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日本と海外でこんなに違うの?Foxsyの中の人に海外bot事情を聞いてみた

国内でチャットボットの事例やユーザーはまだ少ないですよね。ということで「Foxsy」のJin Tanakaさんに日本と海外のbot市場の違いについて聞きました。

おはようございます、河村です。

チャットボットが注目され始めてから時間も経ち、本格的に導入・検討し始めた企業も増えてきたのではないでしょうか。

ただ、国内でチャットボットと聞くとまだまだ事例やユーザーも少なく、日本に比べて海外ではどうなの? 今後のチャットボットの動向は? など気になることはまだまだ盛りだくさん。

てことで今回は、海外でチャットボットによるマッチングサービスを展開しているFoxsyを提供するXpresso inc.のFounder & CEO Jin Tanakaさんに日本と海外のbot市場の違いについてドカンと話を聞いてきました。

やっぱり海外と日本では現状が全然違うようです。この波は日本にもくるのか?

Foxsyってどんなサービス?

まずJinさんのインタビューの前に、JinさんがCEOを務めるXpressoのFoxsyというサービスについて簡単にご紹介します。

Foxsyはチャットボットを通して、新しい友達を紹介してくれるマッチングサービス。

Facebookメッセンジャーで利用可能ですが、最近ではViberでもサービス展開していて、さまざまなチャットプラットフォームに対応しています。

マッチングサービスというと、アプリをインストールというのが普通ですが、Foxsyはチャットボットですべて完結

さらにそのままマッチング相手とチャットまでできちゃうんです。

見たほうがわかりやすいのでFoxsyの公式動画をぜひご覧ください。

このサービスは海外でリリースされており、相当なユーザー数を抱え込んでいるそう。

この流行り具合も海外ならではなのかもしれません。それでは、早速インタビュースタートです。Jinさん、お願いします。

多様なプラットフォームでチャットボットエコシステムを活発化

―単刀直入にお聞きしますが、日本に比べ海外でチャットボットはどれほどの盛り上がりを見せているのでしょうか?

―Jin
海外でチャットボットはすごく盛り上がっていますね。

日本に比べて競争も激しく、チャットボットのエコシステムが非常に活発というのも影響しているかと思います。

チャットボットは日本でも注目されていますが、海外と比べるとその熱量はまだまだ……という感じなんでしょうか。たしかに競争が激しいとは言えないかもしれません。

下記は、海外のチャットボット周りの動向を示した図です。

上の一覧をみると、いかに海外のチャットボットエコシステムが活発かがよくわかりますよね。

日本と海外でそういった違いがある要因って何があるんでしょうか。

―Jin
要因としてはいくつか挙げられると思います。

まずHipChatMicrosoft team、Slackなど多くのサービスが積極的にプラットフォームを開発者に提供していることがあげられます。

さらに、Slack自体ファンドも行っていて、投資を元に自分たちのエコシステムを形成するプレイヤーを支援していることも要因の1つではないでしょうか。


▲Slackが出資している主な企業 (引用元: https://slack.com/developers/fund)

Slackユーザーが日本よりも多い海外でSlackファンドが自ら支援してるとなると、活発になるのも納得。

一方で意外かもしれませんが、日本のSlackユーザー数はなんと世界第3位なんだそう。

そう考えると今後国内で競争が激しくなる、という可能性も十分あるわけで、動くなら今のうちというのは間違いなさそうです。

―Jin
海外ではSlackに限らずFacebook、KikTelegramなど実に多くのチャットプラットフォームがあり、ユーザーもそれぞれ分かれています。

そういったこともエコシステムに良い刺激を与えているかと考えています。

確かに、日本で一般に使われているチャットツールはLINEがほとんどで、プラットフォームの数や規模が、エコシステム形成に影響しているのは日本と海外を比べて見えてくる違いの一つ。

ただ最近では日本人もFBメッセンジャーを使い始めたり、楽天がViberを買収したりなんてニュースもあったので、日本でもチャットプラットフォームが多様化し、ユーザーが分かれていくこともあるかもしれません。

海外における多様なチャットボットサービスの展開

―日本ではまだまだbotをマーケティングや業務改善に活用した事例が少ない印象なのですが、海外ではどのようなチャットボット事例がありますか?

―Jin
日々の業務改善という意味だと、Slack上でのサービスが多いですね。

例えば、Stats Bot、Growth Bot、Donutなどが多く利用されているかと思います。

また日本と同じく、Bots系の開発系サービスとカスタマーサポートの自動化に関しては多くの企業が参入しているので、競争が激しいです。

  • Stats Bot:Googleアナリティクスなど様々なサービスと連携し、Slack上でデータ確認・分析可能
  • Growth Bot:Botがマーケティングシステムやデータベースに接続することで、自分のシステムとのチャットが可能
  • Donut:Donutはチームメンバーをペアでマッチングし、昼食を推奨するなどメンバーの関係構築を支援

やはりカスタマーサポートの自動化はアツい分野なんですね。

一方で一般の人が生活の中で使うようなチャットボットは海外ではあったりするんでしょうか? 日本ではほとんどそういったレベルのものはない印象です。

―Jin
そういったチャットボット関しては海外でもこれからといった印象を持っています。

主な理由として、Facebook自体がBot Storeを開設していないので、一般の人が多くのサービスに触れる機会がないというのがありますね。

やはり海外でも一般ユーザー向けのチャットボットはまだこれからなんですね。ただ海外で面白い事例がでたら、一気に日本にもその流れがやってくる……なんてこともおおいにあり得るわけで、目が離せない部分があります。

―Jin
そうですね、一般的に流行ってるかといわれると難しいですが、そういったサービスもKikやTelegramのプラットフォームを中心にでてきているのは事実です。

実際、Swellyというサービスは300万人ユーザーを超えたと言われていますし。


Swelly:チャットボットを通して、二択の質問にユーザー同士で答えることで意思決定を助けてくれるサービス

日頃から最新の技術やサービスに触れていないユーザーにもチャットボットが使われているのは、日本ではあまり聞かないおもしろい事例ですね。

今後Swellyのようなサービスが多くでて、ユーザーがチャットボットに慣れていくことで徐々にチャットボットが当たり前になっていくのか、今後のチャットボットの動向が気になることろ。

そのあたり、どうなんでしょうか。

―Jin
チャットボットは今後、一般のユーザーにも日常的に利用されていくと考えています。

具体的には、アプリからチャットボットやメッセンジャーアプリへとプラットフォームが遷移していくのではないかと。

より多くのユーザーに使われることで、チャットボットを支える機械学習や言語解析技術の進歩も期待でき、さらなるUIの改善、機能向上など、Foxsyとしても今後に大きな可能性を感じています。

今後チャットボットは「日常」にますます浸透する

今回のインタビューで感じたのは、一般ユーザー向けチャットボットはまだまだこれからとはいえ、国内外で徐々に浸透しているのは事実で、あとは時間の問題だということですね。

実際、ヤマト運輸がLINEで荷物のお問い合わせができるチャットボットを公開したり、横浜市とNTTドコモがゴミ分別をチャットボットで案内する実証実験をしたりと、日常でチャットボットが使われ始めています。

>> 自治体にもチャットbot FAQの波!横浜市がNTTドコモのRepl-AIを使った実証実験をスタート

海外だけでなく、国内でもチャットボットの流れがさらに加速することに期待したいです!

今回はチャットボットの今と今後をグローバルな視点から再確認できたインタビューになりました。

Jinさん、お忙しいなか本当にありがとうございました。

河村 健司 by 河村 健司
ライター兼エンジニア。海外でのフロントエンドエンジニア経験を経て、ビットエーへ。主にチャットbot関連の情報を追いつつ、自分で試しつつ、なんなら自分でも組んじゃう。なんてことをやったりする。

「BITA デジマラボ」掲載のオリジナル版はこちら日本と海外でこんなに違うの?Foxsyの中の人に海外bot事情を聞いてみた

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