百戦錬磨のSNSマネージャーが手ほどき! 企業SNS活用の悩みに答えます

これだけはおさえとけ! 現場でリアルに使っているまず覚えたいTwitterコマンド3選

Twitterでは、検索のポイントを押さえることで、ユーザーの利用傾向を知ることが可能です。

オーガニック運用・広告配信・危機管理など、企業のSNS活用のポイント、最新情報を、SNSマネージャー養成講座の講師陣「チーフSNSマネージャー」のメンバーが、それぞれの得意分野を中心に解説します。

今回は、大手クライアントを中心にSNSコンサルティングを実施しながら、過去に事業会社でもSNS運用経験のある、山本真帆が回答します。

質問

会社のSNS運用を任されたのですが、個人では情報収集でしか使わないので何から手を付けていいか分かりません。まずは何からしたら良いでしょうか?

山本

SNSの運用は、アカウントの目的によって運用方法が変わってきます。実際のコンサルティング現場では目的の整理から入ります。
今回は、まずSNSに慣れるという点に加え、活用するためのヒントを得るために、SNS上でどのようなコミュニケーションが行われているかを把握することが大切となります。Twitterでの検索スキルを上げることをおすすめします。

Twitterでは、検索のポイントを押さえることで、ユーザーの投稿から利用傾向を知ることはもちろん、運用のヒントを獲得することが可能です。今回は、実際に各社の支援時に活用している検索方法を一部ご紹介します。ユーザーの声を通して、どのような運用がベストなのかを考えるヒントを掴んでいきましょう。

ソーシャルリスニングに最適なTwitter

企業のSNS活用では前提として、各SNSのユーザー属性とターゲット層が合致しているSNSを選定する必要があります。

たとえば、コスメなどの美容系商材で視覚的にアプローチしたい場合はInstagram、BtoB企業でビジネス内容を中心に発信したい場合はFacebookやLinkedInなどと、使い分けたほうが良い場合がよくあります。

一方で、「ユーザーの声をキャッチアップし、マーケティング活動に用いる」という点ではTwitterの活用をおすすめすることが多いことから、今回はTwitter活用についてお話しさせていただきます。

※今回は基本的なソーシャルリスニングの観点でお話します。各事業によっては一概に該当しない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。
◇◇◇

まず、Twitterの媒体特性としては、全世界で毎日2億人を超えるユーザーが利用しているため、「リアルタイムでそのときに感じた気持ちをライトに投稿しやすい点」と「他SNSと比べて本音が投稿しやすい点」があげられます。これは初級SNSマネージャー講座でもお伝えしています。

Twitterは現存するSNSの中で最も即時性に優れたメディアです。登録名を実名にする必要がないことから、ユーザーの本音が拾いやすく、エゴサーチによって商品やサービスの評判を収集することにも適しています。
出典:初級SNSマネージャー認定講座公式テキストより抜粋

一方で、商材によってはネガティブな意見が投稿されていることもありますが、それもまた一ユーザーの声だと考えると、会社としてどういうサービス向上を図るべきかを検討するきっかけになるのではないでしょうか 。

こうした観点から、“投稿されたツイートから、いかに必要な情報を見つけ出すか”が、SNS運用においては重要になります。そのためにTwitter検索を積極的に使うといいでしょう。この後紹介する検索コマンドも非常に便利なので、ぜひ皆さんのビジネスに活かしてもらえたらと思います。

Twitterのおすすめ検索コマンド3選

Twitterの検索は、「キーワード検索」の欄に文字を入れ、エンターキーを押せばOKです(スマホアプリも基本的には同様の動きとなります)。

たとえば「SNSマネージャー」とキーワード検索欄に入力してエンターキーを押すと、「SNSマネージャー」と言及しているユーザーの投稿、アカウント、画像や動画が出てきます。検索自体は非常にシンプルですが、さらに「検索コマンド」を活用することで、より欲しい情報へ辿り着きやすくなります。

Twitter検索で使えるコマンドはたくさんありますが、そのなかでも実際の運用時によく活用されているコマンド3つをご紹介します。

(1)min:特定の数以上のアクションがあった投稿のみ検索

検索をする際に「たくさんのユーザーの目に触れた投稿を知りたい」という場合は多いのではないでしょうか。その際に使えるのがこのコマンドです。
「min」のあとに、どのアクションかを指定することで、特定数以上のアクションがあった投稿のみが検索に出てきます。以下のような形です。

min_faves:数字いいね数
min_retweets:数字RT数
min_replies:数字リプライ数

たとえば、「SNSマネージャーに関するツイートのうち、100いいね以上付いたもののみを調べたいとき」は、以下コマンドを入力すれば、該当する投稿のみが検索結果に出てきます。

min_faves:100 SNSマネージャー

自社商材で、拡散されたユーザー投稿をチェックしたいときなどに活用してみてくださいね。

(2)from:特定アカウントの投稿を検索

競合他社がアカウントを持っていて、特定のキーワードでどういう投稿をしているか調べるときに使えるコマンドが以下となります。

from:アカウントIDそのアカウントのツイート

たとえば、「Twitter社のアカウント(@TwitterJP)でバレンタインに言及しているツイートを調べたいとき」は、以下のコマンドを入力すると、「バレンタイン」と言及しているTwitter社の投稿が、検索結果に出てきます。

from:TwitterJP バレンタイン

応用コマンド「from:verified」:認証アカウントの投稿のみを検索

このfrom検索には、おすすめの応用コマンドがあります。それが「from:verified」です。 このコマンドを使用すると、Twitter社で認証されているアカウントのみが検索に出てきます。

(3)since、until:特定期間の投稿を検索

特定の期間のツイートを検索したい際に使えるコマンドは以下となります。

since:YYYY-MM-DD該当期間以降の投稿を検索
until:YYYY-MM-DD該当期間以前の投稿を検索

特定の期間にどういう言及がされていたかを検索するときなどに使えます。
たとえば、「今年2022年の正月三が日での、福袋に関する投稿を検索したいとき」は、以下のように入力すればOKです。

since:2022-01-01 until:2022-01-03 福袋

SNS施策を強化したタイミングはもちろん、それ以外(TVCMなど)でも、特定の露出強化施策を行ったときなどに活用してみてください。

その他、特定の投稿形式を検索する際に使えるコマンド

Twitterでは、外部記事のリンクを投稿したときにカード形式で表示される場合があります。この部分は「カード」と呼ばれています。カードはテキスト投稿以外に、画像や動画、アンケートなど、さまざまな投稿で利用されています。

Twitterカードを調べたい場合は、「カードネーム名」を指定すれば検索可能です。

card_name:カードネーム名

カードネーム名にはさまざまなものがありますが、私が実際の業務でよく使うものを、一部紹介しておきます。

poll2choice_text_onlyアンケート機能投稿(テキストのみ)
poll2choice_imageアンケート機能投稿(画像つき)
promo_websiteウェブサイトカード(サイトに直接誘導するリンクとなっているカード)
promo_image_convoイメージカンバセーショナルカード(タグ付きツイートを行えるボタンが付いた画像カード)
promo_video_convoビデオカンバセーショナルカード(タグ付きツイートを行えるボタンが付いた動画カード)

実際の活用例

今回いくつか紹介した検索コマンドですが、実際にどうやって活用しているのかを少しご紹介します。

話題になった投稿から今後の運用ヒントを見つける

ユーザーのなかでどういう話題が出ているのかを調べ、ユーザーインサイトに寄り添った投稿を提案する際は、「特定数以上リツイート(RT)されている投稿」と「自社商材」の組み合わせを検索してみてください。

RT数が多い、ということは、「ユーザーの共感を得ている」投稿である可能性が高い為、企業目線だと気付かない使い方や需要を発見できる場合があります。そこから開発のヒントを得たり、投稿のきっかけを見つけられることがあります。

他社の投稿をチェックし、自社投稿のヒントにする

Twitterアカウントを運用している場合、投稿するネタに困ることがあると思います。
私も、事業会社で運用しているときは「毎日ネタなんてないよ」と思っていました。
そういう場合は他のアカウントがどういう投稿をしているのかをチェックすることで、投稿のヒントを見つけられる場合があります。

活用コマンド(1)「競合アカウント名×キーワード(×日付など)」

競合アカウントはもちろんですが、同業種外からも意外な切り口を得られることがあるので、以下検索もおすすめしています。

活用コマンド(2)「キーワード(×期間)×認証アカウント」

コンサルティングの現場では、より扱いやすいデータを活用した高度な分析を行っておりますが、上記等でご紹介したコマンドを活用し、まずは皆さん自身で分析をしてみるのはいかがでしょうか。

※過去の投稿をそのまま利活用することはもちろんNGです。あくまで「投稿の切り口」や「ユーザーが好む傾向」を理解するために活用するようにしましょう。

最後に

Twitter検索を活用することで、投稿のヒントからニーズを知るきっかけを得ることができます。そして検索スキルを上げることで、欲しい情報にたどり着きやすくなります。また、今回ご紹介したコマンドは、Web版Twitterで保存が可能です。検索後に三点リーダーをクリックすると、保存ボタンが出てくるので、よく使う検索コマンドは保存することをおすすめします。

また今回ご紹介したコマンドはあくまで一部です。他にもたくさんのコマンドがあるので、それぞれのニーズに合わせて活用してみてください。SNSの最大の利点であるユーザーの声を活用しながら、皆さんの商材にあった運用ができるよう、これからも応援しています。

山本でした。

2020年より私たちは、「SNSマネージャー養成講座」という資格試験をスタートしました。SNSマネージャーの上位資格である上級講座では、実際に運用しているアカウントをサンプルにして、徹底的に運用目的とKPIなどの必要項目を掘り下げて企画書を作成するワークを実施しています。

この記事を読んで「理屈はわかったけど、実際自社のアカウントに当てはめるとピンと来ない。さてどうしたものか……」とお悩みのあなた。ぜひチャレンジを。

【SNSマネージャー養成講座 | 企業がSNSを効果的に運用して事業を進化させる講座】

タイトルデザイン、タイトルイラスト:995(Twitterアカウント
三度の飯より猫が好きなイラストレーター。ゆるくてかわいいイラストが得意です。

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