BtoBデジマ担当者必見! Webで問い合わせを増やすために明日から実践したい施策3選
どうすれば、問い合わせを生み出すWebサイトになるのか? ――BtoBのデジタルマーケティング担当者であれば、一度は悩んだことがあるだろう。
マーケティングオートメーション(MA)ツール「SATORI」を提供するSATORIの高久和紀氏が、「デジタルマーケターズサミット2023 Winter」に登壇し、Webサイトからの問い合わせを増やすための具体的な3つの施策を紹介した。
問い合わせをするユーザーは訪問者の0.6%にすぎない
高久氏が講演の冒頭であげたのが0.6%という数字だ。これは、BtoB企業のWebサイトを訪問した人が問い合わせなどのコンバージョンにつながる割合だという。残りの99.4%の訪問者がどういった人物なのか、同社の提供するMAツール「SATORI」で測定したところ、約30%はすでに展示会で名刺交換などを行い接点のある人、残りの70%が接点のない人であることがわかった。
1つ目の「問い合わせをする0.6%」については、確実に問い合わせをしてもらい、漏らさないための施策を紹介します。2つ目の「すでに接点のある30%」については、さらに興味関心を持ってもらう、またここに当てはまる人を増やしていくための施策を実施します。
そして、最後の「接点はないが訪問した70%」には、後々の問い合わせ数に影響してくるので、母数を増やしていく施策を実施します。この3つの観点から施策を行うことで、継続的に問い合わせを生み出す仕組みを作ることができます(高久氏)。
整理すると、Webサイトからの問い合わせを増やすために行うべきは、次の3つの施策となる。
- 問い合わせしたい人を漏れなくつかむ
- 問い合わせ未満の人を育てる、獲得する
- 将来の見込み顧客の流入を増やす
問い合わせを増やすために実践したい施策3選
① 問い合わせしたい人を漏れなくつかむ
まず、問い合わせをする0.6%を漏らさず確実につかむ方法だ。主な問い合わせの受付方法は、「電話番号」「メールアドレス」「問い合わせフォーム」の3つがある。このうち、メールアドレスをWebサイトに掲載することは、スパムメールの被害に合うため推奨していない。
電話は、最初から直接会話ができるというメリットがあるものの、受付時間外の問い合わせは対応できないため機会損失になる。テレワークが普及したことで、電話を避ける人も増えている。
この点、問い合わせフォームは、24時間365日受付可能であり、知りたい内容を入力項目に設定できるので、電話よりも抜け漏れなく情報を取得できる。そのためBtoB企業のWebサイトにはお問い合わせフォームは必須であり、電話があればなおよい。
問い合わせフォームを設置したら、そこへの導線を考える必要がある。SATORIのWebサイトを例にすると、問い合わせは右上の目立つ場所に、目立つ色でボタンを用意している。
初めて訪問する人でも、迷わない導線を設計することが重要です(高久氏)
フォームの入力項目は6項目がおすすめ
問い合わせフォームでは何を入力してもらうかも重要だ。高久氏は、よくある入力項目として以下の6つを挙げた。
- メールアドレス
- 名前
- 会社名
- 電話番号
- 検討状況
- 抱えている課題
入力項目は『営業のしやすさ』と『フォームの入力完了数』から考えます。営業のしやすさを考えれば、検討状況、課題まで全てお問い合わせフォームで入力してもらったほうが営業の準備がしやすくなります。
一方、入力完了数で考えると、入力項目が増えるほど完了する人が減るので、欲張り過ぎもよくありません。項目を増やすと営業のしやすさと引き換えに、機会損失の可能性があることを頭に入れておいてください(高久氏)
この2点を踏まえたうえで、高久氏は、BtoBの問い合わせフォームでは上記の6項目すべてを設定することを推奨している。「営業のしやすさと入力完了のバランスを考えると、これ以上でも以下でもありません。これ以上増やしたい場合は、可能な限り任意項目として設定するか、お問い合わせ後の個別アプローチでヒアリングしましょう」と高久氏は述べる。
② 問い合わせ未満の人を育てる、獲得する
次は、すでに何らかの接点はあるがサイトからの問い合わせをしていない30%の人に向けた施策だ。SATORIでは顧客の検討段階を次の4段階に分けて捉えているという。
- まだまだ客:課題に気づいていない
- そのうち客:課題を認識しているが解決策を模索中
- もうすぐ客:解決策を認識し情報収集中
- 今すぐ客:SATORIで解決できると気づいている
このうち[今すぐ客]が、先に述べた0.6%の方々です。その前段階の、[そのうち客]、[もうすぐ客]が30%の方々にあたります。ここで行うべき施策は、情報を収集・調査している方々に向けて、課題解決に役立つ活用事例、お役立ち情報などのダウンロード資料を用意することです。資料ダウンロードの申込フォームを用意すれば、接点がなかった人を接点のある人に変えることもできます(高久氏)
用意する具体的な資料については、「今すぐ客に向けて製品・サービス資料を用意し、そこから連想していくといい」と高久氏は話す。たとえば、もうすぐ客には「導入事例集」や「活用方法紹介」、そのうち客には、「製品カテゴリに関する一般的な説明」がおすすめだ。
カテゴリに関する一般的な説明とは、SATORIの場合であれば、MAの基本や機能の解説などが該当する。SATORIではこれらに加え、まだまだ客を狙う意図も込め、マーケティングの必要性について啓蒙するための「マーケティングの教科書」といった基礎知識のコンテンツを提供しているという。
フォームの入力項目はメールアドレスのみでもOK
資料が用意できたらダウンロードフォームを用意するわけだが、検討状況や抱えている課題についてはダウンロードしている資料から推測ができるので、ここでの入力項目は、メールアドレス、名前、会社名、電話番号でも十分と高久氏は言う。
さらに言うと、接点を作るためと割り切れば、メールアドレスのみでも十分です。そこからメルマガを配信して、少しずつ意欲を高めていきます。心理的ハードルが下がれば、他の資料のダウンロードで追加情報が取得できます。営業の連絡をするかどうかは、ダウンロード資料の内容や回数から検討します(高久氏)
実際に、SATORIでは、ダウンロードフォームの入力項目をメールアドレス、名前、会社名、電話番号の4項目からメールアドレス1項目のみに変更しただけで、入力完了率が2倍になるという成果があったという。
③ 将来の見込み顧客の流入を増やす
接点のない70%に対しては、母数を増やしていくための施策を実施する。Webサイトへの訪問者が少なければ、最終的な今すぐ客の数も減ってしまうからだ。
Webサイトを作っただけでは人は、集まらないということを忘れてはいけません通りがかりで偶然Webサイトを発見するようなことは起きないので、集客方法を考える必要があります(高久氏)
考えられる集客施策は次の3つだ。
- 認知獲得型広告(CM、屋外広告など)
- 獲得型広告(Web広告)
- 自社サイト内ブログ
認知獲得型広告は費用が高額だが、広告終了後も一定期間は効果が持続する。獲得型広告は安価に効果が出せるが、終了直後に効果が失われてしまう。自社サイト内ブログは、広告ほどの初速はないが、一度記事を公開すれば長期的に効果を得られ、自分で記事を作成するならコストは非常に安価だ。
Web資産となる「ブログ」での集客はすぐに始めたい
ブログは、一度公開すれば長期間継続し、Webサイトの資産となります。記事は安価に作れるので、継続して作り続ければ、集客に貢献できます。SATORIのWebサイトへの流入は約80%がブログ経由で、広告費に換算すれば毎月数百万円ほどの集客効果があります。広告予算や広告市場に影響を受けず、一定数の流入を確保できる大切な資産です。迷っているなら早く始めたほうがよい施策です(高久氏)
ブログの記事は、[まだまだ客]が[そのうち客]になるためにはどういった情報が必要かを考え、キーワードを選定していく。カスタマージャーニーマップを作って必要なコンテンツを洗い出していくのもいいだろう。作成したブログから資料ダウンロードに誘導することも有効だ。
このように、問い合わせフォーム、資料ダウンロード、ブログの施策を組み合わせることで、継続的に問い合わせを生み出す仕組みを作れるというわけだ。
ここまで紹介してきた3つの施策はどれも特別なツールは必要ないものばかりだが、顧客データを一元管理して、顧客行動を見える化できるMAツール「SATORI」を使えば、さらに効果的だ。
たとえば、資料ダウンロードや問い合わせフォームの送信があれば、即座に担当者に通知され素早い対応が可能になるし、顧客が過去にどのような資料をダウンロードしてきたのかも把握できる。メルマガを配信した場合、顧客単位で閲覧状況を確認できる。「Webからの問い合わせを増やすには、ぜひ活用を検討してほしい」と高久氏はアピールした。
本日紹介した3つの施策を取り入れることで、デジタルで新規顧客獲得が可能になり、営業のあり方も変わります。DXを実現する第一歩でもあるので、『自社の場合はどんな施策を打てばいいか』を一度考えてみてください。問い合わせを増やすための施策は、苦しみもありますが、楽しいものです。これから始める方やWebサイトを進化させたい人のヒントになればと思います(高久氏)
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