【レポ―ト】Web担当者Forumミーティング 2019 in 名古屋

検索流入150%を実現した「MOTA」のSEO戦略と“検索体験を最適化”する5つの考え方とは?

「ストックコンテンツ体制構築」「仕様書による記事品質向上」「コンバージョンアップやUX向上への取り組み」がカギに
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カーライフ総合支援メディア「MOTA(モータ)」(旧:オートックワン)は、約1年をかけて検索流入を前年比150%に引き上げた。その裏には、ニーズの変化に左右されないコンテンツを作るためのSEO戦略があった。

Web担当者 Forumミーティング2019 in 名古屋」では、オートックワンの柳澤氏にMOTAのSEO戦略を聞くとともに、それを支援したツール「MIERUCA(ミエルカ)」について、Faber Companyの月岡氏が紹介した。

柳澤祐太氏月岡克博氏
オートックワン株式会社 マーケティング部 マーケティングチーム マネージャーの柳澤祐太氏(左)、株式会社Faber Company エグゼクティブ マーケティング ディレクター 月岡克博氏(右)

SEOとは「ユーザー検索体験の最適化」であるべき

SEOというと、タイトルやページ内に狙っているキーワードを入れることだと思っている方がいるかもしれない。しかし、そういう時代はとうの昔に終わっている(月岡氏)

検索エンジンは、常に「検索ユーザーにとって良質な“検索体験”を提供する」ことを目指している。検索ユーザーがなぜその言葉で検索しているのか。検索されている言葉の裏側にある“意味”や“意図”を理解して、検索結果を返するようになっている。よって、単純に「狙っているキーワードをページにたくさん含める」といった手法は通用しない。検索ユーザーの気持ち、いわゆる「検索意図」を把握する必要があるのだ。

もし、自分がスノーボード関連のECサイトを運営していたら、以下のようなキーワードでの検索で検索上位にランクインしたいと思うかもしれない。

  1. スノーボード 価格
  2. スノーボード 激安
  3. スノーボード 選び方

しかし、実際に検索してみると、①は価格比較サイトが、②は地図と実店舗をもつ企業サイトが、③はスノーボード関連のブログなどが上位に来る。いずれもECサイトは上位に出てこない。①②で施策するのは難しいかもしれないが、③はECサイトでもコンテンツを用意できるはずだ。ECサイトではカテゴリや商品詳細ページがメインだが、潜在層にリーチするには、ユーザーの置かれた状況や解決したいことを考えたコンテンツ設計が必要だというのがお分かりいただけるのではないだろうか。

このような現状を解説した上で、月岡氏は「SEOの捉え方を、Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)ではなく、Search Experience Optimization(ユーザー検索体験の最適化)に改めるべき」だと主張する。

検索体験の最適化とは、以下のようなことだという。

  1. “どんなユーザー”が
  2. “どのようなシーン”で
  3. “なぜ知りたい”と思っているのかを把握し
  4. “適切なフォーマット”で表現し
  5. “目的達成に導く”こと

最も重要なのは“目的達成に導く”こと。つまり、検索結果から自社サイトに来たユーザーが、すぐ検索結果ページに戻ってしまうようではいけない(月岡氏)

時間とともに変化する検索ニーズが課題

こうした状況を踏まえてセッションは事例の解説に入った。今回取り上げる「MOTA(旧:オートックワン)」は自動車関連の情報を総合的に扱うWebメディアである。自動車に関する記事や、新車見積もりや中古車検索、車の買い取りなどの情報を掲載しており、2019年5月にMOTAに名称変更した。

柳澤氏がオートックワンにマーケティング部として参画した2017年当時、自社サイトの約40%が検索流入であり、「SEOはできている」というのが会社の認識だった。編集部として、当時注力していたのは外部メディア掲載で、「某サイトに取り上げてもらってPVを伸ばす」ことを目標にしていたという。

記事を作成しているのは社内の編集部で、雑誌のノウハウを持つ専門家が担当しているため、記事自体のクオリティは担保されていた。新車種のリリース記事などは車名検索による検索流入も取れていたという。

それでも柳澤氏は、検索流入はまだ増やせる余地があると考えた。なぜなら、自動車業界では、検索ニーズが時間とともに変化するからだ。例えば、ある車種の新型が出る場合、「発売前」「発売直後」「半年後以降」と、時期によって同じ車種名検索でも検索結果、つまり検索ニーズが違ってくる

  • 発売前:新車情報のサイト(ニュースサイトやブログ)が評価
  • 発売直後:価格比較やスペック比較のサイトが評価
  • 半年後以降:中古車情報のサイトが評価

ひとつのキーワード(車種名)について時間とともに求められるコンテンツが変わるため、コンテンツを作って検索上位に表示されたとしても、検索意図が移り変わってすぐに上位に表示されなくなってしまい、積み上がらない。新規を作り続けないと、PVを伸ばせないという状況になっていた(柳澤氏)

検索ニーズが変化しにくいコンテンツを作成する

そこで柳澤氏が考えたのが、「検索ニーズが変化しにくい領域」を見つけ、それを土台としたアクセスを作るというものだ。その領域としたのが以下の2種類である。

  • 基礎知識系
  • ライフハック系

例えば「シガーソケットの使い方」「初心者マークって期間が過ぎても貼ってていいの?」といった基礎知識系の記事や、「かっこいい車、かわいい車ランキング」のようなライフハック系の記事は、時期に関わらず常に検索され続けている。

検索ニーズが変化しにくいのは「基礎知識系」と「ライフハック系」

こうした考え方で、基礎知識系とライフハック系の新規コンテンツに注力することで、検索流入は2018年の月間ユニークユーザー数で前年比150%を達成した。今でも自然検索のうち30%はその当時に作成した記事からの流入だという。

編集体制ができあがるまでの紆余曲折

柳澤氏によれば、こうした新しいコンテンツを制作する体制ができあがるまでに、3つのフェーズを経たという。

その① 編集部依頼フェーズ

先に述べたように、オートックワンには、柳澤氏の所属するマーケティング部とは別に編集部がある。柳澤氏は、まずその編集部に「基礎知識系」と「ライフハック系」コンテンツの制作を打診した。しかし、うまくいかなかったという。理由は以下の2点だ。

  • 編集部のSEOへの理解不足
  • 既存記事で手一杯で「手が回らない」

編集部は、ニュースリリースを記事にするだけでなく、「新しい車種が出たら実際に試乗し、カタログ通りの燃費かどうか確かめてみる」などといった手のかかるレビュー記事なども作成しており、新しいことに時間を割く余力がないのも事実だった。

その② マーケ部主導フェーズ①

次に柳澤氏は、編集部の新人をマーケティング部にスカウトし、マーケティング部主導で外部ライターに記事を依頼する体制とした。しかし、これもうまくいかなかった。理由は、ライターとの意識/認識のズレが大きかったことだ。具体的には、以下のようなズレが起こっていた。

  1. キーワードのヌケモレ
  2. 内容の偏り
  3. 専門用語の多様

「キーワードのヌケモレ」とは、SEO的に入れてほしい単語が適切に使用されていないケースだ。例えば「車中泊 グッズ」で検索上位を狙いたいのに、ライターは「グッズ」という表現を使ってくれなかったという事例がある。キャッチ―さを優先しがちだったが、SEO的にはタイトルにキーワードを入れるのは大事だ。

また、ライターは評論家や特定分野に詳しい人なので、効率的に書こうとすると、どうしても得意な領域について書きたくなる傾向がある。「覆面パトカーの見分け方」という記事を依頼したら、覆面パトカーによく使われる車種のことばかりを書いた記事が届いたこともあったという。

また、一般的に使う用語と、専門家が使う用語が違っているケースも散見された。車の内部装備のことを、業界では「インテリア」と呼ぶが、一般ユーザーは「内装」で検索する。「車種+インテリア」と、「車種+内装」では後者のほうが10倍も検索回数が多いのだ。

その③ マーケ部主導フェーズ②

そこで、ライターとの認識の齟齬をなくすために、柳澤氏は詳細な“仕様書”を作ることにした。仕様書作成のポイントは以下の3点だ。

  1. タイトルや見出しなどを事前に指定
  2. 段落ごとの内容や大まかな文字数を指定
  3. OK/NG用語の提示
仕様書のサンプル

この仕様書によって発注者の意図をライターに正確に伝えることができ、「シガーソケット 使い方」や「かわいい車」の検索順位でMOTAの記事が検索上位を獲得できたという。

SEOを効率的に行うためのツール活用ポイント

仕様書を作る際に、オートックワンはFaber Companyが提供しているSEOプラットフォーム「MIERUCA(ミエルカ)」を活用している。活用ポイントは下記の3つだ。

  • ユーザーニーズ分析
  • ニーズのカタマリと市場状況理解
  • SEO状況の共通理解

その① ユーザーニーズ分析

ユーザーの検索意図は実際にユーザーが検索している可能性の高いキーワードから類推することができる。通称「サジェストキーワード」と呼ばれ、これらはユーザーの検索頻度と関連性で表示されている可能性が高いからだ。

ユーザーニーズ分析に有効なサジェストキーワード

しかし、出てくるキーワードは大量で、ニーズは時間とともに変化するため、毎日これをチェックし、分析するのはかなり大変な作業になる。それを簡単にするのがMIERUCAだ。

MIERUCAによるユーザーニーズ分析機能で「車中泊」を分析した結果

この図では、「車中泊」をメインのキーワードとし、矢印が太く、丸が大きいキーワードがニーズの集中していることを表している。

上図は夏の時期の検索ニーズだが、冬と比べてみると差がはっきりわかる。夏は「カーテン」や「道の駅」、冬は「電気毛布」「暖房」と異なるニーズがあることが一目瞭然で読み取れる。

冬の車中泊のニーズは、夏と異なっていることがわかる

その② カタマリと市場状況理解

しかし、いくつもあるキーワードのすべてを網羅する記事は難しいし、どれだけのコンテンツ数で網羅できるかを判断するにも膨大な労力がかかる、そこで、MIERUCAには、キーワードをユーザーニーズが近いもの同士をグルーピングしてカタマリでレポートする機能も有している。

ニーズの近いものを表示されている距離で示す機能も

その③ SEO状況の共通理解

さらにMIERUCAでは、大量にあるキーワードごとの、自社サイトと競合サイトの検索順位状況を「ファインダビリティスコア」として集計しており、時系列で参照できる。これにより、継続的なSEO状況のモニタリングが可能となっている。

ファインダビリティスコアを基準として、自社と競合のスコア差異からどのような領域に取り組んでいくべきか、施策が順調に進行しているかどうかを可視化し、メンバー間で共通理解をもって施策に取り組んでいくことができるというわけだ。

コンテンツはCVにつながるのか?

さて、「こうした良いコンテンツを作ると本当にCVにつながるのか?」という疑問を持つ担当者も多いだろう。

柳澤氏は「SEO先行で考えるとほぼ失敗する」と話す。SEOを先行させた記事ばかりになると情報収集段階のユーザーの流入が多いので、どうしてもコンバージョンから遠くなりがちだ。同時にコンバージョンに近い、寄与しそうなコンテンツも用意しておく必要がある。それらの記事は流入数がふるわなくても、全体でみるとコンバージョンに貢献してくる。

オウンドメディアのようなアクセスが多いコンテンツ群はCVRが低くなりがちだ。よって、単純にコンテンツ毎のCVRで見るのではなく、長期的な視点でコンバージョンの絶対数で見ていくことが必要になってくる。オートックワンでもコンテンツ群のCVRは低いが、サイト全体のCV数には大きく貢献しているという。

合わせてコンバージョンにスムーズに導くUI/UXも欠かせない。オートックワンでは、コンバージョン最適化の施策を多数走らせている。コンテンツごとに静的なCTAを工夫するのはもちろん、「ポップアップ」「フローティングバナー」など、ニーズによってコンバージョン誘導施策を変化させながら、テストを繰り返しているそうだ。月岡氏は「こうしたコンバージョン改善の取組みもSEOを考える上で重要な視点だ」と添えた。

最後に月岡氏は、オートックワンの取り組みが成果につながったポイントを以下のようにまとめた。

  • ストックコンテンツ体制の構築
  • 仕様書による記事品質向上
  • コンバージョンアップやUX向上への取り組み

柳澤氏は「本来であれば、SEOはシステム改修と合わせて進めていかなければならないことが多いが、コンテンツSEOは比較的簡単に進められる。悩む前にまずは着手したほうがいい」と述べて、セッションを締めくくった。

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