LINEで創出できるDXに向けた「小さな成功体験」、そのメリットと具体的事例を解説
LINEは、ミニアプリやMessaging APIなど、DX向きのサービスも充実しているプラットフォームだ。ユーザーも使い慣れているため、DXを推し進めたい企業において非常に重要なチャンネルだと言えるだろう。
今回は、LINE公式アカウントを活用したユーザー向けサービスや、販促キャンペーンのシステム開発の提案、進行ディレクションなどを担当している安保敬司氏が、DXに焦点を当てたLINE活用について解説する。
“DX”は、3つの要素で構成される
さまざまな企業が「DX」(Digital Transformation)に取り組んでおり、ビジネス系のニュース・新聞・雑誌のなかで、DXという文字を見ない日はないという状況だ。ただ、使う人によってDXの定義がかなり異なり、明確な定義はなく使用されている。そのため、DXにおけるLINE活用を語る上で、まずはDXの定義を整理しておこう。オプトが所属するデジタルホールディングスグループでは、DX=デジタルシフトを下記の3つの要素として定義している。
- デジタイゼーション:情報のデジタル化
- デジタライゼーション:プロセスのデジタル化
- デジタルトランスフォーメーション:社会システムのデジタル化(またはビジネスモデルの変革)
この定義に基づくと、多くの企業が行っているDXは、デジタイゼーションとデジタライゼーションであり、デジタルトランスフォーメーションではないケースも多い。DXを推進するうえで、さまざまな障壁が背景にあることが考えられる。
DX推進の障壁、その打開策としてのLINE活用
DX推進は、ヒト・モノ・カネの面で大きな負担がかかる。たとえば、経営層を中心としたリーダーシップや大規模なシステム刷新などが必要となるためだ。また、経営層と現場担当者の間において、DXに対する課題意識の乖離は大きく、DX推進妨げの大きな要因になっていると感じることが多い。
これに対する打開策は、「小さな成功」を作り社内説得用の既成事実を作ることだと思われる。現場から小さな成功事例を創出することが、経営層のDXへの期待感を高めることに繋がり、DX推進の第一歩となるだろう。
この「小さな成功」を作ることを考えた場合、「独自アプリの開発」を選択すると、必要以上に開発費がかさんだり、開発後の集客に悩んだりするのが実情だ。また、ユーザー目線に立った場合に、ダウンロードや登録がめんどうな場合も多く、ユーザビリティに欠いたサービスに終わることも多いだろう。
こうした状況を回避するため、企業・ユーザー双方にメリットがあるサービス提供が可能な「LINEを活用した小さな成功作り」を推奨したい。LINEを利用することで、以下のようなメリットがあるからだ。
理由1:集客面で優れている
MAU8,600万人(2021年2月時点LINE社調べ)という、日本最大級のプラットフォームであるため、ネイティブアプリ対比でサービスを利用されやすい。
理由2:ユーザーが使い慣れており、ユーザビリティの観点で優れている
ユーザー自身が日常的に使い操作に慣れているため、ユーザビリティの観点で、良いサービスを提供しやすい。
理由3:LINE上で提供できるウェブアプリケーション「ミニアプリ」を活用できる
「ミニアプリ」は、開発コスト・スピード・ユーザビリティの面で、モバイルアプリより優れており、以下のような利点がある。
- アプリケーションと同等の機能を、LINE上で提供可能。
- アプリケーションを開発するよりも、開発コストが安価。
- 機能追加/削除を行いやすくアジャイル型開発に向いている。
- Google PlayやAppStoreなど、公式モバイルアプリケーションストアへの申請が不要。
LINE活用の具体例
では、実際にLINEを活用した事例を紹介しよう。
アイセイ薬局「おくすり予約サービス」
アイセイ薬局は、無料の調剤予約サービス「おくすりPASS FAST(パス ファスト)」を提供している。医療機関から受取った処方箋を、LINEで送信するだけで調剤予約を簡単に行うことができ、薬局の待ち時間を大幅に減らすことに成功している。
福岡市「LINE公式アカウント」
福岡市は、行政サービスの効率化と市民サービスの向上を目的として、2016年にLINE公式アカウントを開設。さらに2018年9月からは、LINEで粗大ごみ収集を申し込めるサービス「粗大ごみ受付Bot」の実証実験を開始した。
実証実験開始後、2週間で7,000人の友だち増に成功して以降、次々に機能拡大を図り、今では生活情報・災害情報の提供や、国民年金の問い合わせや引っ越し手続きまでLINE上で完結できるようになっている。これはまさに「小さな成功」を元にDXを推進する好事例をいえるだろう。
さらにLINE公式アカウントの活用に加えて、脱ハンコなど行政のDXを福岡市のトップである高島市長が推進しており、DX推進のお手本であると考えられる。
福岡市から日本のDXを進める高島宗一郎市長を直撃「福岡がロールモデルとなり日本を変える」:脱ハンコ完了 - ITmedia ビジネスオンライン
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2012/21/news004.html
まとめ
LINEからDX推進の小さな成功体験を創出し、その成功を足がかりに大きなDXに乗り出していくというケースが少しずつ出てきている。こうしたDXの進め方をやってみたいという企業も、どんどん増えていくのではないだろうか。激しいデジタル化の波のなかで競争力を維持・拡大をできるよう、外部パートナーの力も活用しつつ、LINEを使いこなしていただきたい。
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