ネット担当者フォーラム
アフィリエイトの効果が出ていないEC事業者のためのアフィリエイト再入門講座

良いアフィリエイターと良い関係を作るコツ

アフィリエイターとの関係性の構築(連載第30回)

この記事は、姉妹サイトネットショップ担当者フォーラムで公開された記事をWeb担当者Forumに転載したものです。

これまでこの連載でアフィリエイター向けキャンペーンや、ニュースメールによる情報提供、リアルイベントなどについてご紹介してきました。さまざまな企画や施策を行うのは、「アフィリエイターに成果を上げてもらうため」。その基盤となるのが個々のアフィリエイターとの良好な関係です。どんなアフィリエイターと、どう関係性を構築していけば良いのでしょうか?

「良い」アフィリエイターとは?

アフィリエイトサイトの中には、大手法人のポイントバックサイトのように多くの会員を抱えていて、集客に貢献してくれるサイトもありますが、大多数のサイトは個人が運営しています。

個人のアフィリエイトサイトは、1つひとつは多くのPVを集めているわけではなく、レポートで見るとクリック数、インプレッション数ともに、大手の法人サイトに比べると見劣りすることが多いです。

ですが、注目してもらいたいのは成約数です。送客された見込み客が実際に商品を購入したりメールマガジンに登録したりといった、「見込み客が自分たちのユーザーになったかどうか」に注目すると評価が変わります。

例えば、ポイントバックサイトに広告を出すと数多くの集客が見込めます。ただし、そこで集客できるユーザーは自社の商品やサービスに対して積極的に興味を持っているわけではなく、「クリックをすればポイントがもらえるから」といった理由の人がほとんどです。何人かは顧客になってくれる可能性もありますが、集客後の施策が必要になります。

クリック数やアクセス数は多くなくても、濃いファンを抱えているサイトや、細かな専門性に特化したアフィリエイトサイトからは、質の高い見込み客の送客がある場合があります

一概にPV数やクリック数が多ければ優秀なアフィリエイターとは言えません。「成果獲得件数」という視点を持つことで、自社にとっての「良いアフィリエイター」がわかるのです。

濃いファンを抱えているサイトや、細かな専門性に特化したサイトは、質の高い見込み客を送客してくれる場合がある。

アフィリエイターとの接し方は接客と同じ

アフィリエイターとの接し方は、対面販売での接客と同じと考えるとわかりやすいかもしれません。

大手法人のポイントバックサイトとは、ベースとなる報酬での交渉など、「ビジネスとして取引をする」「交渉はASPに任せる」といったビジネスライクな付き合い方も可能ですが、個人で活動している大多数のアフィリエイターは「商品が好き」「もともと商品を使っている」「広告主の担当者に好感を持っている」といった、趣味趣向や情の部分で動いています

もちろん、個人アフィリエイターの中にも仕事としてアフィリエイト活動をされている方もいますが、多くのアフィリエイターは、来店する見込み客に近い感覚で広告主の商品を選別しています。ですので、より「人」対「人」の関係を意識した交流をしていく必要があるのです。

掲載したい広告を選択するのはアフィリエイターで、広告主は選ばれる立場です。過剰な掲載依頼や「活動してもらって当たり前」といった態度は禁物です。

定期的なニュースメールでは、商品やサービスの良さや売り方を伝えるだけではなく、窓口となる担当者の人柄を出すことをおすすめしています。

広告主の人柄に惹かれるからメールを毎回読んでもらえる、キャンペーンなどの企画に参加してもらえる……といったことが、アフィリエイトでは多々あるのです。

もちろん、個人アフィリエイターの中にも「より成果の上がりやすい商品を選択する」「活動に見合う成果報酬を得られるかどうかで選別する」といった、法人媒体と近い視点で活動している人もいます。

より稼ぎたいと希望するアフィリエイターに対しては、情報提供にプラスして、同業他社に見劣りしない成果報酬を設定したり、個別に報酬アップキャンペーンを提案したりといった、活動に見合う成果報酬を用意する必要があります。

アフィリエイターと接する心構えは接客と同じ

「あなたのサイトを見ています」と伝える

個人アフィリエイターの多くは、仕事や家事の合間にWebサイトやブログを更新しています。商品を選択し、記事の構成を考え、必要があれば商品写真を撮影し、紹介記事を仕上げて公開……という、広告主側の更新作業と同様のことを日々行っているのです。

筆者が出会ったアフィリエイターは、皆一様に自分のサイトを愛し、誇りを持って運営しています。彼らから見れば、自分のサイトは愛すべき作品であり、我が子のように丁寧に育てているのです。

広告主の立場だと、「今月の売上は○円」「クリック数は○件」というように、管理画面のレポートで見える数字だけを判断基準にしてしまいがちですが、アフィリエイトサイトをひとつずつ見ていくと、丁寧に紹介してくれていたり、今までにない視点があったり、何より愛を持って商品を紹介してくれていることが多々あります

その時感じた感想を、そのままアフィリエイターに伝えてみてはいかがでしょうか? 例えば、

あなたのブログを拝見しました。今までにない視点でご紹介をいただき、ありがとうございます。私自身もとても参考になりました。またぜひご紹介をよろしくお願いします!

と。アフィリエイターの中には、広告主と意思疎通がとれないまま活動している人も多く、一方的な提携解除や報酬ダウンなどを体験し、広告主に対して不信感を持っていることも少なくありません。

一般的なASPでは、アフィリエイターが広告主に問い合わせる窓口がなく、アフィリエイターから広告主に連絡をとりたいと思っても、ASPが間に入って広告主からは返信をもらえない場合もあります(これは、アフィリエイターが個人で活動していることを広告主が意識していなかったり、アフィリエイターから問い合わせが入るものだと知らずに、安易にASPに対応を任せていたりすることが原因かもしれません)。

そんな中、「あなたの活動をちゃんと見ていますよ」と連絡があれば、アフィリエイターから好感度は高まり、より積極的に紹介しようという気持ちも生まれるでしょう。

アフィリエイターに「あなたの活動をちゃんと見ていますよ」と伝えよう

まずは上位20サイトをじっくり見てみよう

もちろんリソースには限りがあるので、そんな工数は掛けていられない……という場合もあるでしょう。実際、同一のニュースメールよる情報提供と一律の報酬で対応し、基本的には個々のアフィリエイターとのやり取りを発生させずにASPに依頼をする……といった運用をされている広告主も多くいます。

ですが、できることならまずはアフィリエイター別レポートの上位20サイトまでを実際に見てみて、どのように紹介されているのか確認する習慣を付けてほしいのです。

中には「この紹介の仕方はちょっと……」といったサイトを発見することもあるかもしれませんが、次第に自社を積極的に紹介してくれるアフィリエイターが見えてきます

せっかくアフィリエイト広告を運用しているのですから、「人」対「人」の交流を大切に、接客と同様にアフィリエイターとの関係性を築いていってほしいと思います。

オリジナル記事はこちら:良いアフィリエイターと良い関係を作るコツ(2017/04/12)

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