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【新連載】LINEのビジネス活用、どうする? まずは「LINE社の進む道=Life on LINE」を理解しよう

LINE社が打ち出す最新戦略やテーマを理解し、自社ビジネスに活用するための情報を、LINEマーケティングを摸索している担当者向けに解説。

“LINE社の進む道”を理解することは、日本最大級の巨大プラットフォーマーとうまく付き合っていく第一歩になる。LINE社の方針を理解し、自社なりに調査したうえで、対応方針を立てることが重要だ。そのきっかけ・補助となることを、この連載は目指している。初回(今回)は「LINEの向かう先と、LINEとの向き合い方の概要」を説明し、2回目以降は、業界・業態別に「LINEのビジネス活用戦略とロードマップの組み方」を紹介していく予定だ。

今回は、同社が打ち出した「Life on LINE」というテーマを解説し、LINEとの向き合い方を皆さんと一緒に考えてみたい。

「Life on LINE」を理解して、LINEのビジネス活用方針を考えよう

6月27日に千葉県舞浜で行われた「LINE CONFERENCE 2019」に参加した方、発表内容をチェックした方はどれぐらいいるだろうか? 次々と発表されるLINEの新事業に、会場では驚愕や称賛の声もあがったが、新事業の競合企業からは悲鳴もあがったという。

参照元:

カンファレンスの冒頭では、LINE社の代表取締役CWO(Chief WOW Officer)である慎ジュンホ氏からは、同社の新しいテーマ「Life on LINE」が発表された。

  • 「Life on LINE」とは、どのような方針なのか?
  • そのテーマがLINE社によって推し進められると、何がどう変わるのか?どんな影響を及ぼすのか?
  • 各企業は、「Life on LINE」とどう向き合うべきか?

以下、そのポイントを説明したい。

「Life on LINE」とは「生活のデジタルシフト」だ!

「Life on LINE」とは、簡単に言うと「LINEによって生活のすべてが、便利に楽しくなる世界観」だと言える。今回のカンファレンス内の発表では、Life on LINEを実現するための3つの大きな戦略が発表された。

  1. 「Offline」オンラインとオフラインの融合
  2. 「Fintech」金融・決済領域への進出
  3. 「AI」スコアリングなど、人工知能によるビッグデータ処理

「この3つの戦略によりLINEが実現しようとしていること」を理解すれば、LINEが企業に与える影響を想像しやすくなるだろう。

「Life on LINE」を実現するための3つの戦略「Offline」「Fintech」「AI」(https://linecorp.com/ja/pr/news/ja/2019/2784より)

1. 「OMO(Online Merges with Offline)」により、オンラインとオフラインを融合

まずLINEが打ち出した「Offline」戦略は、「OMO(Online Merges with Offline)」により、オンラインとオフラインを融合することだ。一般的に「OMO」は、「データが取得できない」「データをもとにしたコミュニケーションができない」「デジタル特有のリッチな体験ができない」といったオフラインの貧弱な環境において、さまざまな技術を適用することで、オンライン環境と変わらないサービスを提供する、という概念を指す。

LINEにより実現するOMOについて、わかりやすい例としては「LINEポケオ」が挙げられる。「LINEポケオ」は、LINEアプリから簡単に、全国の飲食店のフードメニューを検索、事前注文し、お店で待つことなく商品をテイクアウトできるサービスだ。こういった、「リアルの体験がデジタルと融合することで起こるユーザー体験の向上」が、LINEの実現するOMOの概要だ。

2. 「LINE Pay」「LINE Score」が実現する、独自のFintech圏

今回Fintechとして語られた「LINE Pay」や、非常に話題になった「LINE Score」は、以前から発表されていた「LINE Token Economy」構想の一端なのだが、LINE社のこの構想はどのようなものか?また、この構想が実現されると何がどうかわるのか?を簡単に説明したい。

一般的に「トークンエコノミー」とは、仮想通貨において、“トークン”(貨幣の代わりになる価値のあるもの、代替貨幣)を用いた商圏のことを指す。LINE社の掲げるトークンエコノミーでは、LINE社が提供するコンテンツ・コミュニケーション手段・通貨・マーケットを、ユーザーや企業が利用し、経済を成り立たせる構図がイメージされているようだ(https://linecorp.com/en/pr/news/ja/2018/2366)。

極端な例だが、LINE LIVEで配信を行っている「LINE LIVER」(配信者を指す造語)がわかりやすい。LINE LIVERたちは、配信中にファンからの投げ銭で「LINK Point」というトークン(代替貨幣)を獲得できる。このトークンを使って、LINEプラットフォーム上でメーカーの商品を購入したり、トークンをLINE Pay残高に換金してリアルで買い物をしたりできるようだ。LINE上の経済圏で獲得したトークンで、生活を成り立たせることができるイメージだ 。そうなるといよいよ、ユーザーの生活がすべてLINEプラットフォーム上に乗っている状態「Life on LINE」がまさに実現されるのである。

LINEトークンエコノミーの流れ(https://link.network/ja/より)

3. LINEが目指す“AIによる革命”

そしてAI領域においては、LINEが今まで推し進めてきた「Clova」を、BtoCだけでなく「LINE BRAIN」としてBtoBにも提供していく、というのがメイン戦略だ。この事業を通してLINEは、今まで蓄積してきたチャットボット技術やOCR、Speech to Textなど各種認識技術を企業に提供し、企業サービスのAI活用を促進していく狙いだ。これらを束ねたパッケージサービスとして、飲食店などの電話問い合わせに対してAIによる自動対応が可能になる「DUET」も提供していく予定だ。

LINE BRAIN - 多忙なお店の電話応対を支援するAIサービス

LINEというマンモスプラットフォーマーは、すべての企業に影響を及ぼす

ここまでご説明したとおり、上記の3つの大きな戦略に基づいて生活の「Life on LINE」化が進められていくわけであるが、“その影響が企業にどんな影響を及ぼすのか”を考えていきたい。

LINEが作るマーケットが大きくなればなるほど、LINE上でのコミュニケーション・商取引が増え、プラットフォーマーとしてのLINEは強力になっていく。ユーザーの可処分時間がLINE上に集まれば集まるほど、LINE●●という冠事業が強力になり、すべての事業主が競合としてのLINEの脅威を受けるようになり得るのだ。

前述のとおり、LINEは本気で日本国内の複数市場の再編を行っている。GAFAやBATHの脅威と同じかそれ以上に、日本国内で猛威を振るうかもしれない。

具体的にLINEが今展開している事業は、下図のような領域で幅広く事業展開しているが、たとえば「LINEほけん」が既存の損害保険系企業のシェアを奪ったり「LINE Search」がGoogleやYahoo!のシェアを奪ったりと、今まで以上に幅広い業界で、日本市場における衝突が始まっている状況だ。

LINE社の組織図(2019年2月時点、https://linecorp.com/ja/pr/news/ja/2019/2597より)

実際に、LINE社の事業によって大きくシェアを奪われたサービスも多数存在する。LINE社と戦略的な提携を結んだ企業が軒並み、カンファレンス直後に株価が値上がりしたことも踏まえると、投資家たちの目は、プラットフォーマーとして成長を続けるLINEと協業の道を選んだ企業に将来性があると踏んでいるのではないだろうか。

LINEがプラットフォーマーとして成長していくにともない、さまざまな企業がLINEに合わせて変わらざるを得ない中で、どんな企業が生き残るのかを考えてみてほしい。

Life on LINE化された世界、並びにLINEトークンエコノミーが普及した世界では、以下のような変化が考えられる。

「Life on LINE」がもたらす変化の予想

LINEと「協業」するか「競合」するか、企業が選択を迫られる2つの方向性

ここまでの話で、いかにLINEがしっかりと向き合わなければいけないプラットフォーマーなのかご理解いただけたかと思うが、ここから、皆さんとともに具体的な向き合い方を考えていきたい。

現時点で企業がLINEと向き合う方針としては、2つの方向性がある。

  1. 【協業】LINE社と協業の道を選び、双方が自社事業を拡大できる方法を作る。
  2. 【競合】LINE社と競合する道を選び、自社事業に参入障壁を築く。

これを踏まえたうえで、自社の対応方針を考えてみてほしい。 たとえば、「現段階では、LINEをビジネス活用していない企業」だったら、下記のようなロードマップが考えられる。

  • 1年目:LINE社から深い情報を得るために、まずはLINEを広告領域で活用して取り引きを開始(公式アカウントの運用、メッセージ配信でのキャンペーン告知等)。
  • 2年目:広告としてのLINEの運用効果を最大化し、社内評価を得ることで、LINEのビジネス活用幅を広げていく(LINE Payを始めてみる、公式アカウント上でのチャットFAQを導入してみる等)。
  • 3年目:さまざまなLINE社メニューを実施することでLINE社と良好な関係を築いた後、自社アセットを提供するパートナーとして協業できるようになる。

“LINEとうまくやっている”企業としては、TOYOTAやファミリーマートなど、LINE CONFERENCEで名を連ねるような大企業が存在する。しかし、これからLINEを活用しようという段階だと、すぐにはイメージが湧かないだろう。企業においてLINEをもっとも理解をしているのは、現場のWeb担当者だと思われる。そういった現場担当の方に、自社を変えていける具体的な方法論を、引き続きこの連載でお伝えしていきたい。

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