キャリアプランどう立てる? 私がおすすめする「逆算型キャリアプラン」の考え方
皆さん、こんにちは。村石怜菜です。年の初めは、これからの1年、ひいては今後の人生について、いろいろ考えるタイミングですよね。今回は2022年最初のコラムということで、よく質問や相談をいただくことが多い「キャリアプランを立てるときに大事なポイント」について、これまでの経験をもとに、私なりの考えをお話ししたいと思います。
遅いスタートだという強い自覚があったから立てられた逆算型キャリアプラン
1回目のコラムでお話ししたとおり、マーケティング職や企画職を志望していた私の社会人人生は、パン屋の接客業からスタートしました。その後、ECに関する業務に従事したことがきっかけとなり、IT業界の中で複数回の転職を経て、今に至ります。
20代半ばでIT業界に転職した際、同期と比較して圧倒的にスタートが遅れていた私は、目標から逆算してキャリアプランを組み立てることにしました。
- 30歳までにマネージャーになる!
- そのためには、20代後半で「◯◯と言ったら村石」と認知されるような得意領域を作る
- だから今(20代半ば)は、下積みでなんでもやる
キャリアプランの目標をマネージャーに設定したのは、IT業界に転職したばかりの頃に、上司から「女性のロールモデルがいない」と言われたことがきっかけです。ロールモデルがないのは辛いことですが、逆に言えば、自分なりの工夫の余地があるとも言えます。
当時は、女性の役職者自体が少なく(今もですが)、登用されてもすぐに外されてしまうことも多いと感じていました。どうせ役職者になるのなら、正当な評価を受けて、必然的な形で選ばれてなりたいと思って考えたのが、上記のキャリアプランです。
重大な決心が必要なライフイベントはあらかじめ方針を決めておこう
キャリアプランに大きく関係するのが、ライフイベントです。人生100年時代と言われる今、その選択肢は多様化しています。
たとえば「結婚」の場合、「する/しない」「法律婚/事実婚」「DINKs(Double Income No Kids、ディンクス。共働き夫婦で子どもなし)/DEWKs(Double Employed With Kids、デュークス。共働き夫婦で子どもあり)/専業主婦(主夫)になる」など、多様な形態が存在します。それらの選択に応じて、働き方は、「会社員として働く」「フリーとして働く」「起業する」「家業を継ぐ」「海外で働く」など、さまざまな変化を求められるはずです。ライフイベントの発生ごとに選択と決断が求められ、それに伴う変化を受け入れる必要が出てきます。
この「選択と決断」が非常に大変なわけですが、自分の中で「絶対にここは譲れない」という確固たる軸を1つ決めると、転機のたびに悩む必要がなくなり、合理的に、そしてすばやく、判断することができるようになります。
私の場合の確固たる軸、それは「経済的に自立すること」でした。それはどんなライフイベントが発生しようとも、「働き続ける」ということがまず先に来るということです。
この軸のおかげで、これまで決断の場面においても大きな迷いを生じることなく、合理的な判断を積み重ねることができたと言えます。
打算的なキャリアの積み方は絶対にNG
「逆算型キャリアプラン」に対して、否定的な記事や意見を見ることがあります。たとえば「最近の若者は生き急いでいる」「場数だけこなしていて質が伴っていない」「もっと振り切っても良いのでは」という類のものです。
しかし、ジョブローテーションありきの総合職が一般的ではなくなりつつある一方で、定年退職の年齢は上がり、決定権のある人間の新陳代謝は少ないのが今の日本の現状。若い人たちが、自分たちが活躍する機会はさらに減少するのではと考えるのは当然です。そうした現状に抗うためにも、若い世代が逆算せざるを得ないというのは、至極自然なことだと私は思うのです。
ただし、自分のキャリアプランに固執しすぎない、という意識は持っておくべきでしょう。
たとえば、「大企業である程度経験を積んで、25歳までにベンチャーに転職する」と、キャリアプランを立てたとします。こういう人はとても多いですが、「25歳までにベンチャーに転職する」こと自体が目的化してしまったとしたら、本末転倒です。
まずは、自分が本当に、周りから求められているクオリティと同等、もしくはそれ以上のパフォーマンスを発揮しているかどうかを見極めることが重要です。そこを無視して転職しても、待っているのは、自分に対して自信を見いだせない自分です。
嫌いな仕事こそ濃厚に取り組もう
私の場合、20代後半はキャリアプランを念頭に置きつつも、とにかく目の前の仕事の習得に集中しました。周りの人から、「働きすぎ」「生き急いでいる」と言われることもありました(笑)。
「でもどうやって濃度の高い仕事をするの?」「そのモチベーションはどこからひねり出すの?」とお思いの方もいるでしょう。
私の20代の仕事のポリシーは「嫌いな仕事、苦手な仕事こそ、たくさんやる!」でした。私の場合、嫌いな仕事の主なものは、フォーマットが決まったルーティーン作業でした。どちらかというと裁量権を持って、自分なりの創意工夫で仕事を拡げていくほうが好きなのですが、仕事の基礎となるルーティーン作業をおろそかにはできません。
苦手な仕事を積極的にやる意図は、今後その仕事が回ってこないようにするためです。回数を重ねることで、嫌いな仕事も好きになるかもしれませんし、少なくとも苦手意識はなくなります。それによってクオリティが上がればしめたもの。この成長に上司が気付けば、「次のステップの仕事を任せるか」となり、やりたい仕事の担当に、いち早く就くことができます。
30代は苦手分野でなく強みを活かせる分野で活躍する
がむしゃらに突き進んだ20代から一転、30代も数年過ぎた頃から、これまでとは違う新たな苦しみを感じるようになりました。その理由は、これまでまったく関わったことがない領域の業務にチャレンジする機会が多くなったからです。
私は、突出して突き抜けた得意領域がない代わりに、どの領域もある程度そつなくこなせるタイプです。そのため「適任ではないけれど、今人手が足りないから」という理由でアサインされることが多く、常に未経験領域の仕事が続く時期がありました。
でも、こういう仕事が続くと、自分の中にモヤモヤが溜まっていきます。あるとき、森岡毅さんがテレビ番組で「弱みが強みになったのを見たことがない」と仰っていたのを見ましたが、とても腑に落ちました。
「PLAY WORK」が実現できる環境を作る
長時間労働は悪というイメージが一般化しつつある昨今、業務において自己成長が実感しづらい、自分の目標に対して現職の担当業務だけでは達成が難しそう、そう感じている方もいるかもしれません。
そう思っている方には、ぜひ、社外にも居場所を作ることをおすすめします。自分たちのギルドを作るイメージです。
副業を許可する会社が増え、社外イベントに参加しやすい雰囲気になって、外部からさまざまなスキルや知識を吸収するチャンスが多く転がっています。私も終業後は、業務と関係あるイベントに参加して、同業他社の人たちとのネットワークを拡げてきました。そこで得た知識や人脈が、現在の業務にいい形で循環しています。
業務時間以外に業務に関することなんかやりたくないよと言う人もいると思いますが、私はいわゆる「趣味」というものがなく、仕事が好きなので、そうした場に行くことが趣味でもあるのです。まさにピョートル・フェリクス・グジバチ著『PLAY WORK』を地で行く毎日を送っていますが、それはキャリアプランを立てることによって業務以外の迷いを極力抑えているからかもしれません。
20代は自分のスキルチャートを円に近づけ土台を作り、30代はそのスキルの中から得意な分野を尖らせていくというイメージで、これまでやってきました。ただし、これから迎える40代以降のキャリアプランは、現在進行形で暗中模索状態です。ぜひ、諸先輩方の体験談、ご意見、アドバイスをお聞きしたいです!
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