コンバージョン率が安定せず、なんとなく落ちてきています。理由はわかりますか?
当クリニックの代表。
イケメンの研修医。
優しい天然ボケの研修医。
ここ「アクセス解析5分クリニック」には、Webサイトについてさまざまな悩みを抱えた患者が、毎日のようにやってくる。研修医の来栖と綾瀬はデコボココンビだが、院長の丸山先生がとにかく名医。たった5分ですべての悩みを解決する!というのだ……。(登場人物紹介を詳しく見る)
今回のお悩み
コンバージョン率が安定せず、なんとなく落ちてきています。理由はわかりますか?
今週は著者のGoogleアナリティクスセミナー(12月6日に神戸で開催)のお知らせが記事の最後にあります。
思い込みではない?
私のお客さんのサイトなんだけど、最近なんとなく、コンバージョン率が落ちてきているの。
それはヤバイね。原因はわかっているの?
それが、サイトをちょこちょこ変えているからなのか、要因がいまいち掴めなくて……。
それなら、その変更した個所を中心に、サイトの詳細を細かく見ていこうよ!
ちょっと待った! いきなり詳細を見ると逆にわからなくなるよ。
え、なんでですか?
「なんとなく落ちている」という表現は、少し曖昧だね。そういう場合、別に問題がないこともあるし、ひょっとしたら思い込みかもしれない。
そんなときにいきなり詳細データから見ると、たいてい勘違いしちゃうもんだよ。
まずは全体像の把握から
そういうわけで、「なんとなく落ちているなー」と感じるなら、サイトの長期的なトレンドをつかんで、まずは全体像を掴んだほうがいいだろう。
“長期的なトレンド”ってなんですか?
「長い目で見て本当に落ちているのか?という流れを数値で確認する」ことだ。
やり方は簡単で、「落ちてきたと感じた月から今まで」と、「その前」とをなるべく長い期間で比較する。期間比較では、曜日に影響を受けないように、曜日を揃えるのがコツだね。
長い期間にしてしまうと、季節変動などの影響も入ってしまうのではないですか?
鋭いね。あきらかに季節変動とわかっている場合、その季節は外したほうがいいし、たとえばYahoo!に掲載されたなどがある場合は、そのデータもアドバンスセグメントを使って除いたほうがいい。
つまり、イレギュラーなデータは除いて比較するわけですね。
ただ、どこまでイレギュラーと捉えるかは、そこまで神経質にならなくてもいいよ。まずは季節変動や多大なトラフィクなど、いくつかの大きなイレギュラーケースを外せればOKとする。
細かいデータは、省かなくてもいいのですか? たとえば、「最近Facebookを始めた」などというのもも変動要因ではないでしょうか?
影響範囲の小さいものであれば、長期比較にすれば誤差の範囲に含まれることも多いし、仮に影響があっても、この後のレポートを見て気付けるから大丈夫。今は詳細を把握するのではなく、あくまで長期のトレンド、つまり流れを把握することが目的だから、細かいことにはこだわらない。
では、なるべく期間を長くとって、データ量を大きくして比較してみます。
事実を把握する
さて、本当にコンバージョン率は落ちていたかな?
これだけ長い期間でデータ量を増やしてみても落ちているならば、本当に落ちたのだろうね。では、なぜコンバージョン率が落ちているのだろうか?
それがわからないから聞いたのですよ!
待って! どうも訪問数と成約数は伸びているけど、コンバージョン率だけ落ちているみたいだ。ということは、「訪問数ほど成約数が伸びなかった」ということじゃないかな?
??? なんか、難しいわね。
来栖君、いい所に気付いたね。今回のように問題が曖昧な場合、事実をしっかり把握していくことが大切なんだ。
現時点でわかったのは、「訪問数は伸びて、成約数も伸びている」という事実だ。いいことだよね。
ということは「なぜコンバージョン率が落ちたのか」だけが問題なんでしょうか?
以前も言ったけど、アクセス解析を行うときは、「なぜ?」ではなく「何が?」という表現を使ったほうがいいよ。
ということは、「何のコンバージョン率が落ちたのか」を把握するわけですね。
どうやらYahoo!が大きく落ちているようです。しかし新しいGoogleアナリティクスのレポートは見やすいですね。アナリティクスの仕様が変化しすぎて心が折れていたのですが、良い仕様変更だったんですね!
フィルタをうまく使う
さて、Yahoo!が落ちてきたとわかったら、もう少しだ。先ほど「なぜ」ではなく、「何が」が大切だと言ったけど、もう少し輪郭をはっきりさせよう。
ということは、「Yahoo!の何が落ちたのか」を把握すればいいのですね。
こんな機能があったのですね。これは便利です。私の案件のレポートを確認すると、ビッグキーワード関連のアクセスと、コンバージョン数が減っているみたいです。
小さな流れに敏感になる
これでまとまったね。全体的に見れば、訪問数も成約数も増えたのでOKなのだけど、Yahoo!に関しては、コンバージョン率が下がってしまった。それに、ビッグキーワード関係の訪問数も減っている。
なぜ、Yahoo!だけ減ったのでしょうか?
あ、「なぜ?」はダメなんじゃなかったっけ?
いや、ここまで正確に事実を把握できれば、もう「なぜ?」で大丈夫だ。あとはこの事実から原因を推測するしかないからね。
私は、たまたまだと思います。GoogleとYahoo!がこんなに違うとは考えられません。
いや、GoogleとYahoo!のユーザー層は少し違うと言われている。もう少しデバイスごとの変化を細かくみたり、Yahoo!ユーザーに対してよくないページになっていないか、広告で競合サイトが出ていないかなどを確認したほうがいいかも。
いいね! 今回は、長期的な全体の流れを確認している。
この流れというのは恐ろしくて、誤差だ誤差だと思っていても、それがトレンドならば一気に悪い流れが加速してしまうことがある。
自分のなかで安心できるまで、いろいろ早めに確認していったほうがいいよ。
まとめ
なんとなく数値が悪くなっている気がするということはよくある。そういう場合は、細かくデータを見ていくよりも先に、なるべく長期期間でデータを比較していこう。
そして、もし本当に数値が悪くなってきているならば、何が下がったのかを正しく細かく把握していこう。その後、それはなぜかを考えよう。
特に長期トレンドで下がっている場合は、悪い問題が発生しているかもしれないので、安心できるまで、競合サイトなども含めて、詳しく確認していこう。
12月6日に、関西で著者のGoogleアナリティクスのセミナーを行います。
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- 日時: 2013年12月6日(金)18:30~20:30
- 会場: デザインクリエイティブセンター神戸(KIITO)301
- 定員: 20名
- 参加費: 一般3000円(※ウェブ担当者通信メンバー0円)
内容としては、東京開催で満足度4.66(5点満点)と好評だった内容に、当日の参加者の方からいただいたアンケート内容を反映した、神戸限定のパワーアップバージョンで行います。
「顧客志向」での分析をさらに発展させ、以下3点に絞ってお話しする予定です。
- Ri-Turban'sモデルで、顧客志向で分析する力を身につける方法
- 豊富な経験がなくても、成約率アップにつなげる顧客心理・分析力を鍛える方法
- 初心者に足りない勘と経験を補うGA画面の操作方法
※キャラクターイラスト(来栖、綾瀬):「コミPo!」にて制作
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