インタビュー

なぜまた活況!? 今、Twitterキャンペーンツールをリリースする狙いとは?

Twitterキャンペーンツール「ATELU」は、どのような潜在的ニーズに向けて開発されたのか、コムニコに聞いてきた。
左から、コムニコの椙浦正拡氏と長谷川直紀氏

Twitterでキャンペーンを実施したときに、管理側で大変だと感じる作業は何だろうか?

たとえば、「抽選で1000名さまにプレゼント」といったキャンペーンを実施したとき、応募者が応募条件を満たしているか確認したり、当選者に当選メールを送ったりする必要がある。これらはミスが許されない作業で人が作業するときは細心の注意が必要となる。こういった作業を自動化でき、さらに分析や複数キャンペーンの管理までできるのがコムニコが先日リリースした「ATELU」だ。

先行ツールの多いジャンルだが、なぜあえて今、新たにリリースしたのか、その狙いを株式会社コムニコ取締役COOの長谷川直紀氏、同社プロダクトデザイン局プロダクト開発チームマネージャーの椙浦(すぎうら)正拡氏に伺った。

Twitterキャンペーンが活況の理由

――ざっと検索しただけでも数社が同様のツールをリリースしていて、非常に活気があるジャンルに見えます。

長谷川 直紀氏(以下長谷川): Twitterキャンペーンは、SNSキャンペーンの中でも昔からある定番手法の1つです。昨今、Facebookでリーチが思うように取りにくくなった影響もあって、Twitter上で何か施策を打つというニーズが相対的に高まっていると思います。事実、お客様からいただくお問い合わせでも、Twitterキャンペーンの需要は高いです。「ATELU」はTwitterキャンペーンツールというジャンルの中では後発ですが、まだチャンスはあると判断して、開発・リリースに踏み切りました。

――開発にあたって特に意識したツールはありますか?

長谷川: 開発前にどのくらいの企業が、どの頻度でTwitterでのキャンペーンをやっているか、その際にツールの使用の有無などを調べて、マーケットの規模感はある程度想定していました。そのうえで先行ツールをつぶさに確認したところ、後発でも機能をそろえてコストパフォーマンスのいい価格設定ができれば勝負になる、と考えました。「ATELU」は、Twitterキャンペーンに特化して、そのために必要な機能は網羅しているという部分が、一番の特徴です。

――競合ツールは、そんなに価格も機能も差があるものなのですか。

長谷川: Twitterだけでなく、InstagramやほかのSNSを使ったサービスまでカバーするというツールは、多機能な分、キャンペーン1回につき数百万円するというものもあります。反対に、「ATELU」のように、Twitterキャンペーンに特化して、月額5万円からというものもあって、価格帯はかなり幅があります。当然、機能面においても、ツールによってできることとできないことはあり、機能に関するお問い合わせも少なくありません。

「後発でもチャンスはあると判断した」と長谷川氏

ミスが許されない作業を自動化

――特に要望の多い機能は何ですか?

椙浦 正拡氏(以下椙浦): Twitterのダイレクトメッセージで、「当選通知の一括送信をしたい」というお客様は多いです。もちろん、「ATELU」には搭載しています。手動となると、送ること自体も大変ですが、送ったことのチェックも大変ですし、誤送信にもつながりやすく神経を使います。キャンペーン事務局としては、できれば自動化したいと思う作業の1つだと思います。

――この機能がないと、エクセルで別途手動管理するしかないんでしょうか。

長谷川: そうですね。我々もTwitterキャンペーンの事務局を請け負うことがあるのですが、「ATELU」を開発する前はそうでした。2名体制で、Wチェックはもちろん、エスカレーションフローも必ず設計していました。

――ツールを使った場合、どれくらい楽になるものなんですか? たとえば、時間的には。

椙浦: 時間だと……、8割以上削減できるはずです。リツイートのピックアップは、Twitterの一般検索ではできないんです。手動だと、負担が大きく本当につらいと思います。

長谷川: 応募者の把握と当選者への連絡は、圧倒的に工数がかかる作業なので、その2つの自動化は必携だと思っています。たとえば、「キャンペーン主催企業のTwitterアカウントをフォローしたうえで、特定のキーワードをつぶやいて応募」というキャンペーンの場合、応募者の把握に関しては、「ATELU」を使うと、条件を指定するだけでそれに合致したユーザーが一覧で表示されます。手動で確認するとなると、まずキーワード検索で探し、出てきたツイートをひとつひとつ目視でチェックしてピックアップし、エクセルなどのシートにまとめていきます。当選通知に関しても、「ATELU」を使えば一括で配信できますが、手動なら1件1件送らざるを得ない。

――圧縮できる手間は、8割どころじゃないですね。

椙浦: そう思います。あとは、抽選機能ですね。当選者が1000人だった場合、それを抽出する作業が大変ですので、自動化できるのは圧倒的に楽だと思います。

「ATELUを使えば、作業時間を8割以上削減できるはず」と椙浦氏

細かいユーザー除外設定

――いくつか気になる機能について伺いたいのですが、「個別抽選」「ランダム抽選」というのは、何が違うのですか?

椙浦: 個別抽選は、応募条件を満たしたユーザー一覧の中から目視で選択して手動で当選させる機能です。ランダム抽選は、設定した当選数分だけ、自動で抽出する機能です。自動で抽出後に、手動で選択し直すこともできます

――ツールを使っていたとしても、情実当選させることも可能なんでしょうか?

長谷川: 物理的には可能です。ただ、応募規約に「抽選のうえ…」とある場合は、抽選でやるのが正当です。「審査のうえ…」とあると、こちらのルールでやりますよと謳っているので、たとえばフォロワーの数なり、企業や商品に対する熱心度であったり、主催者側の判断で選ぶ、ということはあるかもしれません。

――機能の中に「キャンペーンの開始日以降に開設したアカウントを除外できる」というものがあって、ちょっとおもしろいなと思ったんですが。

椙浦: 先ほど弊社でもTwitterキャンペーン事務局を請け負うことがあるとお話ししましたが、「ATELU」の開発には弊社スタッフの意見や要望、経験がフィードバックされていて、この機能はその1つです。Twitter懸賞専用にアカウントを作られる方はそれなりに多くて、それ自体を否定するつもりはないのですが、ただ、キャンペーンを主催する側の目的を考えると、フォロワーがいないアカウントに対してインセンティブを与えるというのはどうだろうか、と。それでは、ブランディングの向上に繋がらないですし。

――では、フォロワー数で切ったりもできる?

椙浦: ツールの検索機能としてあります。どう使うかは主催者側のご判断次第です。逆に、いっさいフィルターをかけずに抽選することも、もちろんできます。

商品認知とフォロワー数UPが目的

――「ATELU」が対象としている企業は、どれくらいの頻度で懸賞をやっているようなイメージなんでしょうか。

長谷川: 月1回、クオーターに1回といった頻度で、定期的に行われているお客様ならば、便利に感じていただけるかなと思います。

――Twitterで懸賞を行う効果って、認知効果とフォロワー数を増やす、その2つがメインの目的と考えていいんでしょうか。

長谷川: そうですね、商品の認知とフォロワー獲得、これに尽きると思います。ですので、どれくらいにリーチしたのかを知るためにも、フォロワーを足し合わせた数を「推定リーチ数」として、ツール上で見られるようにしています。

――改めて、「ATELU」が他社と比べて大きく違う点、セールスポイントはどこになりますか。

椙浦: 先ほども少し言いましたが、実際にTwitterキャンペーンを運用しているスタッフからヒアリングしながら作ったところでしょうか。「キャンペーン開始後に開設したアカウントは除外」といった細かい機能は、実際に運用した人ならではの視点だと思います。そういう細かい点をしっかり吸い上げて作ったので、非常に痒い所に手が届くツールになっていると思います。あとは、弊社のツール開発全般に言えることですが、操作性や、インターフェースのわかりやすさにはかなり気を配って作りました。

長谷川: Twitterキャンペーンをやるうえで絶対に出てくるであろうボトルネックを洗い出したうえで作っていますので、事務局対応に必要なことは、ほぼ全部できるはずです。Twitterに特化したことで、開発スピードもコストも抑えることができたため、価格的にも手が届きやすいものになっていると思います。

――最後にひとこと。

長谷川: Twitterキャンペーンをやられている企業様でしたら、ぜひ、一度お試しください。便利さがわかるはずです。

椙浦: 今後もお客様や社内のスタッフからいろいろな要望を吸い上げて、さらにいいツールにしていきたいと思っています。

――ありがとうございました。

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