生活者のホンネをどう調べる? インサイトを発見する「Blabo!」を、Web担編集部が使ってみた
- 「商品企画をしたいけれど、何から始めればいいのかわからない……」
- 「アンケートをとっても、生活者のホンネがよくわからない……」
- 「生活者も交えた商品開発がしたい!」
こんな悩みやニーズを叶えるサービスがある。それが、共創マーケティングプラットフォーム「Blabo!(ブラボ)」だ。これまでに大手企業や行政を中心に200社以上が導入し、150以上の商品やサービスが生まれているという。
一体どんなプラットフォームなのか。CCCMKホールディングスの水口貴裕氏に話を聞き、Web担当者Forum編集部が実際に体験してみた。
生活者のインサイトを探る「Blabo!」とは?
読者層を広げる……若年層にもアプローチ……
ウェブパン、大丈夫?どうしたの?
会社の偉い人から「Web担当者Forumを若年層にもアプローチしてほしい」と言われたけど、どうしていいか全然わからないパン……。なにか良いアイデアないパン?
じゃあ「Blabo!」を使って、生活者に聞いてみる?
「Blabo!」って何だパン?
「Blabo!」は、生活者と企業をつなぐプラットフォームのことで、3万人以上が参加している“オンライン企画会議室”のようなものです。
具体的には、企業がお題を出し、それに対してユーザーが意見やアイデアを自由に出していきます。アンケートや購買データの分析などと違い、お題を通じて双方向のコミュニケーションをとることで、生活者のインサイトを探りあて、潜在的なニーズを言語化していきます。
実際に大手企業や行政を中心に200社以上が導入していて、これまでに150以上の商品やサービスが生まれています。
完成した商品は、Tカードの利用データからターゲティングを行って、ダイレクトにプロモーションすることも可能です。
インサイトを発見し、生活者に寄り添った商品開発した事例
具体的にどんな実例があるんパン?
たとえば、ハウス食品さんは良い例です。ハウス食品さんには、次のような問題意識がありました。
【企業の問題意識】
カレーに比べてシチューの売上が芳しくない。味は変わらないのに、購買頻度や調理頻度が、じわじわと減っていっている。その理由は何か? シチューに対する生活者のホンネを知りたい。
そこで、シチューにまつわる「モヤモヤ」と、それを解決するアイデアを募集しました。すると次のような生活者の考えや実態が見えてきました:
- 「米とシチューがあまり合わない」
- 「シチューだけだと、旦那さんがどうも物足らない様子。かといって、おかずをもう一品を作るのは負担になる」
300以上の集まった意見やアイデアからインサイトを探ると、生活者にとってシチューは「一皿メニューではない」ため、夕飯に食べる機会が減っていたことがわかりました。生活者は、ご飯と相性がよく満足感のあるシチューを求めていたのです。
そこから、一品でも満足できるワンディッシュ商品として『シチューオンライス』の開発に至りました。
すごいパン! でも、なぜユーザーはアイデアを投稿するんパン? 何かメリットでもあるパン?
良い質問ですね!
アイデアを出せばTポイントがもらえる仕組みになっていますが、ポイント目当てで投稿する人は少数派です。では何のためかというと、楽しいからなんです。
ユーザーさんからは「息抜き感覚で書いたアイデアが採用されてとてもうれしかった」「自由に意見を言える楽しい場所で、見たことがない世界を見せてくれる」といった感想が多いですね。メーカーで働いていなくても商品企画に参加できることが魅力のようです。
たしかに自分のアイデアが採用されて、商品化されたら最高パン!
また、クローズではなくオープンな仕組みなので、ほかの人のアイデアを見ることができるのも魅力のようです。「ほかのSNSと違ってポジティブな世界」「のびのび発言できる」という声も多いですね。ひとつのお題に対して、平均で200個ほどのアイデアが上がってきます。
200個!? それはすごいパンね。これだったら、Web担当者Forumの読者層を広げるためのヒントがもらえるかもしれないパン。
では、実際にやってみましょう!
Web担当者Forumの潜在読者層は、何を求めている?
「Blabo!」の利用の流れは、次のとおり:
- 課題の整理
- 問いの設計
- 生活者への問いかけ
- インサイトの発見
- ワークショップ
- コンセプト開発
今回は「4.インサイトの発見」までを体験することに。まずは、水口氏によるヒアリングで課題を整理し、そこから「もし、あなたがWeb担の編集長になったなら。デジタルネイティブ世代にズドンと刺さる特集テーマって?」というお題を立てた。
「編集長」という立場を置くことで、普段、触れない媒体でもユーザーが問題を自分化するのがねらい。デジタルネイティブ世代(若年層)が興味ありそうなテーマを見つけ出し、なぜそのテーマが求められるのかインサイトを探る。
2023年1月31日~3月1日の約1か月間募集したところ、213のアイデアが集まった。
集まったアイデアを簡易的に分析すると、次の4つのパターンに分けられますね:
- 1.ポジティブなビジネス思考
ライティングやSEO、キャリアなど、学びになる特集が良いのではないかという意見。
- 2.ネガティブなビジネス思考
SNSの炎上を鎮火させる方法やフェイクニュースの見破り方など、リスク回避のためのコツやチェックポイントなどの特集が良いのではないかという意見。
- 3.ビジネス感のあるプライベート思考
便利なデジタルツールやアプリ特集が良いのではないかという意見。
- 4.プライベート思考
スマート家電や、医療・子育て×Webなどの特集が良いのではないかという意見。
中でも、「ネガティブなビジネス思考」であるリスク回避のための情報を求める意見が多く見られました。たとえば「AIで生成された文章・画像と、そうではないものの見分け方」などですね。
興味深いパン。
ほかにも「リスクマネジメントを仕事にしている人にインタビュー」や「Webや広告まわりの法律の記事」などの企画も良さそうパン!
いいですね! こうやって結果をもとに新たなアイデアや議論が生まれるのも「Blabo!」の強みです。また今回は体験なのでお題1つでの分析でしたが、通常は3つ以上のお題を出して多角的に分析し、より詳細なインサイトを見出していきます。
もちろん「Blabo!」のユーザーは一般生活者であり、ウェブやマーケティングの知識を持っていない方が多いと思いますので、Web担の読者に直接アンケートを取ったほうがピンポイントな特集は組めるでしょう。
とはいえ、まだWeb担を知らない未来の読者の感覚がどういったものなのかは、つかめたのではないでしょうか。
その通りパンね!
Web担当者Forumは2023年で17周年。もっと長く続くメディアとなるよう、この結果を参考に、読者層を広げられる企画をもっと考えていくパン!
ソーシャルもやってます!