Intage 知る Gallery【出張版】

買いたくなるキャッチコピーNo.1は? 調査でわかった購買意欲を刺激するキーワード

「期間限定」や「売り上げNo.1」といった購買意欲を刺激するうたい文句はたくさん存在していますが、実際に商品選択に影響を与えているフレーズとはどういったものなのでしょうか? 食品や化粧品といった分野を例に、生活者があまたある情報の中でどのような言葉に興味を惹かれ、商品を選んでいるのかが明らかになってきました。

この記事は、Intage 知る Galleryで公開された記事の許諾を得てWeb担当者Forum向けに再編集したものです。

期間限定? 売り上げNo.1?
「買いたくなる気持ち」を刺激するうたい文句とはどんなものでしょう?

広告や店頭には、商品やサービスを訴求するさまざまなうたい文句があふれています。生活者は、あまたある情報の中でどのようなコトを参考にして、商品を選んでいるのでしょうか。

インテージグループでは入社直後の新入社員研修の一環として、新入社員が自分たちでテーマ設定をし、「調査企画」「結果の分析」「プレゼン」までの一連の流れを経験します。そのうちあるチームは「生活者はどのような情報を参考にして商品を選んでいるのだろうか」という疑問を持ち、研修のテーマとして取り組みました。この調査で得られた、興味深い示唆を紹介します。

商品選びの参考とする情報は?

普段店頭で商品を選ぶ際に参考にする情報は何かを尋ねた調査結果が、次の図表1です(研修として実施しているため調査ボリュームに制約があり、調味料・洗剤・化粧品・ソフトドリンク・お菓子の5つのカテゴリーに絞って聴取しています)。

図表1

生活者が商品選びで参考にしている情報のトップは、いずれのカテゴリーでも「価格」を6~7割の人が参考にしていると回答しています。次いで、カテゴリーによって差はありますが、「メーカー名」(4~6割)、「ブランド名」(4~5割)の割合が高くなっています。これらの情報が商品を選ぶ際に重要なのは言うまでもありません。

興味深いのは「パッケージのキャッチコピー」が、カテゴリーを問わず2~3割の人たちに参考にされていることです。商品の顔として重要な「パッケージデザイン」よりも「パッケージのキャッチコピー」のほうが、「商品を選ぶ」という行動に影響を与えているようです。

しかし、パッケージには、メーカー名やブランド名のほか、原材料、内容量、使用方法など、小さな面積に多くの情報を載せなければなりません。したがって、パッケージに記載するメッセージは、買いたい気持ちを高めるわかりやすいものが理想的だといえるでしょう。

それでは、どのようなメッセージを目にすると、生活者はその商品を買いたくなるのでしょうか。次の図表2は、パッケージに記載されている情報のなかで「買いたい気持ちになる」情報は何かを尋ねた調査結果です。

図表2

聴取対象だった5つのカテゴリーすべてにおいて、共通して上位に入っているのが「売上No.1」というキャッチコピーです。

商品を購入してから次に購入するまでの期間が数週間以上ある「調味料」「洗剤」「化粧品」カテゴリーでは、「売上No.1」の購入喚起率が最も高く、「○○%がリピート」といったリピート率や、「今話題の商品」「あの○○さんも愛用」といった話題性を上回っています。

数日間の間に何回も購入することが多く、新商品も多い「ソフトドリンク」「お菓子」市場でも「売上No.1」は上位に入っており、買いたい気持ちに強い影響を及ぼす効果的なメッセージであるといえるでしょう。

実際に「売上No.1」のキャッチコピーは、どれだけ購買の参考にされているのでしょうか。裏付けのために調査した結果が次の図表3です。

図表3

商品パッケージに記載されている「売上No.1」という情報を参考にして、実際に店頭で商品を選んだことがある人は、全体の約半数にのぼりました。意識的に参考にしている人だけでも半分いるのですから、無意識に影響を受けている人も含めると、より多くの人に対して影響を及ぼしている可能性があります。

「売上No.1」は、なぜ買いたい気持ちを促すのか?

「売上No.1」というメッセージから生活者はどのような価値を読み解くのか、さらに深く掘り進めました。

実際に店頭で商品を選ぶ際に「売上No.1」という情報を参考にしたという人に、その理由を自由に答えてもらったところ、代表的な理由は次の図表4のようなものでした。

図表4

「売上No.1」というメッセージは、「品質が良い」「良い商品である」といった品質を担保する強力なメッセージとして機能しているといえそうです。

さらにもう一歩掘り下げて考えてみましょう。「売上No.1」というメッセージは、例外なくどれも信頼するに足る情報であると生活者は考えているのでしょうか。

次の図表5は、「売上No.1」を参考にして商品を買うことがあると答えた人に対して、根拠となる調査の実施機関が明らかにされていることが重要かどうかを尋ねた結果です。

図表5

「重要である」「やや重要である」と回答した人は合わせて全体の7割弱を占めており、情報の信頼性を調査の実施機関で確認したいという生活者の意識が確認できました。さまざまな情報があふれる現代だからこそ、目や耳に入ってくる情報を鵜呑みにせずに、信頼性を気にかけて情報を吟味する生活者の姿が浮かび上がります。

情報があふれている現代において、メーカーやサービス事業者側は、生活者にとって重要な価値を効果的に伝える必要があります。

「売上No.1」というキャッチコピーは、買いたい気持ちを強く喚起するという商品にとっての効果があり、さらに生活者が商品を選ぶときに品質を担保してくれる、頼もしい道しるべとして大いに役立っていることがわかりました。生活者とメーカー、双方にとっての“WIN-WIN”のメッセージであるといっても過言ではなさそうです。

調査概要

今回の分析は、下記の設計で実施したインテージグループの自主企画調査結果をもとに行いました。

自主企画調査
  • 調査手法:インターネット調査
  • 調査地域:全国
  • 対象者条件:20~69歳男女
  • 標本抽出方法:弊社「キューモニター」より抽出しアンケート配信
  • ウェイトバック:性年代構成比を、2015年度実施国勢調査データをベースに、人口動態などを加味した2018年度の構成比にあわせてウェイトバック
  • 標本サイズ:n=321
  • 調査実施時期:2018年4月17日(火)~2018年4月19日(木)
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