INSIGHT」では顧客自身も気づいていない潜在ニーズや、なぜそのキーワードで検索したのかといった行動の背景、次のトレンドを生み出すアーリーアダプターの分析などが可能となっており、検索を起点に仮説と検証を効率的に回すための基盤となる。

分析法① 共起キーワードで見えないニーズを見つける

「DS.INSIGHT」における基礎的な活用法の一例として、野口氏が提示したのが「日焼け止め」の事例だ。「DS.INSIGHT」では「日焼け止め」という言葉(第一キーワード)と共に検索された共起キーワード(第二キーワード)を、マップに落とし込んだ状態で可視化できる。

「日焼け止め」の共起キーワードマップ
「日焼け止め」の共起キーワードマップ

共起キーワードは、検索者が何を前提に、何を解決したくて検索したのかを推測する手がかりになる。日焼け止めの仕組みや使い方、具体的な商品名、目的や効果など、日焼け止めに関わるあらゆることが検索されているが、なかでも「順番」「塗る順番」「時間」といったキーワードの多さに着目すると、「日焼け止めの正しい塗り方が知られていないのではないか」と考えられる。そこから、日焼け止めの販促の際にはそうした教育的なコンテンツが有効なのではないかという仮説が立てられる。

「白くならない日焼け止めがいい」とか、「効果の強い日焼け止めはどうやって見つければいいのか」という形でも検索されています。このあたりはマーケティングの用語で言うと「カテゴリーエントリーポイント」のようなもの。その商品を調べるようになったきっかけや、手に取るまでにどんな悩みを抱えているのかといったことが分かってきます(野口氏)

分析法② 共起キーワードを比較して自社の強みを見つける

カテゴリーエントリーポイントを見つける方法は他にもある。野口氏が次に例にあげたのは「マヨネーズ」と「ケチャップ」。共起キーワードを散布図で表示してみると、マヨネーズがカバーしている領域、ケチャップがカバーしている領域、両者に共通する領域が見えてくる。

共起キーワードの散布図で、競合ブランドとのポジションを比較できる
共起キーワードの散布図で、競合ブランドとのポジションを比較できる

片方にしか登場しない共起キーワードをリストアップしてみると、独自のカテゴリーエントリーポイントがわかる。その結果から、自社の強みを守るのか、他社の領域を奪いに行くのかといった議論へとつなげられる。実際に、こうした共起キーワード分析は新商品の開発やプロモーションの企画に活用されている。

分析法③ 時系列キーワードで検索の前後を可視化する

共起キーワードに続く基礎分析の2つ目が「前後検索(時系列キーワード)」である。例えば「筋肉痛」と検索する人の中には、一定の確率でその前日に「筋トレ 初心者」と検索し、翌日に「筋トレ 自重」と検索するというように、カスタマージャーニー分析ができる。

下の図は、短い時系列のジャーニーの例だ。「カレー 作り方」を検索した直後に「具の切り方」「水の量」「炒め方」「煮込み時間」「ルーを入れるタイミング」と、手順に沿って検索が連鎖し、数時間後に「保存の仕方」、翌日に「アレンジ」へと進む。行動や思考の流れが見えるというわけだ。

「カレー 作り方」の前後で検索された時系列キーワード
「カレー  作り方」の前後で検索された時系列キーワード

前後検索では短期間のジャーニーだけでなく、30日後、60日後、90日後といった中長期のジャーニーも可視化できる。時系列キーワードには迷い、比較、購入後の不満などが表れる。どのタイミングで立ち止まり、どう背中を押せば良いのかが可視化されるため、広告クリエイティブの改善や、クロスセル施策のタイミングや内容を決める際などに活用できる。

検索データはYahoo! JAPANやLINEのIDと紐付けて保存されていますが、分析する際には当然個人情報に配慮して匿名化し、「誰が」ということは分からない状態で統計化します。その上で、検索した方の「流れ」のようなものはデータとして見られるようになっています(野口氏)

IDベース行動データで消費者のインサイトがもっと見える

言うまでもなく、消費者が商品を購入するまでの流れはさまざまだ。興味を持って検索し、すぐに買うこともあるが、しばらく時間を置いてから買うこともある。また、オンラインではなくオフラインで購買行動を起こすこともある。「DS.INSIGHT」は、こうした消費者の複雑な行動を捉えやすい「マルチビッグデータ」が強みだ。

LINEヤフーのマルチビッグデータは10年以上前からの膨大なデータ量を誇る

セグメント連携でカスタマージャーニーを抽出する

「DS.INSIGHT」では膨大なデータを、起点とするデータでユーザーをセグメント化する。下記の通り、さまざまなデータを起点にできる。

  • 検索データ(Yahoo!検索で特定のキーワードを検索したユーザー)
  • 購買データ(Yahoo!ショッピングで特定の購買をしたユーザー)
  • ページアクセスデータ(Yahoo!検索から特定のページにアクセスしたユーザー)
  • Yahoo!広告データ(Yahoo!広告で自社の広告に接触したユーザー)
  • 位置情報データ(特定の場所や施設に訪問したユーザーや、特定の手段で移動したユーザー)
  • アプリイベントデータ(自社アプリでアプリイベント(購入・インストール)を行ったユーザー)
  • LINE広告データ(LINE広告で自社の広告に接触したユーザー)
  • LINE公式アカウントデータ(友だち追加・メッセージ送信など、自社のLINE公式アカウントでアクションしたユーザーや、自社のLINE公式アカウントでリーチできるユーザー)

例えば検索データ単体で「もつ鍋」について調べるとすると、下図の左側のように「もつ鍋のレシピ」や「もつ鍋のお店」というように、「買う人」「作る人」「食べる人」が混ざり合ってしまうが、購買データを起点にして前後を調査すると、購入に至るまでのプロセスや購入後の行動といったジャーニーが抽出できるようになる。

起点を設定することでノイズが消え、カスタマージャーニーが浮かび上がる
起点を設定することでノイズが消え、カスタマージャーニーが浮かび上がる

検索データ以外にも位置情報データを起点とすると、特定の場所に訪問した人が、その手前でどんなキーワードを検索しているのかといったことも見えてくる。このあたりは多彩なデータを持つLINEヤフーならではの強みと言えるだろう。

行動の前後の検索行動を可視化することで、ニーズや課題、比較対象となる競合との違いが明確になり、マーケティング施策への反映が可能になる。具体的には広告のコンバージョンにつながる要因を特定し、訴求ポイントの強化やLPの改善を行ったり、来店回数など、顧客のフェーズに合わせた販促設計を行ったりする際に活用できる。

「DS.INSIGHT」は使っていただく方によって多様な使い方ができ、かなり面白い切り口が見えてきます。7日間無料トライアルを実施していますので、ぜひ一度お試しいただき、行動起点のデータ分析の面白さを体感してください(野口氏)

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