暴走するネット広告

明らかになった「ネット広告の“闇”」 広告費はどこに消え、誰が儲けているのか?

「クローズアップ現代+」から3つの番組をまとめた書籍『暴走するネット広告』から、取り扱っている問題の概要を紹介します。【第1回 はじめに】

暴走するネット広告 1兆8000億円市場の落とし穴

この記事は、書籍『暴走するネット広告 1兆8000億円市場の落とし穴』の一部をWeb担向けに特別にオンラインで公開しているもの。

「インターネット広告は、今年、地上波テレビを追い抜くだろう」

2019年2月、大手広告代理店・電通は、日本の広告費の推計を発表。発表会見の中で担当者は、今後の広告費の増加への期待とともにこう語った。

発表によると、インターネット広告の2018年の広告費は1兆7589億円、前年より16.5パーセント増え、5年連続で二桁の伸びとなった。首位の「テレビ」は「地上波テレビ」と「衛星メディア関連」を合わせて1兆9123億円と、前年より1.8パーセント減った。

長らく「広告の王者」の地位を占めていた「地上波テレビ」と「インターネット」との差は259億円まで縮まった。

近いうちに「広告の王者」の地位に躍り出ようとしている「インターネット広告」。本書は、その闇の部分を追跡した「クローズアップ現代+」の三つの番組、「追跡! 脅威の“海賊版”漫画サイト」「追跡! ネット広告の“闇”」「追跡! “フェイク”ネット広告の闇」の取材記録である。

取材班が見たネット広告の"闇"

ネット広告の闇を探る取材の過程は、驚きの連続だった。

取材班が目の当たりにしたのは、ネット広告の急速な拡大を支える「アドテクノロジー」と呼ばれる技術の進化の裏で行われていた「儲かるならば何をやってもいい」とも言えるようなモラルを踏み外した不正、「利益が上がっているから」と不正を見て見ぬ振りをする関係者たちの無責任な態度の広がり、そして制御不可能なほど複雑に絡み合ったネット広告の流通システムだった。

本書の構成を大まかにまとめると以下のとおりである。

<第1章>SNSの「フェイク広告」

多くの人の生活に欠かせない存在になったSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)に表示され、商品の購入へと消費者を巧みに誘導する偽りの広告、「フェイク広告」の実態を追うとともに、急激に普及・発展するネット広告の仕組みを概説する。

<第2章>海賊版漫画サイト「漫画村」を追う

世間を大きく騒がせた巨大海賊版漫画サイト「漫画村」で見つかったネット広告特有の広告費の流れと、不正のからくりを追い、漫画村の関係者と見られる人物に行った直撃インタビューの詳細を紹介する。

<第3章・第4章>「アドフラウド」の不正と仕掛け

第3章では、広告業界を大きく揺るがしている「アドフラウド」と呼ばれるネット広告の不正行為に、自治体や大手企業までもが知らず知らず巻き込まれている実態を、続く第4章では、その不正は誰がどのように行っているのか、サイトの運営者や不正の仕掛けを見ていく。

<第5章>ネット広告の行く末

最後の第5章では、広告の業界団体や、SNSを運営しネット広告の配信も手がけるプラットフォーマー、広告主の企業、アドフラウド対策を行う調査会社などへの取材を通して、どうすれば不正はなくなるのか、ネット広告の行く末を考える。

執筆者について

執筆は4名で分担した。ネット広告をはじめIT分野の動向を追い続けるネットワーク報道部記者の田辺幹夫が、第1章から第5章までの多くの部分を執筆。

SNSやネットセキュリティの問題を取材フィールドとする科学・文化部記者の斉藤直哉が、第1章の情報商材ビジネス、フェイク動画制作のエピソード、第4章のまとめサイトの運営者の追跡、第5章のFacebook 社へのインタビュー部分を担当。

シリーズの番組演出も手掛けたディレクターの中松謙介が、第2章の著作権被害を訴える出版社の動向、アメリカやウクライナ取材のエピソード、第3章のアドフラウドの実態、第5章の企業の対応について執筆した。また、全体の構成・加筆作業は、ネットワーク報道部の蔵重龍が行った。

現在、ネット広告を健全化できるかの瀬戸際にいる

私たちの消費生活を支えている、「広告」というメディアがもたらす強い光。インターネットという舞台を得て、その光はかつてないほど輝きを増している。そして、その光が強ければ強いほど、闇は深くなる。その闇の中に潜む〝魔物〟の正体はいったい何なのか。

ネット広告の将来に夢を見る人たち、インターネットの可能性や広告の行く末に真剣に思いをめぐらせる人たち、そしてインターネットを利用するすべての人たちとともに、ネット社会に生きる私たちがいま向き合うべき問題について考えていきたい。

NHK「クローズアップ現代+」取材班

この記事は、書籍『暴走するネット広告 1兆8000億円市場の落とし穴』の一部をWeb担向けに特別にオンラインで公開しているもの。Web担サイトでは書籍の以下ページを3回に分けて特別公開。

特別公開に許諾いただいたNHK出版には感謝申し上げるとともに、インターネットを利用するすべての人に読んでもらいたい1冊。

◇◇◇
  • 著者:NHK取材班
  • 発行:NHK出版
  • ISBN:978-4140885901
  • 価格:864円

暴走するネット広告 1兆8000億円市場の落とし穴

インターネットを利用するすべての人が読むべき1冊

急成長を遂げ、年間売上1兆8000億円に迫ろうとするネット広告市場。近いうちに地上波テレビを追い抜き、「広告の王者」になると目されている。

しかしその巨大市場の奥底で、ネット広告特有の複雑な仕組みを逆手に取って、不正に金儲けを行う者が存在する。

NHKクローズアップ現代+「追跡! 脅威の“海賊版”漫画サイト」「追跡! ネット広告の“闇”」「追跡! “フェイク”ネット広告の闇」を放送し、大きな反響を集めた「クローズアップ現代+」取材班が、現在のネットビジネスが抱える問題点を徹底追跡。

目次

  • はじめに
  • 第1章 肥大化するネット広告──ニセ広告が作られるわけ
  • 第2章 巨大海賊版サイトとネット広告
  • 第3章 あなたの税金も狙われている
  • 第4章 闇に消える広告費 ──儲けているのは誰だ!?
  • 第5章 ネット広告不正をなくすために
  • おわりに
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