【レポート】デジタルマーケターズサミット2023 Winter

UA計測停止まで残りわずか! GA4へまだ移行してない人が知っておきたいポイントを小川氏が解説

2023年7月1日に計測停止が予告されているユニバーサル アナリティクス(UA)。GA4への移行期間を考えると、そろそろ取り組まなければ間に合わない。
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2020年10月にリリースされたGoogle Analytics 4(GA4)にまだ対応していない企業は多い。しかし、無料版のユニバーサル アナリティクス(UA)は2023年7月1日に、有償版のUAは2024年7月1日に計測停止が予定されているため、まだ移行していない場合は早急な対応が必要だ。

デジタルマーケターズサミット 2023 Winter」に、コンテンツマーケティング・SEO対策ツール「ミエルカSEO」を提供するFaber Company(ファベルカンパニー)の小川卓氏が登壇し、GA4移行時に設定しておくべきポイントや、移行後の活用方法について解説した。

小川卓氏
株式会社Faber Company 取締役 CAO 小川卓氏

GA4の移行にかかる時間は2週間から3ヶ月

無償版ユニバーサル アナリティクス(UA)のデータは2023年7月から計測できなくなり、API連携によるデータ取得も不可能になる。しかし、2023年3月時点で、Google Analytics 4(GA4)に移行済みの国内上場企業のWebサイトは約50%に過ぎない(SEM Technology調べ)。

もちろん、GA4以外のアクセス解析ツールも存在するものの、選択肢は限られる。「現在UAを使ってデータ分析を行っている場合は、GA4が移行の第一候補」と小川氏は断言する。

GA4とUAでは、根本的な計測方法が異なるため、過去のUAのデータをGA4に移行することはできないが、過去データを活用するためには、UAのデータ保存は欠かせない。

また、GA4への移行にかかる期間は、現在のUAの設定状況にもよるが、「2週間から3カ月は見ておいたほうがよい」(小川氏)という。つまり、GA4への移行作業をまだ開始していない場合、移行期間を考えると、待ったなしの状況と言える。

GA4移行時に行うべき設定

では、移行時にGA4の設定はどこまで行えばよいのか。それは、UAの使用状況によって異なる。「アクセス数」「ページビュー」「コンバージョン数」を見る程度なら、「計測記述の追加」「初期設定」「コンバージョン設定」で十分だが、分析改善のためのカスタム設定やECの売上取得などをしている場合は、既存要件の移行や新たに取得する指標の追加の実装が必要になる。さらに利用の幅を広げる場合は、BigQueryや他のツールとの連携を行うことになる。

移行時のGA4の設定はUAの使用状況によって異なる

全サイトで必要な計測タグの追加

GA4を利用するには、Webサイト内に計測タグを設置することになる。小川氏によると、計測タグの追加方法にはいくつかパターンがあり、次の図のように分類できるという。

UAの実装状況ごとの実装パターン

まず、既存サイトにUAを導入していない場合は、「Google Tag Manager(グーグルタグマネージャー)」を使って実装するといい。UAを導入していてタグマネージャーを使っていれば、Google Tag ManagerにGA4のタグを記述する。Google Tag Managerを使っておらず、手書きで挿入している場合や、WordPressのプラグインを使っている場合は、gtag.jsのコードあるいはGA4に対応したプラグインを使えばよい。

なお、いずれの方法でも、GA4でプロパティ(計測の箱)を作っておく必要がある。プロパティの作成には、新規にGA4のプロパティを作成するか、既存プロパティをGA4にアップグレードするかの2種類の方法がある。なお、UAとGA4の併用が可能なので、しばらくは数字のズレなどを検証するためにも、両方を比較できるようにしておいたほうがよい。

計測タグの技術方法については、小川氏が運営する「Google Analytics 4 ガイド」にて解説されているので、参考にするといいだろう。

どのパターンでも必要な初期設定

さて、GA4のプロパティを作成して、計測タグを設定したあとは初期設定が必要になる。設定したタイミングから計測される項目は、導入時に設定しておきたい。順番に紹介しよう。

初期設定項目一覧

Google シグナル

Google シグナルは、Googleアカウントにログインしているユーザーがサイトを訪問したときに、デバイスをまたいでも同じユーザーだと判断するために利用できる。また、ユーザーが広告の最適化配信をオンにしている場合は、ユーザー属性として年代性別などを把握できる。

条件に該当するユーザーは全体の2~3割だが、デバイスをまたいで同じユーザーかどうか判断できるので、分析の精度が上がる(小川氏)

Google シグナルの初期設定

データの保存期間

初期設定では「ユーザーデータとイベントデータの保持」が2カ月に設定されている。無償版の場合は、2カ月または14カ月が選択できるので、14カ月に設定しておきたい。初期設定でもレポ―トは14カ月以上見ることができるため、この設定は「探索」で利用するデータの保存期間となる。

データの保持期間は14カ月に設定しておきたい

拡張計測機能

「スクロール」「離脱クリック」「動画エンゲージメント」「ファイルのダウンロード」など、UAでは実装が必要だった項目が、GA4では自動で取得できるようになっている。デフォルトでオンになっているため、基本的にはそのままにしておこう。

拡張計測機能は基本的にそのままでOK

コンバージョン設定

Webサイト上で実現したい、問い合わせ、会員登録、購入などをコンバージョンとして設定でき、コンバージョン数を確認できる。

イベント一覧に、「click」「first_visit」などのイベントが登録されているので、「コンバージョン」として設定したい項目にマークをつけると、コンバージョンとして計測されるようになる。

コンバージョンとして設定したい項目にマークをつけるとコンバージョンとして計測されるようになる

イベントはどういう行動をしたかを取得します。イベント一覧に存在しない、たとえば特定のページの閲覧などをコンバージョンにしたい場合は、『イベント作成』から新たなイベントとして、『カスタムイベント名』『パラメーター名』『演算値』を設定します。登録したイベントのコンバージョンをオンにすれば、コンバージョンとして認識され計測されるようになります(小川氏)。

UAを使いこんでいる場合の移行プロセスと移行期間

UAでしっかり設定して分析・改善に使っている場合は、これまでの設定を移行することになるため、移行時のプロセスが増える。利用状況にもよるが、下記のようなステップを経ることになるため、移行には1カ月~3カ月はかかるだろう。

  1. 既存要件の整理
  2. 新規要件の追加
  3. 初期実装
  4. 初期設定
  5. 追加実装
  6. 追加設定
  7. 計測確認
  8. 本番リリース
  9. データ閲覧方法の整理
  10. 連携ツールの移行

『既存要件の整理』では、今の利用状況を整理して、誰がどういう要件で数値を見ているか、どういう形式でデータを見ているかなどを確認し、GA4でも対応するかどうかを決めます。UAのアクセス権を持っている人にメールを送って、何に使っているかを確認するとよいでしょう。長く使っている場合は、古い設定が残っていたり、重複設定があったりするので整理します。その上で、GA4でどのように対応するのか方針を定めます。

『新規要件』では、追加で計測したい項目、過去には取得できなかったけれどGA4で見られるようになった項目などを整理します。今回は強制的な引っ越しなので、既存と新規の要件を整理し、運用ルールを見直す重要な機会ととらえてください(小川氏)

初期実装と初期設定

初期実装と初期設定では、下記の設定を行った後で、計測できるかを確認し、それができたら、特定リンクのクリック、eコマースの計測などサイト個別の実装をしていくとよい。

  • GA4プロパティの作成
  • GA4タグの追加(直接追加 あるいは タグマネージャー)
  • プロパティの権限管理
  • Google シグナルの有効化
  • データ保持期間の変更
  • 拡張計測機能の設定
  • クロスドメイン設定
  • 内部トラフィック設定(社内IP除外など)
  • 除外する参照元の設定
  • 他システム(GoogleサーチコンソールやGoogle広告等)との連携
  • コンバージョンの設定

2023年7月の計測終了を考えれば、数カ月単位でかかる作業を始めるのは、もはやこのタイミングしかありません。現状の設定をそのまま移すと後悔することになるので、要件整理して移行するのが重要です(小川氏)

移行後のGA4の活用方法

GA4に移行できた後は、活用方法を考える。その際には次のような作業が必要だ。

  • 計測確認
  • 権限付与
  • レポートを使ってみる
  • 探索機能でレポートを作成してみる
  • 勉強会の実施
  • Looker Studioの作り直し
  • 既存レポートのGA4データでの差し替え
  • UAとの数値比較や差異を確認

まず、UAとGA4は計測の仕組みが異なるので、「計測も10%くらいはズレてしまう」(小川氏)という。しかし、極端にズレる場合や特定のページの取得ができない場合は再確認が必要だ。

権限付与では、退職した人や以前の代理店のアカウントが残っていることがあるので整理する。

次に、今まで分析していた内容をどうやってGA4で確認するか、レポートや探索機能を使って確かめる。社内勉強会を開催して、使い方の周知をするのも必要だ。Looker Studioを使っている場合は、作り直しになる。

その際には、以下の3つの対応が必要だと小川氏は言う。

1. 今までUAで出していたレポートを、どのようにGA4で出すかの対応資料を作成する

UAで見ていた内容をGA4で見るには、レポートと探索の両方を使う必要があります。不要なデータは取得せずに、新たに取得できる『スクロール』『外部リンククリック』『その他カスタマイズ項目』などの指標についても必要なものを追加します。システム連携している場合は、ツール担当者と話をして対応の可否やスケジュールを確認します(小川氏)

2. GA4の操作方法に慣れる

オススメは社内勉強会です。社内の誰かが講師になってもいいですし、外部に依頼してもいいでしょう。また、質問表をスプレッドシートやBacklogなどのツールで作成してまとめておきます。必ず同じような質問が出るので、まずはそこを見るようにして、わからなければ個別に質問してもらうようにします(小川氏)

3. 数値のズレを確認し、KPI等の設定し直しを行う

UAとGA4では数字がずれるのが大前提だ。仕様も、取得タイミングも、用語の意味合いも異なる。そのため、数カ月併用してどれくらいズレるのかを確認し、KPIなどの設定をし直す作業が必要となる。

『ページビュー』『セッション』『ユーザー』『コンバージョン』などは数%ズレますし、『流入元チャンネル』や『滞在時間』はそれ以上にズレます。

ズレているのが実装ミスのためか仕様なのか判断しなくてはなりません。特定のページ、特定のデバイスなどでズレている場合は実装ミスのことが多いです。KPIは、GA4の数値をみて設定し直すことになります。GA4を正として見直してください(小川氏)

GA4の移行にあたってすぐに使える参考資料

小川氏は最後に、無償公開している約370ページにわたる「Google Analytics 4 説明資料」を紹介した。資料には設定や実装など移行に必要な情報がまとまっており、フォームに入力するだけで誰でもダウンロードできる。

また、先述した小川氏が運営する「Google Analytics 4 ガイド」では逐次情報が更新されているのであわせて参考にしたい。UAとGA4の細かい違い、探索機能や管理画面の使い方、BigQueryとの連携などがまとまっている。

また小川氏は、2022年10月に「「やりたいこと」からパッと引ける Googleアナリティクス4 設定・分析のすべてがわかる本」(ソーテック社)も出版している。

◇◇◇

Faber Companyが提供するSEO・コンテンツマーケティング支援ツール「ミエルカSEO」は、GA4と連携している。GA4を見なくても、ミエルカSEOから「集客力」「エンゲージ力」「成果力」という3つの観点の指標、細かな数字の確認やタスク設定ができるほか、SEOの観点から見たコンテンツの改善案も自動提案される。

さらに、2023年2月には、自然言語処理モデルGPT-3を活用した「AIコンテンツアシスト」機能も搭載された。無料トライアルができるため、興味のある方は試してみることをオススメしたい。

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