「4. 使用者の名義で公表する著作物であること」とは?
「4. 使用者の名義で公表する著作物であること」とは?
公表する際に、使用者の名義で公表する著作物であることが必要よ(ただし、プログラムの著作物は除く)。ちなみに、未公表の著作物でも、使用者の名義で公表することが予定されているものも含むと考えられているわ。
この要件の解釈も諸説あるんだけど、特に、使用者の名称と従業者の名称が両方書いてある場合は、問題になるわね。
なんと! 今回のブログは、まさにそのパターンです! つまり、ブログのタイトルは「ランディングカンパニ―Web制作ブログ」ですし、ブログの全ペ―ジに、発行元・文責:ランディングカンパニ―(株)と表示されてます。だけど、個々のブログには実際に執筆した人の名前も書いてあるんですよ。どう考えたらいいでしょう?
著作物の内容に最終的に責任を負う者として表示されているのは誰か、という判断基準で考えるべきね。裁判例には、判断するにあたり、体裁、つまり「名称の表示のしかた」を重視したものがあるわ。
じゃあ今回も「文責:ランディングカンパニ―(株)」って記載してあるから大丈夫ですよね?
う~ん、…これは弁護士としての直感だけど、「体裁」だけで判断するのは危うい気がするわね。特に今回は、執筆者と使用者との間の問題だから、対外的な表示の持つ意味合いだけで決めていいかどうか不安だわ…。どのような経緯で創作されたものか等の事情も踏まえて検討した方がよさそう。
なるほど! …そういえば今回のブログを始める前、「あくまで執筆担当者個人の見解であり、当社見解とは関係ありません」って表示しようかという意見もあったんです。でも、せっかくだから、会社の看板にしよう!ってことで、あえて「文責:ランディングカンパニ―(株)」にしよう、ってことで意見が一致したんですよ。社内チャットのログも残ってますよ!
わかったわ。そういうことなら、この要件については問題なさそうね。
良かった!
「5. 契約、勤務規則その他に別段の定めがないこと」とは?
これは、就業規則や契約において、職務上制作した著作物についても従業員を著作者とすると定めている場合は、1~4の要件を満たしていても、職務著作は適用されないわ。我が社の就業規則とかにはそのような定めはないし、今回はあまり関係ないかしらね。
わかりました!
まとめ
まとめると、今回の場合で問題になりそうなのは「業務に従事する者」の要件で、派遣やインタ―ンの人たちが書いたブログは、満たすかもしれないけど確実じゃない、ってとこですね。
そんなもんね。私の方でも、今回のブログを執筆した派遣の人やインタ―ンの人との間で、著作物の帰属について、ル―ルが取り決められていたか、確認しておくわ。もしル―ルがなければ今後きちんと整備していかなきゃならないしね。
さすが有栖川さん! 法務について(だけ)は抜かりないですね!
気のせいかしら…今、そこはかとなく、屈辱を感じたわ…。
要件を満たすかどうか詳しく検討してもらわないといけませんし、今度から有栖川さんも出版プロジェクトチ―ムに加わってくださいね!
ちょっと、勝手に決めないでよね! …ま、まあ別に、どうしてもっていうなら入ってあげなくもないけどっ!?
ソーシャルもやってます!